パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 【東証プライム:7532】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループのサステナビリティに関する基本的な考え方
当社グループは、企業原理「顧客最優先主義」のもと、地域のお客さまの暮らしを支えお買い物の楽しみを提供することを第一に、本業の総合小売業の事業活動を通じて環境・社会における重要課題(マテリアリティ)の解決に取り組んでいます。また、サステナビリティにおいても、PPIHグループのコアバリューである企業理念集『源流』に定める企業理念・行動指針を徹底し、事業活動を通じて顧客や社会へ貢献することを最終目的としています。これは結果として従業員の使命感と誇りを高め、最終的に企業価値向上につながります。この好循環の連鎖を常に念頭に置いて取り組みを進め、環境・社会課題の解決とグループの事業成長の両立を目指し、果敢に挑戦しています。
(2)ガバナンス
サステナビリティの取り組みを推進する各施策は、担当役員である取締役執行役員CFOのもと、各領域の委員会及び管掌本部が企画・立案し、グループ会社の事業活動に反映しています。
また、月に1回各委員会の委員長が集まり、取り組み進捗状況や情報共有、意思決定(推進会議)を行い、さらに定期的に取締役会で活動報告を行い、方針および目標の策定や重要な取り組みについては取締役会で議論され承認を得て実行しています。
<サステナビリティに関連する取締役会報告>
2022年7月 | ダイバーシティ・マネジメント委員会 | 女性活躍推進の中長期的目標に基づく重点取り組み |
2023年1月 | ダイバーシティ・マネジメント委員会 | PPIHグループ ダイバーシティ方針策定 |
2023年2月 | サステナビリティ委員会 | PPIHグループ 環境方針策定 、TCFDに基づく財務影響額の開示 |
2023年6月 | 取締役兼執行役員CFO (ESG管掌) | ESG評価機関からの評価、来期の重点取り組み |
<サステナビリティ委員会>
サステナビリティ委員会は、リスクマネジメント管掌執行役員を委員長におき、月に1回開催しています。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の対応や、CO₂排出量の削減、人権・環境に配慮したサプライチェーン・マネジメントの構築、プラスチック及び廃棄物削減に取り組んでいます。
本委員会の下部組織としてテーマごとに分科会を設置し、具体的な施策について企画・立案し事業活動に反映させるとともに、サステナビリティ経営の専門的な知見を有する社外委員の冨田 秀実氏と定期会合を月に1回実施し、特定の課題に対して専門的観点をもって取り組むことができる体制で推進しています。
<ダイバーシティ・マネジメント委員会>
ダイバーシティ・マネジメント委員会は、ダイバーシティ・マネジメントを管掌する取締役兼執行役員を委員長におき、月に1回開催しています。人事制度企画部や労務管理部、リクルーティングマネジメント部等の複数の関連部署が横断的に連携しながら女性やLGBTQ+など多様な人材の活躍をめざし、様々な施策を企画・立案し、実行しています。
(3)リスク管理
当社グループでは、リスクマネジメント本部においてリスク管理を行っています。店舗・拠点で発生するリスク事案に関わる情報収集、リスク対応及び対策を決定し、店舗・拠点はその指示に基づき対策を実行しています。進捗状況についてはリスクマネジメント本部がモニタリングし、必要に応じて取締役会に報告しています。当社グループにおける全般的なリスク管理については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。とりわけ、気候変動のリスクや機会の特定、戦略並びに具体的な施策の検討は、サステナビリティ委員会で行い、リスクマネジメント本部と問題を共有し、中長期的なリスクへの対応策を検討するなど、全社的なリスクマネジメントの中に気候関連のリスクを織り込んでいける体制の構築を進めています。
(4)戦略ならびに指標及び目標
当社グループはグローバルに事業を展開しており、多岐にわたる環境・社会課題に影響を受け、また当社グループの企業活動は環境・社会課題に影響を与えています。多くの環境・社会課題の中から、優先順位をつけ、課題解決に向けた活動を効率的に行う必要があるため、中長期経営計画「Visionary 2025/2030」策定時に、当社グループのステークホルダーにとっての期待・重要性と、当社グループの強みを活かして解決に貢献できる環境・社会課題、企業活動が与える環境・社会への影響について議論し、持続可能な社会への貢献と事業成長の両立に向けた重要課題(マテリアリティ)を改めて特定しました。また、重要課題(マテリアリティ)は社会環境の変化を踏まえて、定期的に見直しを行っていきます。
<PPIHグループ 重要課題(マテリアリティ)>
事業活動で生じる環境負荷の低減 | ・気候変動への対応 ・CO₂排出量の削減 ・プラスチック使用量の削減 ・環境配慮商品の拡大 |
多様性の容認と働きがいのある職場づくり | ・女性活躍推進 ・LGBTQ+の活躍支援 ・従業員エンゲージメントを高める労働環境の整備 |
持続可能な商品調達と責任ある販売 | ・人権・環境に配慮したサプライチェーン・マネジメント ・アルコール類の責任ある販売 ・社会・環境課題の解決をめざす認証商品の拡大 |
地域社会との共生による社会課題の解決 | ・地域社会への寄付・募金活動 ・次世代育成・支援活動 |
確固たるガバナンス | ・経営の透明性の確保 ・企業理念の遵守と監督 ・コンプライアンスの徹底 ・自然災害リスクへの対応 |
| 指標及び目標 | 実績(当連結会計年度) |
CO₂排出量の削減 | ・2030年までに、店舗から排出するCO₂排出量を50%削減(2013年度比) ・2050年までに、店舗から排出するCO₂排出量を総量でゼロにする | CO₂排出量17%減 (売上100万円当たりの原単位) |
プラスチック使用量の削減(注)2 | 2030年までに、店舗サービスのプラスチック使用量を70%削減 (2019年度比) | ― |
女性店長拡大 | ・2026年6月期までに、女性店長を50人 ・2030年6月期までに、女性店長を100人 | 女性店長人数 31人 |
女性社員の定着率の向上 | ・2026年6月期までに、女性社員の離職率を8.8% ・2030年6月期までに、女性社員の離職率を5% | 離職率 9.7% |
(注)1.指標及び目標、実績(当連結会計年度)については、国内グループ会社を対象としております。
2.当連結会計年度に設定した指標及び目標であるため、実績(当連結会計年度)については記載しておりません。
重要課題(マテリアリティ)のうち、当連結会計年度における喫緊に対処する課題として「気候変動への対応」「人権・環境に配慮したサプライチェーン・マネジメント」「女性活躍推進」と特定し、重点的に取り組みました。主な取り組みは次のとおりです。
① 気候変動への対応
・スコープ3の全カテゴリーの排出量算出とデータ開示
・1.5℃シナリオと4℃シナリオにもとづいたシナリオ分析によるリスク・機会について前回2022年2月開示の内容から深堀り
・1.5℃シナリオにおける財務影響度の高いリスク項目として、2030年における国内炭素税導入による影響額を試算し、開示
・4℃シナリオにおける財務影響度の高いリスク項目として、大型台風や洪水などの自然災害の頻発と特定し、10年~100年に1回程度の発生率とされている降雨規模の洪水災害が発生した場合の1店舗あたりの災害額を試算し、開示
② 人権・環境に配慮したサプライチェーン・マネジメント
・PB/OEM商品の製造委託先、約700社に対して「PPIHグループ サステナブル調達方針」に賛同し、「PPIHグループ サプライチェーン行動規範」を遵守いただく旨の誓約書の提出を依頼。依頼したすべての製造委託先から提出いただく
・PB/OEM商品の製造委託先、約2,200工場に対して「PPIHグループ サプライチェーン行動規範」の遵守状況をセルフチェックいただくアンケート調査(以下SAQ)を実施
・上記SAQの回答内容を評価・分析し、当社基準での合格基準を設定。人権・労働及び安全衛生に関する重篤なリスク回答を確認した結果、重大リスク・インシデントは当連結会計年度末時点においてないことを確認
③ 女性活躍推進
・女性店長輩出に向け必要な知識・スキルなどを学ぶ研修プログラムを実施
・女性の健康問題への理解を深め、働きやすい環境づくりにつなげるため、役員・管理職・女性社員それぞれに向けて「女性の健康セミナー」を実施
・女性社員を対象とした「カレッジ型キャリアアップセミナー」を実施
・女性の部下をもつ管理職を対象に、女性の社員比率・管理職比率・昇格率・定着率の4項目が定量的にわかる報告書を配信
・女性社員の心身の健康維持サポートのため低用量ピル服用費用の補助制度導入
(5)人的資本に関する考え方及び取組
予測困難なビジネス環境の変化とお客さまの価値観の多様化が進み、当社グループはグローバル展開を急拡大する中、私たちがお客さまから選ばれ続けるためには、多様な人材が集まり平等に活躍できるダイバーシティ型組織の構築が不可欠です。企業の成長に欠かせない資産である人材が、様々な視点で新しい価値を創出し、企業自身がしなやかに進化するためにも、挑戦・活躍できる機会の提供や従業員一人ひとりの成長につながる教育、人材を活かせる社内環境整備は、最も優先順位の高い取り組むべき課題です。すべての従業員が企業原理の「顧客最優先主義」を共通の行動目標として挑戦を続け、激動する時代と向き合い創造や進化を遂げることで企業が成長し、従業員自身の成長をも促すことが当社グループにおける人材育成のあるべき姿であり、企業としての最大の責務、社会的使命であると考えています。
<人材育成に関する取組>
変化対応力の高い人材を育成するリスキリングプログラムの提供や、職位職責・所属に合わせ主体的でやりがいを最大化できるキャリアプラン、キャリアパスを可能とする環境や制度の構築により、従業員が適材適所で活躍する生産性の高い組織をめざしています。
・全従業員を対象に新たな知識・スキル習得につながる「キヅキスキルアップセミナー(自己成長セミナー)」を開催
・キャリアアップや経験幅を広げることを目的とした「公募.com (社内公募制度)」の活性化
・「ミリオンスター制度(次世代幹部育成プログラム)」の推進
<社内環境整備に関する考え方>
すべての従業員が安心して働くためには、なによりも心身ともに健康を維持できる適切な社内環境の整備が必要です。当社グループでは人事労務本部が中心となり、社内外への相談窓口の設置や個別ヒアリングなどで個人が抱える問題やグループ全体の労働環境における問題点を把握し、改善に取り組んでいます。一人ひとりが安心して声をあげられる社内相談窓口制度の構築と、従業員に主語を転換した問題整理と改善対応を推し進めることで、働きやすさと働きがいを両立する従業員エンゲージメントの高い組織づくりに努めています。
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