南都銀行 【東証プライム:8367】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものです。
(1)ガバナンス、リスク管理
当行グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、サステナビリティへの取組を経営戦略の根幹に組み込んでいます。すなわち、サステナビリティは特別な活動ではなく、事業活動そのものと考えており、事業遂行を通じてサステナビリティ課題に対応しています。
したがって、サステナビリティに関するガバナンス及びリスク管理については、取締役会を中心とした体制のもと、企業価値の最大化に向けて最善を追求することが重要だと考えており、その概要については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載していますが、具体的には、取締役会において定めるサステナビリティ基本方針と当行グループが優先的に取り組む重要課題に基づき、経営会議において具体的な取組みテーマを特定し、テーマに応じて関連部署が連携しながら具体的な施策を推進していく体制としています。また取締役会は、サステナビリティに関する課題への取組が経営戦略に照らして適切であるかを監督しています。
以下では、サステナビリティの中でも重要課題と認識している人的資本と気候変動問題に関する当行グループの取組を記載しています。
なお、人的資本及び気候変動問題に関するリスクの内容については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の「(7)その他のリスク ⑨ 職員の同質化による組織の硬直化」及び「(3)気候変動リスク」をご参照ください。
(2)人的資本に関する戦略、指標及び目標
① 人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当行グループにとって人的資本すなわち人材は、最も重要な経営資本のひとつであり、経営戦略の実現のためには高いスキルや資質を備えた人材の確保・育成が不可欠です。
当行グループでは、お客さまの目指す姿を実現できる人材、お客さまと一緒に意思決定ができる人材、すなわち「おもしろい人材」を目指す人材像と定め、地域・お客さまから「一緒に何か取り組みたい!」と思ってもらえる「おもしろい人材」の創出に向け、『成長機会の整備』や『人材の多様化』に取り組んでいます。
具体的には、銀行業務に加え銀行以外の経験も積んだ広い視野が必要であるとの考えのもと、『成長機会の整備』として、論理的思考力の強化に向けた各種研修や資格取得支援の強化、外部出向等の拡大等、『人材の多様化』に向け、キャリア採用拡大やダイバーシティ推進、副業制度導入等の諸施策を実施しています。
また、職員の健康が当行グループの発展や地域貢献に向けた活力の源であるとの考えにより、『健康経営』に取り組んでいます。
a. 成長機会の整備
お客さまと価値共創する関係を構築していくためには営業力や事務スキルの育成にとどまらず、経営リテラシーの向上や本業で身につけた課題解決力の更なるブラッシュアップが必要です。既存人材のポテンシャルを最大限に引き出すため、以下の取組を実施しています。
イ 論理的思考力強化に向けた取組
おもしろい人材の基礎となる論理的思考力強化への取組としては、2020年度に全従業員を対象にロジカルシンキング研修(e-ラーニング)を実施し、以降毎年4月の新入研修においてロジカルシンキングのプログラムを盛り込んでいます。
また、組織・チームの課題解決を実践する「論理的思考力強化研修」や、各参加者がディスカッション(経営課題等の考察)を行う「集合ディスカッション」を通じて、論理的思考力の習得と実践を図っています。「論理的思考力強化研修」と「集合ディスカッション」には、これまで151名が参加し、おもしろい人材の基礎を構築しています。
(各プログラムの概要)
| 研修形式 | 対象 | 内容・目的 |
基礎 | 新入職員研修 | 新入職員 | 論理的思考力の基礎習得 |
ロジカルシンキング研修 | 全職員 | 課題解決に向けた論理的思考力の基礎習得 | |
応用 | 論理的思考力強化研修 | 20歳代後半~ | 組織またはチームの課題解決の実践を通じた |
集合ディスカッション | ディスカッション(経営課題等の考察)を通じた |
ロ 地域やお客さまの課題解決に資する資格取得支援
お客さまのデジタル課題や、相続、資産運用などのニーズ変化を背景に、応用情報技術者、中小企業診断士、宅建、FP1級などの資格取得を推奨しています。2020年8月からは資格保有手当や奨励金を充実し、支援を強化しています。
(活力創造に関わる資格)
対象資格 | 資格保有手当支給月額 |
ファイナンシャル・プランニング技能検定1級、中小企業診断士、 証券アナリスト、社会保険労務士、情報処理安全確保支援士 | 10,000円 |
公認会計士、弁護士、不動産鑑定士、税理士 | 20,000円 |
ハ 外部出向拡大、トレーニー派遣、グループ会社間交流
おもしろい人材には、銀行業務に加え、銀行以外の経験も積んだ広い視野が必要であるとの考えのもと、外部出向の拡大やトレーニーの派遣、グループ会社間の交流などを通じて、若手世代から成長機会を整備しています。
(2023年3月末時点の派遣人数等)
・20~40歳代外部出向人材 | 2名(地域企業1名・自治体1名) |
・トレーニー派遣 | 8名(国内5名・海外3名) |
・グループ会社間交流 | 3名(出向常勤役員3名) |
b. 人材の多様化
時代や環境の変化に伴い銀行に求められる役割が変化するなか、当行グループが今後も地域やお客さまに貢献していくためには、過去の経験等に基づく判断だけではなく、従来の枠に捉われない柔軟な考え方を取り入れる必要があります。
そのため、様々な考えやスキルを持つ多様な人材が活躍できる銀行グループとなるべく、各種施策に取り組んでいます。
イ キャリア採用の拡大
これまでから、グループ内の業務経験では習得しにくいスキルや、高い資質を持つ人材の即戦力としての活躍を期待し、外部からの人材採用に取り組んできました。今後も、IT戦略や信託コンサルティング等、当行グループが強化していく専門分野に強い人材や、マネジメントや営業活動において即戦力として活躍が期待できる人材等、多様な人材を対象にキャリア採用の拡大を図り、管理職への登用者数も現状より増加させます。
(キャリア採用者数(2023年3月末実績))
・キャリア採用者数 | 145名(2023年3月末在籍者・連結子会社含む) |
うち管理職数 | 45名(課長級以上、役員含む) |
うち役員数 | 6名(執行役員含む) |
・キャリア採用者に占める管理職比率 | 31.0% |
ロ ジェンダー平等などのダイバーシティ推進
女性を含む多様な人材の活躍推進に向けて、意識改革に取り組んでいます。2021年度に、固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みの解消などを目的として、全職員に「アンコンシャス・バイアス研修」(階層別)を実施し、以後、階層別研修において同内容を継続実施しています。
また当行グループでは、マネジメントを担う女性を含む管理職の育成に力を入れている他、育児休職者の復職支援施策等を通じて、妊娠・出産後も女性が活躍しやすい環境の整備に取り組んでいます。
ハ 副業制度の導入
銀行業務だけでなく、業務外活動を通じて得られる多様な経験、高度な専門性やスキル、人脈、ネットワークが不可欠との考え方に基づき、2021年から副業を行える環境を整備しています。2023年3月末時点において、19名が副業制度を利用しています。
c. 健康経営
2018年度より、職員の健康が当行グループの発展や地域貢献に向けた活力の源であるとの考えのもと、心身の健康保持・増進に向けた取組を積極的に推進しています。このような取組に対し、経済産業省および日本健康会議が実施する健康優良法人認定制度において、健康優良法人2023(ホワイト500)の認定を受けました。
また、全職員が仕事と家庭生活のクオリティを高め、「やりがい」「生きがい」「働きがい」を持って活き活きと働ける職場の実現に向け、職場環境の改善等に取り組んでいます。
② 指標及び目標
当行グループでは、上記「(2)①人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針」について、以下の指標を用いています。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。
なお、当行では、当該指標に関する関連データの管理とともに具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難です。このため、以下の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しています。
a. 成長機会の整備
・なんとミッション(中期経営計画)における目標
指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
活力創造に関わる資格保有者数 | 2025年3月末までに1,000人 | 601人 |
b. 人材の多様化
・女性活躍推進法に基づく「行動計画」
目標① 役職者(課長級以上)に占める女性の比率を20%以上にする。
目標② 育児休職またはファミリーサポート休暇取得率について、5日以上の取得者を100%にする。
指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
女性管理職比率(課長級以上) | 2028年3月末までに20%以上 | 14.8% |
男性の育児休職または | 2028年3月末までに 5日以上の取得者 100% | (1日以上)112.3% (5日以上) 47.4% |
c. 健康経営
・健康経営に関する目標
指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
定期健康診断の受診率 | 毎年 100% | 100% |
特定保健指導の実施率 | 毎年 70% | 89.3% |
(3)気候変動問題に関する戦略、指標及び目標
① 気候変動問題への対応に関する戦略
当行グループは、「地域と共に発展するサステナブル経営」の実現を目指しており、地域の一員として、自らの脱炭素化への取組はもちろん、お客さまの取組についても積極的に支援します。
自らの脱炭素化に向けて、CO2排出量の削減目標を設定し、取組を強化しています。
また、お客さまの脱炭素化やSDGs対応に向けた取組支援のため、環境関連融資や、ソリューション関連商品の提案を積極的に展開し、地域のお客さまとともに経営課題の解決に取り組みます。
② 指標及び目標
当行グループでは、上記「(3)①気候変動問題への対応に関する戦略」について、以下の指標を用いています。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。
a. CO2排出量
・CO2排出量削減目標
指標 | 目標 | 実績 | 実績 |
CO2排出量(t-CO2) | 2030年度(2031年3月末)の削減目標
2013年度比 △50%以上 | 9,925t-CO2 | 5,091t-CO2 |
― | 2,013年度比 |
b. サステナブルファイナンスへの取組
当行グループは、地域やお客さまのサステナビリティ課題の解決に向けた活動を資金面から支援するため、2023年度から2030年度までの『サステナブルファイナンス』の目標額を設定しています。
その目標額は、環境分野・社会分野併せて1兆円としています。
なお、2023年度から集計を開始するため、当連結会計年度の実績は記載していません。
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