企業三菱自動車工業東証プライム:7211】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス及びリスク管理

① ガバナンス

 当社は、国連持続可能な開発目標(SDGs)の重要性を認識し、2018年度に環境・社会・ガバナンス各分野の様々な課題から当社が取り組むべき重要課題であるマテリアリティを特定しました。その後も、当社は、社会やステークホルダーに与える、経済、環境及び人権を含む、最も著しい影響を考慮し、必要に応じてマテリアリティを柔軟に見直しております。また、マテリアリティに取り組むことで、社会やステークホルダーのニーズや期待に応えていきたいと考えております。

 当社では、当社グループ全体でサステナビリティに関する取り組みを推進することを目的に、代表執行役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会では、環境・社会・ガバナンスに関して当社が取り組むべきマテリアリティを特定した上で、それに対応する取り組みの目標を審議し、その進捗確認を行うことにより、PDCA(Plan、Do、Check、Action)を回しています。サステナビリティに関する取組方針などの重要な事項は取締役会で審議・報告され、監督を受ける体制としています。

 特に、「気候変動・エネルギー問題への対応」については、サステナビリティ委員会のもとに、経営戦略・商品・生産・調達・物流などを担当する責任部門の長で構成される検討会を設置し、気候変動リスク及び機会の評価を踏まえた中長期的な対応方針・目標などを立案しています。立案した方針・目標はサステナビリティ委員会で審議する体制としています。

取締役会で審議又は報告された気候変動関連の事案例

・TCFD(注)提言への賛同表明

・TCFD提言に沿った情報開示

・2050年カーボンニュートラル宣言と環境ビジョン2050の改定

・環境ターゲット2030の改定

(注)Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略称。気候関連財務情報開示タスクフォース

②リスク管理

 当社は、2021年7月のTCFD提言への賛同表明を機に、サステナビリティ委員会のもとで全社横断的な検討チームを立ち上げ、TCFD提言にもとづいたシナリオ分析を行い、事業に影響を及ぼす可能性のある気候変動リスク及び機会を抽出・特定し、発生時期と影響度による評価を行っています。特に影響度が大きい気候変動リスク及び機会への対応については、目標・実行計画に落とし込み、サステナビリティ委員会でその進捗を確認しています。

(2)重要な戦略並びに指標及び目標

①戦略

 当社は、気候変動・エネルギー問題への対応をマテリアリティの一つとして特定しており、気候変動リスク及び機会を、事業戦略策定上の重要な観点の一つとして捉えています。短期・中期・長期のリスク及び機会の洗い出し・評価を行い、特に影響度の大きい項目として、「燃費/CO、ZEV(注)1規制などの強化」、「カーボンプライシングの導入・拡大」、「気象災害の頻発・激甚化」、「電動車の需要拡大」を特定しました。これらの項目については、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)などが公表している複数のシナリオを参照し、当社事業への影響の分析及び対応策を検討しています。

 気候変動リスク及び機会への対応策を、環境への取り組みの方向性と目標を定めた「環境計画パッケージ」(注)2や事業戦略に反映させることで、事業の持続的な成長や将来リスクの低減に繋げ、企業としてのレジリエンスを高める取り組みを推進しています。

2022年9月には、当社としてサプライチェーン全体で2050年カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言し、あわせて「環境ビジョン2050」を改定しました。2023年3月には、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたマイルストーンとして、「環境ターゲット2030」の目標を見直しました。

 製品においては、当社独自のプラグインハイブリッド車(PHEV)と軽商用EVを起点に、アライアンスの技術を活用しながら、電動化を推進し、各国・地域のエネルギー事情やインフラ整備状況、お客様のニーズに応じた最適な電動車(注)3を積極的に投入していきます。事業活動においては、エネルギーミニマム化と再生可能エネルギーへの転換を推進し、CO排出量の削減に取り組みます。サプライチェーン全体においては、原材料・部品の生産段階や製品を含めた物流領域のCO排出量の低減、再生可能エネルギーや充電インフラの普及、カーボンニュートラル燃料の活用、V2Xの推進など、取引先や関連企業・団体、政府・自治体と連携していきます。

 また、2023年3月に公表した新中期経営計画「Challenge 2025」では、主要なChallengeの一つにカーボンニュートラル対応を掲げ、電動車強化第2フェーズ(2026-2028年度)に向けた電動車開発とアライアンスの強化に取り組むとともに、今後5年間で9車種の電動車を投入していくことを予定しています。

(注)1.Zero Emission Vehicleの略称。排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車

2.「環境計画パッケージ」の詳細は当社ホームページをご覧ください。

https://www.mitsubishi-motors.com/jp/sustainability/environment/initiatives/

3.電気自動車(バッテリーEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HEV)

②指標及び目標

・指標

 当社グループは、リスク・機会を管理するため、スコープ1、2(注)1については「事業活動からのCO排出量」を、更に、サプライチェーン全体の排出量の約7割を占めるスコープ3(注)1のカテゴリ11(販売した製品の使用)に係る温室効果ガス排出量については 「新車からの平均CO 排出量」と「電動車販売比率」を、主な指標として設定しています。また、2022年度からは、サステナビリティへの対応が当社グループの経営上の重要課題であるとの認識のもと、執行役の中長期業績連動報酬を決定する指標として「事業活動からのCO排出量」などのESG関連項目を追加しました。

・目標

 当社グループは、2050年までにサプライチェーン全体でカーボンニュートラルの実現を目指し、そのマイルストーンとして2030年度に向けた目標を設定しています。

<主な2030年度目標と進捗>

指標

2030年度目標

実績(2021年度)(注)2

新車からの平均CO排出量

(Tank to Wheel)

▲40%(2010年度比)

▲14%

電動車販売比率

50%(2035年度100%)

7%

事業活動からのCO排出量

(スコープ1、2総量)

▲50%(2018年度比)

▲31%

<スコープ1、2のCO排出量の実績>                     (単位:千t-CO

 

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度(注)2

スコープ1

119

110

80

92

スコープ2

469

416

285

319

合計

588

526

365

411

(注)1.スコープ1、2、3についてはGHGプロトコルに準拠

 スコープ1:事業者自らによる直接排出(燃料の燃焼など)

 スコープ2:他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出

 スコープ3:スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社などの排出)

2.2022年度の実績については、2023年秋発行予定のサステナビリティレポートをご覧ください。

(3)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標

①戦略

(人材育成方針)

・当社グループでは、三菱グループ共通の理念及び当社ビジョン・ミッションの実現に向けた行動指針である「MMC WAY」を制定しており、当社は社員が「MMC WAY」を実践できることを人材育成の基本として考えております。2017年に制定された従来の「MMC WAY」に、これからの変革の時代にお客様や社会へ価値を提供しながら持続的成長をしていくため、新たな価値観を加え、見直しを行いました。

MMC WAY

1. お客様を第一に考え、常に信頼を得続ける Think of Our Customers, Strengthen Trust

2. 社会の発展に貢献する Enrich Society

3. 事実を直視し、悪い情報ほど迅速に共有する Welcome All Facts, Share Difficult News First

4. プロとして、自ら行動し枠を超えて挑戦する Conduct and Challenge Yourself Professionally

5. 互いに敬意を払い、組織や属性を越えて共働する Respect All, Work as a Broader Team

・当社は、急速な環境変化の中で事業戦略の実現を確かなものとするため、社員が高い目標に安心してチャレンジできる環境を整え、また、高い専門性とスキルを獲得・発揮することを促すため基幹人事制度を刷新しました。

(社内環境整備方針)

・当社グループでは、企業価値向上と持続的成長のためには、社員の多様性を尊重し、社員一人ひとりがやりがいを持ちながら、心身ともに健康でいきいきと働き、活躍することができる職場環境を整えることが重要であると考え、ダイバーシティ推進策、エンゲージメント向上策等の取り組みを進めています。

・また、社員一人ひとりの健康保持・増進が、その大切な土台との考え方から、代表執行役社長を健康経営推進責任者とし、以下の「健康宣言」を掲げて、事務局である人事本部が健康保険組合・労働組合・産業医等とも連携し取り組んでいます。

「健康宣言」

・社員が、充実した会社生活と幸せな人生を送ること。その土台となるものは、すべての社員とその家族の心身の健康と、笑顔があふれいきいきと働ける環境づくりです。三菱自動車は、社員一人ひとりの健康増進に、積極的に取り組むことを宣言します。

②指標及び目標

・指標

 上記方針に沿った指標として、人材育成方針に関しては、従業員行動指針(MMC WAY)及び基幹人事制度(等級・評価・報酬)を、社内環境整備方針に関しては、女性社員の活用、育児休業の取得、中途採用促進、従業員エンゲージメント、健康優良法人認定をそれぞれ設定しました。

・目標と実績

 従業員行動指針(MMC WAY)については、リニューアルし、これを浸透させることを2022年度の目標として設定し、2022年7月に社内及び関係会社への新しい従業員行動指針のアナウンスを行い、以降各職場でのワークショップ等の浸透施策を実施しました。基幹人事制度(等級・評価・報酬)については新制度の導入・展開を2022年度の目標として設定し、2022年10月には管理職の人事制度を、2023年4月には非管理職の人事制度の一部をそれぞれ改正しました。

 女性社員の活用については、女性管理職比率の向上を2022年度の目標とし、2023年3月時点では6.1%となり、2021年度から1ポイント向上しました。育児休業の取得については、男性育児休業等と育児目的休暇の取得率の向上を2022年度の目標とし、2022年度中に68.4%の取得率となりました。中途採用促進については、中途採用者数300名を2022年度の目標とし、2022年度中に304名採用しました。従業員エンゲージメントについては、従業員エンゲージメントスコアの向上を2022年度の目標とし、2021年に実施したサーベイ結果に対して、2022年に実施したサーベイ結果が2ポイント向上しました。健康優良法人認定については、健康優良法人2023認定取得を目標とし、2023年3月に認定取得しました。

 なお、当社での施策も参考に連結子会社各社でも各種施策に取り組んでいます。

有価証券報告書PDFより抜粋
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