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企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「データと一緒にワクワクする未来へ!」をありたい姿として定義し、社会インフラを支えるソフトウエアを提供することで、社会の利便性や生産性向上の実現を目指してまいります。この目的を達成すべく、2024年3月期までの中期ビジョンとして「変革への挑戦」を掲げております。
(2)経営戦略等
当社は、経営方針に基づく中期経営計画における経営戦略として、以下の4つを基本方針として定めております。
・研究開発や技術探求に加えて、他社との協業等を実行しつつ、DXをはじめとした新たな市場開拓を行い、企業成長の方向性を広げること
・継続的な製品機能のエンハンスや提供サービスの拡充等により、既存事業の周辺市場への展開を含め、事業領域の拡大深耕を目指すこと
・サポートサービス品質を上げ、解約率の低減と顧客満足度の向上を図りつつ、リカーリングビジネスを推進し、収益安定性の向上を目指すこと
・教育・労働環境を整備し、優秀な人材の採用・育成に努め、企業としての持続的成長の実現を図ること
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2021年5月13日に公表いたしました2022年3月期から2024年3月期までの3カ年を対象とする中期経営計画において、最終年度である2024年3月期の目標を以下のとおりとしております。
・売上高 25億円
・営業利益 3.5億円
・2021年3月期実績の3倍のサブスクリプション売上高
・DOE 3.5%を目安とした長期的・安定的な配当の維持
中期経営計画の最終年度にあたる2024年3月期は、売上高2,919百万円、営業利益549百万円、2021年3月期実績の約4.5倍のサブスクリプション売上高、DOE 3.5%での長期的・安定的な配当の実施となりました。いずれの項目においても、中期経営計画の最終年度の目標値を達成する形となった一方、組織・人材面に対する投資を中心に今後の企業成長に必要となる投資が実施できていないこと、当社が新市場と定義している領域でのビジネスの深耕等、課題が残る結果となりました。
現代社会は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったVUCA(ブーカ)時代と言われ、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代であり、グローバリゼーションや国家・地域間の経済紛争、新型コロナウイルス感染拡大や政権交代、日々更新されるITやバイオの最新技術といった、さまざまな物事が目まぐるしく変化しております。企業がVUCA時代を生き抜くためには、情報収集と分析の効率化・高度化が肝要であり、それらを実現するためのIT基盤づくりであるDX推進がカギとなります。
このような環境下、当社は、中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を策定し、2024年5月13日に公表いたしました。
「個人と組織がともに成長し続けるDIGITAL WORKを実現する」をテーマに、以下の3つを基本方針として推進することで、持続的な成長と企業価値向上を実現してまいります 。
・「事業領域の拡大・開拓」
・「収益安定性の向上」
・「人的資本経営の推進」
目標とする経営指標
項目 | 2027年3月期目標値 |
総売上高 | 33億円 |
リカーリング比率 | 80% |
EBITDA | 7億円 |
※EBITDA=営業利益+償却費+株式報酬費用
財務方針
| 2027年3月期目標値 |
ROE | 15%以上 |
| 水準 |
DOE | 3.5% |
配当下限額 | 25円 |
詳細は、2024年5月13日公表の「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)策定のお知らせ」をご参照ください。
(4)経営環境
当事業年度におけるわが国経済は、経済活動正常化に伴う好調なインバウンド需要や価格転嫁の進展などを背景に、需要の回復が続くなかで円安進行や海外経済の減速、物価上昇による需要減やコスト増、人手不足の深刻化などへの警戒感が台頭し、経済全体での先行きは引き続き不安定かつ不透明な状況が続いております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、ソフトウエア製品の開発・販売・保守を中核事業とする研究開発型の企業集団であり、今後の事業成長において、以下の項目を優先的に対処すべき課題と認識し、企業価値の向上に取り組んでまいります。
① 市場動向への対応
企業間のデータ交換である電子商取引は、従来通信網からインターネット通信網を利用した電子商取引へ転換しており、さらに、企業間データ交換も含めたシステムの全体最適化を目指して、分散化する企業内のシステム間におけるプロセス連携、データ連携といったデータ統合需要が拡大することが予想されます。従いまして、当社では、当該分野に対してのソフトウエア製品の開発及び販売を強化し、売上の拡大を図ってまいります。
② 研究開発体制の強化
当社は、研究開発型企業集団であり、市場における製品の優位性を確保し向上し続けることが経営の重要な課題となっております。これを担う研究開発業務が抱える課題としては、「研究開発の効率化」、「品質管理の強化」が挙げられます。従いまして、研究開発業務プロセスの改善や製品開発における標準化技法の改善を推進するとともに、他企業との共同研究や共同開発等にも柔軟に対応可能な体制とすべく、今後の事業成長のための研究開発基盤の強化を行っていく方針であります。
③ 人材の確保と育成
当社は、ソフトウエア製品の開発・販売・保守を主たる事業として行っておりますので、ソフトウエア製品の研究開発のための高度な専門技術や知識を有する技術者が必要不可欠となっております。従いまして、事業の状況に応じて、適時、適切な人材を確保していくことは重要であり、当社では、計画的な採用活動を通じて新卒採用及び中途採用を実施し、市場の優秀な人材の確保に注力していく方針であります。また、人材育成面においても、教育研修を計画的に実施し、専門性の高い技術者の育成を課題としております。
④ 業務提携・資本提携等
近時の情報技術の発展・進化やそれに伴う顧客要望の変化等、事業環境の変化は著しいものがあります。当社は、これらの環境変化に迅速に対応し市場における競争力を維持・強化するために、事業展開の速度を重視し、必要に応じた他企業との業務提携あるいは資本提携も課題と考えております。
⑤ 財務上の課題
財務基盤の安定性を維持しながら、様々な事業上の課題を解決するための事業資金を確保し、また、新たな事業価値創出のために機動的な資金調達を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを模索していくことが、財務上の課題として認識しております。
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