レノバ 【東証プライム:9519】「電気・ガス業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
1.サステナビリティに関する考え方
(1)企業理念とサステナビリティとの関係
当社のミッション(経営理念)は「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」ことです。当社はこのミッションを基に、持続可能な社会を実現すべく、再生可能エネルギー発電の専業会社として、アジア各国でマルチ電源(太陽光・バイオマス・風力・地熱・水力)の開発・運営を推進しています。
また、当社には「日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなること」というビジョン(目指すべき企業の姿)があります。このビジョンを達成するためには、グリーン・エネルギーの導入促進だけではなく、事業開発の過程において、地域社会との共生や事業を通した新しい価値の創造、また、新たなサプライチェーンの構築など多様な観点を持って事業全体のサステナビリティを向上させることが重要であり、これらの実現をもって目指すリーディング・カンパニーに近づけると考えています。
(2)サステナビリティの基本方針
当社は、ステークホルダーの皆さまとともに、エネルギーで困ることのない100年後の未来をつくっていきます。
①当社は、ミッション(経営理念)の遂行により、社会のサステナビリティ向上に貢献してまいります。
②当社は、ひとつひとつの企業活動において、持続可能なあり方を追求します。特に、「安全安心」な「共存共栄」の事業を長期に運営していくことを志向している当社にとって、事業の成立及び発展には、多岐にわたるステークホルダーの皆さまとの協業が不可欠です。
③当社ではコミットメント(経営原則)として「地球」「地域」「顧客」「株主」「社員」という主要ステークホルダーごとの約束を掲げています。
地球:人類と地球の、永遠の共生に貢献します
地域:歴史と文化を尊重し、新たな価値を共に創ります
顧客:経済的で環境にやさしいエネルギーを供給します
株主:株式価値を持続的に創出します
社員:有能な人材を集結し、エキサイティングな自己実現の機会を提供します
④再生可能エネルギー事業では「地域の恵みである自然エネルギーを使わせていただいている」という考えのもと、当社は上記ステークホルダーのうち「地球」「地域」を最重視しています。地球環境・地域社会にとって、長期的でよりいっそうサステナブルな発電事業を育くむとともに、当社自体のサステナビリティも大切にしてまいります。
(3)サステナビリティへの取組み状況
当社は取締役会において、サステナビリティの考え方と基本方針を策定し、当社の取組内容を企業サイトにおいてご紹介しています。
サステナビリティページhttps://www.renovainc.com/sustainability/
2.ガバナンス(気候変動への対応については「下記6.」ご参照)
サステナビリティへの取組みを推進するため事務局を設置し、毎年、取締役会へ活動状況を報告するとともに取締役会で指摘された事項を推進活動に反映しています。
3.リスク管理(気候変動への対応については「下記6.」ご参照)
「ステークホルダーにとっての重要度」と「事業にとっての優先度」の観点から、「温室効果ガス削減貢献」、「腐敗防止」、「再エネ発電」等、当社が重点的に取り組む12領域のマテリアリティを特定し、取締役会及び経営会議での開発投資意思決定時にはサステナビリティ評価項目ごとに取組み状況を評価しています。
4.戦略と指標・目標(気候変動については下記6.参照)
発電事業の持続可能な成長に向けた取り組みとして、「調達」「設計・施工」「排出」の領域において長期目標を定め、これを実現するために「サステナブル調達方針」、「サステナブル建設方針」を定めています。
サステナブル調達方針:https://www.renovainc.com/sustainability/sustainable_procurement/
サステナブル建設方針:https://www.renovainc.com/sustainability/sustainable-construction/
5.人的資本(人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略)
「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という当社の企業理念を実現するためには、当社は、全ての社員が中核人材であると考えています。これを前提に、当社の競争力の源泉は、「ひとりひとりの人材(「個」)」と「チーム」の力です。再生可能エネルギーは地域により異なる自然条件や風土を活用する事業ですが、その多種多様な自然条件・風土を活かし事業化をするには、当社の中に多様性があり、その集合知が高いレベルにあることが必須です。
そのため、これまでも、人種・性別・年齢・国籍等の違いに依らず、異なる経験・考え方・ものの見方を持つ有能な「個」の多様性を活かすべく、多様な社員を平等に採用・評価・登用してきました。結果として、当社グループ(当社及び当社連結子会社)の2023年3月31日時点の中途採用者比率は89.1%、女性比率は30.1%、外国人比率は10.4%に至ります。
当社の人材育成方針は上述の通り、異なる経験・考え方・ものの見方を持つ有能な「個」の多様性を活かすべく、多様な社員を平等に採用・評価・登用するという方針です。したがって、属性ごとの目標数値を定めてそれを追求することに主眼をおくのではなく、再生可能エネルギー市場において中長期的に事業拡大するための複数種類電源(マルチ電源)での発電所開発、GX事業、アジアを主とする海外での事業拡大といった当社の事業戦略に合致した有能な「個」の力を活かすための人事・組織戦略に取り組んでまいります。
また、今後も全ての「個」が適材適所で活躍するためには、「あらゆる障壁がない・障壁をつくらない」ことを目標に職場環境を整備していくと共に、多様性への無理解・無関心・無意識をなくすための社員の理解醸成をはかる取組を進め、Inclusion&Diversityの弛まぬ追求をしていきます。
6.気候変動への対応(TCFD)
当社グループは、2021年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース」による提言(以下、TCFD提言)に賛同する署名を行い、当社グループのホームページにて、TCFD提言に基づく情報開示を行いました。当社グループでは、TCFD提言を経営における気候変動対応の検証指標として活用しています。
(1)ガバナンス
当社グループでは、気候変動対応を経営の最重要課題の一つであると認識しています。経営の意思決定や監督を行う取締役会において、気候変動問題を含む案件についても意思決定、監督しています。また、全社的リスク管理委員会では、代表取締役社長のもと、役員等が気候変動問題を含むリスクや機会の対応に関する行動計画の策定や活動内容の審議を行います。
(2)リスク管理
当社グループは、TCFDのフレームワークに基づき、シナリオ分析を実施しました。気候変動関連リスク・機会を「移行リスク」、「物理リスク」、「機会」の区分で特定し、11項目の分類を選定しました。シナリオ分析において抽出された主要なリスクは、全社的リスク管理委員会において報告・議論され、対応方針を確認し、各対応状況についてPDCAサイクルにより管理します。また、取締役会において、気候関連のリスクや持続可能性について再生可能エネルギー発電所の開発に関する投資判断を含む意思決定を行っています。
リスクと機会の認識
| 分類 | 内容 |
移行リスク | 政策・法規制 | ・再生可能エネルギー導入促進に掛かる関連法規制の改訂 |
技術 | ・当社が取扱わない発電技術の著しい進展に伴う再生可能エネルギー電源の需要低減 | |
市場 | ・資材価格の上昇に伴う建設コストの増加 ・バイオマス燃料価格の上昇に伴う発電コストの増加 ・出力抑制の増加に伴う収益機会の減少 | |
評判 | ・再生可能エネルギーの大量導入に伴う社会的受容性の低下 ・自然災害等による再生可能エネルギー設備の事故に伴う社会的受容性の低下 | |
物理リスク | 急性 | ・大規模風災害等の突発的な気象事象に伴い想定通りに発電しないリスクの増加、再生可能エネルギー設備の復旧費用等の増加 |
慢性 | ・気象激化による発電量の低下 ・異常気象の激化又は長期化等に伴うバイオマス燃料価格の上昇 | |
移行機会 | 資源の効率 | ・バイオマス燃料価格の低下による収益機会の増加 ・再生可能エネルギー電源を活用した事業機会の増加 |
エネルギー源 | ・再生可能エネルギー電源の多角化に伴う、多様な再生可能エネルギー電源の開発機会の増加 ・気候変動に伴う日射量の増加や風況の向上等による発電量の増加 | |
製品・サービス | ・化石エネルギーの需要減少に伴う再生可能エネルギーの需要拡大 ・新技術の進展等に伴うLCOEの低下 ・電化の拡大による電力需要の増加に伴う、再生可能エネルギーの需要の増加 | |
市場 | ・資金調達環境の良化 ・カーボンプライシング・非化石証書等を含む、「環境価値」の導入による収益機会の増加 ・脱炭素化政策の導入加速化による再生可能エネルギー市場拡大に伴う、事業機会の増加 | |
レジリエンス | ・送配電含むインフラ整備の進捗による事業機会の増加 ・エネルギー自給率の向上に関する意識の高まりに伴う事業機会の増加 |
(3)戦略
国際エネルギー機関(IEA)が2021年10月に公表した「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」(世界の平均気温を産業革命期比で1.5℃までに抑制するシナリオ)では、2050年に全世界における電力使用量の約88%が再生可能エネルギーになるとされています。世界において、再生可能エネルギーの導入を拡大する政策が進められているなか、日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなることを目標に、日本を含めたアジアにおける再生可能エネルギーの拡大を進め、更なる脱炭素化を目指します。
(4)指標及び目標
グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し、枢要な社会的課題を解決することをミッションに掲げ、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギー発電所の開発や運営規模の拡大を進めることを通して徹底したCO2削減の貢献を進めます。
項目 | 目標 | 目標年 |
社会へのCO2削減の貢献 | 累計1,000万トン | 2030年 |
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