企業兼大株主ニチモウ東証プライム:8091】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

当社グループのサスティナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

当社グループは、「サステナブル経営」の推進にあたり、令和4年10月にISO統合マネジメントシステム(ISO9001+14001)を認証取得し、品質および環境配慮を重視した取り組みを行っております。この取り組みは経営陣のみならず、各部門単位で運営を行うことで、社員一人ひとりのサステナビリティに対する意識を醸成するもので、全体で持続可能な社会の実現に貢献するものです。

このISO統合マネジメントシステムの事務局長として、専務取締役がISO管理責任者を担い、執行役員10名(取締役含む)で構成された執行役員会で、毎年4月に品質および環境に配慮した企業活動に対する目標設定を行い、四半期ごとに(計4回)進捗確認を実施。ISO事務局からのマネジメントレビューで代表取締役社長への報告を実施しています。今後、取締役会への報告体制の構築を目指し、サステナブル経営の全社横断的な推進に取り組んでまいります。


(2)戦略

TCFDが提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて、将来的に気候変動が当社事業にもたらす影響を特定・評価しました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照しています。

リスク・

機会種類

リスク・

機会要因項目

事業インパクト

時間軸

発生

確率

影響度

総合

評価

影響額

リスク

移行リスク

政策・

法規制

カーボンプライシングの導入

・カーボンプライシングが導入された場合、化石燃料の調達コストが増大する可能性がある。

※定量的財務影響の算出根拠:令和12年度、令和32年時点を想定したScope1排出量に1t-CO2あたりの炭素税価格を乗じて試算

中期

1.5℃シナリオ

試算結果

令和12年 0.89億円

令和32年 1.45億円

再エネ調達比率に対する規制の強化

・再エネ調達比率に関する規制が強化された場合、再生エネルギー開発コストや、Jクレジット、グリーン電力証書などの調達コストが増加する可能性がある。

※定量的財務影響の算出根拠:SBTの1.5℃水準を想定し、令和12年時点のScope2排出量の再エネ証書を購入した場合の試算

中期

1.5℃シナリオ

試算結果

令和12年 0.2億円

化石燃料由来のプラスチックに対する規制の強化

・化石燃料由来のプラスチックに対する規制が強化された場合、機資材に使用しているナイロン、ポリエステルなどプラスチック素材の調達コストが増大する可能性がある。

中期

 

技術

気候変動に対応した養殖技術の主流化

・気候変動により、海水温の上昇、海洋生物の回遊ルートの変更、海洋の酸性化などにより漁獲高の大幅な減少という影響を受ける可能性がある。その場合気候変動に対応した養殖技術が必要となるが、当社がこうした技術への対応に乗り遅れた場合、生産コストが増大する可能性がある。

短期

 

市場

環境配慮型製品需要の高まり

・今後、環境に配慮した海洋資材調達ニーズが高まる可能性がある。当社が適した製品を供給できない場合、環境配慮を証明できない水産物・漁網漁具・機資材の需要減退による売上・収益の減少や、市場シェアを失う可能性がある。

中期

 

・今後、環境に配慮した養殖用種苗・餌料調達ニーズが高まる可能性がある。当社が適した製品を供給できない場合、環境配慮を証明できない商品の需要減退による売上・収益の減少と、市場シェアを失う可能性がある。

中期

 

物理リスク

急性物理的リスク

異常気象の激甚化

・主要な養殖・加工施設の一部は沿岸部にあり、これらは海抜2~5m程度に存在する。気候変動により台風、洪水等の発生頻度が高まる場合、設備損壊等による稼働停止などのため、売上・収益が減少する可能性がある。

※定量的財務影響の算出根拠:過去の自然災害に伴う休業等による売上損失額に対して、洪水発生頻度を乗じて試算

短期

2℃シナリオ

試算結果

~令和32年

  7.8億円

4℃シナリオ

試算結果

~令和32年

 23.54億円

慢性物理的リスク

気候変動による生育環境の変化

・水温上昇など海洋環境の変化に伴う天然魚・海面養殖魚の漁獲・生産量の減少により売上・収益が減少する可能性がある。

短期

 

リスク・

機会種類

リスク・

機会要因項目

事業インパクト

時間軸

発生

確率

影響度

総合

評価

影響額

機会

製品および

サービス

認証済み製品や低炭素製品への嗜好変化(陸上養殖)

・温暖化による水温変化などの外部環境に左右されず、省エネ・エコシステムで安定的な生産を行う陸上養殖による売上・収益の増加の可能性がある。

短期

 

環境配慮型機資材への嗜好変化

・環境配慮認証を得た漁獲水産物・養殖魚や環境配慮型の機資材における需要向上による売上・収益の増加の可能性がある。

中期

 

低炭素製品への嗜好変化

(バイオマス漁網)

・当社では、石油由来の従来品と比較して製造・廃棄時のCO2排出量の約50%を削減するバイオ・生分解性素材を用いた海洋資材開発に取り組んでいる。これらはプラスチックに関する規制が強化された場合、売上・収益の増加の可能性がある。

短期

 

低炭素製品への嗜好変化

(リサイクルプラスチック)

・当社では、廃棄漁網のリサイクルネットワークの構築に取り組んでいる。ここでは高品質の再生ペレットの製造も行うため、プラスチックに関する規制が強化された場合、売上・収益の増加の可能性がある。

短期

 

市場

ブルーカーボン市場への参画

・藻場造成における資材の提供やコンサルティング、ブルーカーボンクレジットの販売による売上・利益の増加の可能性がある。

中期

 

 また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。

①ニチモウの人材戦略について

100年以上の歴史を歩んできたニチモウにとって「従業員」は何よりも重要な経営資源=「人財」として位置付けており、企業価値向上の源泉です。漁業・水産業を主たる事業領域としているニチモウグループの強みは各事業分野における専門性、独自性が挙げられます。その強みを支えているのは、従業員一人ひとりがステークホルダーを巻き込んで業務を遂行する力量です。

 これらを踏まえた人材戦略は、第137期中期経営計画の基本構想にもある「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」のベースとなる『人(従業員)をより強い個に成長させて繋ぐ』ことです。

 具体的に求める人物像は、価値観の異なる相手とも協力していける“柔軟性”、新たなビジネスチャンスに果敢に挑戦する“チャレンジ精神”、最後までやり遂げる“タフネスさ”を兼ね備えた人材を育成していくことです。

 この考え方は、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮することで強い個を成長させて、その経験やノウハウを新たな価値を創造する事業に繋げて、中長期的な企業価値の向上、ひいては経営理念である「社会の公器」として業界を牽引していく未来へと繋いでいくということです。


②現在(いま)までの取り組み

(a)教育

 階層別の教育に加え、現在の業務に必要な貿易、PCスキルなど専門的な教育を行っております。また、e-ラーニングを用いた全従業員向けの教育機会の確保なども行っております。

 (b)労働環境

 少子高齢化、働き方改革、新型コロナウイルス感染症など、ニチモウを取り巻く事業環境は大きく変わっています。そのような状況下で法令や時代のニーズに沿った育児・介護への対応、時差出勤制度の導入など、より良い労働環境の実現に努めております。また、従業員との対話やアセスメントなどを通じて問題、課題の洗い出しを行っております。

 (c)女性活躍

 育児世代への休職制度、男性従業員の育児休職取得の推進などを積極的に進めております。また、女性従業員の能力を発揮できる諸制度改定の検討を行っております。

  (d)健康管理

 従業員の安全な労働環境の確保に努めるべく、産業医、看護師らの専門家と連携して、社員の心身の健康状態を把握し、問題のある場合には丁寧なフォローを行っております。また、労働時間管理システムにより長時間労働を未然に防止するなどの施策を行っております。

③未来(これから)の取り組み

 (a)教育(リスキリング)

VUCA※1時代においては、経済・ビジネス・個人のキャリアなどあらゆるものが複雑性を増し、将来予測が難しくなってきており、従前の経験が今後の課題解決には役立たない場合が想定されます。そのためにも従業員一人ひとりがスキルアップし成長(強い個)させていく事が不可欠です。その施策として従業員に必要な能力を可視化するとともに、リスキリングを推し進め、事業を横断して活躍できる人材の育成に繋げてまいります。また、明確な育成プランを作成し、その進捗・達成状況を確認してまいります。

 (b)労働環境

 少子高齢化にともない、生産年齢人口の減少が顕著な国内において、より効率的な業務が遂行できる労働環境が必要になります。今後も選ばれる企業であるためにも、納得性の高い人事制度の導入、ジョブローテーションやグループ間交流により幅広い知見の習得など、新たな価値を創造できる労働環境の整備を行ってまいります。

 (c)女性活躍

 生産年齢人口が減少していくなかで、企業の成長の観点においてもダイバーシティが重要な課題です。その中でも女性を主たる戦力として事業運営に組み込んでいく体制作りが重要になります。それに向けて、毎年の採用活動における女性採用率および女性管理職の比率を引き上げてまいります。

 (d)健康管理

 重要な経営資源である「人財」であり続けるために、従業員の健康維持・増進活動に対する積極的な支援と健康作りの施策を推進してまいります。健康管理についても体系的な運営を行い、「健康経営優良法人」の取得を目指してまいります。従業員の健康こそが企業価値を向上させ、「未来」へ繋がっていくものと考えております。

④重要課題とKPIについて

 令和12年までに当社が達成すべき人材育成の基盤整備における重要な課題として4項目を掲げ、それに対するKPIを設定いたしました。

 これらKPIの進捗状況は、取締役会において監督を行ってまいります。

重要課題

KPI

 

(a)人事上の情報、施策の可視化
 
(b)グループ全体としてのビジョン共有

 

 

(c)人材定着、育成プランの作成

 

 

(d)ダイバーシティ

(a)ISO30414の認証取得

⇒社内外に対する人的資本の情報開示ガイドラインの制定

(b)理解度100%

⇒ニチモウグループ内での経営理念・ビジョンの発信

 (ER※2強化)

(c)離職率5%以下(2.8%)※3

⇒定年を除いた毎年の離職率を抑制、育成プランを作成し、

 その達成状況をモニタリング

(d)女性採用比率(一般職社員を含む) 50%(15.3%)、女性管理職比率 10%以上(0.0%)、育児休暇取得率100%(50.0%)※3

 

 

 

 

⑤長期ビジョン達成とロードマップ

「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」を具現化する人材を育成するために、注力するポイント毎に区分けし、

 二つのSTAGEで中長期的な人材の育成を行ってまいります。

・STAGE1としては、現在の人(=強い個)に対する教育の機会の提供を含め、今後ニチモウ

 グループに求められるスキルを明確にし、新たな施策を導入していく期間といたします。

・STAGE2として、ジョブローテーション制度や、グループ間での人員交流を活発化させて、

 個々の知識、経験をグループ全体に広めていく新たな仕掛け作りを行ってまいります。

令和5年

STAGE1(~令和7年)

STAGE2(~令和10年)

~令和12年

 

(現状把握)

・全社アセスメント、若手社員面談などを通した現状における課題・問題の洗い出し

(新たな施策の導入)

・長期的に求める能力の明確化

・新たな教育機会の提供

・人事評価制度の見直し

・社内DX化に向けた取り組み

(人材の新たな活用)

・女性管理職

・グループ間交流

・ジョブローテーション制度

(未来へ繋ぐ)

「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」具現化できる人材を創出

 

 

 

 

 ※1 VUCA…Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の  頭文字。

※2 ER…Employee Relations。企業の従業員や労働組合に対する広報活動。

※3 ()内の数字は令和5年3月期実績。

(3)リスク管理

当社が直面する具体的なリスクの識別・評価、方針の決定は、「内部統制委員会」がその役割を担っております。また、万が一問題が発生した場合の対応として「危機管理のガイドライン」を定め、不測の事態が発生した場合でも迅速な対応を行い、損失の拡大を最小限に防止する体制を整備しております。

「内部統制委員会」は取締役会の監督のもと、代表取締役社長を委員長として年4回開催しております。気候変動が事業に与えるリスクと機会の影響度評価を令和5年に開始しました。財務に及ぼす影響の開示を含め、今後取り組みを拡充いたします。


(4)指標及び目標

当社は気候変動への対応に関する「指標と目標」の設定を検討しており、その一環として、温室効果ガス排出量の把握に着手いたしました。

令和3年度の消費エネルギー実績をもとに、ニチモウおよび主要な連結子会社を範囲として、Scope1(燃料)とScope2(電力)の算出を実施。内訳は右表の通りです。

引き続き、算定範囲の拡大および、気候変動対応の拡充に取り組んでまいります。

 単位:t-CO2

 

 

令和3年度

Scope1

事業者自らによる温室効果ガスの直接排出

4,533

Scope2(マーケット基準)

他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

6,109

Scope2(ロケーション基準)

5,287

Scope1+2(マーケット基準)小計

10,642

Scope1+2(ロケーション基準)小計

9,820

※GHGプロトコルに則り、Scope1,2算定を実施。Scope1,2範囲としては、連結子会社を含む国内主要拠点を

 対象に算定。事業所、営業所はScope1,2算定対象から除外しています。

※フロン類の排出は今回のScope1算定に含まれておりません。

※Scope3を含めた算定は今後の課題と認識しており、引き続き算定範囲の拡大に取り組んでまいります。

 また、当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記「(2) 戦略 ④重要課題とKPIについて」に、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

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