企業ニチダイ東証スタンダード:6467】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、顧客満足度(Customer Satisfaction)・株主満足度(Investor Satisfaction)・社員満足度(Employee Satisfaction)を最大限に実現し、永続的に向上させていくことで新たな価値を創造し、社会に貢献できる企業を目指しています。
 この経営理念のもと、当社グループは、「他社ではできない製品と他社の追随を許さない高い技術力」を追求するオンリーワン企業を目指すとともに、従業員の自己実現達成と社会ニーズに適合した健全な成長を持続できる3E(エクセレント・エキサイティング・エクスパンド)カンパニーの実現に向け、金型事業、精密部品事業及びフィルタ事業を展開しています。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、上記の経営基本方針のもと、売上高営業利益率10%の達成を目指していきたいと考えています。

(3) 中期経営戦略

 当社グループは、2022年度より下記の中期経営戦略を推進しております。

 中期経営戦略

  「CHANGE ~ニチノベーション※1 2026~」

① VSOP※2精神での顧客価値創造

 イ.事業の成長と収益力強化

   ・コア技術の応用と進化による提案力強化

   ・顧客視点でのQDC※3最大化

 ロ.新事業の創出とグローバル企業への進化

   ・シナジーを活用した新分野への探索と挑戦

   ・グローバル戦略強化

 ② 社員が輝き続ける会社づくり

 イ. 社員の成長、会社の成長を喜ぶ相互関係の構築

   ・挑戦を歓迎する仕組みづくり

   ・組織風土改革

 ロ.社員が誇れる企業への成長

   ・ダイバーシティの推進

   ・健康経営の実現

 ③ 持続可能な社会への貢献

 イ.社会から必要とされ、選ばれる企業へ

   ・技術による社会課題の解決

   ・ESG※4経営の推進  

 ロ.次世代社会への貢献

   ・環境に配慮したものづくり改革

   ・サステナブル社会への取組み

※1 「ニチダイ」と「イノベーション」を掛け合わせた造語

※2 VSOP:Vitality(活気・生命力)、Specialty(専門性・技術)、Originality(独創性・創意)、Passion(情熱)の頭文字。当社の創業から受け継げられている精神。当社の経営ビジョンに含まれている。

※3 Quality:(品質)、Delivery(納期)、Cost(コスト)の頭文字。当社は差別化戦略をとっていることから、QDCの順に表記している。

※4 ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字

(4) 経営環境及び対処すべき課題

 当社グループの主要顧客業界である日系自動車産業では、部品供給不足が解消するとともに、生産台数は回復したものの、以前の水準までには戻っていない状況になっております。さらに、ウクライナや中東の情勢が不安定化しているなか、鋼材価格の高騰は継続しており、世界経済は引き続き先行き不透明な状況が続いております。

 また、自動車産業における電動化シフトに関しては成長が鈍化しているものの、次世代自動車に向けた技術トレンドは不変であり、当社を取り巻く経営環境の変化にも影響を与えております。

 このような状況のなか、前述した中期経営戦略のもと、次の課題に対処してまいります。
 

 1.業績浮上と持続的成長の土台づくりへ

 今年度から、組織再編により、金型事業、精密部品事業、フィルタ事業の体制で推進してまいりました。

 この体制のもと、当社グループでは、収益性が回復したものの、各事業の売上高成長率は低水準で推移しており、全事業での収益確保と、持続的な成長に向けての土台づくりが課題となっております。

 金型事業では、主要顧客業界である自動車産業が成熟化するとともに、パワートレインの電動化などにより開発に対する需要が変化しております。そのため、コア技術の応用と進化による提案力強化による、複雑かつ高度化する顧客ニーズへの対応や生産効率化等により、収益を確保することが課題となっております。そのなかで、原価管理の強化や自動化の推進とともに、ネットシェイプ技術を武器にした営業活動により次の成長に向けた活動を強化してまいります。

 組織再編により量産に関わる製品を集約した精密部品事業では、統合による効率化を継続的に進めているものの、依然損失が続いており、次期においても厳しい状況が続くことが予想されます。ターボチャージャー部品及び鍛造品ともに、新規顧客、新規品を獲得することなどにより、早期黒字化に向けた活動を進めてまいります。

 フィルタ事業では、新製品、新市場の獲得を進めております。その一環で、生産、販売、技術一体化した活動で、ヘルスケア産業向けへの対応強化などを行ってまいります。

 また、当社グループでは、3事業とも海外拠点を有し、国内外の拠点の連携強化による海外市場拡大が課題となっております。そのなかで、今年度、海外子会社NICHIDAI(THAILAND)LTD.を、機動的かつ柔軟な意思決定を可能にすることを目的に、完全子会社といたしました。新たな体制により、既存製品の新規アイテム獲得や新事業創造に向けた対応を進めてまいります。

 2.新事業創造、新規品獲得に向けた活動強化

 当社グループは、3事業全てにおいて、コア技術を武器にした新規品獲得を進めており、3N(新用途、新市場、新製品)をテーマにした活動を進めております。

2024年4月より、新事業開発部と経営企画部を傘下に持つ、経営戦略本部を設立いたしました。当本部は、新事業開発などを事業横断的に対応することを目的としており、これまで創造、育成してきた鍛造DXなどのシーズを新事業に結びつけるための活動を行ってまいります。

 また、事業の枠を超えたシナジー効果を狙った施策を推進してまいります。そのなかで、フィルタ事業の焼結技術と精密部品事業の量産品管理機能を組み合わせた受注活動などを進めてまいります。

 3.魅力ある職場環境づくり

 当社グループの推進している中期経営戦略では、「社員が輝き続ける会社づくり」を重点項目に含んでおり、社員満足度向上や人的資本に関わる施策を進めております。

 当社グループは、今年度導入した新しい人事制度を運用することにより、「挑戦を歓迎する仕組みづくり」に取り組んでまいりました。

 次年度においては、その取り組みをより一層充実させ、「人的資本」への投資を強化してまいります。その一環で、社員の成長を後押しする教育訓練制度の充実化を図ってまいります。

 また、当社は「社員が誇れる企業への成長」を目的に、次年度の「健康経営優良法人」の認証を取得いたしました。社員の健康にかかわる各種施策を実施することにより、社員のモチベーション向上、人材の定着や確保につなげてまいります。

 さらに、今年度は、トップマネジメントと社員との双方向コミュニケーション促進を目的としたタウンミーティングを実施してまいりました。次年度は、タウンミーティングのなかで社員から出された声を休暇制度などに反映させることにより、働きやすい職場づくりに活かす活動を行ってまいります。

 4.持続可能社会に向けた取組み開始

 今年度、当社グループでは、当社を取り巻く外部環境やグループ内での課題などを考慮しながら、持続可能な社会に向けたマテリアリティ(重要課題)を決定いたしました。重要課題の決定により、当社グループにおける次世代社会に向けた活動の方向性が明確になってきております。これまでも、CO2排出量削減を意識した太陽光パネルの設置や人的資本投資などを行ってまいりましたが、それに引き続き、次年度は、具体的な目標設定や体制整備など、次世代社会の課題解決に向けた活動を進めてまいります。

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