ローランド 【東証プライム:7944】「その他製品」 へ投稿
企業概要
当社グループは、2023年1月からの3年間を対象とした中期経営計画を策定しました。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針 (経営理念)
ローランド・グループの経営理念は、以下の3つのスローガンに集約されています。これらは、ローランド・グループが何のために存在し、どのような企業であろうとしているのかを表した、創業時から変わらない考え方です。
- 創造の喜びを世界にひろめよう
- BIGGESTよりBESTになろう
- 共感を呼ぶ企業にしよう
「創造の喜びを世界にひろめよう」
いつでも、誰でも、どこにいても、自分にあった音や映像の楽しみ方に一人でも多くの人がめぐり合える。そんなワクワクする世界の実現を、私たちは目指します。新たな作品を創りだす喜び、仲間たちと楽器を演奏する時の充実感、そして、それを多くの人と分かち合うひととき―無限に拡がる喜びの可能性を、追求し続けます。
「BIGGESTよりBESTになろう」
お客様一人ひとりにとって、常にBESTで特別な企業であること。私たちはそのためにたゆまず努力し、最善を尽くします。日々成長し続け、お客様の想いにこたえる。そしてまた、新たな夢や期待を寄せていただく。そんな信頼関係を大切にしていきます。
「共感を呼ぶ企業にしよう」
私たちは、支えていただいているお客様、取引先様、そして株主様など多くの方々に愛され、応援される企業を目指します。新しい価値を創り出す中においてもこうした方々の信頼を決して裏切らず、事業活動をよりよく理解していただく。そうして皆様からの共感を力にかえ、すべてのステークホルダーにとっての事業価値を持続的に向上させていきます。
(2) 事業環境・重要課題認識
当社グループの属する世界楽器市場は、海外市場を成長ドライバーとして、概ね1%〜3%程度の安定的な成長を続けてきましたが、近年では、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延に端を発した不透明感の強い事業環境が続いています。需要面では、Stay at Home需要により、いずれのカテゴリーにおいてもコロナ前より一段切りあがった需要が生み出されましたが、電子ピアノにおいては急激に拡大した需要からの反動減も見られます。また、成長市場であった中国においては、新型コロナウィルス感染症や児童教育に関する政策影響からの回復に想定以上の時間を要しています。これに対し、供給面における各種原材料の調達や生産、物流などへの制約とその後の挽回生産による供給過剰が需要バランスの崩れに繋がり、市場在庫の調整が継続している状況です。
これらの不透明感の強い事業環境は世界楽器市場の成長にも影響するものの、長期安定成長を続けている楽器市場においては一時的であり、調整局面が落ち着く2025年からは再び成長軌道に回帰すると考えられます。新型コロナウィルス感染症の世界的な蔓延をきっかけとした新しいライフスタイルの定着は、余暇時間で楽器演奏に挑戦する方、楽器演奏を再開される方の増加に繋がりました。加えてSNSやWeb配信の普及により、音楽は「聴く」だけのものから「創る」ものへと変化を遂げています。このような市場の変化は、いつでもどこでも一人でも気軽に演奏を始められる、さまざまな楽しみ方が広がる電子楽器にとって、重要な成長機会になると期待されます。
(3) 中期経営計画2023-2025 <長期ビジョン> The World Leader in Music Creation 〜音楽創造分野において世界的リーダーとなる〜
<中期経営計画ターゲット> Create Fans For Life! 〜生涯にわたるファンを生み出し、より多くの音楽 愛好家に愛されるブランドになる〜 |
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<中期経営計画2023-2025基本方針と主要施策>
① 需要創造:Game Changerによる市場創造と潜在顧客へのアプローチ
・Game Changer製品・サービス・新製品による市場創造
前中計に引き続き、Game Changer製品による新たな市場創造を目指します。eスポーツやポータブル・キーボードなどのポテンシャル市場への新製品投入、Drum Workshop社(以下DW社)との技術シナジー創出など、当社ならではの付加価値の高いGame Changer製品の開発を積極的に推し進めます。また、新製品割合を2025年には全体の約1/4を占めるまでに高め、不確実な環境下でも売上と利益を創出します。
・潜在的な顧客獲得によるビジネス拡大(ピアノ・ドラム)
<ピアノ>
新しく楽器を始めるエントリー層に向けて、新規チャネルの開拓と購入しやすいモデルの拡大を行います。また、さらなる楽器としての機能の向上や、デザイン性の向上により、アコースティックピアノユーザーを含む多くの方々に満足いただけるような楽器を生み出します。
<ドラム>
DW社とのシナジー創出を本格化し、既存の各ドラム市場(電子、アコースティック)の拡大だけではなく、両者が相まったハイブリッド市場をさらに拡大します。さらに、Roland Cloudから、ピアノ、ドラムの演奏を楽しむためのコンテンツやサービスを提供します。
② シェア拡大:ポータブル・キーボード市場への再参入と新興国での販売拡大、Roland Retailによるシェア拡大
・当社にとっての新市場への挑戦と、新興国での販売拡大
<ポータブル・キーボード>
大きな市場でありながら、当社にとって未開拓市場であるポータブル・キーボード市場に本格的に再参入し、製品拡充とRoland Cloudによる差別化を図ります。
<新興国>
膨大な人口増を背景に中間層の購買力増加が続く中国・インド・インドネシアを注力市場と定め、販売体制を整えることでシェアを拡大します。
・Roland Retailの強化により、顧客接点の“質”と“量”を向上
世界の主要都市に設置するRoland Direct Store、販売店様店舗における当社専用の販売スペースであるStore in Store、そしてRoland Direct ECなどの販売チャネルを通じて顧客と当社が直接つながり、接点の質、量の向上に取り組みます。
③ LTV(ライフタイムバリュー)向上:音楽を生涯楽しんでいただくための仕組みづくり
・Roland Cloud:「いつでも、どこでも、誰でも」楽しめる、パーソナライズされた体験サービスへ
クラウド型音源サービスRoland Cloudは、サービスを通して生涯顧客を生み出す仕掛けに進化します。現中計期間では、対象楽器の拡大やラーニングやストリーミングに対応したサービスをRoland Cloud上で提供し、さらなる付加価値向上に取り組みます。
・Roland Platform:
顧客理解により、製品やサービスを充実させ、マーケティングを最適化するための強力なエンジン
顧客データの一元管理を行うRoland Platformを起点にして、当社による顧客の理解、製品やサービスの充実化、マーケティングを通した顧客とのコミュニケーション向上を行います。Roland Platformを介して顧客とローランドが繋がることで、顧客ごとに最適化された新しい音楽体験を生み出していきます。
・ブランディングの強化:ブランド認知度向上により、より多くの音楽愛好家に愛されるブランドになる
さまざまなデジタルツールの活用やアーティスト、インフルエンサーとの関係強化などのマーケットコミュニケーションの強化により、当社のブランドストーリーを伝える活動を強化します。
④ 基盤強化:長期ビジョン実現に向けた人的資源活性化とインフラ投資
・グローバル人事
グローバルでの適材適所の人材配置や、株式報酬制度のグローバル展開といった人事体制の拡充に努め、人と組織の活性化を行います。
・基盤強化
ビジネスのさらなる拡大に向けた基幹システム更新や事業所再編、本社と海外子会社の連携強化など当社の成長を支えるインフラへの投資を加速します。
・サプライチェーンの高度化
販売機会ロスの低減やリードタイム短縮、オートメーションの推進・新システム導入によるアジリティ強化に取り組みます。また、中長期では、DW社との生産拠点の相互活用や技術の融合、半製品の共通化などの推進により、生産能力と生産技術の向上、利益改善に取り組みます。
⑤ 財務目標
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