ハリマ化成グループ 【東証プライム:4410】「化学」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「自然の恵みをくらしに活かす」を基本理念として、植物資源「松」から得られる有効物質を化学製品にする循環型ビジネスモデルを通じて、地球環境に配慮した事業の展開を基本的な考え方としております。
今後もこの基本理念のもと、企業価値の一層の向上をめざします。
(2)当社グループの経営環境および対処すべき課題
2023年度は新製品の投入やコストダウン、価格対応などで国内事業は増収増益となりましたが、海外事業でローター社が欧州景気後退や中国経済減速の影響を大きく受けて赤字転落したため、連結ベースでも営業赤字となりました。ローター社の業況は最悪期を脱し改善基調にありますが、2024年度は連結利益の黒字復帰をめざし、ローター社で間接部門経費の圧縮や事業の見直しを通じた収益改善に取組む他、樹脂・化成品事業では安価原料の調達等によって収益性を改善します。また、電子材料事業においては、成長が続く半導体用機能性樹脂の拡販および2022年に買収した海外はんだ材料事業を軌道に乗せ売上増加につなげていきます。更に製紙用薬品事業では、中国と米国で事業の拡大と収益力の強化に努めます。
これらを通じて中期経営計画「NEW HARIMA 2026」の目標である2026年度売上高1,100億円、営業利益70億円、ROE10%に向けて業績伸展に努めてまいります。また、2023年度には統合報告書を作成し公開しました。引き続き環境、社会、ガバナンスへの取り組みを明らかにしていくとともに、持続可能な企業活動をめざします。
| 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2026年度 中期経営計画 目標 |
売上高 | 945億円 | 923億円 | 1,100億円 |
営業利益 | 17億円 | △2億円 | 70億円 |
営業利益率 | 1.8% | △0.2% | 6.4% |
〈中期経営計画「NEW HARIMA 2026」の基本方針と最近の取組み〉
基本方針1:事業基盤の強化と事業領域の拡充 | |
| 1)パインケミカル総合メーカーとしての競争力強化 |
●ミルセン(香料原料)の国内生産 ●ロジンのグループ内調達 ●ローター生産最適化 | |
2)海外事業領域の拡充 | |
●海外はんだ事業の軌道化 ●製紙用薬品の拡販 ●食品包装用・脱プラスチック材料への展開 | |
3)事業ポートフォリオの見直し | |
●半導体用機能性樹脂の増産 ●インキ用樹脂事業、国内製紙用薬品事業の生産効率化 | |
基本方針2:新規事業、成長分野に向けた研究開発 | |
| ●環境負荷を低減する製品、成長分野に重点投資 ●筑波研究所に先端技術開発室設置 |
基本方針3:新時代に向けた経営の革新 | |
| 1)デジタル技術を活用したものづくりとDX体制づくり |
●デジタル人材育成 ●業務プロセスのデジタル化 ●研究開発の効率化 | |
2)企業理念に沿ったESG経営の推進 | |
●2050年カーボンニュートラル実現を目指した取り組み推進 |
〈資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応〉
当社グループは、中期経営計画で2026年に10%のROE達成の目標を設定しております。しかし、2023年度の業績は赤字であったため、前年に続きROEが株主資本コストを下回る結果となりました。
ROE向上のために、中期経営計画に沿って、①収益改善:ローター社の経営改善、製紙用薬品・電子材料事業の海外事業強化、安価原料の安定確保、②資産効率改善:製品ライフサイクルが成熟段階にある事業を見直し収益性の高い事業へシフト、③成長事業への投資:成長分野への研究開発投資、DX推進、M&Aを通じた新事業参入、といった施策を着実に進めていきます。
ROEの改善努力に加えIR活動の強化も推進し、現状低位にあるPBRの向上にもつながる取り組みを行います。
| 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2026年度 中期経営計画 目標 |
ROE | 2.4% | △3.1% | 10.0% |
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