堀場製作所 【東証プライム:6856】「電気機器」 へ投稿
企業概要
以下の文中における将来に関する事項については、有価証券報告書提出日(2024年3月25日)現在、入手しうる情報に基づいて判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、社是「おもしろおかしく」のもと世界で事業展開する分析・計測機器メーカーとして「真のグローバルカンパニー」をめざし、様々な産業分野のグローバルな市場に対して、分析技術を中心とした事業活動を通じて、「地球環境の保全」「ヒトの健康」「社会の安全・利便性向上」「科学技術の発展」等をもたらすことにより社会貢献することを基本理念としています。
また、連結経営を重視し、世界49社にのぼる当社グループの「人財(※1)」「技術」リソースを活かした連携強化及び融合を積極的に推進しています。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2028年を目標年度とする中長期経営計画「MLMAP2028(Mid-Long Term Management Plan 2028)(※2)」を2024年2月に策定し、「MAXIMIZE VALUE(※3)」のスローガンのもと、連結売上高4,500億円、営業利益800億円、ROE(自己資本当期純利益率)12%以上をめざしています。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社グループは、社是「おもしろおかしく」のもと、5つのセグメント(自動車、環境・プロセス、医用、半導体、科学)と、4つの地域(日本、アジア、欧州、米州)によるマトリックス組織を通じてグループ一体となった経営を行い、事業成長を実現してきました。
昨今、持続可能な社会実現の機運が高まり、AI・IoTをはじめとした技術革新がますます進んでいます。一方で、パンデミックの発生や政情不安等、予測困難な事象も発生しています。そのような中、当社グループの使命は、外部環境の変化に柔軟に対応していくとともに、ビジョン「Joy and Fun for All おもしろおかしくをあらゆる生命へ」のもと、「ほんまもん(※4)」と多様性を礎にソリューションで社会課題の解決を実現することです。
ビジョン「Joy and Fun for All おもしろおかしくをあらゆる生命へ」の実現に向けた第一歩として、また、さらなる事業成長と企業価値向上を実現するため、当社グループは「MAXIMIZE VALUE」をスローガンに据えた中長期経営計画「MLMAP2028」を策定しスタートしました。後述する3つの戦略の実現を通じて、2028年に売上高4,500億円、営業利益800億円、ROE12%以上の達成をめざします。
また、「MLMAP2028」実行による事業成長に加え、創出した資金を将来の成長分野に積極的に再投資していくことにより、企業価値を長期的かつ継続的に向上させます。そのための施策として、2017年より導入しているHORIBA Premium Value(※5)を活用することにより、資本コストを意識した経営を引き続き推進します。
① 3つの注力分野(エネルギー・環境、バイオ・ヘルスケア、先端材料・半導体)における社会課題解決をめざす事業戦略
新しい社会に欠かせない次の3つの注力分野において、当社グループがグローバルに培ってきたコア技術、生産能力、顧客ネットワーク、サービス能力を有機的に組み合わせ、独自のソリューションを創出し、社会課題の解決に貢献します。
<エネルギー・環境>
・ビジョン
「持続可能な地球環境を実現するために、お客様の課題を解決し、信頼される真のパートナーとなる」
・2028年財務目標
売上高 1,580億円 営業利益 158億円 営業利益率 10%
当分野で解決をめざす社会課題は、おもにエネルギー分野での取り組みが重要となっている「カーボンニュートラル」の実現です。当社グループは、研究開発・法規認証等の各プロセスに対して、当社グループが培ってきた技術と経験を統合し、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションを展開します。
<バイオ・ヘルスケア>
・ビジョン
「ユニークなソリューションで、あらゆる生命の「ヘルスケアジャーニー(※6)」を変革し、社会価値を創造する」
・2028年財務目標
売上高 570億円 営業利益 57億円 営業利益率 10%
当分野で解決をめざす社会課題は、あらゆる生命が健康でいるために、ウェルビーイングや予防を含めた「ヘルスケアジャーニー」の変革です。当社グループが持つ多様なコア技術とグローバルネットワークを活用し、ユニークなソリューションを提供。POCT(※7)を用いた臨床現場の課題解決やバイオ医薬品の開発・生産プロセスの最適化等に貢献します。
<先端材料・半導体>
・ビジョン
「持続可能な社会実現に向けて、先端材料・半導体分野への革新的なソリューションで市場を形成する」
・2028年財務目標
売上高 2,350億円 営業利益 585億円 営業利益率 25%
当分野で解決をめざす社会課題は、半導体製造プロセス、関連先端材料、そしてファシリティが互いに関係するバリューチェーンのマトリックス「ウーブンバリューチェーン(※8)」における技術革新です。当社グループは、先端材料分野等に最先端のソリューションを提供し、半導体分野において全方位でお客様のオペレーションをサポートします。
<グローバル経営基盤の強化(開発、サービス、生産、ディストリビューション)>
事業戦略を推進するにあたり、各ファンクションでのグローバル経営基盤の強化が不可欠です。それぞれ以下の施策を行い、グローバルレベルでの最適化を実現します。
開 発 技術と人財を有機的に結びつけ、ほんまもんの技術を磨く
サービス 高品質なサービスと分析ソリューションで独自のサービスモデルを確立する
生 産 持続可能なバリューチェーンにより安定的に高品質な製品を提供する
ディストリビューション 顧客価値に繋がるソリューションの拡充・流通チャネルの構築を実現する
② ホリバリアン(※9)の力を最大限引き出す人財戦略
・ビジョン
「ホリバリアン一人ひとりが『おもしろおかしく』の実践によりその力を発揮し、『ほんまもん』を追求する舞台をグループ全体で創りあげる」
・2028年非財務目標
「全ホリバリアンによるバリュー(※10)の実践」
「『ほんまもん』の価値の創出」
当社グループが社会価値を創出するためには、多様なホリバリアンがそれぞれの個性、強み、能力を発揮し、HORIBA(※11)のバリューを実践していくことが不可欠であると考えます。その実現に向け、人財が持つ力を最大限に発揮し、「ほんまもん」を追求する「舞台」をグローバルに創りあげます。
③ ソーシャル・インパクトを生み出すサステナビリティ戦略
・ビジョン
「HORIBA独自の手法で、持続可能な社会実現に貢献する」
・2028年非財務目標
「2050年カーボンニュートラル」
「2032年CO2排出量42%削減(Scope 1,2)」
当社グループの使命は、独自性の高い製品とソリューションの提供を通じ、持続可能な社会の実現に貢献することです。また、当社グループを含むサプライチェーン全体での対応強化と社会貢献活動の促進に、グローバルレベルで取り組みます。
(注)※1.人財:当社グループでは、従業員を大切な財産と考えて「人財」と表現しています。
※2.MLMAP(Mid-Long Term Management Plan):当社グループでは中長期経営計画を「MLMAP」として社内浸透させています。
※3.MAXIMIZE VALUE:「HORIBAグループのあらゆるVALUE(価値)を最大限に発揮する」ことを表現する「MLMAP2028」のスローガン。「VALUE(価値)」には「ホリバリアンの『価値』」、「社会『価値』」、「顧客提供『価値』」、「技術『価値』」の意味を込めています。
※4.ほんまもん:「ほんもの」から派生した、京都で使われている言葉。当社グループでは、「心をこめてより良いものを追い求めつづけた先に生まれる、唯一無二の価値」を表しています。「ほんまもん」を追い求めるひと、そのひとの行動や努力、その結果として生まれることやもののすべてが「ほんまもん」であり、それらは「ほんもの」を越えて人の心を揺さぶる存在になっていきます。
※5.HORIBA Premium Value:前回の中長期経営計画「MLMAP2023」で導入された、資本効率の最大化を実現するための当社グループ独自の経営指標です。
※6.ヘルスケアジャーニー:健康な生活にはじまり、予防、診断、治療、ホームケアに至るまで、ヘルスケアについて経験する各種イベントとプロセスを、一つの旅路として捉え、「ヘルスケアジャーニー」と表現しています。
※7.POCT(Point of Care Testing):診察室等「患者に近い場所」で行われる検査の総称。
※8.ウーブンバリューチェーン:当社グループでは、半導体製造プロセスを横糸、その工程ごとに存在する関連材料市場を縦糸とし、複合化したバリューチェーン全体を織物(ウーブン)に例えて「ウーブンバリューチェーン」と表現しています。
※9.ホリバリアン:当社グループで働くすべての人を同じファミリーであると考え、ホリバリアンと呼んでいます。
※10.バリュー:我々ホリバリアンを突き動かし、独自性あふれるソリューションを生み出しつづけるための道しるべとして、「チャレンジ精神」、「誠実と信頼」、「卓越の追求」をかかげています。
※11.HORIBA:当社並びに連結子会社及び持分法適用関連会社を指します。
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