企業兼大株主ナカヨ東証スタンダード:6715】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(特に重要なリスク)

(1) 特定の取引先への依存度について

 当社グループの主要な取引先として、株式会社日立製作所、株式会社日立情報通信エンジニアリング、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社の4社があり、売上高に占めるこれら4社への依存度が高くなっています。

 当連結会計年度における株式会社日立製作所に対する販売実績は309百万円であり、連結売上高の1.8%を占めています。また、株式会社日立情報通信エンジニアリングに対する販売実績は4,605百万円であり、連結売上高の26.7%を占めています。同グループの仕入方針の変更等により、当社グループへの発注が減少した場合や発注条件が変更された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当連結会計年度における東日本電信電話株式会社に対する販売実績は1,433百万円であり、連結売上高の8.3%を占めています。また、西日本電信電話株式会社に対する販売実績は1,252百万円であり、連結売上高の7.3%を占めています。なお、これら2社を含む日本電信電話グループとの取引は、一部に入札方式が採用されており、不採用となった場合は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があり、その程度につきましては、様々な要因により変動すると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクの対応策として、当社グループは、新製品開発を継続して行うことで、従来の取引先を確保しつつ、スマートX事業やインターホン事業、サービス事業など新規事業における製品開発・販売を実施し、売上拡大及びリスク分散に努めております。

(2)部材調達について

 当社グループは、様々な供給業者より部材の供給を受けております。部材の調達において、需要の急拡大による供給の逼迫や市況の変動等により、適時に部材の確保ができない場合や、価格が大幅に高騰した場合、生産機会の喪失や製品原価率の上昇等により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 特定の製品、技術等で将来性が不確定であるものへの高い依存度について

 当社グループは、売上高のほとんどを国内需要に依存しており、かつボタン電話装置(ビジネスホン)およびその周辺装置の売上高が全体の半数以上を占めております。そのため、景気の好不況による国内企業の設備投資への動向が、当社グループの売上高に大きく影響を与えます。また通信機器関連分野は、ネットワークインフラの技術革新が著しく、IoT関連技術が急速に進展しており、技術革新のスピードに乗り遅れた場合は魅力ある新製品をタイムリーに提供できず、市場におけるシェアを低下させる懸念があります。また、情報通信機器業界以外の業者の新規参入により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を受ける可能性があります。当該リスクの対応策として、当社グループは、主力製品であるビジネスホンの既存商品群の機能強化に加えて、サービス商品やアプリケーション商品の新商品開発を推進いたします。また、当社グループは、新製品開発を継続して行うことで、従来の取引先を確保しつつ、スマートX事業やインターホン事業、サービス事業など新規事業における製品開発・販売を実施し、売上拡大及びリスク分散に努めております。

(4) 製品の品質に関するリスク

 当社グループの製品は、社会インフラの構築に利用され、また顧客の情報コミュニケーション基盤を支えるものであります。製品の品質には細心の注意を払って製作しておりますが、全ての製品において品質問題が発生しないという保証はありません。

 品質上の問題に起因する欠陥や瑕疵又は障害が発生した場合、その修復や対応のために発生する費用や利益の逸失、社会的な信用の失墜、ブランドイメージの喪失による売上高の減少等経営に影響を及ぼす可能性があります。その程度につきましては、様々な要因により変動すると認識しております。なお、当社グループの製品保証引当金の金額以上の多大なる影響を及ぼす当該リスクの顕在化の可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクの対応策として、開発完了時点、部品検収時点、製品完成時点等段階別に品質を管理する専門部署を複数設置し、法令及び社内ルールの遵守、システム等を活用した管理の徹底に努めております。

(5) 海外調達と為替変動リスク

 当社グループは、製品を国内で生産しているため、競合他社が相対的に製造原価の安い外国等に生産拠点をシフトし、当社と同等の製品を、より安価に提供するようになった場合、当社グループに売上高の減少、損益の悪化等の影響を及ぼす可能性があります。

 また、海外業者の参入による販売の激化に伴い、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは部品調達、金型等の固定資産の一部を海外から調達しており、この海外調達比率を徐々に引き上げる方向で進めております。これに伴い、為替変動リスクが高まり、損益に影響する割合が増加します。円高は損益に好影響、円安は損益に悪影響となります。当該リスクの対応策として、為替予約等により、変動リスクの軽減を図ることがありますが、短期間での為替の急激な変動は為替予約等のリスクヘッジを行っても、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、海外調達先の社会情勢、災害により部品、金型等が長期にわたり調達が困難になった場合には該当関係製品の生産に支障をきたし、市場に製品を供給出来なくなる可能性があり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクの対応策として、調達先の現状把握と納入可否の確認を実施するとともに、他製品で採用実績のある他社相当品への切替を実施することで影響を最小限に留めるよう努めてまいります。

(6) 人材確保・育成

 当社グループの事業活動を支える根幹は人であり、当社グループの将来の成長と成功は、有能な人員の確保・育成が重要な経営課題であると認識しております。しかしながら、この確保・育成がうまくいかなかった場合、将来にわたり業績に影響を与える可能性があります。

 また、人員の流出等により従業員の年齢構成・各職場の人員配置のバランスが崩れた場合、職場内の意志疎通が十分機能せず、円滑な事業活動の遂行に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。しかしながら、人材の確保においては、多少ではあるものの、人手不足による影響が生じております。当該リスクの対応策として、従来の採用活動に加えインターシップ制度の導入拡大や通年採用を通じ、安定して人材確保できるよう努めております。

(7) 情報セキュリティについて

 当社グループは、事業の遂行により蓄積された機密情報と顧客からお預かりした秘密情報や個人情報を保有しております。サイバーテロ、ウイルス感染、ハッキング等により機密・秘密情報が漏洩した場合、顧客からの損害賠償請求による損失、社会的な信用の失墜による売上高の減少等経営に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。情報セキュリティ管理体制の下、巧妙化するサイバー攻撃等への情報セキュリティ対策として、IPS(不正検知システム)やアンチウイルスソフト、メールソフトへの標的型攻撃検知アプリの導入および従業員の情報セキュリティに対する意識レベル向上のための教育・啓蒙活動を実施し、その維持管理を行っております。

(8)棚卸資産の評価に係るリスク

 当社グループは、顧客からの受注見込みに基づいて生産計画を作成し、部材の手配を行っておりますが、市

 場環境の変化等により、当初計画どおりに製品を顧客へ販売できず、適正在庫回転期間を超過した場合、製品

 とこれに関連する仕掛品、部材、原材料について、棚卸資産評価損または廃棄損を計上することがあります。

 これにより、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(重要なリスク)

(1) 法的規制等

 当社グループは、製品の開発に関しては電気通信事業法等の政府の規制を受けており、輸出入に関しては、外国為替および外国貿易法等の貿易関連法規の規制の適用を受けております。また、環境、独占禁止、特許、リサイクル等の国内法の様々な規制も受けており、これらの法律の遵守ができなかった場合は、活動の制限、損害賠償の発生等当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクの対応策として、コンプライアンス教育の強化と充実、法令及び社内ルールの遵守等を徹底するよう努めております。

(2) 重要な訴訟

 現在のところ、当社グループにおいては重要な訴訟を受けた事実、あるいは訴訟を提起したというものはありません。ただし、新製品を開発し新技術を使用する中で、事前調査には万全を尽くしていますが、技術の範囲が多岐にわたり、国内外の特許権等の知的財産権に抵触しているとして法的手続きの対象となる可能性があり、その場合に発生する費用は財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクの対応策として、コンプライアンス教育の強化と充実、法令及び社内ルールの遵守等を徹底するよう努めております。

(3) 継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは、前連結会計年度において、営業損失974百万円、当期純損失708百万円となり、当連結会計年

 度において営業損失660百万円、当期純損失1,268百万円となっていることから、継続的な営業損失が発生してお

 り、継続企業の前提にかかる重要な疑義を生じさせるような状況が継続して存在しているものと認識しておりま

 す。

 当社グループは、継続企業の前提にかかる重要な疑義を解消するための対応策として、増加コストの販売価格

 への転嫁、材料在庫の適正管理、生産拠点・生産設備の集約による人材配置の最適化・リードタイム短縮化、ソ

 リューション事業の育成によるイノベーション創出能力強化等を実施することで、事業面及び財政面での安定

 化、持続的な収支の改善を図り、当該状況の解消・改善に努めてまいります。

 加えて、資金面においては、2024年3月期末日における現金及び預金の残高は4,169百万円あり、十分な手元

 資金があることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

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