ナレルグループ
【東証グロース:9163】「サービス業」
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企業概要
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
また、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要とその体制を採用する理由」に記載のとおり、当社は、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置し、当社のリスク管理に関する課題の調査・対応の審議等を行っております。
(1)建設業界の景気動向(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:中期)
当社グループは、建設業界向けを中心とした人材派遣事業を行っており、建設業界における派遣人材の需要は人材不足等を背景に今後も拡大基調であると考えておりますが、当社グループの業績は国内の建設投資動向に一定程度の影響を受けます。経済情勢の悪化に伴う公共工事や民間工事の落ち込み等により、建設投資動向が著しく変動した場合、就業時間の短縮化、契約条件の悪化、派遣契約期間中の中途解約等が生じる可能性があります。当社グループは多くの正社員を派遣しているため、景気後退局面では無期雇用の待機技術者の人件費負担が重くなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、建設業界向けの人材派遣を中心とした事業展開を行いつつ、プラント領域、BIM領域、IT領域等への人材派遣など、建設業界において蓄積されたノウハウ・経験を活用し、特定の業界や顧客の業況に大きく影響を受けないようにリスクを分散した事業運営を行っております。
(2)技術者人材の確保(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:中長期)
技術者人材の確保は当社グループの成長における重要な経営課題であり、「採用者数の拡大」「退職率の低減」「技術者のスキルアップ」の取り組みを通じて、派遣する技術者の規模拡大を図ります。採用力は当社グループの強みであり、技術者の採用人数、在籍技術者数は順調に増加しております。また、採用チャネルについても、従来からの求人媒体の活用に加えて、自社採用メディア(セコカンNEXT)、人材紹介事業者の活用や知人紹介等へ多角化することで、技術者人材の確保に努めております。
退職率の低減施策としては、研修中及び配属後のフォロー強化、派遣領域の拡大による技術者の成長機会創出、顧客と技術者の関係性構築支援、退職懸念の早期発見と早期解決体制強化等を推進してまいります。人材育成施策としては、技術者数の増加や派遣領域の拡大に対応するため、各種研修プログラムや資格取得支援制度の拡充等により、広範囲、高品質、高効率な人材育成の仕組みを構築してまいります。
一方で、国内の総人口は継続的に減少することが見込まれています。国内における技術者の需給は逼迫しており、今後の技術者採用市場の動向によっては、需要に見合う供給を十分に確保できないおそれや採用コストが増加する可能性もあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)労務管理(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:中期)
当社グループでは、約3,000人の派遣技術社員が在籍しており、現在も継続的に派遣技術社員の採用を進めております。時間外労働時間の上限規制が建設業においても2024年4月より適用されるなど、労務管理に関する規制が強化される中、当社グループでは、採用時における人材品質の確保、教育研修体制の強化、コンプライアンスを重視した労務管理を含む派遣技術社員の管理の充実等の取り組みを実践しております。しかしながら、万一、不適切な労務管理による法令違反が発生した場合や、労働安全衛生や雇用関係等に関して派遣技術社員との間で紛争が発生した場合等、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが派遣する技術社員は顧客企業の様々な現場で就業を行っております。当社グループは、派遣先の就業環境における労災事故のリスク把握に努めておりますが、当社グループの従業員が不測の事態に遭遇した場合、損害賠償金の負担や社会的信用失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)許認可及び法規制(発生可能性:小、影響度:中、発生時期:中長期)
当社グループは、労働者派遣事業者及び有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可等を受け事業を行っております。本書提出日現在における当社グループの主要な事業活動の前提となる許可・届出状況については以下のとおりであります。
(株式会社ワールドコーポレーション)
許認可等の名称 | 所管官庁等 | 許認可等の内容 | 有効期間 | 取消事由 |
労働者派遣事業許可 | 厚生労働省 | 厚生労働大臣許可 派13-305286 | 2021年4月1日 ~ 2026年3月31日 | 労働者派遣法第14条 |
(一般社団法人全国建設人材協会)
許認可等の名称 | 所管官庁等 | 許認可等の内容 | 有効期間 | 取消事由 |
建設業務有料職業紹介事業許可 | 厚生労働省 | 厚生労働大臣許可 13-ケ-300001 | 2023年12月21日~ 2026年10月31日 | 建設労働者の雇用の改善等に関する法律第40条 |
当社グループは、法令違反等の未然防止に取り組んでおり、本書提出日現在、当該許可等の取消又は事業の停止等となる事由は発生しておりません。しかしながら、派遣先の指示により労働者派遣法で禁止されている建設業務(なお、当社グループの派遣技術社員が実施している施工管理、CAD作図、施工図作図等はかかる業務に該当しません。)を行う等、何らかの要因で当該事業許可等の取消又は事業の停止等を命じられた場合、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
有料職業紹介事業においても、職業安定法で建設業務に就く職業の求職者を紹介することは禁止されておりますが、当社グループでは建設業務有料職業紹介事業許可(「建設労働者の雇用の改善等に関する法律第18条」)を有する一般社団法人全国建設人材協会を通じて職人(技能労働者)の職業紹介を行っております。なお、建設業務の有料職業紹介事業は認定団体のみ職人の職業紹介が可能であり、一般社団法人全国建設人材協会を含む全国で3団体のみが認定を受けております。
また、当社グループは、準委任契約に基づきSES(システムエンジニアリングサービス)業務などを受託する場合、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(労働省告示第37号)」等の関係法令に従っておりますが、偽装請負問題等が発生した場合には、社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)多額の借入金(発生可能性:中、影響度:小、発生時期:中長期)
当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入を行っており、2024年10月期末における総資産に占める借入金残高は23.6%となっております。なお、シンジケートローン契約に基づいて設定されたコミットメントラインの借入実行額20億円の返済期限は2025年10月31日となっております(注21)。今後は借入金を減少させるべく取り組みんでまいりますが、借入金にかかる金利のうち、変動金利部分については、金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが締結している借入契約には、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 16.借入金及び担保に供している資産等」に記載のとおり、財務制限条項が付されております。
当社グループは、財務制限条項への抵触リスクに対応するため、財務コベナンツに係る各種数値の定期的なチェック等を行うとともに、安定的な利益及び資金の確保に努めておりますが、当該財務制限条項に抵触した場合には、借入金を一括返済する可能性があり、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 当該シンジケートローン契約の規定により、コミットメント期間の1年間の延長を2回まで申し込むことができ、コミットメント期間が延長された場合、当該延長を承諾した貸付人について延長後のコミットメント期間満了日が返済期限となります。なお、2024年10月31日付でコミットメント期間満了及び返済期限を迎えましたが、コミットメント期間が1年間延長されたため、2024年10月31日付で借入実行金額2,000,000千円の借換えを行いました。
(6)のれんの減損(発生可能性:中、影響度:大、発生時期:中長期)
当社グループは、多額ののれん(2024年10月期末における総資産に対するのれん比率59.6%)を計上しております。当該のれんは、主に2019年11月に株式会社ワールドコーポレーションの株式を取得したことにより生じたものであります。
当社グループはIFRSを採用しているため毎期ののれんの償却負担は発生しませんが、のれんの対象となる事業の収益力が低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。事業の収益力の向上に努めておりますが、減損損失を計上するに至った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)代表者への依存(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:中期)
当社グループの創業者であり代表取締役である小林良は、当社の株式を直接的又は間接的に所有しております。同氏は、建設業界向け人材派遣に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、遂行において重要な役割を果たしております。
当社グループでは、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報セキュリティ・個人情報の管理(発生可能性:中、影響度:小、発生時期:特定時期なし)
当社グループは、技術者を含む従業員や採用応募者等、多くの個人情報を保有しております。当社グループでは、個人情報の適正な管理は極めて重要であると認識しており、役職員への継続的な教育研修等を通じて、個人情報の適正な取扱いを浸透させております。また、個人情報保護規程の整備・運用及び情報システムにおける個人情報に関するセキュリティ対策を講じております。
個人情報の外部流出が発生した場合には、損害賠償金の負担や社会的信用失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)世界的な感染症の蔓延拡大(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:特定時期なし)
2020年から世界規模で感染が拡大した新型コロナウイルス感染症のように、世界的な感染症の拡大が発生した場合には、対面での営業活動や採用活動に制約を受ける可能性があります。また、人材派遣先である建設業界等顧客企業において、工事の稼働を中断した場合や工事案件が減少した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)システム障害(発生可能性:中、影響度:小、発生時期:特定時期なし)
当社グループでは、情報システムの安定的な運用に努めておりますが、自然災害、事故、コンピューターウイルスや不正アクセス等のサイバー攻撃等により、情報システムに重大な障害が発生した場合、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)買収・合併、業務提携、新規事業等(発生可能性:中、影響度:小、発生時期:中期)
当社グループは、成長戦略の一環として、買収・合併、業務提携、新会社設立等を推進する可能性があります。これらの実施にあたっては、十分な事前調査及び検討を行ってまいりますが、当該事業が当初想定した計画と大きく乖離した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります
(12)自然災害(発生可能性:低、影響度:小、発生時期:特定時期なし)
当社グループは全国に営業拠点を有しており、当社グループの技術者は全国の顧客先にて勤務しております。地震、津波、台風等の自然災害が発生した場合には迅速かつ的確な対応を行ってまいりますが、想定外の大規模災害の発生により、営業拠点の事業運営が困難になった場合や、顧客先の工事の稼働が中断した場合など、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)大株主の状況(発生可能性:中、影響度:小、発生時期:短期)
当社グループは、㈱アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンド(以下、「APファンド」という。)から、純投資を目的とした出資を受けており、本書提出日現在、投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズⅤ号、AP CAYMAN PARTNERS Ⅲ,L.P.、JAPAN FUND Ⅴ, L.P.、アドバンテッジパートナーズ投資組合80号が合計で当社株式1,560,600株(発行済株式総数対比17.9%)を保有しています。また、当社社外取締役かつ監査等委員である西村隆志は、アドバンテッジパートナーズより派遣されています。APファンドは当社株式の上場時において、所有する当社株式の大半を売却しましたが、上場後においても一定の当社株式を保有しています。なお、アドバンテッジパートナーズより派遣されている取締役につきましては、今後のAPファンドの当社株式の持分等を勘案しながら、将来的には退任を想定しております。
当社グループは、㈱アドバンテッジパートナーズより、当該株式の将来的な処分時期や方法については未定であるものの、市場価格への影響を極力抑えた形で対応する旨聴取しておりますが、今後の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの経営その他の事項に関する㈱アドバンテッジパートナーズの利益は、他の株主の利益とは異なる可能性があります。
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