トランス・コスモス 【東証プライム:9715】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社のサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンスおよびリスク管理
当社は、サステナビリティ基本方針を以下のとおり定めております。
(サステナビリティ基本方針)
「お客様の満足の大きさが我々の存在価値の大きさ」という経営の基本理念のもと、お客様と共創しWell-being社会を実現します。みなさまのサステナブルトランスフォーメーションパートナーとしてSDGs/ESGを推進することが当社の存在意義と捉えています。
この基本方針に基づき、「トランスコスモスSDGs委員会」がサステナビリティに係る施策の企画立案・審議・決議を行っています。トランスコスモスSDGs委員会の委員長は、代表取締役会長が務め、その委員会のメンバーは取締役会に参加し、サステナビリティ推進の主たる活動状況の報告等をしております。
リスク管理については、広範にわたる企業リスクに対処するため、「リスクマネジメント基本規程」を整備し、各統括組織は当該規程に従い、リスク管理の社内体制を構築しております。取締役会は、トランスコスモスSDGs委員会からサステナビリティ関連リスクの報告を、各統括組織からサステナビリティ関連リスク以外のリスクの報告をそれぞれ受け、リスクを識別・評価し、統合的に管理しております。
(サステナビリティ推進体制図)
(2)重要なサステナビリティ項目
上記、ガバナンスおよびリスク管理を通して識別された当社における重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
①気候変動への取り組み
②人的資本への取り組み
それぞれの項目に係る当社におけるサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。
①気候変動への取り組み
1. ガバナンス・リスク管理
気候変動に関しては、リスクおよび収益機会にかかる対応方針と重要施策について、トランスコスモスSDGs委員会が企画・立案し、サステナビリティ推進部に検討を指示しております。サステナビリティ推進部での検討結果を、トランスコスモスSDGs委員会で審議・決議し、その審議・決議された方針および重要施策に従い、サステナビリティ推進部および各統括組織の気候変動担当者はそれを実行しております。
リスク管理については、「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンスおよびリスク管理」に記載のとおりであります。
2. 戦略
当社では、脱炭素社会に向かうための厳しい政策・法規制が実施されることを前提とした2℃未満(1.5℃を含む)シナリオと、現在の政策の延長線上にある4℃シナリオにつき、社会環境変化に基づくシナリオ分析を行いました。今後も継続的にシナリオ分析を実施し、特定された重要な気候変動関連リスクおよび収益機会に対して対応策を講じることでリスクの低減と収益機会の確実な獲得につなげ、不確実な将来に対応できるレジリエンスを高めていきます。
リスクおよび収益機会の一例(2030年・2050年までの影響力大のもの)
区分 | 内容 | 対応策 |
移行リスク | ・気候変動課題への対応の遅れによる既存 取引の剝落または取引機会の損失 | ・TCFD開示の継続的な見直し・充実化 ・環境マネジメントシステムの対象拠点の拡大 ・以下に取り組むことで、従業員・組織・お客様の ‒従業員安全確保・トランスコスモスのBCP対策の強化 ‒在宅コンタクトセンターのさらなる拡大による拠点災 害リスクの分散 ‒パンデミック時のオフィス対応計画の策定 |
移行収益 | ・環境課題に対する消費行動の多様化や顧 客意識の向上に伴う環境関連の新たなサ ービスニーズの増加による収益性の向上 ・脱炭素関連サービスで顧客のGHG排出量 削減に貢献することによる顧客からの選 好拡大 | ・ESG視点に基づく既存サービスの整理 ・グリーントランスフォーメーション事業の創出 ・環境情報管理システム外販による収益化 |
・気候変動に対する積極的な行動による顧 客からの選好拡大 | ・グリーントランスフォーメーション事業の創出 ・気候変動対応を行っているお客様、取引先との積極的な 取引 ・環境に対する従業員巻き込み型の取り組みの実施(人材 教育、植林活動等) ・太陽光などのゼロエミッション対応の促進 | |
物理的収益機会 | ・BCP対応ニーズ増加に伴う受託業務の増 加 ・災害に影響を受けないBCP機能向上によ り顧客からの選好拡大 | ・業務標準化に伴うサービス提供の柔軟性の向上 ・防災関連DX事業の創出 ・グリーントランスフォーメーション事業創出 ・既存サービスのBCP観点での整理、脱炭素・BCPサービス として拡販 |
・未知のウイルスなどによる感染症の増加 とパンデミックの発生に伴う非対面応対 ニーズの増加による成長機会の拡大 | ・在宅コンタクトセンターの拡大 ・DX促進によるアウトソーシング機会の拡大 ‒お客様業態変更の緊急要請への対応 ‒SaaS導入(ペーパーレス化) ‒ヘルプデスク機能 ‒蔓延防止補助金事務局 ‒EC拡大 |
※影響度につきましては、大:10億円以上、中:1億円以上10億円未満、小:1億円未満で評価しております。
3. 指標および目標
当社では、温室効果ガス排出量に関し、日本政府の中間目標を遵守し、2030年までに2021年度比46%削減、2050年までにCO2排出量「実質ゼロ」を実現します。
温室効果ガス排出量の実績(2021年度、トランスコスモス単体)
| 単位:t-CO2 |
Scope1 | 434 |
Scope2 | 18,633 |
合計 | 19,067 |
なお、気候変動への取り組みに関する詳細情報は、当社ホームページをご参照ください。
②人的資本への取り組み
当社は、人権ならびに雇用および人材活用における多様性を尊重し、積極的な女性・中途の採用および人材育成に努めています。また、ワークライフバランスの推進やさまざまな人材育成プログラムを通じて、働く人々が各々の感性・創造性を十分に発揮できる環境を整備し、多様性のある組織の構築に努めています。
1. 戦略
当社における、人材の多様性の確保に向けた人材育成に関する方針と社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
・人材育成方針
多様な人材を育成できるように各社員のステージ・バックグラウンド等に応じた能力開発・キャリア開発支援を行うことを基本的な方針とし、その実現を目指しております。
・社内環境整備方針
性別・年齢・国籍・障がいの有無など、多様なバックグラウンドをもった社員一人一人が、やりがいをもって能力を最大限に発揮できる職場環境の構築を基本的な方針とし、その実現を目指しております。
また、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定されています。今後もさらなる健康経営の発展に努めていきます。
2. 指標および目標
当社では、上記「1.戦略」において記載した、人材の多様性の確保に向けた人材育成に関する方針と社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。
指標 | 目標 | 実績(当事業年度) | |
女性の管理職への登用 | 女性社員が当社の中でやりがいをもって業務に臨めるように男女の差別なく、能力・実績をもって適材適所に登用する。 | 2024年3月末までの「女性社員に対するキャリア形成支援」活動を通して女性管理職比率を25%以上にする。 | 確保の状況:25.9%
|
外国人の管理職への登用 | 国籍・人種・宗教による差別なく、グローバルに事業を展開する上で有為な人材を適切に登用する。 | 雇用を促進 | 確保の状況:0.9%(なお、当社グループの海外連結子会社においては、ローカライズを推進しており、海外連結子会社の管理職に占める外国人の割合は92.9%で現地の外国人がその会社の代表を務めているケースもあり、管理職の外国人人材が活躍しております。) |
中途採用者の管理職への登用 | プロパー社員と中途採用社員との区別なく、その社員の能力・実績をもって適切に登用する。 | 現状を維持 | 確保の状況:66.6% |
(3)その他の取り組み
①サービス品質向上への取り組み
お客様に満足していただけるサービスを提供し続けていくため、当社では、各サービス部門に役立つサービス品質に関する情報基盤の整備・活用を推進し、全社のサービス品質を強化する様々な取り組みを行っています。このようなサービス品質の継続的な改善活動は、トランスコスモスがお客様の期待を超えるサービスを提供するための礎となっています。
②個人情報保護への取り組み
お客様企業の個人情報など、お預かりしている重要な情報を適切に取り扱うための社内規程を整備しています。個人情報保護について高い意識をもち、当社事業を実施する過程で取得するあらゆる個人情報について、全従事者が遵守すべき基準として、個人情報保護方針を定め徹底を図ってまいります。
③コミュニティ参画・発展への取り組み
国内外の拠点を置く各地での地域貢献活動をはじめ、次世代育成への支援、寄付・福祉活動を継続的に実施し、コミュニティへの参画と社会貢献活動を通じた様々な社会課題の解決に取り組み、コミュニティの発展に寄与していきます。
④ガバナンスへの取り組み
コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンス、情報セキュリティ、贈収賄・腐敗行為防止といった事業継続に不可欠な経営基盤の強化に取り組んでいます。なお、コーポレート・ガバナンスに関する取り組みにつきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。
⑤SDGsへの取り組み
責任ある企業活動と、people & technologyを軸とした事業を通じて、SDGsの達成に貢献していきます。そのためサステナビリティ推進の専任組織であるトランスコスモスSDGs委員会を通じて、SDGsを軸とした社内外でのイノベーション活動を展開し、SDGs活動の啓蒙と定着を図っています。具体的な取り組みとしては、従業員向けSDGs教育(eラーニング)、毎週のSDGsに関する勉強会を実施しています。
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