ナカバヤシ 【東証スタンダード:7987】「その他製品」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)グループ理念体系
<パーパス> It‘s for SMILE ~価値ある商品とサービスで社会を明るく笑顔に~
健康かつ文化的で明るく元気な未来を「It‘s for SMILE」で描きます
<ミッション・ビジョン> 生命関連産業のリーディングカンパニー
「生命関連産業」で5つの分野で既存事業の強化や新規事業を創出します
<バリュー> 思いを守る、明日へつなぐ
祖業の特殊製本を礎に、文字と写真文化と人々の思いも未来につなぐビジネスを推進します
(2)中長期的な会社の経営戦略
①コアコンセプト
「生命関連産業」(注1)のリーディングカンパニーを目指します。
ポストコロナの時代に求められる具体的なコンセプトとしての「生命関連産業」は、相互扶助、循環、持続可能性といったコンセプトと親和性が高く、ナカバヤシグループが近年循環型社会の実現を目指した木質バイオマス発電事業や、技術の継承と地域雇用の安定を目指す新たなビジネスモデル「製本業と農業の二刀流」の展開、海洋プラスチック問題を始めとした「脱プラ」「廃プラ」課題を解決する紙製品事業「asue(あすえ)」の始動など、社会課題の解決に貢献し得る様々な事業活動を積極的に広げ、持続可能な社会の実現と美しい地球環境の保全のために、SDGsの達成に向けた事業活動・企業活動を目指すという方針につながるものでもあります。
既存事業の生命関連産業分野とDXの活用、新しい技術、社会のニーズ・ウォンツを組み合わせることで、単なる労働集約型事業とは異なった新商品や新サービス、新規事業を生み出し、生命関連産業を基軸に成長戦略を描いてまいります。
(注1)「生命関連産業」とは、京都大学の広井良典教授が提唱している概念であり、(1)健康・医療(2)環境
(再生可能エネルギーを含む。)(3)生活・福祉(4)農業(5)文化の5つの分野において、日常に根ざした「生活」の豊かさや「幸福」を求める志向に基づく産業を指します。
②中期基本方針
新・中期経営計画「Go on 5ing」(2025年3月期~2027年3月期)に基づき「収益力の強化」「成長力の推進」「株主価値の向上」を基本方針として、次の『5 go on!』を目標として掲げ、その達成に向けた諸施策をgo on(邁進)して参ります。
1.売上高660億円 営業利益33億円(営業利益率5%)にgo on!
2.社会課題の解決へgo on!
3.DX推進にgo on!
4.サーキュラーエコノミーへgo on!
5.add+venture70で新たな挑戦にgo on!
③セグメント別事業戦略
「生命関連産業」の5つの分野(①健康・医療②環境(再生可能エネルギーを含む)③生活・福祉④農業⑤文化)で、既存事業の強化や新規事業への参入に向けた取り組みを進めて参ります。
モノ消費からコト消費そしてトキ消費へと、人々のニーズとウォンツは消費活動に対して意味づけする時代に移り変わっています。生命関連産業の各分野における社会課題解決とトキ消費の創出を通じて、既存事業に捉われない製品やサービスの創造に取り組んで参ります。既存事業における収益性の改善、積極的なM&Aやアライアンスならびに新規事業への進出で売上高の拡大、営業利益率の向上を実現します。
生産年齢人口の減少に伴う経済の急激な構造変化に対応するため、トキ消費の創出・生成AIの活用などDX化を積極的に推進することで、新たな企業価値の創造を図り目標達成に努めて参ります。
また、オフィス環境の改善を見据えた製品や紙のリサイクルビジネスを中心に「オフィスアプライアンス事業」をセグメントの一つとして位置付けて参りました。しかしながら、新型コロナウイルスの影響により、働き方や学び方などのライフスタイルが大きく変化し、タイム・コスト・スペースのパフォーマンス向上が求められるようになりました。このような変化に対応し、新しいライフスタイル適合した製品を提供するために、「オフィスアプライアンス事業」と「コンシューマーコミュニケーション事業」を統合し、より効果的なライフスタイルソリューションを提供していくこととします。この変更に伴い、従来の5つのセグメントは「ビジネスプロセスソリューション事業」「コンシューマーコミュニケーション事業」「エネルギー事業」「その他」という4つのセグメントに再編いたします。
[ビジネスプロセスソリューション事業]
「こまったをよかったに」、BPOの推進で社会課題の解消を目指します。
①DX推進によるアナログとデジタルの融合で生産性の高いBPO、新たなBPO領域を創出します。
②幅広い得意先を有する当社グループのリソースの有効活用、デジタル対応の受注システム構築により紙製別製品(手帳・証書ファイル等)の受注拡大を目指します。
③業界固有の特性に配慮した紙器包材の開発と受注拡大で脱プラ・廃プラを推進します。
④長年培った図書館運用のノウハウを生かし、プロポーザルでの更なる指定管理の受託拡大により地域再生に貢献します。
[コンシューマーコミュニケーション事業]
生活を豊かに、充実させるタイム・コスト・スペース、3つのパフォーマンスをアップさせる製品を提供します。
①教育・学びの場、働く場において快適性・機能性・デザイン性を併せ持つ文具・事務用品、ガジェット関連用品、オフィス用品を提供します。
②防犯・防災・セキュリティ(機密保持)製品の充実を図ります。
③医療・介護の場における製品開発と共にストレス解消・癒しなど健康を切り口にした商品開発をします。
④海外販路の開拓を強化し、筆記を中心にTACCIAブランド、NCLブランドの認知度を拡大させます。
⑤めぐりing、ツーリズム、推し活、インバウンド等、コト消費・トキ消費に対応した新たな商品・サービスを創出します。
⑥様々な社会課題の解決に貢献できる商品を提供していきます。
[エネルギー事業]
木質バイオマス発電を通じてサーキュラーエコノミーの実現と太陽光発電の安定稼働で地球にやさしいエネルギーを創出に取り組んで参ります。
[その他]
製本と農業の二刀流を継続し、スマート農業の実行で安定した雇用の創出と食の供給を促進していきます。
農業の6次産業化に加えICT技術を活用した営農を図ります。
④中期財務戦略
利益率の改善を図るべく、事業構造改革と不採算事業の見直し、グループ管理部門の効率化を図っていくことにより、連結営業利益率5%を目指します。
また、将来の「資本コスト」の上昇を踏まえ、資本効率の向上とキャッシュ・フローの最適化に取組み、ROICの持続的向上を図って参ります。
中期数値目標(連結) (単位:百万円・%)
| 2024年3月期 (実績) | 2025年3月期 (目標) | 2026年3月期 (目標) | 2027年3月期 (目標) |
売上高 | 61,043 | 61,500 | 63,500 | 66,000 |
営業利益 | 462 | 1,845 | 2,540 | 3,300 |
営業利益率 | 0.7 | 3.0 | 4.0 | 5.0 |
(3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①経営環境
新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和や海外からの入国制限が解除されたことにより、人の移動量が大幅に増加し、社会経済活動の正常化が進み回復基調にあります。またインバウンド効果もあり景気は緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方、原材料価格の高騰やロシア・ウクライナ情勢の長期化、外国為替相場での円安傾向など、外部環境の変動により景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境は、ライフスタイルや企業活動が大きく変化したこともあり、グループ会社の吸収合併や製品・サービスの改革を遂行しておりますが、引き続き厳しい状況が続いております。
このような中、当社グループは2023年11月にパーパス「It’s for SMILE ~価値ある商品とサービスで社会を明るく笑顔に~」を制定しました。「人生100年時代」を迎える現代社会において、当社グループが社会課題を一つでも解決することにより、健康かつ文化的で明るく元気な未来を「It’s for SMILE」で描いてまいります。
また、ミッション・ビジョンである「生命関連産業(注)」のリーディングカンパニーを目指した既存事業の強化や新規事業への参入、そして最終年度を迎えた第3次中期経営計画(2021年4月1日~2024年3月3日)「add+venture 70」(アドベンチャー70)に取り組み、企業価値向上に努めました。
(注)「生命関連産業」とは、京都大学の広井良典教授が提唱している概念
具体的には次の5つの分野(1)健康・医療(2)環境(再生可能エネルギーを含む)(3)生活・福祉(4)農業(5)文化を指します。
②優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
〇企業ブランドの確立
かつては「フエルアルバム」のブランドで消費者の間では認知度が高かった当社ですが、近年のアルバム需要の減少により当社の認知度は以前より低下しております。近年は若年層への認知度向上策として頑張る若者を応援する施策を継続して実施しており、番組スポンサーやイベント協賛だけでなく、SNS等あらゆる媒体を活用し、変革する企業イメージを訴求してまいります。
〇営業利益率の向上
グループ全体としての事業構造の改革と不採算事業の見直し、幅広い顧客基盤を活かしたBtoBにおける受注活動の強化、DXの推進による効率化により営業利益率の向上を図ってまいります。
〇新規事業の推進
第3次中期経営計画「add+venture70」の中期基本方針「Main add+venture」で掲げた“企業価値を高める70の新しいこと”は 43 件の挑戦に留まりました。第4次中期経営計画「Go on 5ing」においても目標達成に向けた取り組みの継続と事業化を推し進め、新たに50億円の売上を目指してまいります。
〇財務基盤の強化
新規事業や既存ビジネスの深掘による売上増加、業務プロセスの見直しや新たな付加価値の提供による利益率改善を図ってまいります。また採算性や収益性、効率性を考慮した固定資産の見直し(投資有価証券・不動産等)を図り、財務基盤を強化してまいります。
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