京王電鉄 【東証プライム:9008】「陸運業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 京王グループ理念
当社グループでは、グループとしての存在価値を明文化した「京王グループ理念」を制定し、これをグループ内外に発信することで、グループ全体の価値観や方向性の共有化をはかっております。
<京王グループ理念>
私たち京王グループは、 |
つながりあうすべての人に誠実であり、環境にやさしく、 |
「信頼のトップブランド」になることを目指します。 |
そして、幸せな暮らしの実現に向かって |
生活に溶け込むサービスの充実に日々チャレンジします。 |
(2) 経営環境及び対処すべき課題
2022年度を初年度とする「京王グループ中期3カ年経営計画(以下、「中期経営計画」といいます。)」は、将来の新型コロナウイルス感染症の影響が明確に見通せない状況下での策定であったため「各事業の足元の出血をできる限り早期に止める」ことを最優先にするとともに、生活様式の変化により輸送人員をはじめとする人流がコロナ禍以前と同等には戻らないことを前提とし、大規模投資がピークを迎える2030年代を見据えた「事業変革」を基本方針としました。
2023年度は中期経営計画の目標を達成しましたが、主たる要因はホテル業の大幅な客室単価上昇による売上高の回復や鉄道およびバスの輸送人員の回復が想定以上に進んだことなどにより当社グループの一部が業績回復したことによるものです。
これらを踏まえて2024年度は、中期経営計画のテーマのうち「2030年代を見据えた事業変革の完遂」に注力し、あらゆる事業における営業利益率や資産効率の向上、新規利益創出を果たすための事業構造の変革を完遂することを主な目標とし、以下の施策に取り組んでまいります。なお、中長期的な当社グループの課題については2025年度を初年度とする次期の中期経営計画を見据えながら、2024年度から着手してまいります。
安全・安心
〇「日本一安全でサービスの良い鉄道」を目指し、テロ対策、災害対策、ホームドア整備、京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業を推進
まちづくりへの注力
〇新宿・京王多摩川・橋本・聖蹟桜ヶ丘の各エリアおよび京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業で生まれる高架下など沿線拠点のエリア価値向上
〇スポーツ等の沿線コンテンツ深耕(Wリーグプレーオフ冠協賛やFC東京との包括連携協定等)を通じた、沿線内での移動需要創出による地域活性化や沿線力向上
稼ぐ力の強化
〇連結子会社化した㈱サンウッドとの連携強化など、不動産セグメント一体での事業運営を推進し、販売業による利益規模を拡大
〇京王建設㈱と京王建設横浜㈱のシナジー最大化のために、人財交流などの経営協力を推進し、競争力を強化
〇㈱京王SCクリエイションに当社グループの商業施設運営事業を集約、業務推進体制を確立し、収益力を強化
社会課題対応
〇マテリアリティに対して一部単体で設定されているKPIを連結ベースへ引き上げ
〇カーボンニュートラルに関して、Scope3の開示に向けた方針の策定や再生可能エネルギー利用の拡大
活躍する人財
〇各事業領域における高い専門性と経験を保有する人財の採用と育成に向けた人事制度の見直し
〇「人財戦略」に基づき、人財確保、人財育成、エンゲージメント、DE&I、組織風土・組織構造の各種施策を推進
生産性の向上
〇DXによる事業構造改革を通じた業務効率化や自動化の推進による労働力不足への対応
需要創造
〇「KEIO OPEN INNOVATION PROGRAM」について、これまでの取組みに加え、「社員起点」の新たなプログラムを通じた共創を推進
〇グループ顧客基盤の強化のために「京王NEOBANK」「鉄道乗車ポイント」を軸としてデジタル顧客との接点を拡充
中長期課題への対応
〇2030年代の大規模投資期を見据えて、資産効率や資本効率の向上に寄与できる資本・財務戦略を検討
<経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標>
中期経営計画では、ニューノーマルに適合した事業体質への変革を進めたうえで、2024年度にコロナ禍以前の水準の利益金額、EBITDAを目標としておりました。その目標は、ホテル業の大幅な客室単価上昇による売上高の回復や鉄道およびバスの輸送人員の回復が想定以上に進んだことなどにより、2023年度に達成しました。
中期経営計画の最終年度である2024年度については、2030年以降を見据えたあらゆる事業・施策を推進することで、更なる利益拡大を実現し、過去最高益である営業利益460億円、EBITDA796億円を目標とします。
財務指標に関しては、ネット有利子負債/EBITDA倍率6倍以内、自己資本比率38%程度を目標とすることで、格付けを維持し、2030年代の大規模投資本格化によるキャッシュアウトに備えます。なお、ROEは8.6%、ROAは4.2%を見込みます。
(単位:億円)
| 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度 計画 | 2024年度 中期経営計画 |
連結営業収益 | 3,471 | 4,086 | 4,540 | 3,880 |
連結営業利益 | 214 | 438 | 460 | 340 |
連結経常利益 | 217 | 434 | 443 | 324 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 131 | 292 | 342 | 240 |
連結EBITDA | 506 | 746 | 796 | 675 |
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