企業兼大株主三井住友フィナンシャルグループ東証プライム:8316】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1) 経営方針、経営戦略等
① 経営方針

 当社グループは、以下の経営理念のもと、中長期的に目指す姿である「最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグローバルソリューションプロバイダー」というビジョンの実現を目指してまいります。

○お客さまに、より一層価値あるサービスを提供し、お客さまと共に発展する。
○事業の発展を通じて、株主価値の永続的な増大を図る。
○勤勉で意欲的な社員が、思う存分にその能力を発揮できる職場を作る。
○社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する。

② 経営環境

 足許、世界経済は、根強いインフレを受けた家計の購買力の低下や金融引締めによる高金利等を背景に、前年度から継続していた回復のペースが鈍化しております。もっとも、米国では、良好な雇用・所得環境が個人消費の下支えとなり、順調に景気回復が続いております。わが国におきましても、堅調な企業収益のもと、省力化やデジタル化への対応に向けたソフトウエア投資を中心に設備投資が増加しました。一方、個人消費は、新型コロナウイルス感染症関連の行動規制の撤廃に伴う経済活動の正常化により回復が見られたものの、物価高の長期化を受けて伸び悩みが続きました。
  今後は、国内では好調な企業業績を背景とした設備投資の拡大や賃上げによる消費回復が期待され、海外でもインフレ鈍化や底堅い雇用環境により景気の軟着陸が想定されます。加えて、足許の国内におけるマイナス金利解除に伴う金利の上昇、円安、株高といった、当社グループにとって、良好な市場環境が持続すると見込んでおります。一方で、欧米金融政策のハードランディングの可能性、中国経済の停滞、米大統領選・国内政権支持率低迷等による政治不安定化、地政学リスク等のリスク要因も想定されます。
  また、あらゆる分野においてデジタル化がますます加速し、デジタル完結型のサービスの拡大やIT・デジタル技術を活用したビジネス変革ニーズの高まり等、企業活動や個人の消費行動が大きく変容しております。
金融業界においても、プラットフォーマーやFintech、異業種との協業や、互いの業界への参入が活発に実施され、競争が複雑化・激化しております。同時に、様々な規制の見直しも行われており、新たなビジネスへの挑戦余地も生じております。
  更に、世界が直面する社会課題についても、気候変動に加えて、人権や貧困、少子高齢化等、課題が多様化・深刻化しており、企業として幅広い社会課題に主体的に取り組むことがより一層求められております。
 
 

③ 経営戦略

 当社グループは、2023年度からの3年間を計画期間とする中期経営計画において、「最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグローバルソリューションプロバイダー」というビジョンの実現に向け、次の3つの基本方針に則った取組みを推進してまいります。


④ 経営指標

 本中期経営計画では、次の3項目を最終年度の2025年度の財務目標として掲げております。

<連結財務目標(2025年度)>

収益性

ROCET1※1

9.5%以上

ボトムライン向上とディシプリンを利かせた資本運営により極大化

効率性

ベース経費※2

2022年度実績比削減

経費額を適切にコントロールし、成長投資を実行

健全性

普通株式等Tier1比率※1

10%程度

規制最終化に対応した十分な資本水準を確保

※1 バーゼルⅢ最終化時ベース、その他有価証券評価差額金を除く

※2 営業経費から「収益連動経費」「先行投資に係る経費」等を除いたもの

(2) 対処すべき課題

 足許、国内でのマイナス金利政策の解除や、地政学リスクの顕在化、生成AIをはじめとするデジタル技術の普及による生活の変容等、さまざまな変化が生じています。当社グループは、こうした大きな変化に対応し、中期経営計画で掲げた前述の3つの基本方針に基づき、従来以上にお客さまや社会の動きを捉えつつ、グループの総合力を発揮してこれまでの取組みを加速させ、「質の伴った成長」を目指します。

① 社会的価値の創造 : 「幸せな成長」への貢献

 社会課題の解決を主導することにより、経済の成長とともに社会課題が解決に向かい、そこに生きる人々が幸福を感じられる「幸せな成長」に貢献してまいります。社会的価値の創造に向けた実行力を高めるために新設した「社会的価値創造本部」を中心に、従業員一人ひとりが当事者意識を持って、主体的にお客さまや地域社会・産業等の課題解決に貢献していくための枠組み等を整備してまいります。また、当社グループとして主体的に取り組むべき重点課題として定めた、次の5つの課題に対して、課題解決に向けたビジネスの強化や新たな事業の創出、環境・社会関連リスクの管理体制の高度化を通じたリスク低減等の取組みを、グループを挙げて本格化させてまいります。


 ※3 Diversity(ダイバーシティ、多様性)、Equity(エクイティ、公正性)、Inclusion(インクルージョン、包括性)の3つを合わせた概念。個々の異なる状況や特性に応じて、企業が適切なサポートを行い、多様な人材がその能力を最大限発揮できる環境を整備すること。

② 経済的価値の追求 : Transformation & Growth

 資本効率を更に意識し、経営資源を大胆に配分するとともに、スピード感をもって各種施策を進めることにより、飛躍的な収益の強化を図ります。これまでの成長投資や施策の成果を着実に実現させるとともに、大きな環境変化を踏まえた「不断のビジネスモデル改革」と「重点領域におけるフランチャイズの確立」に向けた取組みを進めてまいります。これらにより、事業ポートフォリオを変革し、資本効率の向上を伴った収益力の確実な強化を目指してまいります。
 その上で、グループ間の更なる連携を通じた相乗効果の追求や時機を捉えた適切なリスクテイク、新たなチャレンジやイノベーション等を重視して取組みを進めてまいります。
  具体的には、国内ビジネスにおいて、円金利上昇を見据えたビジネス改革に取り組んでまいります。個人のお客さま向けのビジネスにおいては、個人のお客さま向けの総合金融サービス「Olive」の推進と、「Olive」や資産運用等に関するご相談に特化した個人専用店舗「ストア」の展開を並行して進めることで、商品や店舗体制の優位性を維持しながら顧客基盤・預金の効果的な獲得を目指してまいります。また、法人のお客さま向けのビジネスにおいてもデジタル化による営業体制の見直しや決済ビジネスの強化により、効率的なビジネスモデルを再構築し、採算性の向上を実現してまいります。更に、お客さまに対して資金面のご支援、すなわち、当社グループの総資産を拡大させるビジネスのみによらず、手数料ビジネスの強化を進めることで、資本効率の向上を図ってまいります。海外ビジネスにおいては、事業ポートフォリオの見直し及び大胆な経営資源のシフトにより資本効率を向上させつつ、Jefferies Group LLCとの連携に基づき米国事業を更に拡大させるとともに、「マルチフランチャイズ戦略」のもとアジアにおいて出資を行った各社との協業を着実に進展させることにより、グループを牽引する力強い成長を目指してまいります。
 

③ 経営基盤の格段の強化 : Quality builds Trust

 当社グループのあらゆる活動の礎である、お客さまをはじめとするステークホルダーからの信頼を得るべく、経営基盤の格段の強化を進めてまいります。
  まず、当社グループが受けた行政処分等を踏まえ、健全な組織文化の更なる醸成・浸透と、コーポレートガバナンス・コンプライアンスの質の向上にグループを挙げて継続して取り組むとともに、IT投資や人材投入を通じた内部管理体制の強化を引き続き、グループ・グローバルベースで進めてまいります。
  また、先行きが不透明な環境下であってもビジネスモデルの拡大や高度化を実現するため、多様で優秀な人材の確保・育成に向けた人事制度の整備、人的資本投資と人材マネジメントの強化を推進してまいります。更に、グループの競争力向上やガバナンス強化に必要なデジタル化を進めるため、従来にない大規模かつ積極的なIT投資等を通じたシステムインフラの増強に取り組み、経営基盤の強化を図ってまいります。

 なお、当社グループは、足許、良好な業務環境のもと、収益水準が引き上がってきていることから、もう一段高いレベルを目指すべく、次期中計を見据えたROE目線を策定しました。具体的には、2023年度実績では7.0%である東証基準ROE※4を中計最終年度である2025年度に8%程度、次期中計最終年度である2028年度に9%程度とするものです。東証基準ROE9%程度という目線は、財務目標としているROCET1ベースでは12%程度を目指すものになります。
  現状に満足することなく、質の高い成長を実現させるため、主要施策を進め、これらの取組みにおいて着実な成果をお示ししたいと考えております。
 

※4  親会社株主に帰属する当期純利益を、新株予約権及び非支配株主持分控除後の期中平均連結純資産額で除して算出。(「第1 企業の概況」に記載の連結自己資本利益率と同義。)
 
 

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