信越ポリマー 【東証プライム:7970】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社グループでは、代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ委員会を設置し、CO2排出量削減目標等、気候変動対応に関する審議や、業務執行部門で行われる各年度の活動報告等を定期的に受けるなど、サステナビリティ経営の更なる強化のために必要な議論を行っております。当委員会で議論された重要な事案に関しては、取締役会及び監査役会に報告され、対応状況について監視・監督が行われております。
(2) 戦略
当社グループでは、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動政府間パネル)等が発行する報告書におけるシナリオを参照した以下の2つのシナリオを用いて、気候変動がより顕在化した未来において当社の主要事業で発生が見込まれる気候関連リスク及び機会を特定し、それらの財務上の影響を定性的に評価いたしました。
1.5℃シナリオ | 厳しい温暖化対策をとれば、年平均気温が産業革命時期比で 1.5℃未満の上昇に抑えられるシナリオ |
4℃シナリオ | 現状を上回る温暖化対策をとらなければ、年平均気温が産業革命時期比で3.2~5.4℃上昇することが想定されるシナリオ |
気候関連のリスク
移行リスク(低炭素経済への移行に関連したリスク)
外部環境の変化 | 影響度 | 想定 時期 | 信越ポリマーグループへの影響 | 対応策 |
・GHG排出規制の強化 ・炭素税の導入 | 大 | 中期 | ・カーボンニュートラル達成に要する開発・調達コストの増加 ・炭素税導入による増税 | ・省エネ設備導入 ・再生可能エネルギーの購入 ・太陽光発電設備導入 ・カーボンクレジットの購入 |
・低炭素製品ニーズの拡大 ・気候変動に関連した新技術の必要性 | 大 | 中期 | ・エネルギー関連技術の開発競争激化による研究開発費の増加 ・生産増加による設備投資の増加 | ・低炭素型原材料への転換 ・環境配慮製品の拡充 ・技術革新の推進 ・設備改善による生産性の効率化 |
・石油由来原材料価格の高騰 ・顧客の石油由来原材料の使用量削減 | 大 | 中期 | ・原材料価格上昇による調達コストの増加 ・低炭素型原材料対応設備の導入によるコストの増加 ・既存製品の売上げの減少 | ・低炭素型原材料への転換 ・代替原材料の検討 ・代替原材料対応設備の導入 |
物理リスク(気候変動の物理的影響に関連したリスク)
外部環境の変化 | 影響度 | 想定 時期 | 信越ポリマーグループへの影響 | 対応策 |
・異常気象による風水害発生 | 大 | 短期 ~ 長期 | ・工場への浸水・洪水被害による事業活動停止や縮小による売上の減少 ・復旧費用、自然災害対策費用、保険料などコストの増加 ・被災によるサプライチェーンの寸断による調達コストの増加や販売機会の損失 ・被災により流出した化学物質の除去費用等の発生 | ・BCPマニュアルの更新 ・リスクアセスメントの実施・持続可能な調達に向けたサプライチェーンの管理 ・原材料調達先の分散化、多様化 ・有害化学物質管理の徹底 |
気候関連の機会
製品、サービスの機会
外部環境の変化 | 影響度 | 想定 時期 | 信越ポリマーグループへの影響 |
・ガソリン車等からEVへの転換 ・デジタルネットワーク社会の拡大 ・CO2排出量削減ニーズの増加 ・低炭素製品ニーズの増加 | 大 | 短期 ~ 長期 | <電子デバイス> EV向け新製品の開発、市場投入 |
<精密成形品> 需要拡大に伴う半導体関連容器の販売拡大 | |||
<住環境・生活資材> 電子部品向け素材製品の開発、市場投入 |
想定時期 短期:10年以内/中期:10年~50年/長期:50年超
また、当社グループにおける人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人財育成方針
当社グループは、人の育成と成長を経営の最重要課題の一つであると考え、高い専門性や能力を発揮できる人財の育成を積極的に進めてまいります。
当社グループは、「創造と変革を推し進める人財」を求めてまいります。その実現に向けて、ストレッチの効いた高い目標への挑戦を後押しする職場風土づくりや、現場での育成PDCA醸成に取り組んでまいります。当社では、最も学びを得られるのは現場での経験だと考えております。そのため、現場での経験学習サイクルを回せるような、OJTを重視した学びの場を作り上げてまいります。また、社員一人ひとりが主体的に「学びたい」「もっと活躍したい」「キャリアアップしたい」という意識を持てるように、絶えず学び続けられる環境を提供してまいります。
当社グループは、社員一人ひとりが自分らしく働き、仕事を通じて成長していく環境づくりの観点から、社員がチャレンジしやすい人事制度構築に取り組んでおります。コース別人事制度を採用し、管理職は期待される役割毎に、一般職は職務と勤務地を考慮した複数のコースを設定しております。また、当社の人事評価は、業績のみならず、業績を生み出す原動力となる能力や、組織へ貢献するチームワーク等の姿勢にも着目し、公平性と納得性を重視した制度を目指しております。今後もチャレンジしやすく社員の成長を促進する制度構築に取り組んでまいります。
社内環境整備方針
当社グループは、様々な価値観や違いを尊重し、全ての人々が持てる力を十分に発揮できる企業風土の醸成に取り組んでまいります。
性別や年齢などに関わらず活躍できる環境整備のため、定年後再雇用制度の充実、女性社員の活躍推進、性別に関わらず育児・介護など各々のライフステージにおいて働きやすい制度の充実を進めております。多様な経験と価値観をもつ人財を受け入れ、組織の活性化及び事業発展につなげるため、中長期的な事業戦略を踏まえ必要な人財の中途採用も積極的に行っております。
(3) リスク管理
当社グループでは、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会が主体となり、気候変動リスク・機会の特定・評価を行っております。事業に与える影響度の高いリスクと評価されたリスクは、取締役会及び監査役会に報告しております。また、特定されたリスク・機会については、リスクの最小化、及び、機会の最大化に向けた戦略の策定や目標の設定を行い、それらの取り組み状況を定期的に取締役会及び監査役会へ報告しております。
(4) 指標及び目標
当社グループでは、2050年度までのグループ会社全体のCO2削減目標を設定いたしました。今後は再生可能エネルギーへの電力変換、省エネ設備への切り替え、太陽光発電の導入などの施策を推進いたします。
CO2排出量(スコープ1+2)の削減目標
2030年目標 | 46%削減(2013年比) |
2050年目標 | カーボンニュートラル達成(2013年比) |
また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
管理職に占める女性労働者の割合 | 2028年3月までに 5%以上 | 3.2% |
男女平均継続勤務年数の差異 | 2026年3月までに3年以下に縮小 | 3.14年 |
男性労働者の育児休業取得率 | 2023年3月期 20%以上 | 77.7% |
労働者の男女の賃金の差異(正規) | 2028年3月までに 70%以上 | 69.0% |
(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の実績は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
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