ポラリス・ホールディングス 【東証スタンダード:3010】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
(経営理念、長期ビジョン)
当社は、2024年5月に中期経営計画(2024年度から2026年度)を策定し、新たな「経営理念」及び「長期ビジョン」を策定いたしました。
経営理念:「変革・創造・挑戦」
当社グループがより多くのステークホルダーに「選ばれる企業」になるために、
・これまでの常識や既成概念にとらわれないための「変革」を行い、
・新しい感性や自由な発想で「創造」し、
・新しい効率的な経営に「挑戦」していくことを理念とします。
長期ビジョン:「選ばれる企業」
「ホテルオペレーターのTopTier」として、ステークホルダーから「選ばれる企業」へ
・お客様に選ばれる企業:お客様の満足を追求し、心地よい空間を提供します。
・従業員に選ばれる企業:従業員の多様性を尊重し、働きやすい環境を共創します。
・投資家・オーナー様に選ばれる企業:高い収益力と安定した財務体質を構築し、収益の安定成長を実現します。
(2027年3月期までの定量目標)
当社が策定した中期経営計画(2024年度から2026年度)において、2027年3月期に向けて下記の定量目標を定めております。
■主な財務目標 ■その他の定量目標
| 2027年3月期 |
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| 2027年3月期 |
売上高 | 250億円 |
| 運営客室数 | 10,000室 |
営業利益 | 29億円 |
| 運営ホテル数 | 60店舗 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 25億円 |
| 配当性向(連結) | 30% |
株主資本利益率 | 15% |
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営業利益平均利益率 | 30% |
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(2)経営環境
国内のホテルマーケットは、2023年の宿泊旅行統計調査によれば、国内全体の延べ宿泊者数は5億9,275万人泊で2019年と比較して△0.5%とコロナ禍前の水準まで回復しており、2024年1月第2次速報値では、国内全体の延べ宿泊者数は4,565万人泊(2019年同月比+6.9%、前年同月比+15.6%)、2024年2月第2次速報値では、国内全体の延べ宿泊者数は4,785万人泊(2019年同月比+9.9%、前年同月比+16.3%)となり、日本人宿泊者数の堅調な回復に加え外国人宿泊者数の大幅な増加の影響により、2019年同月比の水準を大きく上回っております。また、訪日外国人の平均宿泊日数の長期化及び旅行消費額の増大など、ホテルマーケットの成長に繋がる質的な変化も見て取れます。これらの良好なホテルマーケットは、日本政府による観光立国推進の施策などにより、今後も拡大していくものと考えております。特に近畿地方においては大阪・関西万博の開催を2025年に控え、世界的に注目を集める地域となることからインバウンド消費の増大が期待されます。
フィリピンのホテルマーケットは、フィリピン観光局の調査によれば、フィリピンへの外国人観光客数は、2023年5百万人で2019年の8百19万人と比較して△38.9%となり、日本国内に比べるといまだ回復の途上にあります。ただし、2024年1月から4月までの同数値は、2023年同月と比較して+16.8%と大幅に改善しており、今後の回復が期待されます。
(経営戦略)
上記の目標を達成するために当社では以下の戦略を実行してまいります。
1.運営プラットフォームの拡大
当社グループではホテル店舗数及び運営客室数の増大を図り、運営プラットフォームの拡大を図ってまいります。2024年3月期末現在におけるホテル店舗数及び運営客室数は47店舗8,205室であり、開業予定店舗を含めますと50店舗8,958室であります。当社では、2027年3月期までに国内外の運営プラットフォームを60店舗10,000室まで拡大することを目標としており、運営プラットフォームの拡大により、規模の経済の追及し収益性の向上を図ってまいります。
当社グループは、以下の柔軟な運営方針に基づき、出店機会を的確に捉え運営プラットフォーム拡大を実現してまいります。
① 契約形態
フィー収入型で損益分岐点が低い運営委託型、変動賃料型及び固定+変動賃料型と、アップサイドをより享受可能な固定賃料型及び自社所有型をバランスよく受託し、成長性と安定性を両立するポートフォリオの構築を推進いたします。
② ブランド
自社ブランドであり出店における柔軟性が高いKOKO HOTELを積極的に展開し、リソースを集約することでよりブランド価値を高める方針であります。また、案件属性及びオーナー様のニーズを踏まえて、ベストウェスタン及びバリュー・ザ・ホテルのブランドも合わせて展開してまいります。
③ ホテルタイプ
既存ポートフォリオで運営しているミッドスケール、アッパースケールタイプの宿泊特化型ホテルの出店を積極的に行いながら、より高価格帯のホテルであるリゾート、旅館、フルサービスホテルへの出店など、これまで取組みがないタイプの宿泊施設への出店も積極的に検討を行い、事業機会、顧客層、及び収益の拡大を推し進めてまいります。
④ 出店エリア
現在、出店実績のある大都市圏を始めとする地域に加え、競合性が相対的に低く今後も安定した需要を見込むことが可能な地方都市などへの出店につきましても検討してまいります。
2.ホテル運営力の強化
運営プラットフォームの拡大に伴うチェーンのメリットを活かし、ホテル運営チーム、セールス&マーケティングチーム、レベニューマネジメントチームとの連携を通じて、収益の最大化を図ってまいります。
レベニューマネジメントにおいては、本部のレベニューマネジメント専門チームがホテル現場、セールス、マーケティングチームと連携しながら、マーケットの需要の変化に即した精緻なレベニューマネジメントを徹底し、売上の増大を実践してまいります。また、セールス&マーケティングにおいては、SNSを活用したブランドのPR、チェーンでのプロモーションの実施、ブランディングの強化により認知度の向上などを行ってまいります。
加えて、ホテル運営においてもチェーンのメリットを活かし、近接ホテルとの支配人の共通化やシフト効率化、マルチタスク化などによる人財の最適化を通じて、人件費の効率的なコントロールを実施してまいります。
3.ホテル投資
不動産事業に豊富な実績を有するスポンサーグループであるスターアジアグループとスターアジアグループに属するスターアジア投資顧問株式会社に資産の運用を委託するスターアジア不動産投資法人との間で更なる連携を図り、スタ―アジアグループとのホテル物件への共同投資、スターアジア不動産投資法人へのホテル物件の売却等により、運営プラットフォームの拡大を継続するとともに、ホテルの運営収益に加えてホテル物件の売却に伴う売却益の実現も目指してまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 国内ホテル運営
コロナ禍においては、運営コストの削減のため効率的な運営体制の確立による収益の最大化、並びに不採算店舗からの撤退及びフィー収入型モデルである運営委託型・固定+変動賃料型の運営ホテル数の拡大による損益分岐点の低下に努めてまいりました。
今後につきましては、ホテル需要の成長を当社グループの収益により効果的に取り込み、コスト上昇のインパクトを軽減するため、客室販売戦略及び料金戦略の立案、実行を通じた売上・利益の最大化を目的とするレベニューマネジメントの更なる実践、損益分岐を意識したコスト抑制を実現する効率的な運営手法の徹底、高い成長性を創出する固定賃料型及び自社所有型の運営形態の検討等を通して、更なる利益の最大化を図ってまいります。
② 海外ホテル運営
「Red Planet」ブランドは、フィリピンにおいて同国2位のホテル棟数規模を有する宿泊特化型ホテルチェーンであり、統一したブランドスタンダードの下、ハード及びソフトの両面から高品質のサービス提供を通じて、高い競争力を誇るホテル運営手法を強みとしています。運営するホテルの建物は当社の子会社が所有しており、損益分岐点が低く抑えられていることから、今後のアフターコロナの需要回復に伴い、スケールメリットを活かした運営による収益の回復が見込まれています。今後につきましては、国内ホテル運営と共同でのマーケティング施策の実施等、シナジー創出のための取組みについても推進してまいります。また、フィリピンの金融機関からの高い借入れコストの低減についても、リファイナンス等の財務的戦略の実施により引き続き推し進めてまいります。
③ IR活動
当社は、積極的な情報開示と開示情報の充実を図るべく、上場規則等に定める適時開示のみならず、当社の状況を的確にご理解いただくための情報開示を行っております。また、国内外の幅広い投資家への公平な情報配信のため、日英での同時開示に努めており、今後も、積極的な情報開示と開示内容の充実を継続してまいります。
④ コーポレート・ガバナンス
当社グループは、当社を取り巻く幅広いステークホルダーとの信頼関係を構築し、経営の透明性を高め、内部統制機能の強化を図っていくことが企業価値の向上に重要であると考えております。経営の監督を行う取締役においては、コーポレートガバナンス・コードを遵守に努め、スキルマトリックスなどによりバランスの取れた経営陣の確保と監督機能の充実を図ります。また、内部統制においては、社内外のリソースを有効活用し、社内において高い専門性を有する人財を登用するとともに、内部監査のアウトソーシングなども行いながら効率的なガバナンスの体制を構築してまいります。
⑤ 財務関連・資金調達
持続的な成長資金を確保するため、金融機関との関係を強化し新規借入れの交渉を行うとともに、資本市場における資金調達を検討し、調達コストの最適化を含む機動的な財務戦略の実践を行ってまいります。また、財務基盤を強化するとともに、金利負担の軽減を図るため既存借入れのリファイナンス等も合わせて検討してまいります。
⑥ 株主還元
当社グループは過去16期にわたり無配が継続しておりますが、復配の実現による株主還元策の拡充を優先課題と位置付け、2025年3月期末に1株当たり3円(連結配当性向25.3%)として復配を行う予定としております。また、当社グループ事業との関連性の低い現行株主優待制度から当社グループの運営ホテルへの宿泊の割引を受けられる新株主優待制度へ変更することも合わせて予定しており、継続的かつ安定的な株主還元策の充実に取り組んでまいります。
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