世紀東急工業 【東証プライム:1898】「建設業」 へ投稿
企業概要
近年、社会インフラの重要性が再認識されるなか、道路建設業を取り巻く環境も大きく変化しており、舗装に求められる社会からのニーズもより多様化、高度化しております。
このような状況のもと、当社では、カーボンニュートラル、建設DX、道路インフラの長寿命化、生産性向上に重点を置いた開発テーマを選定し、研究開発活動を行っております。
また、国土交通省が実施する「新技術導入促進計画」の技術公募にも積極的に参画し、現場検証を行っております。
当社の研究開発活動は、技術研究所を中心に行われており、当連結会計年度における建設事業および舗装資材製造販売事業の研究開発費は、427百万円となりました。
主な研究開発
(1) カーボンニュートラルに資する技術開発
アスファルト混合物およびアスファルトプラントにおけるアスファルト混合物の製造工程に着目し、カーボンニュートラルに取り組んでおります。
アスファルト混合物については、混合物を構成するアスファルト、骨材、フィラーといった既存の素材を天然由来もしくはCO2固着・吸着材料に置き換えることでCO2排出量低減を図るもので、素材を置き換えた混合物の性状確認、効果の検証を進めております。
アスファルトプラントについては、使用燃料の削減技術によるCO2排出量低減について検討を進めております。
(2) 代替アスファルトの開発
アスファルトについては、カーボンニュートラルや原油の減産、価格高騰の面から石油アスファルトに替わる新材料が今後必要となることが予想されます。このことから、石油アスファルトを使用しない新規バインダーを研究しております。
現在は、天然アスファルトおよび植物性原料を使用したバインダーによる混合物の試験施工を行い、今後は追跡調査で同混合物の長期耐久性を評価し、あわせて再生利用についての検証を行ってまいります。
(3) DX技術の開発
建設業界では生産性向上や慢性的な人手不足、働き方改革への対応として、建設機械の遠隔操作、無人化の取組みが進められています。当社では、舗装工事における中心的な施工機械であるアスファルトフィニッシャの遠隔操作システムを開発しております。現在は、混合物敷均し作業時の遠隔操作を行うことが可能となり、当期は実際の現場で検証を行い各種データの取得を行いました。今後は引き続き現場での検証を行い、最終的には舗設作業の無人化施工を視野に開発を進めてまいります。
(4) 道路インフラの長寿命化
直轄国道や高速道路においては、舗装の長寿命化を図る上で路盤以下の耐久性向上が求められており、当社では新たな路盤材料の検討を行っております。
また、コンクリート舗装用のひび割れ補修材「クラックリペア」については、国立研究開発法人土木研究所との共同研究による走行路試験を経て高い耐久性が確認されました。現在はサンプルによる社内の現場での適用性を確認しており、今後はコンクリート舗装用の維持用補修材として販売展開を行ってまいります。
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