デリカフーズホールディングス 【東証スタンダード:3392】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループでは、我々の社会的な存在価値と目指す未来に向け、「徳・体・智」という創業以来の経営理念を踏まえながら、新たな価値観としてのPurpose及びMission・Vision・Value(MVV)を定めております。また、MVVを実現するための社員の行動指針として、全20項目からなるCredoを定めております。
当社グループは、これらの新たな価値観に基づき、「日本の農業の発展」と「国民の健康増進」への貢献を目的に事業を展開しております。青果物加工流通分野において青果物の価値を追求することで、未来に向けた「持続可能な農業」と「食を通じた健康増進」を実現する付加価値創造企業として、お客様及び株主の皆様の信頼と期待にお応えし、企業価値の一層の向上を目指してまいります。
(2) 当社グループを取り巻く経営環境
いま、わが国農業は、担い手の減少、耕作放棄地の増加、外国産農産物との競争激化といった様々な課題に直面しています。一方、国内の青果物市場では、健康志向の高まりや少子高齢化、人手不足等を背景に小売・業務用ともにカット野菜・フルーツの需要が拡大するとともに、生産農家の減少や異常気象の頻発等により、消費者ニーズを捉えた青果物の流通加工と安定調達・供給がより重要になっています。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大は、外食店舗の時短・閉店、インバウンドの激減、大型イベントの自粛、ECビジネス・デリバリー需要の増大等の変化に伴う新たな生活様式を誕生させ、収束後もそうした変化に対応したビジネスモデルの変革が求められる状況となっております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
2012年度の第一次中期経営計画スタート以来、当社は拠点拡大、物流会社新設、衛生管理体制強化、事業再編によるシナジー創出など、成長基盤の構築を進めてまいりました。そして、第四次中期経営計画を完遂することで、業界内の地位を確固たるものとし、競争力強化、収益体質の改善、経営基盤の安定化を実現いたしました。
今般、新たな成長フェーズのスタートに当たり、中長期目線で時代の変化を見据え、社会における自社の存在意義を改めて明確化するため、新たにPurpose「野菜の未来を変える。野菜で未来を変える。」を設定しました。そして、Purposeを起点にした成長の先にある自社のありたい姿として、以下の長期ビジョンを策定しました。
〔長期ビジョン〕
1.野菜の総合加工メーカーとしてのポジションを確立
2.持続可能な農業の実現
3.個人の幸福と会社の繁栄の両立を実現
当社を取り巻く経営環境は、世界経済の緩やかな回復基調はあるものの、コロナ禍後の生活様式の変化、常態化するインフレや金融不安、地政学リスクの増大など、大きな変化の渦中にあり、依然として予断を許さない状況です。
そんな不確実性の時代において、デリカフーズグループは、青果物流通加工業界のトップランナーとして持てるリソースとノウハウをいかんなく発揮し、野菜の未来を変えてまいります。そして、お客様一人ひとりに笑顔をお届けすることから地球レベルの環境問題の解決に至るまで、野菜の力で未来を前向きに変えてまいります。
(4) 対処すべき課題
今般、2024年度からの3年間を計画期間とする第五次中期経営計画「keep on trying 2027」を新たに策定いたしました。本計画は、Purposeを体現し続けた先にある長期ビジョンの実現に向けた第一歩、すなわち"つなぐ企業"から"変える企業"への転換点として位置づけられます。
当該計画における基本方針は以下の通りです。
①各種ポートフォリオの変革
今後の更なる成長に向け、3つのポートフォリオの変革に取り組みます。
a.事業ポートフォリオの変革
各事業のセグメント・ポートフォリオを見直し、グループ補完型の事業体から、それぞれの子会社が独自の事業を展開できるよう変革を図ります。
b.顧客ポートフォリオの変革
将来性・収益性・販売実績をもとに顧客ポートフォリオの見直しを実行。選択と集中を行い、取引口座数の適正化を図ります。
c.商品ポートフォリオの変革
将来性・収益性・販売実績をもとに商品ポートフォリオの見直しを実行。新規商品の開発を強化し、収益性の向上を図ります。
②青果物サプライチェーンの構造改革
a.輸入野菜の国産化
輸入依存度の高い原料において国産化を推進。特に中国産の原料において、栽培・加工・流通の国産化を図ります。
b.調達インフラの再構築
今後更に深刻化する調達・物流難に対し、持続可能なインフラの再構築を図ります。長期保存技術を確立し貯蔵集出荷拠点の設置計画を進めます。
c.青果物サプライチェーンの合理化
栽培・流通・加工における他企業とのアライアンス等を通じ、サプライチェーン全体の合理化による持続可能な農業と流通体制の構築を進めます。
③研究部門・開発部門への投資拡大
a.野菜を中身で評価
野菜の健康効果研究を推し進め、野菜の価値向上・消費拡大へとつなげていきます。また、効果成分にフォーカスした商品開発との連携により食材ロスの低減に貢献します。
b.貯蔵の長期化
物流の合理化、野菜の廃棄低減に向け、貯蔵技術の開発を推進します。また、鮮度保持技術と併せて、新たな流通の仕組みを構築します。
c.新規商品の開発
付加価値の高い商品開発を推進します。当社の加工施設・加工技術・ノウハウを最大限に活用し、競争力の高い商品で販路の拡大を目指します。
d.新規事業の開発
マーケティング(市場調査)部門を強化し、青果物を基軸とした新たな市場へのあくなき挑戦を行います。
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