兼松 【東証プライム:8020】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社グループは、創業者兼松房治郎の創業主意を基本理念としており、国際社会や経済の発展に寄与していくことを使命とし、国内のみならず広くグローバルにビジネスを展開しております。多岐にわたる事業において、あらゆるモノ・機能・サービスを提供し、多様なサプライチェーンを構築する中で、地球環境や人権への対応が喫緊の課題であると認識しております。当社グループは、お客さまやパートナーとの共生・発展を念頭に、これまでの長い歴史の中で培ってきた知見やノウハウを活かし、付加価値のあるモノやサービスを提供する企業活動を通じて、地球環境や社会・経済と、当社グループの持続的な発展を目指して参ります。
(1) サステナビリティ全般
① ガバナンス
当社では、サステナビリティ経営を推進していく体制として、サステナビリティに関する基本的な方針、戦略、調査、業務の推進等についてサステナビリティ推進室が企画・立案し、サステナビリティ推進委員会にて討議・決定しております。サステナビリティ推進委員会は、営業部門の責任者および企画担当役員を中心に構成され、サステナビリティ推進室および広報・IR室が事務局となり、定期的に開催しております。当社が社会から期待される役割や課題を把握し、これを営業部門の意見とすり合わせるとともに、今後の事業活動の方向性に反映することでサステナビリティ経営の推進に活かしております。
② 戦略
当社は、持続可能な開発目標(SDGs)など国際社会の動向やステークホルダーからの期待、当社の基本理念、経営にとっての重要性を踏まえ、当社グループが企業活動を通じて注力する5つの重要課題(マテリアリティ)を設定しております。
当社は、事業活動を通じて「持続可能なサプライチェーンの構築」、「脱炭素社会に向けた取組み」、「地域社会との共生」に取り組むとともに、それらの事業活動を支える重要な経営基盤として「多様な働き方を実現する環境づくり」および「ガバナンスの強化&コンプライアンスの徹底」に取り組んで参ります。
③ リスク管理
(執行)
当社グループにおける事業活動は、営業部門(6部門)を中心に推進・執行され、気候関連のリスク識別および評価についても、各営業部門が事業活動と照らし合わせて行っております。
(管理)
当社は、事業内容を熟知する執行機関である営業部門の責任者(執行役員)と、当社グループの基本的な経営方針、経営戦略、および経営資源の配分を主管する企画担当役員(執行役員)でサステナビリティ推進委員会を構成し、企画担当役員が委員長を務めております。サステナビリティ推進委員会は、営業部門において識別・評価された気候関連のリスクについて討議しております。また当社グループのCO₂排出量を定期的に算定し、その増減要因や対策の方向性を協議することで総合的なリスク管理を行っております。
(監視監督)
取締役会は、サステナビリティ推進委員会より定期的な報告を受け、当社グループにおける気候関連の総合的なリスク管理について監視監督を行っております。
(2) 気候変動に関する取組み
当社は、2021年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)へ賛同し、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会について、より分かりやすくお伝えできるようTCFDのフレームワークに沿った情報開示に努めております。
当社は、創業以降、事業の選択と集中を経て取組みを進めた結果、現在は火力発電や石炭事業をはじめとする環境負荷の高い事業のない事業ポートフォリオとなっております。また、すべての投資案件の実行、重要な契約の締結、および重要な資産の取得に際しては、当社グループのサステナビリティの考え方および重要課題(マテリアリティ)を踏まえており、今後も環境負荷の高い事業に取り組むことを回避できるよう、その執行を管理、監督するガバナンス体制も構築しております。
こうした長年にわたる環境負荷に対する管理・制御が奏功し、当社グループの事業活動におけるCO₂排出量(Scope1、2)は当社の事業規模に照らし合わせて極めて低い水準にあります。今後も大きくは増加させない仕組みとしてこのガバナンス体制を維持して参ります。
一方、当社グループは、近年、森林保全事業や二国間クレジット事業を積極的に推進しており、これらの事業により当社グループが創出するクレジット、またはクレジット化予定のCO₂削減貢献量をCO₂排出量と早期に均衡させ(カーボンニュートラル (注)1)、更には排出量を上回る水準(カーボンネガティブ (注)2)を目指して取り組み、わが国および国際社会に貢献し続ける企業グループであり続けます。
(注)1.カーボンニュートラルとは、当社グループが排出したCO₂排出量(Scope1、2)と当社および当社グループによる森林保全事業や二国間クレジット事業で創出したクレジット、あるいは削減貢献量と均衡する状態を指します。
2.カーボンネガティブとは、当社グループが排出したCO₂排出量(Scope1、2)を、当社および当社グループによる森林保全事業や二国間クレジット事業で創出したクレジット、あるいは削減貢献量が上回る状態を指します。
① ガバナンス
「(1) サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。
② 戦略
当社グループは、当社グループが行う事業のうち、気候変動の影響が大きい事業を選定してシナリオ分析を行った結果、いずれのシナリオにおいてもリスクと機会が存在するものの、リスクの影響度を機会の影響度が上回ると捉えております。
当社グループは、中期ビジョン「future135」の重点施策として環境等をテーマとする事業分野での投資を推進することを掲げており、気候変動を積極的な事業機会と捉えております。
項目 | TCFD開示推奨項目 | 当社の取組み(要約) |
戦略 | (a)短・中・長期の気候関連のリスクおよび機会 | (リスクと機会) 気候変動の影響の定性的側面と売上高・利益の定量的側面を軸とし、北米牛肉事業、鋼管事業、トウモロコシ事業、灯油事業の4事業でシナリオ分析を実施 各々の事業の最重要項目は、次のとおり |
・北米牛肉事業(短・中・長期、4℃シナリオと2℃未満シナリオ) リスク:平均気温上昇による飼料・牧草の価格上昇(物理リスク) 機会 :新技術の開発・普及に伴う新たな機会(植物由来肉) | ||
・鋼管事業(短・中・長期、4℃シナリオと2℃未満シナリオ) リスク:化石燃料の需要減少(移行リスク) 機会 :新技術の開発・普及に伴う新たな機会(CCUS、EOR) | ||
・トウモロコシ事業(短・中・長期、4℃シナリオと2℃未満シナリオ) リスク:畜肉需要の低下に伴う売上高の減少、および飼料用途以外の需要拡大による調達コストの増加(移行リスク)、平均気温上昇や干ばつによる調達コストの増加(物理リスク) 機会 :新技術の開発普及に伴う新たな機会(バイオプラスチック) | ||
・灯油事業(短・中・長期、4℃シナリオと2℃未満シナリオ) リスク:規制の強化による需要減少(移行リスク)、海面上昇に伴うサプライチェーンの分断(物理リスク) 機会 :再生可能エネルギー事業の拡大と低GHG排出製品の販売 | ||
(b)気候関連のリスクおよび機会のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響 | (影響) 大/中/小で整理 | |
(c)複数シナリオを活用したシナリオ分析および気候変動に対する戦略のレジリエンス | (分析結果) 北米牛肉事業、鋼管事業、トウモロコシ事業、灯油事業いずれのシナリオにおいても、リスクと機会が存在し得る 分析を踏まえ、当社としては気候変動を機会と捉えて事業戦略を策定 当期の中期ビジョン「future135」の重点施策として環境等をテーマとする事業分野での投資を推進 |
③ リスク管理
「(1) サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。
④ 指標及び目標
(指標)
当社グループは、工場等の所有も少なく、CO₂以外の温室効果ガスの排出が少ない事から、気候関連のリスクと機会の評価指標にCO₂排出量を用いております。
(目標)
今後の目標として、まずは2025年のカーボンニュートラルを目指しております。再生可能エネルギーへの転換で排出量自体の削減を行い、それでも削減できない残余排出についてはGHG削減に貢献するREDD+事業のクレジット化、すなわち自社事業から創出されたクレジットにより均衡させるオフセットによるものです。その先もクリーン燃料や再生可能エネルギー事業、REDD+事業や二国間クレジット事業を拡大し、削減貢献量を積み増すことで、2030年のカーボンネガティブ15万t-CO₂、2050年の同100万t-CO₂を目指し、社会のGHG削減に寄与して参ります。
項目 | TCFD開示推奨項目 | 当社の取組み(要約) |
指標と目標 | (a)気候関連のリスクおよび機会を評価する際に用いる指標 | (指標) CO₂排出量 |
(b)Scope1、Scope2および当てはまる場合はScope3の温室効果ガス(GHG)排出量とその関連リスク | (GHG排出量) 2021年度29,497t-CO₂(当社および当社グループ 合計95社) (保証値、内訳:Scope1:9,772t-CO₂ Scope2:19,725t-CO₂) 2020年度27,800t-CO₂(当社および当社グループ 合計94社) (概算値、内訳:Scope1:9,200t-CO₂ Scope2:18,600t-CO₂) | |
(c)気候関連リスクおよび機会を管理するために用いる目標および目標に対するリスク | (目標と実績) 2025年 カーボンニュートラル 2030年 カーボンネガティブ(△)150,000t-CO₂ 2050年 カーボンネガティブ(△)1,000,000t-CO₂ |
(3) 人的資本・多様性に関する取組み
数ある経営資源の中でも、人材は当社にとって大切な財産であり、事業戦略に沿った人材育成を行うことが、当社の持続的成長に不可欠であると考えております。当社は、価値創造の源泉となる人材育成に注力するとともに、個々人が能力を発揮しやすい組織・環境作りに取り組むことで、企業価値の向上に努めて参ります。
① ガバナンス
「(1) サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。
② 戦略
当社の戦略については、次のとおりであります。
(ⅰ)人的資本基本方針
(方針)
「価値」を持続的に創造していくために、価値創造の源泉となる人材を増やし、人材の能力を活かす組織・会社を作ることで企業価値を向上する。
(概要)
当社の価値創造の源泉は人材であると考えており、創業当時より大切にする以下の価値観を一人ひとりが主体的に体現することにより、持続的な「価値」の創造につなげております。
・お客さま・お取引先、社会の課題を解決する使命感、責任感
・一粒の種をまくための創意工夫と挑戦心
・お客さま・お取引先との共創共栄を大切にする誠実心
・働く情熱と共に同じ目的に向かって邁進する団結心
当社は時代の変化に合わせて常にビジネスモデルを変化させております。当社が大切にする価値観は変わらずとも、当社の成長の方向性に合わせて必要となる知識・経験は変わるため、常に研修・教育方法の見直しを行い、より大きな「価値」の創造に結びつけるための人材育成を継続的に行っております。
あわせて、人材の個の能力を活かす組織・会社作りも重要であると考えております。一人ひとりの人材の能力を最大化させるため、選択肢が豊富にあり、個々人の能力を活かすことができ、お互いが尊重し合い団結する組織作りに取り組んでおります。
(ⅱ)成長の方向性
当社は中期ビジョン「future135」において、基盤となる事業における持続的成長を目指すとともに、強みを有する事業分野において、付加価値創出や規模拡大を目指した事業投資を推進しております。また、新たな事業ポートフォリオの確立に向け、IoTやAIなどの先進技術を軸とした新規事業の推進・拡大にも取り組んでおります。加えて、グループを挙げたDXの推進を重点施策に掲げ、安定的かつ持続可能なサプライチェーンの構築に努めるとともに、持続的成長を実現するための経営インフラの確立にも取り組んでおります。
今後も中長期にわたって「価値」を持続的に創造していくために、「付加価値の獲得・規模の拡大」、「新たなポートフォリオ創出のための種まき」、「グループを挙げたDX推進」の3つを成長の方向性として設定しております。
当社の人的資本基本方針イメージ
(ⅲ)人材育成方針
(方針)
兼松の価値創造の源泉は人材であると考えており、兼松の人材が大切にする根底の価値観は変わらずとも、会社が目指す成長の方向性に合わせて人材に必要な知識・経験は変化していくため、より持続的に価値創造ができる人材を増やしていくための採用・研修・育成を実施する。
(概要)
上述の当社の大切にする価値観を体現するためには、どのような環境下でも実行力を発揮し、最後まで責任を持ってやり遂げる意欲を持ち、取引先や社内関係者と適切なコミュニケーションを取ることができる優れた人格が必要であると考えております。
当社の人材は、新規ビジネスを事業化していく熱意、挑戦心のある旺盛な冒険心、新たなビジネスモデルの構築、既存の概念に捉われない新しい発想の展開ができる革新的な思考を大切にしております。
当社では、持続的な価値創造のために、優れた人格を基盤として、会社が目指す成長の方向性に合わせた人材育成を行って参ります。
(重点テーマ)
人材育成に関する重点テーマは、次のとおりであります。
(a)付加価値の獲得・規模の拡大
・兼松ユニバーシティ
新たなビジネスを創造する経営人材の育成を目的として、従来の研修制度を強化・体系化した「兼松ユニバーシティ」(以下、「KGU」という。)を、2019年7月より開講しております。KGUのカリキュラムは、教養、対人知識・スキル、業務知識・スキルの3カテゴリーで構成されており、内容によってe-learningと集合研修に振り分けた豊富な講座を受講できる仕組みになっております。ビジネスマナーや語学など基礎的なものから、事業投資や法務、アンガーマネジメントなど専門的な知識も身に付けることができる内容となっており、次世代のマネジメント層となる人材の育成に努めております。
・経営者育成研修
KGUの一環である経営者育成研修は、経営者としての視点でビジネスや組織を運営する能力を身に付けるため、2017年度より導入した研修です。戦略策定力・人材マネジメント力の養成、経営者に必要な基礎知識の習得を目的とし、「付加価値の獲得・規模の拡大」を目指していく中で、組織をリードし、事業経営ができる人材の育成を行っております。
(b)新たなポートフォリオ創出のための種まき
・ダイバーシティ採用、キャリア採用
既存事業の延長にとどまらない、新たな事業ポートフォリオを創出するためには、当社内部の知識・経験だけではアプローチできない市場・商材・顧客にも進出していく必要があると考えており、多様な人材の確保に努めております。
新卒採用では多様なバックグラウンドを持つ学生を世界中から採用するため、日本における外国籍留学生や海外の大学を卒業した日本人学生を対象とした採用活動を実施しております。また当社内部とは異なる知識・経験の獲得を期待したキャリア採用の拡大も進めております。
・異動経験
様々な事業を展開する当社グループの特長を活かし、社内異動やグループ会社、出資先企業との人材交流により知識と経験の多様性を深めております。
(c)グループを挙げたDX推進
・DX人材の育成
当社が関わるサプライチェーンにおいて、デジタル技術や自動化技術を活用しながら次世代に適合したビジネスへのシフトを目指し、取引先と協力して共に変革への困難を克服するDXを推進しております。当社が求めるDX人材には、デジタルの知見だけではなく、ビジネスの知見との掛け合わせが必要と考えており、ITリテラシー向上のための研修のみならず、デジタル技術を扱うグループ内企業との人材交流等も通じて、取引先などのデジタル化段階に合わせたDXを推進できる人材を育成します。
(ⅳ)環境整備方針
(方針)
一人ひとりの能力を最大化させるために選択肢が豊富にあり、個々人の能力を活かし、お互いが尊重し合い、団結する組織を目指す。また、その基盤となる従業員の健康維持・増進および安全に働くことができる環境整備を推進する。
(概要)
価値創造の源泉となる人材を活かしサポートするためには、組織・会社の環境を充実させる必要があります。多様な人材がフラットな関係でお互いを尊重・協力し合い、多様なキャリアを築くことができ、チャレンジを促し、チャレンジした人が報われる環境が必要であると考えております。
当社では人材の能力を活かす組織・会社を作るためにはDE&Iの考え方が根底にあると考えております。また、社員エンゲージメント等の観点から、下図のとおり組織・会社作りをしていくうえで重要な価値観(コアバリュー)を4つ(個性を活かす、フラット&リスペクト、チャレンジをサポート、働き方にも選択肢)定めております。コアバリューは一人ひとりの能力を最大化させるために必要に応じて見直して参ります。
人材の能力を活かす組織・会社作りのコアバリューイメージ
(重点テーマ)
環境整備方針に関する重点テーマは、次のとおりであります。
(a)多様な個性を活かすDE&I
・DE&Iチームの取組み
世界に散らばる「違い」を積極的に取り込むべく2019年にD&I(現DE&I)チームを発足いたしました。これからの100年も存続し社会に貢献していくグローバル企業として強く大きくなり、誰もが公正・公平な処遇を得て多様な才能を輝かせ続けることができる柔軟な組織を目指し活動して参ります。
・タレントマネジメント
属人的な人材配置から脱却すべく、人材プールの可視化を目的としてタレントマネジメントを推進しております。一人ひとりのスキル、経験、特性といった人材情報を一元管理し、どのような人材が社内にいるのか適切に把握するよう努めております。
(b)エンゲージメント向上によるパフォーマンスの最大化
・エンゲージメント調査
当社では、中期ビジョン「future135」の重点施策に従業員満足度(ES)の向上を掲げ、2021年度に2回目となるエンゲージメント調査を実施いたしました。第1回目の調査と比較して、社員エンゲージメントの改善が見られたものの、未だ複数の課題が残っていることも分かり、これらの課題に対する施策を検討・実行することにより、更なるエンゲージメントの向上を図って参ります。
・エンゲージメント向上のための施策
(本社移転、ABW)
2022年11月に本社移転を行い、業務内容や目的に合わせて自由に働く場所や時間を選択するABW(Activity Based Working)を導入いたしました。今まで以上に効率よく業務ができ、部門を超えたコミュニケーションの活性化を促しております。
(ヒトツブクラブ)
新規事業のためのアイデア創出・事業化推進を行うコミュニティである「ヒトツブクラブ」を発足しております。研修ではなく、参加型イベントやTeamsグループを通じて、新規事業の創造に挑戦する「時間」と「場」を設けるだけでなく、参加者の熱意さえあれば、アイデアの具現化に向けた支援・サポートを実施しております。
(新人事制度)
各々がチャレンジングな目標を掲げ、組織全体の底上げを図るような土壌形成と、その取組み・成果に報いる仕組み作りを行うため、人事制度の改定に向け協議しております。
(c)多様な働き方
・フルフレックス制度
柔軟な働き方を推奨するため、2021年度よりコアタイムのないフルフレックスタイム制度を導入しております。従業員が業務の繁閑に合わせて出社・退社時刻を原則自由に設定でき、今まで以上に自身の業務に合わせた効率的な働き方が可能となりました。
・テレワーク制度
従業員のWell-beingの観点や、外出時の移動時間削減等による業務効率化の観点から、テレワーク(在宅勤務・サテライトオフィス勤務)を制度化いたしました。「従業員の自律的な働き方の尊重」と「会社業績の向上」を両輪で実現することを目指し、働き方の選択肢としてテレワーク(在宅勤務・サテライトオフィス勤務)を位置付けております。
・有給休暇取得推奨
「働きやすく、働きがいのある職場環境」の実現を目指し、従業員が有給休暇を取得しやすい制度として、年次有給休暇の計画的付与制度「ブロンズウィーク・プラス制度」を導入しております。より働きやすい職場環境を整え、公私のメリハリをつけて業務にあたることを目指しております。
(d)従業員のWell-beingを追求する健康経営、安心して働ける労働慣行
・健康経営宣言
従業員が能力を拡大し可能性を育てながら生き生きと働くためには、健康経営の推進が必須であると考えております。当社は2023年3月に、経済産業省および日本健康会議が実施する健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門において「健康経営優良法人2023」の認定を受けております。
・健康状態の把握
当社では2023年度中に健康管理システムを用いて、従業員の健康に関するデータを可視化する取り組みを予定しております。兼松健康保険組合と連携してデータを分析し、従業員の健康状態に即したより効果的、効率的な活動を行って参ります。
・衛生委員会
従業員の健康を守り、明朗な職場環境をつくるため衛生委員会を設置しております。同委員会は総括安全衛生管理者(人事部長)の監督の下、産業医、衛生管理者、会社推薦の社員、そして労働組合が推薦した社員で構成されております。月に1度、委員会を開催し、産業医から助言を受けながら、労使共同で各施策を協議し、推進しております。
・ハラスメント対策
ハラスメントについては、社内相談窓口を設置しており、ハンドブックの配布による啓蒙活動に加え、ハラスメント防止のための研修を実施しております。
③ リスク管理
「(1) サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。
④ 指標及び目標
当社の人材育成および環境整備に関する指標及び目標は、次のとおりであります。
(ⅰ)人材育成方針 (目標及び実績/当社)
区分 | 重点テーマ | KPI指標 | 2023年3月期実績 | 2027年3月期目標 |
人材育成方針 | 付加価値の獲得・規模の拡大 | 経営者育成研修受講率 | 11年目以上 広域社員 72.2% | 11年目以上 広域社員 100% |
新たなポートフォリオ創出のための種まき | 多様な人材の採用比率(女性・外国籍) | 27.1% (注)1 | 35% (4年平均) | |
グループを挙げたDX推進 | ITパスポート取得率 | - | 100% | |
DX関連研修受講率 (注)2 | - | 70% | ||
グループ内ICT・データビジネス企業等との人材交流 | - | 60名 (4年累計) |
(注)1.中期ビジョン「future135」以降の5年平均値であります。
2.Business Process Management研修、DXプロジェクト推進研修のいずれかを受講した割合であります。
(ⅱ)環境整備方針 (目標及び実績/当社)
区分 | 重点テーマ | KPI指標 | 2023年3月期実績 | 2027年3月期目標 |
環境整備方針 | 多様な個性を活かす DE&I | 女性管理職比率 | 4.9% | 7% |
男性育児休業取得率 | 88% | 100% | ||
エンゲージメント向上によるパフォーマンスの最大化 | エンゲージメントスコア | 61% (注)1 | グローバル企業 上位10%平均 (注)2 | |
多様な働き方 | 有給休暇取得率 | 70.4% | 75% | |
フルフレックス利用率 | 81.8% | 95% | ||
従業員のWell-beingを追求する健康経営、安心して働ける労働慣行 | 定期健康診断受診率 | 97.2% | 100% | |
ストレスチェック受検率 | 98.1% | 100% | ||
ハラスメント防止の研修受講率 | 100% | 100%維持 |
(注)1.2022年3月期の実績であります。
2.グローバル平均のデータベースに含まれる企業数は約700社、社員数約700万人(各業界で際立った財務実績を有するグローバル企業上位10%の平均スコア)であり、2021年の実績値は66%であります。
(注意事項)
上記の「指標及び目標」などの将来に関する記述は、当社グループが有価証券報告書提出日現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実数値等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
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