ヴィッツ 【東証スタンダード:4440】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループのビジネスモデルは、積極的に研究開発を実施し、研究から得た知見を活かした開発受託や、コンサルテーション、関連コンテンツのサービスを提供するサイクルで持続的な成長をしております。研究開発活動は当社グループの事業の基盤と位置付け、そのテーマは顧客企業の抱える課題解決や欧州等の法規制対応等、産業分野横断型共通課題解決に寄与すると見込んだものを選択しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は63,916千円であります。なお、研究開発活動は当社グループ内で横断的に実施しているため、セグメント単位ではなく研究別の報告となります。
(1)AIの安全な活用技術
当社グループは令和4年度の「中小企業庁 成長型中小企業等研究開発支援事業」において採択された「機械の潜在能力を持続的に向上させる共進化(Co-evolution)ガイドラインの研究開発」を推進しており、「Human-Machine Co-Evolution System」(人-機械の共進化システム)の頭文字をとりHMCESプロジェクトとしております。
当該研究開発活動の成果であるHMCESガイドライン、HMCESプラットフォームを活用したコンサルティング及び開発支援サービスの展開を計画しており、これらの技術の提供により、AIの品質・安全保証に加え、生活の質(Well-being)や製造業の生産性を向上させることを目指しております。
当事業年度の研究活動では、国際標準化委員会、国際学会および顧客候補に評価いただき、HMCESガイドラインを拡充しました。さらに、ガイドラインに基づいたHMCESプラットフォームに共進化システム検証機能を搭載し、実証アプリケーションによる評価を実施しました。これらの国内外にて未発表の技術と製品を強みに、事業化の準備を進めております。
(2)仮想空間技術
当社では、デジタルツイン技術の発展とともに、製造業および自動車分野向けの仮想空間技術の開発を進めております。製造現場の最適化を支援する「SF Twin」および仮想自動車試験場「WARXSS®」の研究開発を推進しており、「SF Twin」は、製造現場を仮想空間上に再現し、安全性と生産効率の向上を図ることを目的としています。
当事業年度においては、人工知能を活用した自動最適化技術の開発を進め、将来的に自動シミュレーションによって理想的な生産方法を実現するための基礎研究を完了しております。
「WARXSS®」は、当社が開発した高精度CG技術を用いた仮想自動車試験場であり、現実で起こりうる様々な状況を仮想環境上で再現・検証できるシミュレータを提供しています。この技術は、繰り返しの検証が可能であり、自動運転車両のリスク評価においても利用されております。今後は、MaaS事業者やMaaS事業許認可団体への提供を視野に入れ、自動運転車両の安全性向上に寄与する技術としての発展を図ってまいります。
(3)業務効率化を目的とした生成AI技術
当社では、生成AI技術を活用した社内業務の効率化ツール開発を進めております。
コンサル業務の補助、新人育成や、部門間の技術伝達の効率化に寄与するため、既存の資料や教材を元にしたチャットbotシステムを作成しています。
このシステムは、LLM(大規模言語モデル)とRAG(Retrieval-Augmented Generation)を利用しており、社内の技術資料に基づいた知識提供や資料のレビューが可能です。
当事業年度はAzureとOpenAIを活用したRAGのベースシステムを構築しました。また、LLMのパラメータ調整やプロンプト設定、RAGで使用するインデックス構成の調整を実施しました。
今後は、社内でのシステム共有を進め、使用者からのフィードバックを基にさらなる精度向上と多角的な観点によるAIレビューの実現を目指しております。
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