企業ファインシンター東証スタンダード:5994】「金属製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの主要顧客である自動車産業は、100年に一度の大変革が進行中であり、特にBEV化の流れも加速しております。また、気候危機・生物多様性・食糧難・水不足などの社会課題の国際的な取り組み、AI・デジタル技術の変化など、当社を取り巻く環境は大きく変動しております。

 当社としては、足元のロスの解消などによる収益力回復に取り組むとともに、2030年ビジョンと中期経営計画2025を策定し、持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。

1.FINE SINTER VISION 2030


2.経営目標

2025年度の経営目標として、売上高は新型コロナウイルス感染拡大前の400億円レベルでも、8%の営業利益、10%のROEを達成し、さらに将来の成長につなげることを目指します。具体的には、モノづくり革新などで競争力の強化と収益性向上を図り、成長投資を行うことで将来の成長に向けた事業ポートフォリオ変革を進めるとともに、持続的成長に向けESG経営を推進します。


3.基本戦略

<競争力の強化>

①デジタル技術と匠の技の融合によるモノづくりの革新

AI・IoT技術による24時間無人稼働化、全工程自動搬送などによる品質向上、製品1個1個へのQRコード付与による製品単位での品質保証、匠の技の段替ノウハウの設備機構への落とし込み、現場オペレーター作業の標準化、段替短縮のDX化に取り組みます。「未来Factory」と名付けたコンセプトを春日井工場から順次グローバルに展開していく計画です。

 なお、当社は2022年9月1日、経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」に認定されました。
 

②ロスの撲滅とムダの排除による生産性向上

 モノづくりの革新と併行して、地道なロス低減とTPSの考え方に沿ったムダの排除による生産性向上で、現場力と収益力を高めてまいります。

③グローバル最適生産・供給体制

 各拠点の特性を活かし、製品別に「最適生産拠点」を設定、「一括生産でグローバル供給する製品」と「地産地消で生産する製品」を切り分けることで、グループ最小投資・最適コスト化による原価の低減を進め、受注の拡大、売上・利益率の向上を狙います。併せて、グローバル最適調達を推進し、最安値原材料の集中購買や高額消耗品の仕様統一等で調達コスト低減をはかります。

 なお、タイ子会社をアジアの中核工場と位置づけ、競争力の強化に取り組んでおり、その一環で、タイ子会社第2拠点立上げの準備を進めております。

<事業構造変革>

①CASE対応と価値の創造

・ハイブリッドインバーター部品の高付加価値化

 当社は、ハイブリッド車・燃料電池車の電気コントロール部に使われる「リアクトルコア」単体の材料・形状を一新した次世代型を2021年11月より生産開始しており、2023年度中には年間380万台規模まで生産を拡大いたします。また、高付加価値の「リアクトルAssy」の開発においては、製品化と並行して実証機による実績作りを進めながら、将来を見据えた「アモルファス」などの新材料開発も進めております。

・材料開発

 高精度で低コストを実現する「高強度材」、電動化製品に欠かせない「機能材」、配合の自由度を活かした「トライポロジー、複合材」、環境に考慮し、紛争鉱物を使わない「ニッケルコバルトレス材」、製造工法を変えCO₂削減に貢献する「省エネ材」、これら5つの切り口で「材料開発」を加速してまいります。

2021年度では最も開発に力を入れてきたコバルトレス材の量産を開始し、2022年度では高強度・高精度材料及びニアネット工法による新製品を生産開始しております。

②鉄道・油圧事業の強化

・鉄道事業

 シェアの高い新幹線向けに加えて在来線用や海外鉄道向けにビジネスを拡大するとともに、産業用集電部品については鉄道事業の材料と技術、更に自動車焼結部品で培ったネットシェイプ技術を活かし、低コスト化を図ってまいります。あわせて、創業以来より培ってきた集電性・耐摩耗性に関する技術を活かし、引き続き高機能・新用途製品の開発・拡販に取り組んでまいります。

・油圧事業

 手術台や画像診断など医療機器分野の拡大や、ブランド力を活かした高級デンタルチェアのアジアでの拡販、SDGsの循環型社会構築を意識した小型産廃機器開発や、小型で廉価なクランプユニットの開発などを進め、今後も顧客価値創造に資するアセンブリ製品の開発を加速してまいります。

③将来に向けた新規事業分野の開拓

・『粉末に加工する技術』と『熱処理技術』を活かした『昆虫食』事業

 食糧問題や水資源問題への貢献、高栄養食、サプリメントとして期待されている「食用コオロギ」を用いた粉末食品化事業です。現在、協業企業2社と企業間連携を強化し、事業拡大に取り組んでおります。また、地元地域連携を活用したブランド力強化による市場の構築・拡大を図ってまいります。当社は、コオロギ食品製造ではなく、コオロギ生体を粉末にし、販売する工程を担っています。焙煎による独特の風味と殺菌効果を高めたオリジナル粉末の商標登録が完了し、焙煎コオロギ粉を製作する工法も特許出願中です。また、独自工法により、海外のコオロギ粉に対して超微粉かつ丸みを帯びた製粉化を実現し、食材以外の業界への展開も期待できると考えています。25年度までに量産ラインを構築し、パウダー販売や同パウダーを使用したOEM食品の販売を拡販展開していきます。

・オリジナルコア製品の新規市場への拡販

 当社の強みである鉄道製品の通電性・耐摩耗性・摺動性を活かした、オリジナルコア製品の拡販を目指してまいります。また油圧機器製品では静粛性・高出力・高耐久力を活かした製品の開発に取り組んでおります。具体的には鉄道製品では溶接電極チップ、油圧機器製品では救急搬送用ストレッチャー、さらに双方の事業の利点を活かした集電子やAGVの開発を進めております。

<ESG経営>

 当社の企業理念、「ものつくりを通じて、すみよい社会と人びとの幸せに貢献する」の実現はESG経営につながります。

①環境

・2050年度のカーボンニュートラルに向けて、省エネの焼結炉や水素活用など革新技術の開発や日常改善の加速と、再生可能エネルギーの導入を進めます。なお、CO₂排出量を2013年度比で2025年度には40%削減、2030年度までに50%削減を目指しており、2022年度までの実績は44.4%削減です。

・より実効性のあるサステナビリティ経営を企図し、2021年12月にサステナビリティ・リンク・ローンでの資金調達を行いました。これは、サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下、SPT)の達成で金利優遇などのメリットを得られる金融商品であり、当社はCO₂排出量の削減率をSPTに設定しており、初年度となった2022年度については目標を達成しております。なお、本件は環境省が実施する「令和3年度グリーンファイナンスモデル事例創出事業」のモデル事例に選定されました。

・廃棄物の削減やコバルトを使わない材料開発による環境負荷物質の低減を行います。なお、廃棄物を2010年度比で2025年度までに45%削減、2030年度までに50%削減を目標としており、2022年度までの実績は 56.4%削減です。

②社会

(社会との共生・共創)

 以下の取り組みにより社会とつながることは、刺激や新たな発想などのきっかけとなり、長期的な企業価値向上につながるものと考えております。

・人権や環境等の社会問題への影響を考慮した鉱物調達活動のグローバル推進

・環境保護活動、主体的なボランティア活動や地域社会との交流

(エンゲージメントの向上)

 従業員のエンゲージメントが企業の社会的・経済的価値の源泉との考えに基づき、ウェルネス経営として、従業員自らが豊かな人生をデザインして自己実現を志向している状態を目指し、身体的健康、精神的健康の安定と活力みなぎる活性職場づくりの推進、女性や障がい者の活躍の支援などのダイバーシティ推進に取り組んでおります。

③ガバナンス

 資本コストを上回るROE目標を設定し、収益力の向上を図り、得られた収益を、資本コストを基準とした判断に基づく将来への成長投資や、最適資本政策に基づき株主還元を行うことにより、企業価値の最大化を目指してまいります。あわせてコンプライアンスなど、リスク管理体制の強化をしてまいります。

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