マーソ 【東証グロース:5619】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を伴うことから実際の結果は異なる可能性があり、また、全てのリスク要因が網羅されているわけではありません。
(1) 事業環境等のリスク
① 人間ドック・健診市場の動向について(発生可能性:低、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社の主要市場である人間ドック・健診市場は、人生100年時代が到来する中、政府及び地方自治体による予防医療推進の取り組みや人々の健康意識の向上に伴い、一定の継続的な成長が見込まれております。
しかしながら、人間ドック・健診の担い手である医療施設の動向や政府・地方自治体における社会保険財政の状況と使用方針等により、人間ドック・健診市場の減退、若しくは市場環境が変化するような場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、ヘルスケア領域に限定せずに、行政実務全般に関するDXを推進する新たなサービス展開を開始しております。
② 他社との競合について(発生可能性:低、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
人間ドック・健診関連市場は、企業を中心に従業員の健康管理の一環として需要が高まっており、健診代行機関やクラウドサービスをベースとした健康管理支援システムを提供する企業を中心に新規参入事業者が増加してりおります。
今後、これらの事業者がシステムを活用した人間ドック・健診に関する予約サービス提供業務へ進出してきた場合、競争の激化により当社の市場における競争力が低下し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、当社はHCPFとDXの両サービスを提供することで参入障壁を高めております。また、医療施設のデジタル化は時間とコストが相応にかかり、費用対効果の点で先行者の後塵を拝すことが見込まれることから、当該事業者との関係では、相互連携による両社の利益追求も合理的な選択肢となることから、発生可能性は低いものと認識しております。
③ 技術トレンドやユーザーニーズの変化について(発生可能性:低、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
ヘルスケア関連の事業領域は、グローバルで潜在的に高い成長可能性が見込まれるため、ベンチャー企業からグローバル展開する大企業までが大小問わず事業を推進し、クラウドを中心に様々なシステムやツールが開発されております。
今後、技術革新等による技術トレンドやユーザーニーズの変化に十分に対応できない場合は、当社サービスの優位性が損なわれ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、最新のテクノロジーの知見やノウハウ、ユーザーニーズの蓄積等により、継続的な開発力の向上を図ってまいります。
④ 外国為替変動について(発生可能性:中、影響度:低、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、Amazon Web Service(AWS)を中心に海外事業者が提供するサービスを利用しておりますが、為替リスクヘッジは特段実施しておりません。そのため、想定以上に為替相場が円安傾向となった場合は、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、最新のテクノロジーの知見やノウハウ、ユーザーニーズの蓄積等により、継続的な開発力の向上を図ってまいります。
当社における為替リスクのある取引高の割合は低い状況ですが、今後当該割合が高まる場合は、金融機関等とも相談のうえリスクヘッジ手段を用いることも検討してまいります。
(2) 事業運営に関するリスク
① システムトラブルについて(発生可能性:低、影響度:大、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社が提供するサービスは、主にSaaS型のクラウドサービスとして提供しております。したがって、当社事業に関する各種サービスはコンピューターシステム及び通信ネットワークに依存しております。
このため、予期せぬ自然災害や不慮の事故により当社が管理するコンピューターシステムで障害が発生した場合や、想定を超える急激なアクセス増加等の一時的な過負荷やシステム障害によってコンピューターシステムや通信ネットワークが動作不能に陥り、サービスが停止した場合、当社に対する訴訟や損害賠償の実損害や当社に対する信用棄損を通じた無形の損害等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、これらのリスク低減を図るため、システムの冗長化やサーバーの負荷分散、定期的なバックアップの実施等により、システム障害等のトラブルの発生の防止及び回避を図っております。
② 顧客情報管理について(発生可能性:低、影響度:大、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、受診者や顧客企業の従業員の健診結果データである要配慮個人情報を含む大量の個人情報を保有していることから、個人情報の適切な管理は、極めて重要な責務と認識しております。
このため、万が一事故若しくは自然災害、悪意のある者による意図的な外部攻撃等によって当社の通信・ネットワークセキュリティに障害が発生した場合、又は、関係者等による人為的な事故若しくは悪意による情報の漏洩が発生した場合は、当社の情報管理に多大な支障をきたし、当社に対する訴訟や損害賠償の実損害や当社に対する信用棄損を通じた無形の損害等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、これらのリスク低減を図るため、個人情報保護法及び関連する法令等に遵守するための体制を整備しております。また、2016年3月にISMS(ISO27001:情報セキュリティマネジメントシステム)の認証、2017年1月にプライバシーマークの認証を取得し、これらの認証に基づいた各種情報セキュリティに関する規程等を定めて、情報の機密性、完全性、可用性の確保に努めるとともに、提供する各サービスについては、定期的に脆弱性診断を実施し、継続的な情報セキュリティレベルの改善及び向上活動を行っております。
これらにより、入室制限及び書類保管等の物理的な対処はもちろん、ランサムウェア攻撃等によるウィルス対策や外部からのアクセス遮断、社内でのアクセス権限設定等のアクセス管理の実施等、細心の注意を払い、情報漏洩防止に取り組んでおります。
③ 法令、制度改正に関するリスク(発生可能性:低、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、人間ドック・健診の予約メディアである「MRSO.jp」上にて、人間ドック・健診を提供する医療施設の紹介及び予約プラン等を掲載しております。このような医療関連メディアの運営を行う上では、医療施設に関する虚偽表示や誇大表示による広告等を禁止するための指針とされる「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(医療広告ガイドライン)」(厚生労働省)の規制を受けております。
また、上記の他にも「個人情報保護法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「資金決済に関する法律」等の各種法的規制のもと運営を行っております。
このため、将来的に当社事業に関連する分野において、これらの法令等の改正や新たな法律等の制定・施行により事業運営上の制約を受けたり、新たな対応を余儀なくされたりする可能性があります。このような場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、規制改定等に関する情報を迅速に把握対応し、これらを遵守すべく、適宜顧問弁護士等とも確認を行い体制整備に努めるとともに、適切な社員教育を行うことで法令遵守体制の整備・強化を図っております。
④ 特定サービスへの高い依存度について(発生可能性:中、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、2021年より主に全国の市町村向けに提供する新型コロナウイルスワクチン接種等の予約・運用管理を可能とする「MRSOワクチン」は多くの市町村に利用頂き、DXサービス売上の一部として計上しております。当該DXサービス売上として計上している「MRSOワクチン」の2022年12月期売上高は、643,059千円であり当社全体売上の28.6%を占めております。また、新型コロナウイルスの感染拡大に対して、国の接種体制として、市町村を主体としたワクチン接種以外に、国民全体へのワクチン接種の早期化を実現すべく、補完的かつ臨時的に実施された大規模接種等での利用ニーズに応じて、大規模接種等のためのワクチン接種WEB予約システムを提供し、大規模接種等サービス売上として2022年12月期は、737,187千円計上しており、当社全体売上の32.7%を占めております。DXサービス売上及び大規模接種等サービス売上として計上した新型コロナウイルスワクチンに関するWEB予約システム関連売上の2022年12月期売上高は、1,380,247千円であり、当社売上全体の61.3%を占めております。なお、これらの売上については、業務提携契約を締結した株式会社日本旅行や株式会社JTBを含む各販売パートナーが大規模接種会場等での全体運営を受託する中で、当社は提供システムの運営のみを行う協働体制のもと、当社システム利用売上分として計上されているものは2022年12月期1,040,398千円となっており、同期間の当社売上全体の46.2%を占めております。
2023年に入り、国民全体へ相当程度ワクチン接種が浸透したことやワクチン接種の緊急性が低下してきたこと等から、上記の大規模接種等の多くが2023年3月末迄に運営終了したことにより、2023年12月期の大規模接種等サービス売上は減少するとともに、各販売パートナーを通じた売上比率も減少しております。このため、当社では大規模接種等の性質や事業環境変化に鑑みて、2024年12月期以降の中期経営計画上では、同売上については、既に提供している、或いは受注済みの契約以外は見込んでおりません。
一方で、DXサービス売上の一部を構成する「MRSOワクチン」に関する売上は、国の新型コロナウイルスワクチンの接種体制として、市町村での接種を基本とする体制が継続されており、2023年12月期の同売上は増加しました。今後の新型コロナウイルスの感染状況の見通しは困難ではあるものの、高齢者や基礎疾患を有する方を中心に重症化リスクを防ぐ対策としてワクチン接種は一定の有効性が示唆されている中、国の接種方針としては、季節性インフルエンザと同様に定期接種化され、2024年度については秋冬接種の実施が予定されております。加えて「MRSOワクチン」はインフルエンザの予防接種等への活用も一部で開始されていることから、今後、他の予防接種等への更なる利用展開も見込まれます。また、当社は「MRSOワクチン」の提供を通じて拡大した市町村との取引基盤を基に、行政実務全般の各種予約申込の受付管理業務を中心としたデジタル化推進に向けた各種サービス(「MRSO住民健診」、「MRSOフォーム」、「MRSOご予約」等)の提供を実施しており、「MRSOワクチン」の取引先市町村へのこれらサービスのクロスセルを通じた取引拡大を見込んでおります。
当社は、地方自治体の様々なデジタル化ニーズを捉えて、既存サービスはもとより、新たなサービスの提供も順次実施していくことを予定しており、各種業務のデジタル化に向けた様々なサービス提供による業務効率化支援を拡大していくことで収益力の分散及び適正化を図ってまいりますが、これらが適切に実現できない場合や国のワクチン接種政策の修正等によって「MRSOワクチン」の契約アカウント数が大きく減少した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
直近2事業年度の上記売上等に関する推移は以下のとおりです。
サービス 提供区分 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | |||
金額 | 構成比(%) | 金額 | 構成比(%) | ||
① | DXサービス売上のうちMRSOワクチン売上(千円) | 643,059 | 28.6 | 671,513 | 37.1 |
契約アカウント数(件) | 521 | ― | 506 | ― | |
② | 大規模接種等サービス売上(千円) | 737,187 | 32.7 | 148,754 | 8.2 |
契約アカウント数(件) | 26 | ― | 1 | ― | |
①+②売上合計(千円) | 1,380,247 | 61.3 | 820,268 | 45.3 | |
全社売上(千円) | 2,251,424 | 100.0 | 1,809,413 | 100.0 | |
うち販売パートナーによる売上(千円) | 1,040,398 | 46.2 | 482,487 | 26.7 |
⑤ 外部検索エンジンの影響について(発生可能性:中、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社が運営している「MRSO.jp」への集客は検索サイトを経由したものが一定数を占めており、検索エンジンの表示結果に影響を受けております。
このため、外部検索エンジンを運営するプラットフォーム事業者のアルゴリズム(表示順位判定基準)変更等により、当社のSEO対策の有効性が低下し、検索結果が当社にとって優位に働かない状況が生じた場合には、集客効果が低下し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、検索エンジンからの集客を高めるための検索エンジン最適化(SEO対策)を実施し、定期的に広告宣伝効果を測定しつつ最適な広告宣伝を実施するよう努めております。
⑥ WEBメディア内の安全性及び健全性の維持について(発生可能性:低、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、「MRSO.jp」、「人間ドックのミカタ」等、医療施設による人間ドックのプランや自社による人間ドック・健診を中心とした医療記事等を掲載するWEBメディアを運営しております。また、これらのWEBメディア上では、運営者として、医療施設や一般企業からの広告を掲載しております。
このため、ユーザーがこれらの情報に基づき一定の判断をした結果として、何らかの不利益が発生した場合や人為的な要因等により掲載した内容に瑕疵があった場合等において、WEBメディア運営者として当社に何らかの責任が問われることにより、又はWEBメディアに対するユーザー等の支持低下や当社の社会的信頼性の毀損により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、掲載される医療情報・医療記事・広告記事については、社内ガイドライン・掲載基準に従って確認を実施しており、法令違反や公序良俗に反する内容を排除するような体制構築に努めております。
⑦ 外部クラウドサーバーへの依存について(発生可能性:低、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社が提供するクラウドサービスは、安全性、安定性、拡張性及び価格等を総合的に勘案し、Amazon Web Services, Inc.が提供しているクラウドコンピューティングサービス「AWS」を基盤として運営されています。
このため、AWSのデータセンター処理能力が当社の求める処理能力を満たさない場合やAWSに障害が生じた場合には、当社が提供する各種クラウドサービスへのアクセスが中断又は遅延する等、顧客からの信用が損なわれ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、同社による経営戦略の変更、又は、利用料改定を含む各種取引条件の変更等が行われた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、AWS以外のサーバー提供事業者の提案等も定期的に収集確認しており、継続的にAWSとの比較検討を行い、AWSの継続利用が困難に陥った場合等の代替事業者への円滑な移行に向けた検討を行ってまいります。
⑧ 知的財産権の侵害等について(発生可能性:低、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、当社提供のサービス名等について商標登録を行っております。当社が使用する知的財産について、現時点においては、第三者の知的財産権を侵害するものはないと認識しております。
しかしながら、当社事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であるため、意図せず他社の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。この場合、特許権侵害や商標権侵害を理由とする損賠賠償請求や差止請求、知的財産権の使用に対する対価の支払い等が発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、今後の事業活動においても第三者の特許権、商標権等の知的財産権を侵害することがないように外部専門家と連携し、適切な管理に努めてまいります。
⑨ 訴訟等について(発生可能性:低、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、コンプライアンス規程を制定し、法令を遵守した事業活動を行うべく、従業員に対しても法令遵守への意識向上を図っております。
現時点においては、当社は係争中の訴訟を有してはおりませんが、事業活動の遂行において、意図しない法令違反や不適正行為、契約を巡る紛争や損害賠償等、第三者からの訴訟その他法的手段の提起等がなされた場合には、金銭的な負担に加え、企業イメージの悪化等、社会的なレピュテーションの低下により当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、法令改正等に関する情報を専門誌の購読等を通じて迅速に把握し、対応が必要な場合は、速やかな体制整備に努めてまいります。また、法的手段等の提起がなされた場合には、適宜顧問弁護士等とも協議のうえ適切な対応を図ってまいります。
(3) 経営体制に関するリスク
① 特定人物への依存について(発生可能性:低、影響度:大、顕在化する可能性のある時期:常時)
代表取締役社長である西野恒五郎は、当社の創業者の一人であり、2017年3月以降は代表取締役社長を務めており、当社の経営方針や事業戦略構築、信用力の向上等において重要な役割を果たしております。
このため、何らかの理由により同氏が業務を継続することが困難となった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、取締役会等の会議体等を通じて役員及び幹部社員との情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に依存しない経営体質の構築を進めてまいります。
② 人材確保と育成について(発生可能性:低、影響度:小、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は従業員数が21名(2023年12月末)と小規模な組織であり、更なる成長のため、優秀な人材確保及び人材育成が不可欠であると認識しております。また、人員拡大とともに内部管理体制の更なる強化を併せて図っていく予定であります。
このため、人員採用計画等が何らかの事情により想定通り進まなかった場合、又は既存人員の人材流出が進んだ場合には、競争力低下やリソース不足により事業が計画通りに進まない可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、採用方法の多様化を図り、当社の企業風土にあった人材の登用を進めるとともに、内部管理事項を含む各種研修の実施等により、各人の能力底上げを行ってまいります。
(4) その他リスク
① 三和システム株式会社との関係について(発生可能性:低、影響度:小、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、2015年2月に設立され、ゴルフ事業向け基幹システムを提供している三和システム株式会社の新規事業として開始された医療事業部より事業譲受を受けて事業運営を開始しております。
当社設立経緯より、三和システム株式会社は、2023年12月末現在において、当社発行済株式の14.9%を所有しております。また、当社代表取締役で当社発行済株式の37.5%を所有する西野恒五郎は同社の役職には就いておりませんが、同社株式の70.8%(自己株式除く)を保有する株主であります。同社は当社の上場時において保有する当社株式の一部売出しを実施した結果、「その他の関係会社」には該当しなくなりました。一方で、同社は依然として当社の第2位となる大株主であります。同社の当社保有株式についてはロックアップの合意を行っておりますが、ロックアップ期間経過後においては、同社による当社株式の売却は制限されません。仮に同社が当社株式を売却する場合には、売却する株式数や売却時の市場環境等により、当社株式の流動性や市場価格等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、原則として、同社との取引は行わないものとしており、やむを得ず取引を行う場合は、取締役会にて審議・決議のうえ、一般の取引条件と同様の条件で行うものとしております。当期においては、同社との取引は行っておらず、同社に対する債権債務の残高もありません。また、当社は同社からの経営上、事業上、人事政策及び資本政策等について何ら制約等も受けておりません。
② 調達資金の使途について(発生可能性:低、影響度:小、顕在化する可能性のある時期:2年以内)
当社が計画している公募増資による調達資金の使途については、新機能や新サービス開発等のためのシステム開発投資、当社サービスの認知度向上や顧客獲得のための広告宣伝投資に充当する予定であります。
しかしながら、急速に変化する経営環境へ柔軟に対応していくため、当初の計画を変更し、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があります。また、当初計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性もあり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、資金使途に変更が生じた場合には、変更した旨の開示を行う予定であります。
③ 配当政策について(発生可能性:中、影響度:小、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、現在は事業拡大過程にあり、財務体質の強化に加えて更なる事業成長のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化及び収益力強化のための投資に機動的に充当していくことが株主への最大の利益還元につながるものと考えております。
将来的には、経営成績等を勘案しながら株主への配当還元を検討していく所存でありますが、現時点において配当実施の可能性及び実施時期は未定であります。
④ 当社株式の流動性について(発生可能性:低、影響度:小、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、東京証券取引所グロース市場への上場しておりますが、2023年12月末時点での流通株式比率は36.4%にとどまっております。
このため、株式市況等の要因により流通株式比率が向上しない、あるいは低下する可能性があり、これらの場合には当社株式の市場売買が停滞すること等により当社株式の需給関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これらのリスク低減を図るため、今後は、既存大株主への一部売出しの要請、新株予約権の行使等による流通株式数の増加に努め、流動性の向上を図ってまいります。
⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、影響度:小、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社は、役員、従業員及び社外協力者に対して、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権の権利行使の可能性や時期について正確に予測することはできませんが、将来の権利行使時点において当社株式が新たに発行され、既存株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化される可能性があります。
なお、2023年12月末時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は253,370株であり、発行済株式総数 3,531,250株の7.2%に相当しております。
⑥ 新型コロナウイルス感染症の影響について(発生可能性:中、影響度:中、顕在化する可能性のある時期:常時)
当社では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、テレワークや時差出勤の実施、出張を伴う遠方への営業活動の縮小等の対策を行ってまいりましたが、経済活動が正常化に戻りつつある中、段階的に当社内における各種活動も新型コロナウイルス感染症発現前の状況へと回帰してきております。
しかし、当社従業員に感染者が発生し企業活動の停止を余儀なくされる場合や、再び新型コロナウイルスの感染拡大による受診者の人間ドック・健診の受診控えが生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、当社は市町村に「MRSOワクチン」を提供していることによる事業及び業績に及ぼす影響については、上記「(2)事業運営に関するリスク ④特定サービスへの高い依存度について」に記載しているとおりです。
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