地主 【東証プライム:3252】「不動産業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営理念および経営方針
当社は「JINUSHIビジネス(※)を通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。」を経営理念として掲げております。
土地のみに投資をし、建物を保有しないことから自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができるJINUSHIビジネスを基本戦略に事業を展開しており、地主リートの成長とともに日本の大地主を目指しております。
当社独自の不動産金融商品の開発・提供により、長期かつ安定的な運用を目指す機関投資家の皆さまのニーズに応えることで社会に貢献し、その結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努めてまいります。
(※)JINUSHIビジネスとは、土地のみに投資を行い、テナントと長期の定期借地契約を締結し、建物投資はテナントが行うため追加投資を必要としない、安定的な収益が長期にわたって見込めるビジネスモデルを指します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2022年2月に5年間(2022年12月期~2026年12月期)を計画期間とする中期経営計画(以下、「中計」という。)を発表しております。また、中計の達成ならびに持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上を目指して、ESG方針を策定しております。
中計の概要およびサステナビリティ/ESGの取組みについては、以下を参照ください。
(ご参考)
・中計の概要:https://www.jinushi-jp.com/ir/mid_term/main/0/link/pdfFile.pdf
・サステナビリティ/ESGの取組み:https://www.jinushi-jp.com/sustainability/
・決算説明資料:https://www.jinushi-jp.com/ir/library/other.html
(3) 目標とする経営指標
当社は中計において、2026年12月期の計画数値を目標として掲げており、高い資本効率・安定した財務基盤の下、更なる成長を目指しております。
(2026年12月期の計画数値)
売上高 | 1,000億円 |
当期純利益 | 70億円 |
地主リート資産規模 | 3,000億円程度 |
ROE | 13%程度 |
自己資本比率 | 30%以上 |
(4) 経営環境及び会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①経営環境
・底地市場について
当社は、2000年の創業来、国内における底地マーケットの創出・拡大に注力してまいりました。その結果、長期にわたり安定的に収益を得ることができる底地商品への投資家の理解が深まり、底地商品の流動性が大きく向上いたしました。現在では、新たな投資対象として「底地」というアセットタイプを確立しております。
なお、一般財団法人日本不動産研究所の調査によると、底地マーケットは、リーマンショック後の2009年の0.86兆円の規模から、2022年現在5.8兆円と13年で6.7倍まで拡大しております。中計の最終年度である2026年には、約10兆円への市場拡大が予測されているなど、今後も更なる成長が期待できるマーケットと認識しております。
・JINUSHIビジネスに対する投資家からの需要について
自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができる、当社の不動産金融商品は、引き続き投資家からの強い需要が継続しています。
不動産市場ならびに金融資本市場の変動等を注視する必要はありますが、インフレや金利上昇局面においても、JINUSHIビジネスの強みは一段と増し、他の不動産金融商品と比べた時に相対的な魅力が高まっていくものと考えております。
・資金調達環境について
当社グループのJINUSHIビジネスは、その安定したトラックレコードを背景に、多くの金融機関にご理解ならびに支持を頂いており、資金調達環境は引き続き良好に推移しております。
一方で、資源・エネルギー価格の高騰や世界的なインフレや、欧米各国の金融政策による急激な為替変動、国内においても日本銀行における金融政策の影響等により長期金利の緩やかな上昇がみられるなど、資金調達環境の先行きについては注視する必要があります。
②対処すべき課題
上記①経営環境を踏まえた上で、中計の達成およびESG方針に沿った事業推進にむけ、優先的に対処すべき課題および取り組み内容は以下のとおりであります。
・中計の達成に向けた取り組みおよび進捗状況
2022年2月に発表した中計は、JINUSHIビジネスの拡大と地主リートの成長を両輪とした成長戦略となります。JINUSHIビジネスの更なる拡大に向けた取り組み内容として「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」「土地のオフバランス提案」を積極的に推進しております。
また、地主リートにおいては、国内唯一の底地特化型私募リートという先行者利益を活用しながら、中計の資産規模3,000億円を通過点に、早期に5,000億円の達成を目指して取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における、経営指標の進捗状況は以下の通りです。
| 当期 (2023年12月期) | 前期 (2022年12月期) |
| 中計目標値 (2026年12月期) |
売上高 | 315億円 | 498億円 |
| 1,000億円 |
当期純利益 | 47億円 | 36億円 |
| 70億円 |
地主リート資産規模(※) | 2,216億円 | 1,800億円 |
| 3,000億円程度 |
ROE | 15.1% | 12.4% |
| 13%程度 |
自己資本比率 | 30.9% | 42.8% |
| 30%以上 |
(※)前期については第7次募集(2023年1月に実施)、当期については第8次募集(2024年1月に実施)において取得した物件を考慮した数値(取得時の鑑定評価額ベース)を記載しております。
・財務戦略について
当社は、中計の目標とする経営指標の一つとして「自己資本比率30%以上」を掲げており、金融危機等の有事に備えた財務基盤の構築ならびにリスク管理を徹底しながら、JINUSHIビジネスの成長に資する財務施策を実行しております。
借入金については、メガバンクを中心とした強固なバンクフォーメーションを構築しつつ、かつ、従前より借入期間の長期化や財務制限条項を撤廃するなど、金融市場の変動に備えた調達を実施しております。また、仕入への高い機動性を確保すべく、2023年12月末現在、金融機関4行とコミットメントライン契約12,000百万円および金融機関3行と借入枠設定契約39,000百万円をそれぞれ締結しております。
なお、不動産市況が悪化し、売却が難しくなる局面においても、当社は安定的かつ健全な財務基盤を構築しているため、自ら保有することで安定した賃貸収益を獲得しながら、市況の回復を待つ選択肢を取ることも可能です。
・ESGの取組みについて
当社は、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しております。また、ESGに配慮し、そのリスクと機会を考慮した取り組みを継続することは、中長期的な株主価値の向上に不可欠であると認識しております。
具体的な取り組み、対処すべき課題等については、後述する「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
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