企業ファインシンター東証スタンダード:5994】「金属製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは粉末冶金工法を活用した自動車部品、鉄道車両用部品、産業機械用部品等の開発・製造販売、並びに粉末冶金部品を組み込んだ油圧機器製品の開発・製造販売を行っております。
 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の金額は609百万円であります。
 
 セグメントごとの研究開発活動状況は以下のとおりであります。
 
① 自動車焼結事業

 当社の強みである材料開発技術を用いて開発されたハイブリッド車用インバーター用製品は、計画通り、新世代用部品の増産を2023年度よりファインシンター東北㈱にて開始し、年間380万台規模まで拡大しました。なお、今回増産した本新世代用部品は、2023年度粉末冶金工業会賞を受賞しました。直近のB(バッテリー)EVの鈍化傾向が見られる反面、好調なハイブリッド車開発を支える高性能な次世代向け材料及び関連部品開発も加速しており、培ってきた磁性材料開発を活かしたBEV部品への応用を進め、電動車2極化への対応にも備えています。

 また、電動化機能部品で今後も量拡大が期待できる電動パーキングブレーキ構成品は、グローバル3拠点生産で計画通り増産対応を進めています。

 モノづくり革新として進めてきた『未来Factory』は2023年度内に実証ステージを完了し、2024年度より量産を開始いたします。並行して、自動車焼結事業の収益性を高めるため、本社にBR再構築支援室を新設し、国内工場再構築をプロジェクト化して加速しております。

② 鉄道焼結事業

 コロナ禍終息に伴う観光産業の回復に伴い、鉄道事業は新幹線関連部品の回復が順調となり、収益を伸ばしました。2023年度は、当社の強みであるカーボン系材料を用いた製品の採用も進んだ事から、更なる拡販に向け製品開発を加速しています。また、事業拡大に向けた次世代新幹線用製品開発と、シェア拡大に向けた既存製品の高性能化開発を、本社開発機能と連携を強化し、新材料開発に加え、デジタル技術を駆使した新形状開発まで積極的に提案を進めています。特に形状提案では、自動車焼結部品で培ったネットシェイプ技術を用いることで、今後も使用量の増加が見込まれる銅製品での銅使用量を削減することができ、環境に配慮した開発に貢献しています。2024年度も引き続き、国内外在来線への拡販、産業用集電部品開発を進めてまいります。

③ 油圧機器製品事業
 油圧機器製品は、歯科、画像診断、手術台向けの医療機器、食品機械、設備業界からの多様なニーズに対応した製品開発を行っております。23年度は、設備機器向けに静粛性を高めたタンク一体型ユニットと小型電磁弁を搭載し、顧客要求に合わせた電気制御回路までを含めた設備システムユニットを製品化しました。

 医療機器(主にストレッチャー)向けに高圧小型ノンリークのタンク・シリンダ一体型DC油圧パッケージ及び、AGV(無人搬送機)向けの推力1トンクラスの小型油圧システム(シリンダアセンブリ製品)のブラシレスモータ搭載モデル開発においては耐久評価が終了し、量産化に向けたフェイズへ進めております。

 SDGsの循環型社会構築に向け、既存ユニットを使用した環境関連の小型産廃機器開発は機能評価のフェイズから一次試作へと順調にフェイズを進めております。市場ニーズに応えるアセンブリ製品の開発を加速してまいります。

④ 新規事業分野
 上記セグメントの研究開発以外に当社コア技術を最大限に活かした新規事業の開拓を進めております。

 「昆虫食事業」についてはコア技術である粉末加工や熱処理技術を活用したコオロギパウダーの製品化を進めており、地元地域連携活動を軸に新規販売拠点の拡大を行っております。また、食品関連の国際展示会にも出展し更なる拡販展開をしていきます。

 さらに自動車、鉄道、油圧で培った技術の融合を図り、部品メーカーからユニットメーカーへ、BtoBからBtoCへとビジネスモデルの改革を進めています。

 2023年末よりBtoCとしてWEB販売サイト「F!nd8(ファインドエイト)」を立ち上げ、昆虫食製品を始め、当社の焼結製品の販売を開始し、新たなるニーズの獲得を進めてまいります。

 上記の活動につきまして、経営リソースを有効に配分し社会変革に追随した事業を開拓し、事業ポートフォリオの変革・拡充を進め、経営目標の達成と企業価値向上を図ってまいります。

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