ユシロ化学工業 【東証スタンダード:5013】「石油・石炭製品」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は創業以来、「共々の道」という理念を掲げ、事業に取り組んでおります。これは、企業は社会と共に、お客様と共に、さらには社員と共に歩んでこそ株主に繋がる皆様のためになり、企業価値向上に繋がるという考えであります。
この不易の理念を踏まえ、当社は次の三つの経営理念を定めております。
①お客様に最良の商品とサービスを提供する。
②事業の発展を通じ、企業価値の永続的な向上を図る。
③社員が思う存分にその能力を発揮できる活力ある職場を作る。
(2) 経営環境と対処すべき課題
2024年度の経済状況は、ウクライナでの戦争の長期化、中東での地政学リスクの顕在化など不透明な要因があり、物流面の混乱などから原材料価格の高値安定が見込まれます。日本国内では、自動車・航空機とも引き続き穏やかに生産の増加が見込まれるものの、インフレの亢進、賃上げによる人件費の上昇などコスト面から、粗利幅の確保において厳しい環境が想定されます。
このような状況下、コストの上昇要因に対し採算の確保にむけて、顧客への価格改定の理解を求めるとともに、インフレの状況下でのコスト削減という難しい課題に取り組んでまいります。また、今年度からスタートした第20次中期経営計画「EXPLORER PLUS」の初年度として、進行するEV化・顧客のESG志向の進行を見据えた新製品の拡販・投入、新商材であるヒカリアクション・自己修復性素材の事業化といった長期テーマを軌道に乗せるとともに、以下の課題に取り組むことにより昨年度以上の収益の実現を図ります。
① 原材料価格高騰に対する対応
- 新たなコスト上昇に対する顧客との交渉による適正な価格転嫁の実施
- サステナブルな原材料調達(海外拠点を含めた原材料調達の効率化、内製化)
② 金属加工油剤の販売拡大
- 自動車業界隣接分野(EV含む)及び他市場への参入・販売拡大
- 航空機、医療、半導体などの非自動車分野に向けた高付加価値製品の販売拡大
- ヒカリアクション機能を付与した切削加工油剤、常温洗浄対応製品など特色ある製品の販売拡大
③ 市場開拓
- シクロデキストリン誘導体の機能性添加剤としての販売先拡大と量産体制確立
- ヒカリアクション製品のラインアップ拡充
- 車両洗浄及び床用ガラスコーティング剤の販売拡大
④ ESG戦略の推進
- サステナビリティ推進委員会の取り組みによる全社サステナビリティ活動の推進
- ESG推進項目のKPI化と目標設定
金属加工油剤の国内トップシェア企業として積み重ねてきた技術力、徹底した顧客ファーストの姿勢、そしてグローバル展開を活かし、グループ一丸となって上記課題に取り組み企業価値向上を図ってまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営指標として、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROEを重視しております。上記の目標として、下記のとおり定めております。
指標 | 2024年3月期 実績 | 2027年3月期 目標 |
売上高 | 529億円 | 600億円 |
営業利益 | 36億円 | 50億円 |
経常利益 | 46億円 | 61億円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 30億円 | 43億円 |
ROE | 8.0% | 10.0%以上 |
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが利益ある持続的な成長を実現するためには、南北アメリカ、中国、東南アジア/インドの成長地域での業績拡大及び国内事業の収益性の向上、さらに事業領域の拡大が必要と考えており、対処すべき課題に掲げた課題に取り組んでまいります。
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