ニチハ 【東証プライム:7943】「ガラス・土石製品」 へ投稿
企業概要
当社グループでは、コーポレートスローガンである「素晴らしい人間環境づくり」のもと、経営方針・行動規範・行動基準に基づき、各種ステークホルダー(お客様・株主様・取引先・従業員・地域社会等)の期待と信頼に応えつつ、当社グループの持続的成長と環境との調和を実現することにより、豊かで快適な社会の実現に向けて尽力しています。かかる調和を実現すべく、次に掲げる事項をサステナビリティ基本方針として当社グループ内で共有しております。
・事業活動を通じた地球環境・社会への貢献
グローバルな視点で地球環境問題や社会的な課題の解決に積極的に取り組み、社会の持続的な発展に貢献します。
・公正な事業活動の実施
国内外の法令や社会規範を遵守し、各種ステークホルダーとの間において健全な信頼関係を構築するとともに、公正かつ誠実な事業活動を行います。
・高品質の製品・サービスの提供
お客様及び社会のニーズを追求した高品質の製品・サービスの開発及び市場への提供を通じ、住環境の向上や産業技術の発展に貢献します。
・人権尊重
事業活動に関わる全ての人々の人権及び多様な価値観を尊重し、人権侵害に繋がる不当な取引や行為を排除します。
・人材育成・労働環境の整備
多様性のある人材を新たな価値創造の源泉と考え、社員一人ひとりの人権・個性を尊重し、能力を最大限に発揮できるように人材の育成及び労働環境の整備に取り組みます。
・地域社会との共存
事業活動を行う国や地域の伝統・文化・慣習・価値観等を尊重するとともに、地域社会との連携と協調を図ることにより良好な信頼関係を構築します。
上記基本方針の下、当社グループでは、以下(1)~(4)のような取組を進めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが合理的と判断した基準に基づいたものであり、様々な要因により実際の結果とは異なる可能性があります。
(1) ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティを重要な経営課題として捉え、大きく変化する社会に迅速に対応できるよう、社内のガバナンス体制を構築しております。
当社グループでは、サステナビリティの推進活動の更なる強化を図るため、2022年4月1日付で経営企画部内にサステナビリティ推進室を設置しました。サステナビリティ推進室は、当社を取り巻く社会課題について、国際的なESG開示枠組みなどを参考に評価・分析を行い、当社グループのサステナビリティに係る戦略を立案します。立案された戦略は、経営会議での審議を経て、取締役会にて決議されます。サステナビリティに係る業務執行については、取締役会で決定された方針を基に、各担当部署にて施策が企画、実行されるとともに、サステナビリティ推進室によってその進捗が管理されます。サステナビリティ推進室は、進捗状況や改善措置の必要性について経営会議に諮った上で、取締役会に報告し、取締役会の監督を受ける体制となっております。
(2) リスク管理
リスク管理の体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 ⅰ.内部統制システムの整備の状況 ウ.当社及び子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制」に記載のとおりであります。
管理すべきリスクについては、昨今、企業を取り巻く環境が大きく変化し、想定外の新たなリスクが顕在化するなど複雑化していることから、下記のとおりリスクカテゴリーを設定し、重要リスクの抽出を行うとともに、PDCAサイクルによるリスク管理活動を推進し、リスク低減を図っております。
リスクカテゴリー一覧
上記のうち、特に②環境・気候変動リスク、⑥人事関連(労働安全衛生含む)リスクをサステナビリティに影響を及ぼす重要な項目と捉えております。
(3) 戦略(マテリアリティへの対応)
当社グループは、環境・社会のサステナビリティに影響を与える課題のうち、ニチハの強み、特徴を生かして貢献していくべき重要課題をマテリアティとして特定し、取締役会で決議をしております。具体的には「地球温暖化の防止」、「循環型社会の形成」、「人権の尊重」、「人的資本経営の推進」の4つです。「地球温暖化の防止」、「循環型社会の形成」では、ニチハの特徴である木材利用によるCO2の固定化や持続可能な森林経営への貢献などの環境への訴求のほか、産廃物の原材料利用など資源の有効活用に取り組んでおります。また、全ての人が豊かで快適な生活を送れるような環境を提供することは企業の責務であるという考えのもと、グループの従業員だけでなくサプライヤーにも協力いただき、「人権の尊重」が重視される社会の実現に努めております。そして、人材は企業の成長の源泉であるとして、「人的資本経営の推進」に取り組んでおります。これらのマテリアリティへの対応は、中長期的に競争優位性の確保や、価値創造力の持続化・強化につながり、社会貢献だけでなく、当社グループの持続的成長につながるものと考えております。
マテリアリティ
① 気候変動に係る戦略
(シナリオ分析)
当社グループは、気候変動によるグループの財務影響を把握するため、国内主要5社を対象として、2030年度時点及び2050年度時点の影響を想定しております。シナリオ分析においては、気候変動に伴う影響は不確実性が高いため、2℃未満/1.5℃シナリオ及び4℃シナリオという複数のシナリオを採用しております。移行リスクの分析では、主に国際エネルギー機関(IEA)の2℃未満シナリオ(APS)、1.5℃シナリオ(NZE)を参照し、物理リスクの分析では、4℃シナリオとして、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書や第6次評価報告書を参照しております。
出典:気象庁 IPCC 第6次評価報告書 第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 気象庁訳(2022年5月12日版)
2℃未満/1.5℃シナリオでは、炭素税の導入や政府の脱炭素に向けた環境政策と規制が強化されることを想定しております。
一方で、4℃シナリオでは、地球温暖化が進行することにより、自然災害の頻発化・激甚化が進み、当社グループの工場が浸水により物理的な損害が発生する可能性のほか、調達先が被災することによってサプライチェーンが寸断され、当社グループの生産が一時的に停止する可能性を想定しております。
(特定したリスクと機会)
リスク・機会の事業への影響度については、一定の条件のもとに定量的に評価し、大・中・小の3段階に分類しました。ただし、定量的な評価が難しい項目については、定性的な評価としております。
期間:中期 10年以内、長期 30年以内
(対応策)
当社グループは、特定した気候変動に関連するリスクと機会のうち、特に当社グループに重要な影響を及ぼすと判断した項目について、以下のように対応を進めております。
② 人的資本に係る戦略
当社グループでは、マテリアリティの一つとして「人的資本経営の推進」を掲げており、企業価値の向上につながる人材の育成・活用やダイバーシティの推進等に努めております。
ⅰ.人材の育成・活用
2022年に当社グループの中核であるニチハ株式会社で「自走する人材が育つ新生ニチハ」をコンセプトとした新たな人事制度への移行を実施しました。
新たな人事制度では、「Ⅰ.責任と貢献」、「Ⅱ.チャレンジと成長」、「Ⅲ.ダイバーシティと活力」をキーワードに制度設計を行っており、全員がプロフェッショナルな人材となる環境づくりを推進しております。また、研修機会を増やすことや、特に従業員のキャリア形成に役立つように入社年次や等級などで区分した階層別研修の充実化により、必要な役割意識や基礎知識、スキルを身につけられる環境を整備しております。
さらにマネジメント層の育成については、次代の経営を担う人材の育成を重要な課題として取り組んでおります。新たな人事制度では、マネジメント層には自身の課題解決能力だけでなく、配下の人材の育成にも評価軸を置くことにより、部署全体の能力向上を図っております。
ⅱ.ダイバーシティの推進
当社グループでは、人種・国籍・性別などを問わず、多様性のある人材が新たな価値創造の源泉と考え、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境の整備を図るとともに、多様な社員の成長を通じて持続的な発展を目指します。
ア.女性の活躍促進
当社グループでは、女性の活躍促進を重要課題として掲げ、取組を進めております。中長期的には多様な視点の確保のためにも、女性管理職の比率増などを進めていきたいと考えておりますが、現在の状況は、女性の比率が低い状況となっております。当社グループとしては、その対応として、まずは、多様な人材が活躍できるよう職種転換の実施や、女性総合職の採用増に取り組むことで、女性管理職の増加に取り組んでまいります。また、社会全体の女性活躍を推進するため、男性社員の育児休業の取得を奨励しております。
イ.ワークライフバランスの推進
当社グループでは、グループ行動指針の一つとして、「社員一人ひとりの個性・人格を尊重し、それぞれの立場で自己実現を目指せる職場をつくります」と掲げており、これをワークライフバランスについての方針としております。社員一人ひとりの自己実現には、業務自体の働きがいとともにそれぞれの生活の充実や自己研鑽が欠かせないものと考えております。そのための働き方に対する考え方を見直し、有給休暇の促進、育児・介護に関する働き方の整備、在宅勤務の実施などを通じ、社員一人ひとりのワークライフバランスを実現することが、働きがい、ひいては生産性の向上に繋がるものと考えております。
(4) 指標及び目標
当社グループでは、サステナビリティに係る指標として、CO2排出量の削減目標を設定しております。
国内主要5社によるGHG排出量
(単位:千t-CO2)
年度 | Scope1 | Scope2 | 合計 |
2013年度(基準年) | 214.1 | 84.9 | 299.0 |
2020年度 | 206.3 | 71.0 | 277.3 |
2021年度 | 219.2 | 66.8 | 286.0 |
2030年度目標 | CO2排出量2013年度比50%削減 | 149.5 |
(注)国内主要5社はニチハ(株)、ニチハマテックス(株)、高萩ニチハ(株)、八代ニチハ(株)、ニチハ富士テック(株)であります。
人的資本に係る指標については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載のとおりであります。
また、目標については、当社グループの人的資本に係る戦略に基づき、人材育成、多様性の確保、女性の活躍推進、ワークライフバランスの推進を促す目標の設定に努めてまいります。
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