企業三菱自動車工業東証プライム:7211】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、2023年3月に発表した中期経営計画「Challenge 2025」の実現に向けて、研究開発活動に取り組んでいます。

 当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費(自動車事業)は114,583百万円であります。

 当社グループの研究開発体制、次世代技術の開発状況及び2023年4月から2024年3月にかけて発売した主な新商品は次のとおりであります。

(1)研究開発体制

 日本では、「技術センター」及び「EV技術センター」を中心に、デザイン・技術の先行技術開発・設計・実験を行っております。海外では、北米・欧州・中国・タイに研究開発拠点を置き、地域ごとの市場特性を踏まえた技術/商品開発を連携して行っております。また、ルノー・日産とのアライアンスを活用しながら、技術/商品開発を進めております。

(2)次世代技術の開発状況

 中期経営計画で定義づけした、三菱自動車らしさ「『環境×安全・安心・快適』を実現する技術に裏付けられた信頼感により、『冒険心』を呼び覚ます心豊かなモビリティライフをお客様に提供すること」を具現化する魅力ある商品を実現するための技術開発を推進しております。

① 環境技術の開発

2023年3月に発表しました「Challenge 2025」で掲げた2030年までの電動車販売比率50%達成に向けて、当社独自の『プラグインハイブリッドEVシステム(PHEV)』をコア技術として、PHEV用コンポーネント・バッテリーを電気自動車(BEV)やハイブリッド車(HEV)に活用し、電動車ラインナップを拡大します。コアモデルの『アウトランダーPHEV』は欧州向けを追加し仕向地を拡大しており、重点戦略地域であるアセアン向けにおいては、2024年2月タイ向けにPHEV技術を活用し新開発したHEVシステムを搭載する『エクスパンダー(HEV)』『エクスパンダー クロス(HEV)』を発売し、『エクスフォース』シリーズにも展開し電動化を加速させます。BEVについては、2023年12月に国内向けに電池搭載量を増やし商品力を強化した『ミニキャブEV』を発売し、同月、インドネシアでも現地生産を開始しました。すでに販売中の軽乗用EVに加え、先進国向けにはアライアンスを活用したBEVを投入し、ラインナップを拡充していきます。なお、今後の電動化の急速な進化(バッテリー、モーター等)に対して、迅速かつ効率的に技術開発を進めるため、アライアンス間の電動コンポーネントやパワートレインの相互活用を推進していきます。

② 安全・安心技術の開発

・安全技術の開発

 当社は、交通事故ゼロのクルマ社会に向けた安全理念を掲げ、安全技術の考え方として自動車安全フレームワークを策定しました。ここでは、1.交通事故を未然に防止する技術(予防安全)、2.交通事故の被害を軽減する技術(衝突安全)、3.工業製品としてハードウェア・ソフトウェア両面から想定される危険の回避(製品基本安全)の3点を軸として取り組んでおります。様々な安全技術を製品に反映することによって、お客様に安全、安心かつ快適な運転をしていただけることを目指しています。代表例として、先進予防安全技術『三菱eAssist*1(イーアシスト)』や衝突安全技術『衝突安全強化ボディRISE*2(ライズ)』があります。また、アセアンの交通環境で、より効果を発揮する安全技術の開発を推進しております。

・4WD技術・オフロード性能による安心感

 どんな路面でも安心して走れる圧倒的な走破性と安心感を提供するため、当社の強みである四輪制御技術『S-AWC*3』の進化に継続して取り組んでおります。特に電動技術とS-AWCとの融合は、当社が目指す環境×安全・安心・快適な特性をさらに向上させる技術として開発を推進しており、世界中のお客様に安心・快適で、さらにワクワクする走りを提供するために活用・展開してまいります。

・堅牢なボディとシャシーによる耐久性・信頼性

 日々変化する市場の環境や路面、お客様のクルマの使い方について毎年グローバルに調査を実施し、当社テストコースでの過酷な実験条件をアップデートすることで「いつまでも、どこへでも行ける」耐久信頼性の確保に取り組んでおります。昨今は長年使用したクルマでも「安心・快適」性能が損なわれることがないよう経時劣化品質の取り組みも強化しております。当社の継続した耐久信頼性技術開発の取り組みにより、新型『トライトン』でアジアクロスカントリーラリー2023に参戦し、総合3位を獲得、参戦したすべての車両が完走し、うち上位2台の合計タイムで争われるチーム賞を獲得しました。

③ 快適性技術の開発

 当社は、製品・サービスをご利用いただくお客様一人ひとりのニーズへの理解を深め、運転しやすい環境と心地よい車内空間で、行動意欲を高め、乗る人全員にワクワク感を提供していくことを目指しています。その実現に向けて、社会環境や生活スタイルの変化を反映し日々進化するIT技術等を取り入れ、情報提示や運転装置、運転支援機能などを先進的に進化させると同時に、居住性、利便機能やコネクテッド及びおもてなし機能などの性能向上や機能性の更新・充足を図っていきます。

*1:三菱e-Assist:電波レーダーやカメラなどによって、安全かつ快適なドライブをサポートする予防安全技術

*2:RISE:Reinforced Impact Safety Evolution

*3:S-AWC:Super All Wheel Control

(3)2023年4月から2024年3月に発売した主な新商品

① 新型軽スーパーハイトワゴン『デリカミニ』

② 新型1トンピックアップトラック『トライトン』

③ 新型『ミニキャブEV』

④ 新型コンパクトSUV『エクスフォース』

⑤ クロスオーバーMPV『エクスパンダー(HEV)』『エクスパンダー クロス(HEV)』

 各新商品の特徴は以下に記載しております。

① 新型軽スーパーハイトワゴン『デリカミニ』を発売しました。新型『デリカミニ』は「Reliable & Active Super Height Wagon(頼れるアクティブな軽スーパーハイトワゴン)」をコンセプトとし『デリカ』シリーズに新しくラインナップするモデルです。デリカらしい力強いデザインと大径タイヤによるSUVらしいスタイリングに、アウトドアから日常使いまで、便利で快適な広々とした室内空間と、運転をサポートする走行性能や安全装備を特長とし、お客様の行動範囲を拡げ、家族や仲間と楽しく過ごす時間やレジャーシーンを提供します。

 主な商品特長を以下に挙げます。

(ⅰ)「DAILY ADVENTURE(日常に冒険を)」をデザインテーマとした内外観

(ア)SUVらしく力強いエクステリア

・力強さと安心感を表現する立体的な「ダイナミックシールド」に、特徴的な半円形のLEDポジションランプを内蔵したヘッドライトを組み合わせ、凛としながらも親しみやすい表情としました。

・フロントバンパーとテールゲートガーニッシュには立体的な「DELICA」ロゴを採用しました。光沢のあるブラックのホイールアーチに加え、前後バンパー下部にプロテクト感のあるスキッドプレート形状を採用し、『デリカ』ならではのSUVらしい力強さと高い質感を表現しました。

・アルミホイールは、タフさを表現した形状とスタイリッシュさを持ち合わせたダークシルバー塗装とし、足元を引き締めた印象にしました。

・ボディカラーは、新型『デリカミニ』のコンセプトに合わせて新開発した、アウトドアから都会まであらゆるシーンに馴染むアッシュグリーンメタリックを新色として採用し、2トーン6色、モノトーン6色の全12色を用意しました。

(イ)アウトドアでも使いやすい機能的で快適なインテリア

・ブラックを基調色とした水平基調のインストルメントパネルに、アクティブで明るい印象を与えるアイボリーをアクセントカラーとして配置し、ワイド感を強調し機能性を感じさせるインテリアとしました。

・アウトドアでの使用や小さなお子様がいるご家庭での使用を想定し、通気性の良い撥水シート生地を採用しました。また座面や背もたれ中央部に立体的なエンボス加工を施すことで、蒸れにくく座り心地のよい機能的なシートとしました。

(ⅱ)広くて便利な室内空間

(ア)後席ロングスライドと多彩なシートアレンジ

・リヤシートは320mmの前後スライド量を確保し、後席の足元空間は前席を一番後ろに下げた状態でも余裕を持って座れるほどの空間を確保しています。また片側ずつスライドや背もたれを倒すこともでき、乗車人数や荷物の量に応じた多彩なシートアレンジを可能としております。

(イ)乗り降りしやすい後席スライドドア

・後席スライドドアは、650mmの開口幅を確保するとともに、足元をフラットにし、乗降性能を確保しております。加えてハンズフリーオートスライドドアを採用することで、たくさんの荷物で両手がふさがっていても、キックセンサーでドアを開閉できるため、容易に乗降することを可能としました。

(ウ)汚れに強いラゲッジルーム

・簡単に汚れをふき取ることができる素材のラゲッジボードと後席シートバックの採用*4 により、濡れたものや泥の付いたアウトドア用品などを気にせず積むことができます。

(ⅲ)アウトドアから日常まで、毎日の運転をサポートする走行性能と安全装備

(ア)大径タイヤの採用と専用チューニングサスペンション

・165/60R15サイズの大径タイヤの採用とショックアブソーバーの専用チューニングにより、路面をしっかりと捉えながら車内には振動を伝えにくい設定とし、砂利道などの未舗装路を走行する際の安定性と快適性を高めました(4WD車のみ)。

(イ)安心感を高めるグリップコントロールとヒルディセントコントロール

・アウトドアから日常まで安心してドライブを楽しめるよう、滑りやすい路面での発進をサポートするグリップコントロールを標準装備しております。雪道やぬかるんだ路面で片側の駆動輪が空転した場合、スリップした駆動輪をブレーキ制御し、グリップしている駆動輪の駆動力を確保することで発進をサポートします。

・急な下り坂や滑りやすい路面を下る際、電子制御により低車速に抑えて安心して走行することができるヒルディセントコントロールを標準装備しました。

(ウ)充実の運転支援機能「マイパイロット」と先進安全装備「三菱 e-Assist」

・高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット」*4 を搭載しております。レーダークルーズコントロールシステム[ACC]により、アクセルペダルから足を離していても車間距離の保持をアシストし、また車線維持支援機能[LKA]によるステアリング制御で、車線中央付近を走る手助けをするなど、ドライバーの運転をサポートし負担を軽減します。

・先進安全装備「三菱 e-Assist」を搭載し、サポカーSワイドに対応しております。衝突被害軽減ブレーキ[FCM]や踏み間違い衝突防止アシスト[EAPM]など8つの先進安全装備を搭載することで、毎日の安全な運転をサポートします。

*4:「T Premium」「G Premium」に標準装備

② 新型1トンピックアップトラック『トライトン』を発売しました。新型『トライトン(日本仕様)』は、SUV並みの快適性とピックアップトラックに求められる堅牢性、実用性を兼ね備えた2列シートのダブルキャブボディで、ラダーフレーム、サスペンションなど主要コンポーネントを三菱自動車独自で新開発しました。2ステージターボシステムを採用し高い環境性能と実用域で扱いやすい動力性能を実現した新開発の2.4Lクリーンディーゼルエンジンを搭載し、SS4-IIシステムにブレーキ制御式のアクティブヨーコントロール[AYC*5]や、アクティブLSD(ブレーキ制御タイプ)を組み合わせることで、大型のボディでもドライバーの意のままの走行性能を発揮します。さらに各4WDモードで選択可能な7つのドライブモードを搭載することにより、様々な路面状況で高い走破性能を実現しました。また、衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]をはじめとする安全装備や、安全・安心で快適なドライブをサポートする「MITSUBISHI CONNECT」などを採用し、ハード面だけでなくソフト面でも安全、安心、快適なピックアップトラックとしております。グレード展開はベーシックな「GLS」と、フロントアンダーガーニッシュやフェンダーアーチモール、ベッドライナー、スタイリングバーを標準装備した上級仕様の「GSR」の2グレード展開としました。

*5:Active Yaw Control

 主な商品特長を以下に挙げます。

(ⅰ)耐久性と信頼性を極限まで磨いた独自開発のラダーフレームに、大型ボディと高出力で扱いやすいクリーンディーゼルエンジンを搭載

・新開発となるラダーフレームは従来型から大幅に剛性を高めながら、ハイテン鋼の採用比率を大幅に増加させて重量増を最小限に抑えました。これにより走行性能や乗り心地の向上に大きく寄与することはもちろん、積載時の耐久性、衝突時のエネルギー分散性も向上するなど堅牢性を高めています。

・ボディはラダーフレームと同様に超ハイテン鋼を採用するなど軽量化を図り、衝突時のエネルギー吸収とキャビンの変形抑制を両立させた衝突安全強化ボディ「RISE*6」を採用しています。

・カーゴベッドはベッドライナー(荷台カバー)装着状態でもJIS規格パレット*7積載にも対応したほか、820㎜*8の荷台高やバンパーコーナー上面をフレームで補強し、足を乗せるスペースとして使用可能とするなど実用的な仕様としました。また、2×4(ツーバイフォー)材を使用してカーゴスペースを自由に仕切れる2×4ランバーアタッチメントを採用することで、荷物の整理を容易にしております。

・新開発の4N16型クリーンディーゼルエンジンは、回転数と負荷に応じて2つのタービンを協調させることで全回転域で高出力を発揮する、2ステージターボシステムを採用しました。150kWの最高出力と約1,500rpmからフラットに発生する470 N・mの最大トルクによって、実用域での応答性に優れたトルクフルな走行を可能としております。また、排出ガスをクリーンに浄化する尿素SCRシステムを採用し、尿素水溶液であるAdBlue®*9により、窒素酸化物(NOx)を安定して浄化します。組み合わされるトランスミッションは6速スポーツモードA/Tとしました。

*6:Reinforced Impact Safety Evolution

*7:1100㎜×1100㎜×144㎜

*8:「GLS」の場合。「GSR」は825㎜

*9:AdBlue®はドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標です。

(ⅱ)新開発のサスペンションによる良好な乗り心地や優れた操縦安定性、『パジェロ』譲りのSS4-IIシステムや7つのドライブモードによる高い走行性能を実現

・サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン式を採用しております。アッパーアーム取り付け部を上方に設定したハイマウントタイプとすることで、ストロークを確保して接地性・乗り心地の向上を実現しました。リヤサスペンションは強度を確保しながら軽量化したリーフスプリング式を採用し、大径のショックアブソーバーとともに快適な乗り心地を実現しました。

・4WDシステムは、三菱自動車独自のSS4-IIシステムを採用しました。4WDモードは後輪駆動の「2H」、フルタイム4WDの「4H」、センターディファレンシャル直結の「4HLc」、さらに、よりローギヤの「4LLc」の4種類が選択可能です。走行中*10にダイヤル式のセレクターで簡単に4WDモードを変更することができ、センターディファレンシャルには、前40%、後60%に駆動力を配分し、トラクション性能とコーナリング性能を両立するトルク感応式LSDを備えております。

・それぞれの4WDモードに対応する7つのドライブモードを搭載しました。すべての4WDモードに設定されている「NORMAL」モードをはじめ、2Hには経済性を重視した「ECO」、4Hに「GRAVEL(未舗装路)」と「SNOW(氷雪路)」、4HLcにトラクション性能を引き出す「MUD(泥濘)」と「SAND(砂地)」、4LLcには「ROCK(岩場)」モードが設定され、あらゆる路面で最適なドライブモードを選択可能です。

・コーナー内側の前輪に弱くブレーキをかけることで旋回性を向上するアクティブヨーコントロール[AYC]を新たに採用しております。また、空転している車輪にブレーキをかけて路面をグリップしている車輪に駆動トルクを分配し、滑りやすい路面での安全性が向上するとともにスポーティな運転を楽しむことができるアクティブLSD(ブレーキ制御タイプ)をあわせて採用することで、大柄なボディでも意のままの走行性能を実現しています。その他、下り坂で一定のスピードを保持して安心して走行することができるヒルディセントコントロール [HDC]、坂道発進での後退を防止するヒルスタートアシスト[HSA]などを採用し、ドライバーの負担を軽減します。

*10:100km/h以下、4HLc⇔4LLc切換は停止時のみ可能

(ⅲ)頼もしく存在感のあるフロントフェイスとワイドで厚みのあるプロポーション、機能的で操作性に優れ、上質感を持ったインテリアデザイン

・「BEAST MODE」(勇猛果敢)はパワフルで力強いデザインを目指すコンセプトで、ピックアップトラックに求められるタフさや力強さに加え、堅牢さを持ちながら俊敏さも併せ持つ堂々とした佇まいを表現しております。水平基調のボディサイドは、ドアの厚みを演出する張りのある大きな面で構成しながら、シャープに張り出したフェンダー造形とのコントラストで引き締め、より幅広く見せることで安定感と強靭さを強調しております。フロントには力強いパフォーマンスと人とクルマを守る安心感を表現したフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を、力強く立体的なフロントグリルやフェンダーから繋がる力強い造形やそれを強調するプロテクターにより、ピックアップトラックに最適化しました。

・エアロダイナミクスを向上させたキャビン形状や大型化して握りやすく耐久性を高めたドアハンドル、幅を広げて水はけを良くしたサイドステップなど、各所に機能的なデザインを採り入れ、実用性を高めております。3連のL字型LEDランプを配したデイタイムランニングランプは猛禽類を思わせる眼光鋭い造形とし、その下に立体的な3眼プロジェクター式のヘッドライトを組み合わせることで、圧倒的な存在感と逞しさを感じさせるデザインとしております。リヤは十分な荷台サイズを確保しながら、サイドから続く張りのある面を後端まで回しております。両端にT字型のテールランプを配しワイド感を強調するとともに厚みを持たせリヤ周りを逞しく演出します。

・走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調で力強い造形の「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル アクシス)」コンセプトを進化させたインストルメントパネルの採用や、プロフェッショナルユースを意識した乗員を保護するためのソフトパットを要所に採用し、実用性を確保しながら幾何学的な造形とメタリックを多用したハイコントラストでモダンな空間としております。モニターやメーター、メタリックとブラックでコントラストをつけたスイッチ類は視認性にこだわり、ダイヤルやスイッチ類は手袋をしたままでも確実に操作ができるよう程よい節度感を実現し、ステアリングホイール、グリップ、ドアハンドル類は握り心地や逞しさを追求するなど「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という考え方に基づいてデザインしました。

・フロントシートは腰回りをしっかりサポートし、肩付近は動きやすく開放的な形状とすることで、ドライバーの疲労を軽減します。また、着座位置が高くアップライトな乗車姿勢とし、室内からの視認性を確保しながら、立たせたフロントピラーによる広いドア開口部、さらに幅広く滑りにくいサイドステップを採用することで良好な乗降性を実現しております。

・ボディカラーは鮮やかさとメタリック感を強めたヤマブキオレンジメタリックと、輝度感を向上させたブレードシルバーメタリックを新たに採用しました。高品質なベーシックカラーとしてホワイトダイヤモンド、レッドソリッド、グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカをラインナップしております。

・「GSR」はフロントグリルをボディ同色に、ドアミラー、フロントバンパーガーニッシュ、ドアハンドルなどをブラックに、フロント、サイド、リヤの各アンダーガードはダークチタニウムとしました。また、ブラックのルーフレール、フェンダーアーチモール、荷台にはスタイリングバーを装着することでより一層精悍さを増しております。インテリアもメタリック加飾部分をブラック基調とすることで引き締め、オレンジのアクセントカラーを配置することで上質感と精悍さを加えております。

(ⅳ)衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]などの先進安全装備やコネクティッド技術による高い安全性や快適性に加え、幅広いアクセサリーをラインナップ

・運転支援機能「e-Assist」では先行車の加速・減速に追従走行し、設定した車間距離を保ちながら走行するレーダークルーズコントロールシステム[ACC]をはじめとした9つの機能を搭載しました。

[1] 衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]

[2] レーダークルーズコントロールシステム[ACC]

[3] 踏み間違い防止アシスト[EAPM]

[4] 車線逸脱警報システム[LDW]& 車線逸脱防止支援機能[LDP]

[5] 後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)[BSW / LCA]

[6] 後退時交差車両検知警報システム[RCTA]

[7] オートマチックハイビーム[AHB]

[8] 標識認識システム[TSR]

[9] ふらつき警報[DAA]

・先進のコネクティッドサービス「MITSUBISHI CONNECT」を採用し、リモートエアコンやリモートドアロック/アンロックなどの便利機能に加え、万が一の際のSOSコールや、車両の運転状況を通知するドライブ見守り通知機能も採用することでドライバーの負担を軽減し、乗る人すべてに安全・安心を提供します。

・アクセサリーは新型『トライトン』の特徴をより際立たせるアイテムを幅広く設定しました。堅牢且つ洗練されたデザインのスポーツバー、よりワイドにかつ力強さを主張するフェンダーアーチモールディング、サイドドアガーニッシュで強固なイメージを演出します。また、荷台の保護には欠かせないベッドライナーに加えフューエルリッドガーニッシュなどのドレスアップアイテム、トノカバー、テールゲートアシストなどのサポートアイテムも取り揃えております。

③ 新型『ミニキャブEV』を発売しました。新型『ミニキャブEV』は、『ミニキャブ・ミーブ』をベースに同車の開発・メンテナンスで得られたノウハウを最大限に活かして大幅改良し、多くのお客様からご要望いただいておりました航続距離の向上と、安全装備・機能装備の拡充を図りました。2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて各方面で脱炭素化の取り組みが加速し、物流関係や自治体など軽商用電気自動車の需要が一層高まっていることを受け、三菱自動車は『ミニキャブEV』とともに商用でのラストワンマイルのCO削減に貢献します。

(ⅰ)商品特長

・『ミニキャブEV』はワンボックスタイプの軽商用EVで、モーターや駆動用バッテリーなど電動系コンポーネントを新世代化し、一充電あたりの航続距離を先代モデル比で約35%増となる180km(WLTCモード)に延長しました。AC200V(15A)での普通充電では約7.5時間で満充電となり、業務終了後に充電すれば、翌日の業務開始時には満充電状態でお使いいただけます。なお、急速充電*11 の場合、約42分*12 で80%までの充電が可能です。

・新採用のモーターは走り出しから最大トルクの195N・mを発生するため、荷物をたくさん積んで重くなった状態でも、電気自動車ならではのスムーズかつ力強い走りでストレスなくキビキビと走行することが可能です。また、新型モーター・インバーターを採用するとともに一体化構造とすることで、先代モデルよりさらに高い静粛性を実現し、早朝や深夜でも周囲に気兼ねなく走行することができます。なお、先代モデルから走行距離向上や安全装備の充実を図りながら販売価格は同等に抑えました。

*11:メーカーオプション設定

*12:急速充電器の最大出力電流が60A以上の場合

(ⅱ)主な変更点

(ア)三菱自動車独自のEVシステム新世代化

・駆動用バッテリーは、電池容量を約25%向上しております。またモーターとインバーターを一体化構造とするなど、モーター効率を向上させ、航続距離を約35%向上させ180㎞*13 としました。

*13:WLTCモード一充電航続距離

(イ)安全機能

・衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]*14 や車線逸脱警報システム[LDW]*15、オートマチックハイビーム[AHB]*16、誤発進抑制機能(前進時)[UMS]*17 などの予防安全技術「三菱e-Assist」を採用しております。安全機能を向上することで、サポカーSワイドに対応し、毎日の安全な運転をサポートします。

・急な坂道で発進時の後退を防止するヒルスタートアシスト[HSA]*18 を追加し、安心してスムーズな発進ができるように補助します。

*14:Forward Collision Mitigation System

*15:Lane Departure Warning

*16:Automatic High Beam

*17:Ultrasonic misacceleration Mitigation System

*18:Hill Start Assist

(ウ)装備機能

・電気を車両からいつでも取り出せる、アクセサリーコンセント*19(AC100V、最大1500W)をフロアコンソール背面に設定しました。災害時などの緊急時でも、消費電力の大きい電化製品を使用することができます。

・インストルメントパネルには、充電用USBポート*20 のタイプCとタイプAをメーカーオプション設定し、ユーザーの使いやすさを考慮しスマホトレイを併設しました。

*19:2シーターにメーカーオプション設定

*20:タイプCは3A、タイプAは2.4Aの出力が可能

(エ)走行性能

・前後ショックアブソーバーの減衰力特性を見直し、乗員の乗り心地の向上とともに、キャビンの揺れを抑制して荷物への負担を軽減しました。

・回生ブレーキを積極的に活用するBポジション時の回生力を強めることで実用電費を向上させました。

④ 新型コンパクトSUV『エクスフォース』を発売しました。新型『エクスフォース』は、アセアン地域でのコンパクトSUVの使われ方にこだわって開発した、5人乗りのコンパクトSUVです。「Best-suited buddy for an exciting life(毎日を愉しく過ごすことができる頼もしい相棒)」をコンセプトとし、スタイリッシュかつ力強い本格的なSUVデザインを特長としております。また、取り回しの良いコンパクトなボディサイズでありながら、広々とした居住空間や多彩な収納スペースなどの快適性・実用性を両立しており、様々な天候や路面において安全・安心の走破性を実現する、毎日の生活をワクワクさせてくれるコンパクトSUVです。

 主な商品特長を以下に挙げます。

(ⅰ)「Silky & Solid」をコンセプトとした内外装デザイン

(ア)スタイリッシュかつ力強い本格的なSUVデザインのエクステリア

・「Silky & Solid」をコンセプトに、優雅さと堅牢性を融合させたスタイリッシュかつ力強い本格的なSUVデザインとし、アセアンの都会からアウトドアシーンまで圧倒的な存在感を発揮するスタイリングを実現しました。ボディ上部はフロントのスリーダイヤからサイド、リヤへと連続的に繋がる、流れるような面と、浮いているような視覚効果を与えるフローティングルーフによって、シルクのように滑らかな軽やかさを表現しております。ボディ下部は、SUVらしい力強くソリッドなプロポーションとしました。クラストップレベルとなる222mm*21 の最低地上高や、18インチのホイールと大径タイヤによって悪路走破性を確保することで、本格的なSUVスタイリングとし、フェンダーフレアはがっしりとした筋肉を思わせる造形で、アスリートのような敏捷性を表現しております。

・フロントではデザインコンセプトに合わせて「ダイナミックシールド」を進化させました。パワートレインのパフォーマンスを象徴するフロントグリルを、左右バンパーでプロテクトする造形と立体的に一体化させることで、奥行き感のあるスポーティなフロントフェイスに仕上げております。LEDデイタイムランニングランプは、L字型とスリット状の造形を組み合わせてT字型に発光させ、遠くからでも一目で三菱車と分かるアイコニックなデザインとするとともに、ワイド感のあるスタンスを強調しております。

・ボディサイドは彫刻的な前後フェンダーフレアやキャラクターラインによって、張りのある立体的な面構成にメリハリをつけ、SUVの逞しさや躍動感を表現しています。リヤにおいてもフロントと同様にT字型のLEDテールランプを採用し、ワイドで安定感のあるデザインを実現しました。

*21:18インチタイヤ装着車。アンダーカバーを含まない数値

(イ)先進感のある洗練されたインテリア

・インストルメントパネルでは、水平基調の「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル・アクシス)」コンセプトを採用し、前方の視認性を高めるとともに、悪路走行時の車体姿勢の変化をつかみやすくしております。さらに、インストルメントパネルをドアトリムまで繋がるダイナミックな形状にすることによって、広々とした開放的な空間を実現しました。

・インストルメントパネルのパッド素材には、三菱車で初めてメランジ生地を採用し、ドアトリムまで連続させることによって、包まれ感を演出しました。モダンで洗練された印象を与えながら、汚れにも強い実用性の高い生地によって、自宅のリビングルームのように落ち着いて過ごすことができる快適な空間としております。また、12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオとデジタルドライバーディスプレイを一体化させた大型のモノリス形状のパネルによって、先進感も印象付けております。

(ⅱ)すべての乗員が心地よく過ごせる快適性

(ア)クラストップレベルの広々とした室内空間

・コンパクトなボディサイズでありながら、すべての乗員がゆったりと過ごせる広々とした室内空間を実現しました。前席では、肩口のゆとりなど、クラストップレベルの座席空間を確保し、快適性を高めております。さらに、座席においてはサポート性とゆったり感を両立させることで、レーンチェンジや荒れた路面などでも体が左右に揺れにくく、渋滞時でも窮屈さを感じずに過ごすことが可能です。

・後席では、大人3名が乗車しても快適に過ごせる空間にこだわりました。クラストップレベルの座席空間を確保することで、ゆとりある足元スペースを実現し、3名乗車時でも快適に過ごせるよう配慮しております。また、リクライニングは8段階調整とし、乗員がゆったりと座れる角度から、荷室容量をより広く確保できる角度まで、幅広いニーズをカバーしております。

(イ)ワクワク感を高めるオーディオシステム「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」

・ヤマハ株式会社と共同開発した新開発のオーディオシステム「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」を初搭載しております。すべての座席で音楽を楽しめる8スピーカー構成とし、両サイドのAピラーにフロントツイーター、フロントドアにウーファー、リヤドアにはウーファーの同軸上にツイーターをレイアウトしたコアキシャル2-wayスピーカーを配置しております。スピーカーの性能を最大限に発揮できるよう、車両側に最適な音質向上策を施すとともに、走行時は車速に応じて音量と音質を補正することで、荒れた路面でも輪郭のはっきりした中高音と躍動感のある低音を楽しめます。また、音の好みや気分によって選択できる、ライブリー(初期設定)、シグネチャー、パワフル、リラクシングの4つのサウンドタイプもご用意しており、より快適で楽しいドライブ体験を提供します。

(ⅲ)日常生活を快適にする高い実用性

(ア)直感的な操作を実現する12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオと8インチデジタルドライバーディスプレイ

・先進的でありながら、安心で快適な運転環境を提供する12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオを採用しました。マルチウィジェット表示では、画面を3分割することで様々な情報を提供することが可能です。また、往年の『パジェロ』で使われていた3連メーターをオマージュしたマルチメーター表示では、高度や前後左右傾斜、方角などの情報を組み合わせて表示することで、運転の楽しさを高めています。さらに、ダカールラリー2連覇の経験をもつ増岡浩監修による、三菱自動車初となるドライビングスコア機能など、多彩なコンテンツを備えております。また、当社初採用となるWebLink™ *22 のアプリケーションをワイドな画面で楽しめるほか、スマートフォンの画面のミラーリングも可能です。

・デジタルドライバーディスプレイは、多彩なコンテンツを大画面に見やすく表示します。ドライブモード切り替え時には、ディスプレイ中央に選択したモードのグラフィックを表示させることで、運転中でも直感的にドライブモードを選びやすいよう配慮しました。また、画面は先進的なエンハンスモードとアナログメーターを模したクラシックモードを選択することができ、好みに合わせて表示することが可能です。

*22:WebLink™はAbalta Technologies, Inc.の登録商標です。

(イ)便利に使える豊富な収納と多彩なラゲッジルーム

・乗員の使い勝手を考慮し、車内の各所に便利な収納スペースを豊富に用意しました。ドアトリムやフロアコンソールなどには、合計21本の600mLのペットボトルが収納可能なドリンクホルダーを設置しております。フロアコンソールには空調の冷気を利用して飲み物を冷やすことができるドリンククーラーを設けました。また、センターコンソールにワイヤレスチャージャー、前席と後席それぞれにUSB Type AとType Cのポート、各席にスマートフォンを置けるスペースを用意するなど、スマートフォンに配慮した収納スペースも充実させました。

・コンパクトなボディサイズかつ広々とした居室空間を持ちながら、十分なラゲッジルームも確保しております。クラストップレベルの床面積を確保するとともに、荷室フロアの高さも調整可能とすることで、スーツケースなどの大型の荷物でもゆとりをもって積み込むことが可能です。また、後席のシートは4:2:4分割を可能とすることで、4名がゆったりと座ったまま長尺物を積むことができるなど、高い積載性を実現しております。

(ⅳ)荒れた路面や冠水路など様々な天候や路面で安心・安全の走破性

(ア)高効率CVTによる低燃費と高い静粛性

・新型『エクスフォース』では、実績のある1.5L DOHC 16バルブ MIVECエンジンに高効率CVTを組み合わせました。アクセル高開度では多段変速のようなエンジン回転数の制御によって、力強くキレのある加速感を実現するとともに、アクセル低開度ではCVT特有の滑らかな変速によって、エンジン性能を最大限に引き出して低燃費と高い静粛性を実現します。また、坂道では駆動力を向上させることでアクセルペダルを強く踏み込まなくても力強い登坂性能を発揮し、降坂時はエンジンブレーキを強めることで、頻繁なブレーキ操作の煩わしさを軽減し、快適な走行が可能です。

(イ)アセアンの路面環境に合わせてセッティングしたサスペンション

・サスペンションは、アセアン地域の路面状況を再現した国内のテストコースでの走行試験に加え、実際に現地でも評価を繰り返してチューニングを施すことで、荒れた路面やうねりのある路面でも快適な乗り心地を実現しました。フロントではキャスタートレールの最適化とステアリングギヤ比のクイック化により、操舵感と直進安定性を向上させております。リヤではサスペンションブッシュとショックアブソーバーのシリンダーサイズの最適化により、操縦安定性を高めております。

(ウ)荒れた路面でも安心のクラストップレベルとなる222mm *23 の最低地上高

・18インチのタイヤとホイールを採用し、クラストップレベルとなる222mm*23最低地上高を確保しました。見晴らしの良い前方視界によって、見切りがよく、運転がしやすいため、荒れた路面や冠水路でも安心して走行することが可能です。また、クラストップレベルとなる21.0度のアプローチアングルと30.5度のデパーチャーアングルによって、大きな段差でも安心して乗り越えることができます。さらに、クラス最小レベルの5.2mの最小回転半径により、アセアン地域の街中で頻繁に見られるUターンでも、取り回しの良い運転を可能にしました。

*23:18インチタイヤ装着車。アンダーカバーを含まない数値

(エ)三菱自動車初採用となるウェットモードを含む4つのドライブモード

・三菱自動車の四輪制御技術を活用し、前輪駆動方式を採用しながらSUVならではの走破性を実現しました。路面状況に応じて選択できる「NORMAL」、「WET」、「GRAVEL(未舗装路)」、「MUD(泥濘)」の4つのドライブモードでは、前左右輪の駆動力を調整して高い操縦性を実現するアクティブヨーコントロール(AYC)、タイヤのスリップを制御するトラクションコントロール、エンジン制御、パワーステアリング制御を統合制御することで、様々な路面状況に対応することを可能としています。三菱自動車として初採用となるウェットモードでは、雨天時の濡れた路面では旋回性・安定性が向上し、激しい降雨による冠水路でもハンドルが取られにくく、不安なく走行することが可能です。

⑤ クロスオーバーMPV『エクスパンダー』『エクスパンダー クロス』にハイブリッドEV(HEV)モデルを新たに設定しました。今回追加するHEVモデルでは、三菱自動車が得意とする電動化技術と四輪制御技術を融合することで、『エクスパンダー』シリーズの魅力をいっそう高めました。プラグインハイブリッドEV(PHEV)から派生した新開発のHEVシステムによって電動車ならではの環境に優しく気持ちのよい走りを実現するとともに、FF方式の2WDをベースに、アクティブヨーコントロールを始めとした独自の四輪制御技術による意のままで安全・安心な走り、多彩なドライブモードによる天候や路面状況に応じた最適な走りを提供します。また、HEVでありながら任意でEV走行を選択できるため、早朝の閑静な住宅街でエンジン音が気になる時など、シチュエーションに応じた走りを可能とします。

 主な商品特長を以下に挙げます。

(ⅰ)PHEV派生のHEVシステムによる、環境に優しく爽快で力強いモータードライブ

・新開発のHEVシステムは、EVモード、ハイブリッドモード、回生モードで構成されます。走行状況や駆動用バッテリー残量に応じてシステムが自動で最適な走行モードを選択して低燃費化するとともに、力強く気持ちのよいモータードライブを実現します。発進時や低速域では、駆動用バッテリーからの電力でモーター駆動するEVモードによって、電気の力だけで走行します。登坂時や加速時は、エンジンを発電用として動かして駆動用バッテリーの電力と合わせてモーターで走行し、高速域では、エンジンの動力で走行してモーターがアシストするハイブリッドモードに切り替わります。ハイブリッド走行時でも、エンジンが滑らかに始動するため、モーター駆動が生み出す気持ちのよい走りを楽しむことができます。回生モードでは、減速時に回生ブレーキによって減速エネルギーを回収して電力変換し、駆動用バッテリーに蓄電します。PHEV派生のHEVシステムだからこそ可能となる、燃料消費やCO排出がゼロのEVらしい静かでクリーンな走りと、電欠の心配をすることなく長距離ドライブを楽しめるHEVならではの便利で快適な走りを両立しました。

・今回のHEVシステムは、電動車ならではの滑らかで力強くレスポンスの良い加速を実現します。1.6Lガソリンエンジンに、ジェネレーターと最高出力85kWのモーターを組み合わせ、本モデル専用となる駆動用バッテリーを採用しました。力強いモーターとバッテリーの出力によって、発進時のトルクの立ち上がりが早く、ペダルを踏みこむとレスポンス良く加速できるため、高速道路でのレーンチェンジや、街中でのUターン後の合流もスムーズに行えます。

・新開発の1.6L DOHC 16バルブ MIVEC*24 エンジンは、高膨張比サイクル(アトキンソンサイクル)化することで燃焼効率を向上し、三菱自動車のエンジンとして初めて電動ウォーターポンプを採用することで機械損失を低減しております。これにより、ガソリンエンジンCVTモデルと比べてエンジン単体燃費を約10%改善するとともに、NEDCモードで市街地走行の燃費は約34%、市街地走行と高速走行を組み合わせた燃費は約15%の低燃費化を実現しました。

*24:MIVEC(Mitsubishi Innovative Valve timing Electronic Control system)は、三菱自動車の可変バルブタイミング機構の総称です。

(ⅱ)積極的なEV走行と様々な天候や路面で安全・安心の走行性能を実現する、新開発の7つのドライブモード

・新開発の7つのドライブモードでは、EV走行のための2つのモードと、路面状況に応じて最適な走行制御を行う5つのモードを設定しました。

・EV走行のための2つのドライブモードでは、ドライバーがシチュエーションに応じて積極的にEV走行を選択することができます。エンジンを始動させることなく、駆動用バッテリーからの電力でモーター駆動する「EVプライオリティ」は、環境に優しく、静粛性が高いため、例えば早朝の閑静な住宅街などでも周囲に気兼ねなく走行することが可能です。駆動用バッテリーの残量が少なくなっても、「チャージ」に切り替えれば、バッテリーに充電することができ、再びEV走行を楽しむことができます。

・路面状況に応じて最適な操縦性と駆動力を発揮する5つのドライブモードは、FF方式の2WDをベースとしながら、前輪左右の制動力を制御するアクティブヨーコントロール、前輪のスリップを検知すると駆動力を制御するトラクションコントロール、加速時のモーターやエンジン出力を調整するアクセルレスポンス制御、速度域や路面状況に応じてステアリングの手ごたえを調整するステアリング制御などを統合制御することで、様々な路面状況に対応することが可能です。日常走行でのバランスが取れた「NORMAL」、大雨などでもタイヤのスリップを抑えて高い安定性を発揮する「WET」、未舗装路で滑りやすさを抑えて安心感のある操縦性を発揮する「GRAVEL」、ワインディングロードなどでキビキビとした走りと意のままのハンドリングを実現する「TARMAC」、ぬかるんだ悪路でも力強い走破性を発揮する「MUD」によって、日常で遭遇する様々な気候や路面状況において、安全・安心な走りを実現します。

・インテリアでは8インチカラー液晶メーターを採用し、スクリーンを広く使ってコンテンツを表示させることで、使いやすさを向上させました。アクセル操作に連動して「エコ」「パワー」「チャージ」状態を示すパワーメーターや、エネルギーフロー、EV走行比率、バッテリー残量など、HEVならではの情報を表示します。また、ドライブモード切り替え時には、ディスプレイ中央に選択したモードのグラフィックを表示させることで、運転中でも直感的にドライブモードを選びやすいよう配慮しました。画面は好みに合わせて、先進的なエンハンスモードと、アナログメーターを模したクラシックモードを選択することができます。

(ⅲ)家族や仲間とのドライブをより快適にする室内空間と、特別感を演出する専用エクステリアアクセント

・EV走行を優先させるHEVシステムにより、力強く静かなモータードライブを楽しむことができます。また、ボディの要所に吸音材や防音材を追加することで、EV走行時だけでなく、加速時や高速走行時などでエンジンが始動した時でも車内の高い静粛性により、ストレスなく会話を楽しめるよう配慮しました。

・HEVシステムを搭載するにあたって、駆動用バッテリーを前席フロア下に配置することで、『エクスパンダー』シリーズの特長である、市街地でも取り回し易いボディサイズでありながら、3列7名乗車に十分なクラストップレベルの居住空間を維持しました。さらに、エンジンルームやバッテリー周りの床材を変更し、バッテリー保護のためにフロントサイドメンバーとフロントクロスメンバーで囲うことで、ボディ全体の剛性を向上させるとともに、サスペンションにも専用チューニングを施すことで、優れた操縦安定性と良好な乗り心地を実現しております。

・エクステリアにおいては、「HEV」バッジをフロントグリルとテールゲート、「HYBRID EV」バッジをフロントドアにあしらうとともに、フロント下部、サイドガーニッシュ、リヤバンパー、ホイールにブルーのアクセントカラーを追加しました。ボディカラーは、硬質で高輝度かつ鮮明なカラーリングによって電動車らしいクリーンなイメージを与えるホワイトダイヤモンドを新たに設定するとともに、ブレードシルバーメタリック、グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカをラインナップし、『エクスパンダー クロス』のHEVモデルではさらにグリーンブロンズメタリックも設定しました。

有価証券報告書PDFより抜粋
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