フィード・ワン 【東証プライム:2060】「食品業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境及び経営方針
国内の景気は、コロナ禍で抑制された状態からのリバウンド需要が一巡し、物価高の影響があるものの、雇用情勢の改善が期待され緩やかな回復になるものと想定しております。原材料価格は若干下落したものの、円安の影響もあり依然高止まりを続けております。度重なる飼料価格安定基金負担金の増額、加えて物流の2024年問題による物流費の増加も見込まれることから、収益面では不透明な状況が続くことが想定されます。
こうした状況下において、当社グループは、新たにPurpose「飼料で食の未来を創り、命を支え、笑顔を届ける」を設定し、事業活動を行っています。また、Missionを、飼料一粒から皆様に万倍のしあわせをお届けしたい、という思いから「一粒万倍」に、Visionを、リーディングカンパニーとしてステークホルダーの皆様に当社を選んでいただけるよう「1(ONE)にこだわり、選ばれる企業へ」に刷新いたしました。畜水産業界が将来にわたって発展し続けるために、私たちは常にお客様の目線でニーズや課題を捉え、挑戦し続けます。
また、Purposeの策定に合わせ、「マテリアリティ(重点課題)」を更新し、事業方針や戦略策定の土台といたします。
(2)経営戦略等
当社グループは、「中期経営計画2026~1st STAGE for NEXT 10 YEARS~」を策定しました。本中期経営計画期間は、10年後を見据えた土台づくりの期間と位置付け、過去最大規模の投資に向け基礎収益力を向上させることを基本方針とし、コア事業である飼料事業内における畜産飼料事業と水産飼料事業、また、畜産飼料事業と食品事業の連携強化を進めるとともに、海外展開においても引き続き海外技術の導入や日本の技術の海外への普及を進めてまいります。
① 飼料事業
a.既存工場の老朽化が進む中で、10年後、20年後を見据えた製造体制の刷新・増強を図ります。
b.養牛用飼料において、家畜由来の温室効果ガス排出量として大きな割合を占めるメタンの発生を低減する環境対応型製品の開発を進めます。
c.養豚用飼料において、家畜の健康維持・安定した発育を目的として新素材を採用した飼料や背脂肪厚の改善に繋がる飼料を発売し、生産者の皆様をサポートしております。
d.各畜種における品種改良による能力向上や遺伝特性を踏まえた製品や暑熱対策等、顧客の課題解決型製品の開発を進めます。
e.水産飼料では、水産業界の持続可能性向上に寄与すべく、無魚粉飼料を発売いたしました。今後も引き続き低魚粉飼料・無魚粉飼料の更なる開発・販売を積極的に進めます。
f.研究成果と水産物流通ノウハウを営業活動に直結させ、営業スキルを高度化することで飼料販売量の拡大を図ります。
g.環境負荷を軽減する製品開発、また、積極的なIoT技術の導入により効率・生産性の改善や物流の合理化に寄与します。
h.原料相場変動のリスク低減のため、取引先との関係強化に努め、品質を維持しつつ産地多様化を模索することにより、リスクをヘッジしながら安定供給にも努めてまいります。
② 食品事業
a.老朽化設備の更新により生産体制の刷新・増強並びに安心安全・衛生対応の強化を図ります。
b.当社グループによる「食のバリューチェーン(配合飼料から食品まで)」として役割を果たし、消費者への知名度を向上させるとともに、畜産物取り扱いにより得られた知見をもとに飼料開発・販売他畜産飼料事業とのシナジーを追求してまいります。
③ 海外事業
a.ベトナムにおいては、製造設備増強による増産体制構築、新規販売店を起用した販売エリアの拡大、製造委託による製造拠点の拡大、酪農大手企業への拡販に取り組んでまいります。
b.インドにおいては、製造効率、飼料品質の改善に努め、事業推進体制の最適化に努めてまいります。
c.その他の地域においても、新規事業開発へ向けた市場調査を進めてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
配合飼料は畜産飼料の主原料であるとうもろこしをはじめ原料の多くを輸入に頼っており、原料産地等における地政学的リスク、歴史的な円安も相俟って輸入原料価格の上昇による飼料価格安定基金負担金の増額が業績に大きな影響を及ぼします。水産飼料における魚粉についても、原料となる魚の漁獲量減少で、歴史的な高値圏で推移していることから原材料価格が大きく上昇しております。引き続き、原料の品質を維持しながら産地多様化、未利用原料の開発を含む有利原料の活用等を模索し飼料の価格抑制及び安定供給に努めてまいります。
また、今後のDXの推進等を見据え、2024年4月より社内の基幹システムを刷新し、社内業務の標準化・効率化・高度化、正確性・速報性の高いデータを活用した経営意思決定の迅速化、内部統制の向上を図ってまいります。
様々な課題に対して「現場主義・顧客目線・全社一体」という行動指針の下、業務に邁進してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、EBITDA、ROE、ROIC、総投資額、販売数量であります。確実な投資の実行、資本コスト経営を意識し、経営指標を見直しております。
「中期経営計画2026~1st STAGE for NEXT 10 YEARS~」における計画値は次のとおりであります。
| 第3次中期経営計画 期間中平均値 | 2027年3月期 |
(実績) | (計画) | |
EBITDA | 82億円 | 115億円 |
ROE | 7.2% | 8%以上 |
ROIC | 4.7% | 6%以上 |
総投資額 | 74億円 ※期中投資額累計(22.3~24.3) | 600億円 ※期中投資額累計(25.3~30.3) |
販売数量 | 3,697千トン | 3,900千トン |
(参考)
| 第3次中期経営計画 期間中平均値 | 2027年3月期 |
(実績) | (計画) | |
売上高 | 2,883億円 | 3,272億円 |
経常利益 | 48億円 | 70億円 |
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