ヤマイチ・ユニハイムエステート 【東証スタンダード:2984】「不動産業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
事業環境が急激に変化する時代となり、企業にとって、経済だけではなく社会や自然環境における持続可能性への取組が重要な経営課題となりました。当社グループでは、企業活動を通じてサステナブル社会の実現に貢献することを基本方針とし、常に長期的視点に立った不動産事業を進めてまいります。
[理念・価値観]
・スローガン
拓く力、街に息吹。
・ミッション
「安心」・「快適」・「満足」な街づくりと地域の活性化
・ビジョン
夢がかなう世界に。
・バリュー
柔軟な発想、迅速な行動、常に挑戦
[事業領域]
当社グループは、不動産開発を通じて、土地の価値が最大限に発揮される可能性を追求する事業に取り組んでおります。土地や建物は長い年月にわたって存在し人間活動の基盤となることから、持続可能な社会の実現において不動産が果たす役割は極めて重要であると認識しております。
[重要課題]
当社グループの理念や価値観に基づき、不動産・建設業界における社会課題や環境関連課題について、国交省の「不動産分野TCFD対応ガイダンス」等の資料やSDGs関連資料を参照しつつ、当社グループのリスクマネジメント委員会及びコンプライアンス委員会において取り上げられてきた課題の精査を行いました。それぞれのプロセスで抽出されたテーマについて、「弊社にとって重要性の高いもの」と「ステークホルダーの皆様にとって重要性の高いもの」という2軸の観点で絞り込みを行いました。そして、2023年3月開催の取締役会において、環境問題・社会課題への貢献を中心とした次の9つの重要課題を特定いたしました。
・当社グループが取り組むべき重要課題
①「安心」・「快適」・「満足」な居住環境の提供 ②持続可能な街づくりと地域の活性化 ③健やかな生活 ④低炭素社会への貢献 ⑤省エネ・創エネの推進 ⑥防災・減災への貢献 ⑦人材の多様性 ⑧柔軟な雇用形態 ⑨成長機会の提供 |
(1)ガバナンス
当社グループにおけるサステナビリティ関連の経営課題を統括するため代表取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を2023年3月より発足しました。サステナビリティ委員会は当社グループのサステナビリティ関連の重要課題への取組を推進する役割であり、コンプライアンス委員会、リスクマネジメント委員会、経営会議と連携して目標設定やモニタリングを統括し、取締役会への報告を行います。取締役会はサステナビリティ委員会の監督や経営会議を通じてサステナビリティ経営を実践してまいります。
(2)戦略
当社グループにおける環境関連の課題と動向について、重要なものは次のとおりと考えています。
大テーマ①低炭素社会(温室効果ガス排出抑制)への移行
小テーマ | リスク | 機会 |
政策・法規制 | 新たな税負担・規制導入によるコスト増加 | 認証取得/低炭素不動産への需要増 |
技術の発達 | 新技術・設備への切り替えコスト増加 | 省エネ等によるランニングコストの減少 |
社会認識の変化 | 未対応による企業ブランドの毀損、競争力の低下 | 対応による企業ブランドの向上 |
投資家・金融機関からの評価 | 未対応による低評価 | 対応による評価向上 |
市場の変化 | 炭素税・カーボンプライシングによるコスト・逸失利益 | 炭素税・カーボンプライシング対応によるコスト減/収益獲得 |
大テーマ②気候変動の物理的影響
リスク分類 | 小テーマ | 具体的な損害・被害 |
急性リスク | 風水害の激甚化 | ・不動産の物理的損傷 ・復旧コストの増加 ・沿岸地域の資産価値の低下 ・従業員のケガ・事故 |
風水害による事業停止 | ・浸水・停電・降雪・強風等による事業停止 ・サプライチェーンの断絶による事業停止 | |
慢性リスク | 平均気温の上昇 | ・空調コストの増加 ・冬季リゾート地の需要減少 ・労働生産性の低下 ・労働環境の悪化 ・浸水被害の増加 |
水リスク | ・水不足、干ばつによる事業の制限 ・水道料金の増加 | |
保険料 | ・保険適用範囲の縮小 ・保険料の増額 |
・環境関連課題への対応方針
これら環境関連のうち、低炭素社会への移行リスク/機会への対応として、住宅や店舗建築において環境負荷の低い材料や、省エネ・創エネの採用を進めていく方針であります。また、気候変動の物理的影響については、損害・被害を逓減することを目的として、新規開発時には防災・減災設備の充実やレジリエントな企画を進めることとし、また既存不動産については各物件の長期修繕計画を精査し、リノベーションや大規模修繕による不動産価値向上と耐用年数の延長を図ってまいります。
当社グループの不動産開発・賃貸事業は、長期保有を基本原則としており、できるだけ長期にわたり資産価値が保持されるように適切な管理と投資を行ってまいります。
当社グループにおける社会課題と動向、人的資本に関連する項目について、重要なものは次のとおりと考えています。
課題・動向 | リスク | 機会 |
ジェンダー平等 ※ (女性エンパワーメント) | ・企業イメージ ・労働生産性 ・人手不足 | ・企業イメージ ・生産性向上 ・採用/人材確保 ・新規サービス、事業 |
働き方の多様化 ※ | ・企業イメージ ・労働生産性 ・人手不足 | ・企業イメージ ・生産性向上 ・採用/人材確保 ・新規サービス、事業 |
人権問題(サプライチェーン) | ・企業イメージ ・不買運動 ・サプライチェーンの停止 | ・企業イメージ ・ファンづくり ・原材料確保 |
雇用環境の改善 ※ | ・企業イメージ ・採用、人材確保 ・離職率と採用コスト ・労働意欲 | ・企業イメージ ・採用、人材確保 ・離職率と採用コスト ・労働意欲 |
人材育成投資 ※ | ・企業イメージ ・研修コスト ・導入、モニタリングコスト | ・企業イメージ ・人材確保 ・生産性の向上 ・許認可要件の充足 |
社会構造の変化 (少子化・晩婚化・高齢化) | ・マーケットサイズの縮小 ・ボリュームゾーンの変化 ・ニーズの変容 ・所得、資産格差 | ・差別化の推進 ・新規商品、サービス
|
地方の活力低下 | ・マーケット縮小 ・資産価値の減退 ・在庫リスク | ・新規事業/サービスの推進 ・公的機関との連携 ・ドミナント戦略の推進 |
(注) ※印は、人的資本関連課題であります。
・人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
先行きの予測が困難な時代となり、これまで以上に柔軟な発想で、迅速な行動がとれる人材の確保が重要と認識しております。また、当社グループでは創業以来、不動産業はお客様の夢をカタチにする事業であること、そして、社員自身も夢を持ち、その実現に向けて努力することが大切であると考えてまいりました。自分自身とお客様の夢の実現に向けて取り組む人材が当社グループの事業を支えており、これからの企業価値向上のためにも大切な価値観であると考えております。
当社グループでは不動産事業をワンストップで扱うビジネスモデルを展開していることから、幅広い知識と経験及び高い専門性を有する人材が必要であります。
こうした考え方に基づき、当社グループでは、企業の成長ステージや営業エリアの拡大に合わせて即戦力のキャリア採用、異業種からの転職者、新卒採用などを通じて多様な人材の獲得を進めております。
育成方針としては、知識や資格取得のための研修制度を充実することで学びの機会を増やし、また、事業推進において必須な項目については研修成果の評価プロセスを通じてモチベーションの維持を図ってまいります。
社内環境の整備として、働き方の多様化を踏まえ、また、育児・介護といった各社員の家庭状況に応じた柔軟な業務内容や勤務形態が採れる体制の整備を進めてまいります。
加えて、柔軟な配置転換や役割変更を実施することで多様なキャリアパスを用意し、高い意欲が損なわれない工夫をしてまいります。
・社会課題対応に関する方針
当社グループでは、コンプライアンス委員会やリスクマネジメント委員会において、当社の事業と関連性の高い社会課題の抽出を行い、各テーマに沿った研修や意見交換を実施しております。交わされた議論に基づき、当社グループの規模に応じて実行可能な施策に順次取り組んでまいります。
(3)リスク管理
サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別、評価、及び管理するために、サステナビリティ委員会を推進役として位置付けております。同委員会は、代表取締役社長を議長とし、常勤取締役並びに執行役員により構成されております。同委員会では、コンプライアンス委員会で議論される環境・ガバナンス関連の課題や、リスクマネジメント委員会で取り上げられる環境・社会にかかわる事項の抽出や見直しを行い、経営会議を通じて目標設定や具体的なアクションプランの設定とモニタリングを行っております。
取締役会はサステナビリティ委員会と連携し、効果測定や進捗率について協議を行い、当社グループの各事業計画や中期計画との整合を図りつつ、経営会議や各事業責任者への指導を通じて改善指導を行ってまいります。
(4)指標及び目標
上記「(2)戦略」において記載した環境関連課題への対応方針に基づき、モニタリングとして次の指標を用いております。なお、当社グループは各社の業態、営業エリアが異なり、商品構成や規模が異なるため、提出会社の主要事業のうち、毎期一定量の供給等が見込まれる指標について具体的な目標を記載しております。
なお、自社ビルのCO2排出量モニタリングは2024年3月期より開始する予定であり、現状を把握したうえで目標設定を検討してまいります。
指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
住宅事業(和歌山エリア) 新築太陽光搭載率 | 2030年 搭載率80% | 搭載率52% |
住宅事業(和歌山エリア) ZEH比率 | 2030年 普及率50% | 普及率11% |
自社ビルCO2排出量(従業員1人当たり) | 未設定 | 2023年4月よりモニタリング開始 |
また、上記「(2)戦略」において記載した人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に基づき、モニタリングとして次の指標を用いております。なお、当社グループは状況の異なるM&A直後の子会社を含んでおり連結グループにおける記載が困難であるため、提出会社における指標について記載しております。
指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
女性採用率 ※1 | 2030年 50% | 50% |
男女の賃金の差異 ※2 | 2030年 100% | 87% |
※1 (年間女性採用数)÷(年間総採用数)
※2 労働者(管理監督者を除く)に関して、平均基本給(女性)÷平均基本給(男性)
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