企業ヒラキ東証スタンダード:3059】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、記載内容における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、社訓「人の生命は限りがある。会社の生命を永遠のものにして、次の時代のための礎となろう。」に基づき、「お客様に支持され、社会に貢献し、世の中に必要とされ、そして従業員の拠り所となる会社であり続けること。」を経営の基本方針とし、持続的な成長を目指しております。

この実現に向けて、「お客様が本当に欲しいと思われる商品を、気持ちよく買っていただくこと」をポリシーとした商品作りを行っております。商売の原点はお客様であり、品質を守りながら気軽に買える価格設定で商品開発を行い、お客様に「驚き」「楽しさ」「満足感」をお届けできるよう社員一丸となって取り組んでおります。この取り組みによって、お客様から支持をいただき、長期安定的な企業価値の向上を図ってまいります。

(2)中期経営計画

 当社グループは、『2026中期経営計画(2024~2026年度)』を策定しております。今般の事業環境の変化に対応する収益モデルを作り上げ、強靭な企業体質を確立させる3か年と位置付けております。

 長期安定的な企業価値の向上には、資本収益性を高めることと為替変動等の影響に耐えうる財務基盤の強化が必要であり、そのため自己資本利益率(ROE)は当社グループが想定する株主資本コストを上回る5%以上を、そして自己資本比率47%を目指してまいります。

ROE改善に向けては、自社企画開発商品(以下「オリジナル商品」という。)がヒットした過年度においてROEが高くなる傾向があり、オリジナル商品の開発強化を第一義に据え、売上拡大と収益力の向上に取り組んでまいります。またバランスシート上においては、在庫の適正化および固定資産の有効活用ならびに有利子負債の削減を図ってまいります。

ROE向上の実効性を高めるため、ROEツリーにより要素分解することで、現場に適した重点課題を設定し、それに基づくアクションプランを各部門が立案し自律的にPDCAを回していく取り組みを進めてまいります。

(3)経営環境および対処すべき課題等

 今後の経済情勢は、マイナス金利が解除されたものの緩和的な金融政策が当面続き、円安基調が続くと予想され、また、原材料価格の高騰による物価の上昇を受け、消費者の節約志向を招く懸念があるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が予想されます。

 このような状況の下、次期は「オリジナル商品の価値向上」を基本戦略に掲げ、開発体制を強化するとともに一括大量発注を更に追求し、商品力の強化を通して売上高の増嵩および持続可能な利益の創出に努めます。また、価格以上の価値をお客様に提供すべく、顧客満足度の高い商品の提供を目指してまいります。

 通信販売事業におきましては、商品開発力の強化を第一とし、訴求力ある販売促進商品の開発およびシーズンにとらわれない新商品の計画的かつ継続的開発・販売により売場鮮度を高めお客様の高い支持を得ることで、新規・既存顧客の受注拡大に取り組んでまいります。また、カタログ配布方法の見直し等の効率化と併せSNSを最大限活用したマーケティング強化により、受注率の向上に取り組んでまいります。

 店舗販売事業におきましては、旗艦店「岩岡本店」の更なる賑わい創出のために、青空市・フリーマーケット等の集客イベントを継続的に開催し、新規顧客・リピート顧客の創出に取り組んでまいります。また、靴専門店は、オリジナル商品に特化した店づくりと効率的なオペレーションの標準化を更に推し進め、阪神地区を中心にドミナント出店を加速し、50店舗体制への布石を打つよう努めてまいります。

 卸販売事業におきましては、営業黒字確保を第一に、大口取引先への安定的販売確保と、販売拡大が見込まれる取引先へのODM営業の強化および売上総利益率の高い大卸しの売上構成比をアップし、採算強化に取り組んでまいります。

<中長期的な取り組み>

① オリジナル商品力の強化

a. 価格以上に価値のある商品の開発

 世界的な物価上昇や円安水準の影響により、絶対的低価格で商品を開発することが困難になってきており、お客様に価格以上の価値を感じていただける商品の開発が課題であります。これまでの低価格戦略に加えて、機能性等付加価値のある商品開発を行い、オリジナル商品の価値向上に取り組んでまいります。

b. 商品バリエーションの充実

 当社グループのコア事業である靴・履物市場の拡大が期待できない中、これまで以上にお客様に楽しんでお買い求めいただくには、品揃えの強化が課題であります。消費者の変化に対応した商品の開発を進め、実用的な商品の充実を一層図ってまいります。

c. 商品原価の低減

 当社グループの特長は「安さ」であり、品質を守りながら安さを実現していくことが課題であります。 開発・生産から販売まで一貫した体制を持つ強みを活かし、また海外生産委託メーカーとの協力体制を強化することにより、「良質」と「安さ」を実現してまいります。

② 販売力の強化

a. ECの強化

 カタログやチラシ等の紙媒体による広告宣伝は、コスト増およびレスポンス率の低下により費用対効果が悪化傾向にあり、とりわけ通信販売事業において、カタログ販売からECへのシフトが課題であります。ECを中心に消費者との接点を拡大し、ユーザーエクスペリエンスの向上を図ってまいります。

b. 日本一の靴売場と特価商品等による店舗の差別化

 業態を越えた競争が激化しており、「靴のヒラキ」総合店の集客力の強化が課題であります。岩岡本店は販売足数日本一の靴売場を、支店は圧倒的な地域一番店を目指して取り組んでおります。また、主力の靴に加え、特価商品の仕入や地域最大級のお菓子売場などワクワクする売場づくりを行うことで他店との差別化を一層強化してまいります。

c. 靴のマーケットシェア拡大

「安さ」を維持するには、販売力を背景とした仕入力を強化していくことが課題であります。そのために、自社で販売するほか、卸販売事業において他業態の靴売場をプロデュースすることで、オリジナル商品の販売強化を図ってまいります。

③ 靴に関連する事業展開

 収益の多様化と収益力の向上が課題であり、靴の部品製造から始まった当社グループは、時代の流れに合わせながら店舗販売事業、通信販売事業および卸販売事業と事業形態を広げてまいりました。現在は、店舗販売事業においてオリジナル商品を主体とする小商圏都市型店舗の開発を進めております。当連結会計年度は3か店出店し、当連結会計年度末現在、京阪神エリアにおいて14か店を展開しております。

 今後も靴関連事業から派生する新たなビジネスに挑戦し、当社グループの存在意義を高めてまいります。

④ ローコストオペレーションの徹底

「安さ」を維持するため、ローコストオペレーションの強化が課題であり、あらゆる業務において常に「ムリ・ムダ・ムラ」をなくす取り組みを行い、合理化を進めております。ボラティリティの高い経営環境の中で着実に利益を確保する体制を構築するため、費用対効果を重視しコスト低減を徹底してまいります。

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