企業ピックルスホールディングス東証プライム:2935】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は「おいしくて安全、安心な商品を消費者にお届けし、同時に地球環境に配慮した企業経営を目指します」を経営理念とし、

① 安全でおいしい製品を作るための品質管理

② 地球環境に配慮した企業経営

③ 従業員のモラルアップと安全・健康を第一とした職場づくり

 を経営方針としております。

 この方針に則り、食品安全の規格であるFSSC22000及びJFS-B並びに環境管理の国際規格であるISO14001を取得し、それぞれの規格に基づいた適切な管理を行っております。また、人事制度、教育制度等の充実や健康経営に力を注いでおります。更に、サステナビリティ委員会を設置し、SDGsへの取り組みを行っております。

 今後ともこの方針を基に企業活動を行うことで、安全・安心な食品の提供という、食品会社の基本姿勢を貫き、消費者からの信頼獲得と社会への貢献を果たしてまいります。

(2)経営環境

 当社グループの主力製品は、浅漬、キムチ及び惣菜であります。安全・安心でおいしい商品を提供し、消費者の健康的な生活の実現に貢献することで、社会とともに持続的な成長を目指します。

 浅漬は、野菜の旬の時期に合わせた製品を販売しています。キムチは、リンゴの甘みと魚介の旨みが特長の「ご飯がススムキムチ」などの製品を販売しております。安全・安心な食品の提供を重視し、浅漬・キムチの主要原料の白菜、胡瓜等は国産を使用しております。食の多様化によるコメの消費量の減少や少子高齢化等により、1990年代をピークに漬物市場全体は縮小傾向にあります。更に、巣ごもり消費による一時的な需要の増加はありましたが、食料品やエネルギー価格の上昇による消費者の節約志向の影響を受けております。

 惣菜は、ナムルやサラダなど、野菜を主材とした製品を販売しております。近年は、消費者が節約志向を強めて外食を控え、惣菜を買って家庭内で食事をする中食の傾向が強まっているほか、高齢者・単身者世帯や共働き世帯の増加により食事のスタイルが変化しており、惣菜の需要は今後も拡大が見込まれています。

 このような状況のもと、当社グループは、「全国を網羅した生産・物流体制」、「食の安全・安心への取り組み」、「独自性の高い製品開発力」、「販売先のニーズに対応するベンダー機能」及び「環境保全活動の推進」などの強みを活かし、コンビニエンスストアや全国の量販店に製品を販売しております。

(3)経営戦略等

 当社グループは、中長期的な取り組みとして次の諸施策を推進してまいります。

① 製品開発強化

 製品開発強化については、個食、中食や健康志向等の多様化するニーズに対応した浅漬、キムチ、惣菜の新製品開発やリニューアルを行います。更に、当社独自の乳酸菌Pne-12(ピーネ12)などを活用した様々な新製品開発を進めます。

② 販売エリア拡大

 販売エリア拡大については、株式会社ピックルスコーポレーション西日本の佐賀工場、株式会社ピックルスコーポレーション関西の京都工場及び広島工場並びに株式会社手柄食品の供給力を活かして、近畿地区、中国・四国地区、九州地区など、シェア拡大余地が比較的大きい西日本エリアにおける販売を強化します。

③ 販売先拡大

 販売先拡大については、近年、食料品の販売を強化しているドラッグストア、量販店の豆腐売場や納豆売場などの新たな売場などに注力します。

④ 新規事業への取り組み

 新規事業については、株式会社OHによる外食・小売事業、株式会社ピックルスファームによる農業事業、株式会社ベジパルによる株式会社ピックルスファームで生産したさつまいもを活用した商品の開発や商品の輸出などに取り組みます。更に、新しい分野の商品として冷凍食品の開発など、事業の更なる拡大に取り組んでまいります。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、継続的な成長を実現するため、連結売上高、連結営業利益を経営指標に設定しております。

 中期経営計画の最終年度である2027年2月期は連結売上高44,500百万円、連結営業利益1,740百万円を目標としております。その目標を実現するため、全国の製造・販売拠点の活用や製品開発強化による売上高拡大、コスト削減及び業務効率化による利益拡大に取り組んでまいります。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 食品業界におきましては、原材料・エネルギー価格の高騰が続くなど、引き続き厳しい経営環境が続いております。加えて、少子高齢化などの影響等から市場規模は大きな成長が見込めないなか、消費者の安全・安心への関心は高い状況が続くと考えられ、品質管理の取り組み強化が求められております。

 このような状況のもと、当社グループは以下のことに取り組んでまいります。

① 全国の製造・販売拠点の活用による売上拡大

 全国に製品を供給できる漬物メーカーとして、当社グループの力を最大限に活用し、営業、広告宣伝活動等を積極的に行い、新規取引先の開拓と既存得意先の深耕を図ります。特に、株式会社ピックルスコーポレーション西日本の佐賀工場及び株式会社手柄食品などを活用して西日本エリアの売上拡大に積極的に取り組んでまいります。

② 製品開発の強化

 高付加価値を訴求した製品及びキムチ・浅漬などの既存製品以外にも、漬物や惣菜売場以外の売場に展開できるような新たな分野の製品の開発に取り組み、売上拡大及びブランド力の向上につなげてまいります。

③ コストの見直し

 原料野菜の契約栽培の拡大、資材調達方法の見直し、容器・包装形態の見直し、省力化機械の導入及び不採算製品の集約などを含めた生産・物流体制の見直し等によるコスト削減を進めてまいります。2024年12月に茨城県に竣工予定の新工場においても、キムチ専用工場として生産を集約し、製造工程を機械化することでコスト削減を図っております。また、当社の取り組みにより対応しきれないコストの増加については、製品規格の見直しや製品価格の値上げを行い、利益の確保に取り組んでまいります。

④ 食の安全・安心の追求

 お客様に安心して食べていただける製品づくりを行うため、食品安全の規格であるFSSC22000及びJFS-Bを活用し、各事業所における品質管理レベルの向上を図るとともに、意図的な異物混入等を防ぐため、フードディフェンスの取り組みを強化してまいります。

⑤ 新規事業の確立

 外食事業・小売事業及び農業事業などの新規事業に取り組み、事業領域を拡大させることで収益拡大につなげてまいります。2023年9月には、株式会社ベジパルを設立し、株式会社ピックルスファームと連携して、さつまいもを原材料とした加工食品の仕入及び販売を開始しております。

⑥ 経営基盤の強化

 将来にわたって成長力、収益力のある企業体質を確立するために、優秀な人材の採用・育成が不可欠と考えております。そのため、目標管理制度、教育プログラムを活用するとともに、福利厚生制度や人事制度などの充実、健康経営推進に向けた取り組みに努めてまいります。また、企業の持続的発展には、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが不可欠と考えており、事業を通じてサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

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