参天製薬 【東証プライム:4536】「医薬品」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、Santenグループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
Santenグループは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界中の患者さんや生活者、医療関係者の皆さまへの価値ある製品やサービスの提供を通じ、人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献することを目指しています。創業以来、「天機に参与する」という基本理念の下、130年以上にわたり人々の目の健康維持・増進を追求してきました。現在、眼科領域における医薬品の研究開発、製造、販売・マーケティング活動をグローバルに展開し、世界60以上の国・地域で約5,000万人の人々の目の健康をサポートしています。私たちのミッションは、眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、目の病気の予防や診断、治療において今まで提供されていない重要な価値を患者さんや社会に提供し続けることです。一人でも多くの患者さんが幸せで豊かな人生を過ごすことができる未来を創り出すため、世界中の人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現に向けて全力を尽くしてまいります。
(2)中期経営計画(2023~2025年度)及び目標とする経営指標
2023~2025年度中期経営計画においては、強みである医療用医薬品事業の最大化にあらためて注力しています。収益性の改善、医療用医薬品事業とそれに直結する取り組みにリソースを集約することで生活者・患者さんへの貢献価値の最大化、これらを支える組織の運用体制や仕組みの強化に取り組んでいます。収益性に関連するKPIについては後述のとおり2023年度に前倒しで実現しました。2026年度以降の大型パイプラインによる価値貢献の最大化につなげていきます。
なお、大型パイプラインの開発は順調に進んでいる一方、日本における長期収載品の選定療養の適用等の環境変化にも直面しています。これらの状況を踏まえ、新たな中期経営計画の策定を予定しています。
1.成長に向けた基本方針
2025年度までは地域事業の売上最大化と構造改革の推進の2軸で収益最大化を図っています。地域事業の売上最大化は明確な地域戦略に基づく売上拡大を図り、かつ、グローバルにコマーシャル・エクセレンスを強化しています。また、各地域事業の売上拡大に資する事業開発及び、医療用医薬品事業へのシナジーが得られる新規事業に取り組んでいます。2026年度以降は、強化した組織力を梃子に、近視や眼瞼下垂など大型のパイプライン製品による生活者・患者さんへの新しい価値貢献機会の創出を図り、さらなる成長局面へと発展させていきます。
構造改革については2023年度において次のように対処し、完了しました。
米州においては、医療用医薬品事業に係る製品の資産譲渡に伴う人員の最小化、及びオフィス等を含む拠点オペレーションの見直しによる合理化を実施するとともに、全社組織及び人員体制の再構築を行いました。グローバルでのコスト最適化の取り組みも実施し、継続しています。この結果、2025年度に想定していた150億円規模の収益改善を前倒しで実現しました。
また、戦略立案・実行を担うリーダーシップチームの強化に加え、オペレーションモデルとそれを支える経営管理・人材育成の仕組みを変革しています。
加えて、中長期成長を支えるパイプラインについても、2023年度においてはSTN1012700(近視)の日本での製造販売承認の申請や、STN1013800(眼瞼下垂)の日本での第Ⅲ相試験において主要評価項目を達成するなど、順調に進展しています。
2.2025年度 全社数値目標・KPI(重要業績評価指標)
海外一人当たり売上高の成長を含めて収益性の確実な改善と資本効率の向上を掲げており、2023年度において前倒しで指標を実現しました。
KPI(重要業績評価指標) | 2023年度実績 | 2025年度目標 |
売上高 | 3,020億円 | 2,800億円 |
コア営業利益額 | 628億円 | 560億円 |
コア営業利益率 | 21% | 20% |
海外一人当たり売上高成長率 | 33% (対前年度増減率) | 7%以上の成長 (2022年度~2025年度の年平均成長率) |
コアROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 16% | 13% |
コアEPS(1株当たり当期利益)の成長率 | 54% (対前年度増減率) | 10%以上 (2022年度~2025年度の年平均成長率) |
3.資本配分・株主還元
財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。
中期経営計画(2023~2025年度)においては収益性の拡大、効率性の追求、健全性の確保を柱にしROE(親会社所有者帰属持分利益率)の向上に取組んでまいります。その中でも資本コストに対する超過収益力を最大化することによりROE上昇を図ります。
特に、収益改善と同時にキャッシュの創出力を高め、その原資を将来の成長への投資として資本コストを上回るリターンが見込める設備、研究開発、事業開発に優先的に投下いたします。一方で、有望な投資機会が無ければ、株価の状況を鑑みながら自社株買いによる利益還元を実施します。
また、配当については累進配当に基づき現行水準(半期17円)を下限値として、中期的な利益成長に合わせて増配を検討してまいります。2023年度は33円/年(中間:16円、期末:17円)、2024年度は34円/年(中間:17円、期末:17円)の配当を予定しています。
4.ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組み
眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、事業を通じて、患者さんや社会への貢献を追求してまいります。
■13のマテリアリティ
(1)社会的意義のある製品・サービスの開発・安定的供給
①社会的意義のある製品の市場浸透
②サプライチェーンの評価・管理
③品質・安全性の確保と適切な供給体制の確立
④製品・サービスに関する適切な情報提供
(2)価値創造を促進する組織風土の醸成
⑤ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
⑥高付加価値で生産性の高い職場環境の構築
⑦人材の育成・登用
(3)ガバナンス強化・公正公平な社会実現への貢献
⑧コーポレート・ガバナンス
⑨コンプライアンス
⑩リスクマネジメント
⑪人権の尊重
(4)地球環境保全
⑫気候変動対策
⑬環境負荷低減
上記のマテリアリティのうち、特に本中期経営計画の実現とその先の持続的な成長につながっていく「①社会的意義のある製品の市場浸透」と、事業成長を支え牽引していくための「⑦人材の育成・登用」を最重要課題と定義し、取り組みを強化してまいります。
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