ヒラキ 【東証スタンダード:3059】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。なお、記載内容における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、事業活動を通じて社会に奉仕するために存在しており、サステナビリティを巡る課題に対し、社会の一員として誠実に取り組んでいく義務があると考えております。
2021年11月5日開催の取締役会においてサステナビリティ基本方針を策定し、ガバナンス体制の整備を図った上で、当連結会計年度より取組を開始しております。
このサステナビリティに関する取組を全社的に検討・推進するため、社長執行役員が委員長を務める内部統制委員会がその役割を担うこととし、ESG要素の一体的運用により実効性の確保を図っております。内部統制委員会は常勤取締役、常勤監査役および関係部門責任者で構成されており、サステナビリティに関する取組について、年2回各部門の進捗状況をレビューし、対応策の検討を行っております。
取締役会は、基本方針の策定、マテリアリティ(重要課題)の特定、戦略等を決定するほか、内部統制委員会より報告を受け、サステナビリティに関する取組状況について監督を行っております。
(サステナビリティ基本方針)
「会社は100%世の中のためにある」。全てのステークホルダーから必要とされる「価値」を生み続けることが当社グループの使命であり、事業活動を通じて環境をはじめ持続可能な社会の実現に寄与する付加価値を提供することで、当社グループの長期安定的な企業価値の向上を図ってまいります。
特に、当社グループは創業来「良い商品をどこよりも安く」を経営のモットーに掲げており、生活者の暮らしの役に立つことで、経済的にも精神的にも豊かな社会の構築に向けて取り組んでまいります。
(企業行動原理)
① 企業の社会的責任の自覚
当社グループは、自己責任原則に基づく健全経営に徹し、その社会的使命を全うすることをもって社会の発展に寄与します。
② お客様志向に徹する
お客様あってのヒラキであることを常に心がけ、お客様に誠心誠意、感謝の心をもって接し、真摯な姿勢でニーズに耳を傾けるとともに、「驚き」「楽しさ」「満足感」をお届けします。
③ 誠実・公正な行動
法令およびその精神を遵守し、社会的規範にもとることのないよう常に誠実かつ公正な行動を行います。
④ 社会貢献と調和
事業活動において、社会との関わりを密にして、企業行動が社会の常識と期待に沿うように努めます。
⑤ 人間性尊重
ゆとりと心の豊かさを大切にし、バイタリティ溢れる、働き甲斐のある企業風土を築き上げます。
当社グループのサステナビリティに関する取組事項は、サステナビリティ基本方針に基づき、各部門の意識啓発も兼ね、まずは共感を得やすい足元から、つまりは当社グループの事業活動をベースに検討いたしました。
サステナビリティを巡る課題に対して想定されるリスクと機会を踏まえ、ヒラキらしさを念頭に、経済的・社会的・環境的な側面をバランスさせながら長期的な発展を目指すため、当社グループは国連で2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けたマテリアリティを特定いたしました。
当社グループは、「商品開発」および「適正な在庫管理」を通じて、貧困、省資源・省エネルギー、商品廃棄等の課題解決に取り組んでまいります。そして、全ての基盤となる「人材の育成」にも注力するとともに、当社グループが定めている企業行動原理に基づき忠実に事業活動を行ってまいります。
(2)戦略
当社グループが属する小売業は「変化対応業」であると捉えており、消費者の支持を得るためには、商品・サービス等に関し社会環境の変化に常に対応していく必要があります。サステナビリティへの認知・理解が社会的に高まりつつある昨今において、当社グループの事業活動に取り込み、一歩一歩愚直に取り組みを進めることで、長期安定的な企業価値の向上と循環型社会の実現を目指してまいります。
3つのマテリアリティの具体的な取り組みとして、「商品開発」においては、地球温暖化対策として、省エネ性に優れた商品、リサイクルや環境に優しい素材を取り入れた商品、消費者のエコ活動をサポートする商品等、環境に配慮した商品の開発に取り組み、サステナブルに生きる消費者への対応を進めてまいります。価格と品質を両立させるため、生産委託工場への技術指導、検品体制等を強化してまいります。次に「適正な在庫管理」では、ビッグデータ分析システムによる販売予測の精緻化、納期の短縮、商品在庫の単品管理による機動的な販売促進などを行い、商品の長期滞留を防ぐことで、商品廃棄低減に努めてまいります。3つ目の「人材の育成」に関しては、毎年新卒・中途採用を行い、多様性の確保を図っております。今後の事業拡大および事業基盤の強化にあたっては、人材の確保・教育が重要であり、採用強化および教育体制の充実に取り組んでまいります。また、明るい働きやすい職場に向けて、デジタル技術を使った仕組みにより生産性の向上を図り、ニューノーマル時代を見据えた働き方改革を進めてまいります。
<リスクと機会>
重要課題 | 主な想定リスク(注) | 主な想定機会 | SDGs課題解決 |
商品開発 | ①サステナブル商品の開発による商品原価の上昇および商品不良の発生 ②企業ブランドの毀損 | ・環境意識の高い消費者層の獲得 ・低価格での環境配慮型商品の開発による差別化 | ・貧困 ・省資源/省エネ ・商品廃棄 |
適正な 在庫管理 | ①販売予測以上に需要が上回った場合の販売機会の損失 ②過剰発注による商品廃棄ロス増 | ・適正在庫による財務改善 ・積極的な仕入・販売が可能 | ・商品廃棄 ・省資源/省エネ |
人材の育成 | ①人件費の上昇 ②人材流出 | ・従業員エンゲージメントの向上 ・多様な成長戦略オプション | ・ジェンダー ・人材育成 ・労働環境 |
(注)主な想定リスクについては、①SDGsに対応した場合、②SDGs非対応の場合に分けて記載しております。
なお、当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。
(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針)
当社グループが中長期的に成長していく鍵は、一にも二にも人材であり、人材の質、そして最小不可欠の人員が確保され、その一人一人が持てる力を十二分に発揮することに尽きると考えております。特に、現下の不連続な環境の変化に対応するには、商売感覚が肌で感じられる組織、自ら考えて動ける人材が求められるところです。
当社グループは、「企業は人で決まる」との考えのもと、多様な価値観を持った人材が集い、活かすことができる環境づくりに取り組んでおります。当社は多様な人材に常時門戸を開放しており、採用・登用は性別や国籍等に関わりなく、同一の基準で行うことを基本としております。
① 女性の管理職への登用
当社グループの主力顧客層は女性であり、変化が大きい環境下においてユーザー視点に立った企業経営がより一層求められる中、女性の能力の活用は必要不可欠なものになると考えております。当社は積極的に女性の採用を推進し、まずは母集団の拡大に努めております。
② 外国人の管理職への登用
当社の事業領域は国内市場にあることを踏まえ、国際性への対応および目標設定に関しては現時点ではその必要性が相対的に低いと考えております。なお、当社グループは国籍の区別なく同一の基準で採用・登用を行っております。
③ 中途採用者の管理職への登用
様々な経験等を当社グループに取り込むため、積極的に採用し即戦力として登用しております。従来は中途採用者を中心に採用していたため、管理職の中途採用者比率は当連結会計年度末現在84%であり、将来を担う新卒採用者の管理職育成が当社グループの重要課題と認識しております。今後は、年度採用計画において新卒採用者の割合を増やしていく方針です。
(社内環境整備に関する方針)
当社グループは、社員の人間性尊重を経営の基本原則においております。仕事を通じて社員の能力を開発する環境をつくり、意欲ある者が挑戦して報われる社風をつくるため、人事諸制度を整備します。また、働き方の多様化に対応し、女性を含む全ての社員がその能力を十分に発揮できる明るい働きやすい職場を目指してまいります。
(3)リスク管理
当社グループは、取締役会で決定された方針に基づき、全社的リスク管理に包含するため、内部統制委員会においてサステナビリティを巡る課題について主要なリスクや機会を特定し、それに対する対応策や取組状況についてリスクマップを用いて各部門から年2回報告を受け、全社的観点から評価・検討を行い、管理する体制としています。また、当該内容について取締役会に都度報告するほか、経営会議において各部門と情報共有を図っております。
(4)指標および目標
当社グループは、上記「(2)戦略」において記載した商品開発および適正な在庫管理ならびに人材の育成(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針を含む。)について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は次のとおりです。
指 標 | 目 標(注1) | 2023年3月期実績(注1) |
サステナブル商品の開発割合(注2) | 2030年度10% | 4.2% |
棚卸資産回転率 | 毎期5.0 | 4.2 |
係長以上に占める女性の割合 | 2026年3月までに25%以上 | 22% |
年度採用者に占める新卒採用割合 | 毎期70%以上 | 67% |
社員の年次有給休暇平均取得日数 | 2025年度に2020年度比10%増以上 | 24%増 |
(注)1 棚卸資産回転率は連結、その他の指標は単体となります。
2 当該年度に発売した当社オリジナル商品の品番数に対する環境配慮型商品(省エネ性に優れた商品、リサイクルや環境に優しい素材を取り入れた商品、消費者のエコ活動をサポートする商品等)の割合になります。
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