三菱製紙 【東証プライム:3864】「パルプ・紙」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、高い技術力を活かした製品を顧客に提供し社会に貢献するために以下を企業理念とし、この企業理念のもと当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて企業活動を進めております。
・ 世界市場で顧客の信頼に応える企業グループ
・ 常に技術の先端を行く企業グループ
・ 地球環境保全、循環型社会に貢献する企業グループ
(2) 経営環境
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える大きな要因として、紙素材事業の構造的な需要減退、木材チップ、製紙用パルプ・重油・石炭・諸薬品等の原燃料価格変動があります。
機能商品事業は原燃料高騰の影響を受けておりますが、成長商品の拡販や販売数量の回復、価格改定によりこの影響を最小限に抑えるべく対策を進めております。水処理膜支持体、エアーフィルター、メルトブロー不織布、機能性濾材、超耐熱ガラスなど、安全かつ快適なサステナブル社会の実現に貢献する機能性不織布関連事業の拡大を目指します。また、自動車、省エネ・通信機器向けに規模の拡大が見込まれる蓄電デバイス用セパレータ事業、情報・通信技術の高度化に伴う電工材事業等のエレクトロニクス関連分野においても更なる規模の拡大を図ってまいります。
紙素材事業は機能商品事業同様の原燃料価格の高騰影響に加え、需要減退など厳しい環境にありますが、需要動向に合わせた生産体制最適化と在庫適正化を進めるとともに価格改定効果の維持を図ってまいります。更には需要減少に対応するため品揃え拡充により外販パルプを拡販、紙袋用途で需要が堅調なクラフト紙、減プラ、脱プラの加速化により需要拡大が見込めるバリアコート紙等の環境配慮型の商品の拡販を図ります。加えて、生産・販売体制の構造改革を実現し、紙素材事業を安定した収益を生み出す基盤事業にしてまいります。
(3) 目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2023年3月期より「中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」に取り組んでおります。「中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」の最終年度である今年度は、業績予想を以下のとおり設定しております。
○ 経営数値目標
| 2025年3月期 | |
連結指標 | 業績予想 (2024年5月13日公表) | 目標値(2025年3月期) |
売上高 | 1,970億円 | 1,950億円 |
営業利益 | 80億円 | 75億円 |
経常利益 | 80億円 | 85億円 |
有利子負債 | 730億円 | 760億円 |
D/Eレシオ | 0.7倍 | 1.0倍 |
(業績予想前提条件)
為替:150円/US$、原油価格(ドバイ):90US$/バレル、
石炭価格(豪州):140US$/トン
(中期経営計画前提条件)
為替:125円/US$、原油価格(ドバイ):85US$/バレル、
石炭価格(豪州):200US$/トン
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは「世界市場でお客様の信頼に応える」「常に技術の先端を行く」「地球環境保全、循環型社会に貢献する」を企業理念とし、この理念のもと、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて企業活動を進めています。
現「中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)の基本方針に沿って以下の施策に取り組むことで、当初目標を超える業績を目指してまいります。また、次のステップアップに向けて新たな中期経営計画の策定を進めております。
<中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)>
当社グループでは激変する経営環境に対応し、これまでにないスピードで構造改革を進めて収益基盤を強化するべく、「新しい三菱製紙グループの創造」とのスローガンを掲げて、2023年3月期より中期経営計画を実施しています。中期経営計画の基本方針及び諸施策実施状況は以下のとおりです。
① 「選択と集中」「新事業拡大」による収益力の強化
選択と集中の取り組みとして、当社グループ子会社の統合(「グループ組織再編及び当社機構改革」参照)を進めています。2024年4月1日付でグループ子会社の合併による組織再編を実施し、更に2024年7月1日付でKJ特殊紙株式会社を当社に統合する予定です。子会社の再編により組織を合理化し、固定費削減とコーポレートガバナンスの強化を図るとともに、事業部と工場の一体運営を更に推進するものです。なお、本再編実施(2024年7月1日)後には、当社グループ子会社(清算中の会社等を除く)は、2022年3月31日時点の25社から11社(14社減)となります。
新事業拡大の取り組みとして、成長事業である機能性不織布事業やエレクトロニクス関連事業等の機能商品分野では研究開発体制を更に充実させ、製品の品質優位性を確保することで、販売拡大を進めております。また、印刷用紙は国内需要の減少分を輸出販売増でカバーすることで国内販売価格の適正化を図るとともに、パルプの輸出拡大にも取り組んでおります。
② グリーン社会への貢献
CO2排出量削減の取り組みでは、GXリーグ(GX:グリーン・トランスフォーメーション)へ参画し、カーボンニュートラル社会実現に向け、公約した2030年目標(2013年度比40%削減)の達成に向けた取り組みを推進しております。
社会課題の解決をビジネスチャンスと捉え、脱プラ・廃プラ、安全かつ快適なサステナブル社会の実現に貢献する製品として、包装紙(クラフト紙・バリア紙)の商品開発と拡販を進めております。
③ サステナビリティ向上のための組織変革
当社のサステナビリティ推進活動の在り方について、株主の皆さまに実体験を通して理解を深めていただくために、「三菱製紙 ニッシー・カッシーの森制度」を新設します。第一回目の植樹体験に向けて準備を進めます。
ダイバーシティー&インクルージョンの観点から、2023年度は女性の社外取締役・常勤監査役を選任いただき、2024年度には女性執行役員も就任しました。外国人採用、障害者雇用も取り組みを強化しています。
働き方改革の推進のため、育児介護在宅勤務適用対象の拡大、時差出勤制度などによるワークライフバランスの充実・生産性向上に努めてまいります。
コンプライアンスの徹底のため、内部通報制度の充実による実効性の向上、2023年度に行った「ハラスメント撲滅宣言」の遵守等を図ってまいります。
昨年度に続き統合報告書を発行し、ステークホルダーとのコミュニケーションを強化するとともに、YouTubeチャンネル「Green Webcast」による情報発信の強化を行ってまいります。
2024年4月1日付で、グループ会社の合併による組織再編を行っています。これは子会社を再編することにより組織を合理化し、固定費削減とコーポレート・ガバナンスの強化を図るとともに、事業部と工場の一体運営の強化、関連部門間の連携充実、全社統制の強化を図るものです。
2024年4月1日付 グループ組織図
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<当社子会社における不適切事案への対応>
当社グループである三菱製紙エンジニアリング株式会社白河事業所で製造していた耐熱プレスボード製品の品質検査に係る不適切事案は、2024年5月10日に事案の内容を公表するとともに外部専門家で構成される特別調査委員会を設置し、事案の全容解明、原因分析及び再発防止策の立案を進めております。特別調査委員会の調査が、迅速かつ実効的に行われるよう全面的に協力するとともに、当社グループ全体の品質管理体制を検証し、今後の改革に繋げるべく取り組んでまいります。
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