古河電池 【東証プライム:6937】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社は、事業活動におけるCO2排出量の削減活動を進めておりますが、気候変動に関するリスク・機会が経営上の重要課題であることも認識し、TCFD提言に賛同しました。今後も蓄電池や電源製品の製造・販売、更にESS事業も新たな取組みとして加え、真に豊かで持続可能な社会の実現に向け、TCFDを活用した気候変動対策を通して地球環境の保護に努めると共に、ステークホルダーの皆様との信頼関係を強化して企業価値の向上につなげてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、気候変動に関する問題を重要課題の一つとして位置づけています。代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ及びマテリアリティに関する重要事項を審議しています。そして、審議した内容を取締役会に定期的に報告しています。
なお、サステナビリティ委員会のもとにはTCFDに関するワーキンググループを設置し、気候変動に関する取組みを管理・推進しています。
(2)戦略
当社は、気候変動に関するリスクと機会を「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分でシナリオ特定と評価を実施し、IPCC/RCP8.5(平均気温4℃以上上昇)とIPCC/SR1.5(平均気温上昇1.5℃以内)のシナリオとその他の社内外情報を基に事業影響や顕在可能性等を評価検討しました。
区分 | 分類 | 時期 | 事業への影響 | 対応 | 顕在可能性と 影響 |
移行 リスク | 規制 | 短期 | カーボンプライシングの導入・拡大による事業収益への影響 | ・太陽光発電設備を増設し使用電力の一部をグリーン電力(再生可能エネルギー)に変更することによる、CO2排出量の抑制 | 1.5℃シナリオ 顕在可能性:高 影響:大
4℃シナリオ 顕在可能性:低 影響:小 |
テクノ ロジー ・市場 | 中期 | サステナブル対応のための設備導入コストの増加による事業収益への影響 | ・中長期的に収益へと繋がる設備の導入、並びに工場の再構築 ・電池製品の長寿命化、並びにバイポーラ型蓄電池(ESS含む)の提供 | ||
物理 リスク | 慢性 | 長期 | 平均気温上昇に伴う職場環境悪化による、職場環境の維持のためのエネルギーコストの増加 | ・グリーン電力や低炭素設備を使用することによる、気温上昇に対応した職場環境への改善 | 1.5℃シナリオ 顕在可能性:中 影響:小
4℃シナリオ 顕在可能性:高 影響:大 |
急性 | 気候変動により異常気象が増加し、被害甚大化で調達先サプライチェーン寸断等に起因する生産停止による損失の拡大 | ・調達先サプライチェーン寸断対策のための調達先の複数化 ・海外拠点のサプライチェーンにおいては、国外からの調達先確保の検討 | |||
機会 | 製品と サービス | 中期 | 再生可能エネルギー普及拡大による、電力安定供給に貢献できる高効率な蓄電池や蓄電システムの需要増加 | ・蓄電システムの外注生産検討も含めた生産性の向上 ・バイポーラ型鉛蓄電池及び汎用性の高いESS製品の事業化 | 1.5℃シナリオ 顕在可能性:高 影響:大
4℃シナリオ 顕在可能性:低 影響:小 |
また、当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、人材は企業の持続的な発展や経営戦略の実現に欠かせない要素であると考え、社員一人ひとりの安全と心身の健康を守ることを最優先とし、さらに、個人が自身の能力を最適に発揮し、課題の解決にむけた挑戦意欲を高めることを目指しています。この前提のもと「人権の尊重」・「ダイバーシティの推進」・「人材育成の推進」を経営のマテリアリティ(重要課題)として掲げ、多様な人材がやりがいを持って活躍できる環境や制度の整備に注力しています。
(3)リスク管理
当社は、リスクを「当社グループの事業目的の達成に重要な影響を与え得る損失の危険を伴う不確定要素」と定義しています。気候変動に関する事業活動におけるリスクをTCFD推進ワーキンググループで検討し、サステナビリティ委員会での審議、取締役会での承認を経て、リスクマネジメント委員会と連携してリスクを管理しています。
(4)指標及び目標
当社は、気候変動に関する指標を温室効果ガス排出量(事業活動における温室効果ガス排出量(Scope1,2))と定め「2030年における国内事業場のGHG排出量の削減目標を2017年度比46%減」に目標設定しました。
脱炭素社会実現へ貢献するため、CO2削減の中期計画を策定し、グリーン電力導入や低炭素設備導入などの取組みを実施し、2030年度におけるGHG排出量削減目標の達成に向け、排出量削減を含む省エネ活動を推進してまいります。
また、当社は、上記(2)戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、2025年度までに「人権の尊重」では「国内グループ会社を含む人権デュー・デリジェンスの実施」、「ダイバーシティの推進」では「女性管理職比率5%以上」、「人材育成の推進」では「階層別研修の対象者の参加率100%」とする目標の達成に向けた活動を推進してまいります。
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