企業兼大株主井関農機東証プライム:6310】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「農家を過酷な労働から解放したい」という創業の精神を連綿と受け継ぎ、2025年には創立100年を迎えます。当社グループの基本理念は、「『お客さまに喜ばれる製品・サービスの提供』を通じ豊かな社会の実現へ貢献する」としております。また、長期ビジョンを「『食と農と大地』のソリューションカンパニー」とし、これらに関連する課題を解決するとともに、新たな価値を創造するソリューションカンパニーを目指しております。


(2)目標とする経営指標

当社グループは、事業環境が大きく変化する中で、農業機械総合専業メーカーとして培ってきた知見、経験などをコアに社会課題を解決し、新たな価値を創造するソリューションカンパニーを目指してまいります。2027年までに連結営業利益率5%以上・ROE(自己資本利益率)8%以上・DOE(株主資本配当率)2%以上を達成し、PBR(株価純資産倍率)1倍以上を目指してまいります。

(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

①経営課題

中期経営計画において2025年までに連結営業利益率5%を達成すべく取り組みを進めてまいりましたが、2024年の計画は1.2%と大きく乖離しており、中期経営計画で目指した「売上高に左右されることなく収益を確実に上げられる筋肉質への体質転換」は未達の状況です。これは激変する環境への対応力が不足していたこと、経営全体としての変革・実行に取り組めなかったことが要因であると認識しております。

また、ROEについても当期純利益率と総資産回転率の低さにより目標とする8%を下回る水準で推移しております。

以上の状況より、当社グループの課題を収益性と資産効率と捉え、これらに対して、聖域なき事業構造改革を実行し強靭な経営基盤を構築すべく、2023年11月14日付で「プロジェクトZ」を設置しました。

②課題解決に向けた具体的施策

a.プロジェクトZ施策

プロジェクトZでは抜本的構造改革と成長戦略を立案・実行してまいります。抜本的構造改革は、「生産最適化」、「開発最適化」、「国内営業深化」の3テーマを軸に推し進め、2027年までに連結営業利益率5%以上・ROE8%以上・DOE2%以上を達成し、PBR1倍以上を目指してまいります。成長戦略は、選択と集中を深化させ、国内外の成長市場へのリソース集中による更なる発展を目指してまいります。

これらプロジェクトZの取り組みにより収益性改善、資産効率化を図り、成長に向けたキャッシュアロケーションを実行してまいります。


■抜本的構造改革

・生産最適化

国内外製造所の最適生産体制の構築については、これまでも収益性改善に向けた重点施策として取り組みを進めてまいりましたが、プロジェクトZにより更に加速させてまいります。2024年7月には、㈱井関松山製造所と㈱井関熊本製造所の経営統合を予定しております。人的資源やシステムの集約により業務効率化やコスト削減効果を創出し、製造所の強靭な体質をつくってまいります。


・開発最適化

商品の成長性や収益性を分析したうえで、機種・型式を30%以上削減するとともに、成長分野へ開発リソースを集中してまいります。また、開発手法についても全地域共通の母体とするグローバル設計を進め、効率化を図ってまいります。開発の効率化とリソースの集中による組織のスリム化に加え、製品利益率改善を短期集中的に実施してまいります。


・国内営業深化

国内営業の深化を目的として、2025年1月に全国を6地域に分割して事業展開している販売会社の経営統合を予定しております。これにより、重複する間接業務の効率化や、在庫拠点及び物流体制の見直しによる物流費の圧縮、在庫の全国一元管理による圧縮など、資源集約による経営効率の向上を図ります。


■成長戦略

当社グループの成長の軸は、海外と国内の特定分野にあると分析しております。そのうち、海外は各地域の需要を精緻にとらえ、収益性向上と事業拡大を加速させてまいります。当社グループは北米、欧州、アジアの3地域を重点地域とし事業展開をしており、海外売上高は近年順調に拡大しております。今後のさらなる売上高拡大に向けて、北米ではOEM取引先AGCO社との協働によるシェアアップ推進や環境対応等新商品の投入。欧州では電動等環境対応商品拡充やコンシューマー向け商品拡充、在庫一元管理等の推進。アジアではタイ販売子会社であるIST社の販売チャネル強化やインドの業務提携農機メーカーTAFE社の生産機投入、東アジア向け高性能機投入など、各地域で次のステージへの具体策を確立し実践してまいります。

国内は農業就業人口の減少や食料安全保障、環境への配慮などの農業課題がある中で、これらに対応する「大型」「先端」「環境」「畑作」市場が拡大します。販売会社の経営統合による広域的・流動的人材活用により、一部地域では既に先行しているノウハウの全国展開や研鑽に加え、夢ある農業総合研究所で培った農業経営サポート力により、国内事業を更に発展させてまいります。また、同様にメンテナンス(アフターマーケット)や中古事業等の収益事業についても、全国展開による更なる拡大を図ります。

これらを支える開発体制及び知的財産についても、成長市場にリソースを集中投下し、当社グループ全体でベクトルを統一し邁進してまいります。


b.資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

■現状分析

当社のPBRは1倍を下回る水準が継続し、2023年12月末時点で0.34倍に留まっております。PBRを構成要素であるROEとPER(株価収益率)に分解し、それぞれの項目について「同業他社との経年比較」及び「当社と接点のある投資家からの意見収集」等を通じ、その要因を整理しました。

・ROE

中期経営計画目標数値である8%に届かず、その要因は、当期純利益率と総資産回転率の低さにあると認識しております。当期純利益率は製品利益率や販管費率、総資産回転率は在庫量や設備稼働率などが原因と考えております。なお、現状分析・評価に際し実施したヒアリングにより、日頃接点のある機関投資家が把握する当社株主資本コストの水準は概ね8%程度と認識しております。

・PER

2020年以降10倍に満たず、その要因は、成長率の低さや、成長戦略・強み・収益性などの情報開示不足、計画と実績の乖離などが原因と捉えております。

■PBR改善に向けて

現状分析による課題を踏まえ、「プロジェクトZ」の諸施策を着実に進めることに加え、IR活動・ESG取り組み強化により、2027年までにPBR1倍以上の実現を目指します。

■株主・投資家との対話状況

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、経営方針の丁寧な説明や、建設的な対話の実施などにより、株主・投資家の皆さまと信頼関係を構築することが重要であると考えております。

対話については、経営管理部門(IR・広報室、総合企画部、財務部、総務部)の担当役員が統轄し、決算説明会をはじめとしたさまざまな機会を通じた積極的な対応に努めてまいります。

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