企業兼大株主ニチレイ東証プライム:2871】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、市場の変化に対応した新商品及び新技術の開発並びに新規事業の育成を目指した研究開発活動を行っております。

 当連結会計年度の研究開発費は1,967百万円で前期に比べ74百万円増加しました。セグメント別の内訳は、加工食品事業では1,382百万円、低温物流事業は323百万円、その他の事業は261百万円となりました。

 なお2023年4月1日付けで当社の基盤研究機能を株式会社ニチレイフーズに移管しました

 セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。

(1) 加工食品事業

 当連結会計年度は、東京都健康長寿医療センター研究所の石神昭人副所長、早稲田大学の近藤嘉高講師、東京大学の高橋伸一郎教授らと共同研究を行い、高齢期にむけた健康の維持にとって最適な食事のタンパク質比率は、25〜35%であることを明らかにしました。

 この研究成果は、食事のタンパク質バランスによる健康維持や健康長寿に大きく貢献するものと期待されます。
※本研究成果は、2023年4月28日にGeroScienceの電子版に掲載されました。


・研究目的

 昔から長生きの秘訣のひとつに、バランスの良い食事があげられます。農林水産省の令和3年度食料需給表(概算)によると、日本における1人・1日あたり供給熱量は2,271kcal、熱量比率の内訳はタンパク質が13.8%、脂質が32.5%、炭水化物が53.7%です。健康長寿に最適な三大栄養素バランスは、成長期、若齢期、中齢期、高齢期といった各ライフステージで異なると考えられます。本研究では、日本における高齢期にむけた健康維持や健康長寿に理想的なタンパク質比率を明らかにすることを目的に実験を行いました。

・研究の意義

 本研究から、若齢、中齢ともにタンパク質比率が25〜35%が最も健康的であることが明らかになりました。この研究成果は、食事の三大栄養素バランスによる健康維持や健康長寿に大きく貢献するものと期待されます。今回はマウスの実験結果であり人に当てはめるのは早計ですが、現在の日本におけるタンパク質の摂取比率は13.8%ですので、食事のタンパク質比率を25〜35%に高めることは、高齢期にむけた健康維持に役立つ可能性が示唆されます。今後は、サルコペニアやフレイル、認知症の予防や改善を目指して、健康長寿に最適な各ライフステージにおける三大栄養素バランスを検討する予定です。

(2) 低温物流事業

 トラックドライバー2024年問題や深刻な労働力不足など、物流事業における社会課題の解決を目的に、作業の省人化や簡易化に資する技術検証、システム開発に取り組んでおります。

 作業の省人化では、無人フォークリフトによる庫内作業の実証実験として、冷蔵(+7℃)・冷凍(-25℃)環境下における稼働実験、冷蔵と冷凍ゾーン間の移動実験、有人フォークリフトとの共存実験を進めるとともに、様々な用途に合わせて最適な無人搬送機(AGV)を導入し、実業務における効果の検証を行っております。また、最新鋭の自動倉庫(シャトル型)の冷凍環境下での活用に向け、研究を進めております。

 作業の簡易化では、タブレットを利用した入出荷作業や人工知能を利用した賞味期限管理機能などを実装し、データを活用して最適な作業示唆・指示を行う作業タスクマネジメントシステムの研究・開発を進める一方、スマートグラスなどのウェアラブル端末や遠隔ロボットを利用した、新たな物流作業の実証実験にも取り組んでおります。

(3) その他の事業(バイオサイエンス事業)

 分子診断薬、イムノクロマト製品の開発を行っております。分子診断薬製品ではがん組織から抽出したゲノムDNA中の特定遺伝子の検出を目的とするIdylla™ RAS-BRAF Test「ニチレイバイオ」をコンパニオン診断薬として販売開始しました。また、自動染色装置HISTOSTAINER AT関連試薬(DAB基質キットⅡ(AT用))を体外診断用医薬品として販売開始しました。イムノクロマト製品では、感染拡大時に条件付きで承認されていた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に関係する全ての製品の条件解除が完了しました。

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