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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

 当社グループでは、サステナビリティに関連する課題への対応については、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を原則四半期に1回以上開催し、サステナビリティに関連するリスクや機会の検討及び管理、対応方針や戦略の策定等を行い、定期的に取り組み状況を取締役会に報告し、取締役会にてその監督・助言を行っております。

(2) 戦略

 当社グループは、“SAVE the DIGITAL WORLD”というグループミッションのもと、多様な人材が活躍するグローバル・クオリティ・パートナーとして、世界中の人々が笑顔で暮らせる安心・安全なデジタル社会の実現を目指しております。 

 このような考えのもと、当社グループでは人的資本への投資に優先的に取り組んでおり、エンジニア等の専門技術を有する人材を戦略的に確保しているほか、様々なバックグラウンドを持ちながらも潜在的な能力を有する人材を採用し、当社独自のトレーニングプログラムの活用等により、様々なIT人材の育成も積極的に推進しております。当社グループでは、これらの人材を活用し、サービス品質や技術力の向上、多様化するクライアントニーズに対応したサービスの拡充等に取り組むことにより企業価値の向上を図ってまいります。

① 人材育成方針

当社グループでは、年齢や性別、学歴や国籍等、様々なバックグラウンドを持ち、学ぶ意欲のある人材や潜在的に高い能力を持つ多様な人材が多く、それら多様な人材に当社独自の専門性に応じた様々なトレーニングプログラムによる教育の機会を提供するなど、人材育成に取り組んでおります。

② 社内環境方針

 当社グループでは、従業員の健康・安全の確保が、企業の持続的な発展にとって重要な課題であると認識し、安全で働きやすい職場環境の確保、従業員の心身の健康維持・増進等に努めるとともに、過重労働の防止といった労働安全衛生に関して適用される法令やルールを順守することで、従業員が安全に働くことができる職場環境づくりに取り組んでおります。

③ 気候変動

(戦略)

 気候変動のリスクと機会及びその影響度について、当社グループの事業を対象に、移行リスクが増大する「1.5℃シナリオ」と、物理的リスクが増大する「4℃シナリオ」の2つのシナリオを設定し、TCFD提言におけるリスクの分類に沿って検討いたしました。

■前提条件

時間軸:

2025年頃(短期)/2030年頃(中期)/2050年頃(長期)

影響度:

人命や健康、企業価値・ブランド、社会的信用、事業戦略、収益性等に対する影響がどの程度の大きさか検討し、以下のとおりに5段階で評価

リスク・機会による

企業・事業への影響度

定性的な影響度のイメージ

人命や健康、企業価値・ブランド、社会的信用、事業戦略、収益性に対する影響

5

 極めて大きな影響(正または負)がある

4

 大きな影響(正または負)がある

3

 中程度の影響(正または負)がある

2

 若干の影響(正または負)がある

1

 影響(正または負)は軽微である

 シナリオ概要:

シナリオ

概要

参照した主な外部シナリオ

1.5℃シナリオ

2050年カーボンニュートラルに向けて、政策・規制導入や市場変化が急速に進行することで、産業革命前の水準に比べた際の世界の平均気温上昇が1.5℃に抑えられ、移行リスクが増大するシナリオ

・IEA(国際エネルギー機関)Net Zero by 2050 シナリオ

・SSP1-1.9シナリオ 等

4℃シナリオ

温室効果ガスの排出削減に向けた政策・規制や社会の取り組みが進まず、産業革命前の水準に比べた際の世界の平均気温上昇が4℃となり、災害などの気候変動による影響が甚大化し、物理的リスクが増大するシナリオ

・SSP5-8.5シナリオ 等

 前提条件に基づいて検討した結果、洗い出された気候変動に関連するリスクと機会は以下のとおりです。

■定性的シナリオ分析の結果、洗い出されたリスク・機会の例(影響度が小さいものも含む)

移行リスク

機会

リスク

・炭素価格制度の導入に伴う操業コスト増加

・事業で使用する電力の再エネ化等、低炭素化に向けた対応コスト増加

・脱炭素化に向けた発電抑制によるオペレーションへの影響

・電力価格、原油価格の上昇

・半導体、パソコン等の機器の価格の上昇

機会

・カーボンニュートラル達成に向けて関連するシステムのテスト・ITサービスに対するニーズの拡大

物理的リスク

機会

リスク

・自然災害による自社拠点、駐在先の被災

・自然災害による電力インフラの途絶

・海面上昇による沿岸部拠点への影響

・気温上昇による空調や温度管理の費用の増加

■短期から長期のいずれかの時点で影響度4以上と評価した項目を、特に自社への影響が大きい可能性があるリスク・機会として抽出し、以下のとおりに検討結果の詳細や対応方向性を示しました。

リスク・機会

シナ

リオ

時間軸別の

影響度  

リスク・機会の内容

対応方向性

短期

中期

長期

移行リスク

・機会

カーボンニュートラル達成に向けて関連するシステムのテスト・ITサービスに対するニーズの拡大

機会

1.5℃

3

4

3

2050年までのカーボンニュートラルの達成に向けて、エネルギーの効率的な利用・省エネ化に必要なシステムの開発等の拡大及び企業や自治体によるそれらシステム導入等の需要が高まり、関連するシステムテストやITサービスに対するニーズが高まる可能性がある。

引き続き、人材の拡充や教育、研究開発を進め、顧客ニーズに素早く対応できるようにシステムテストやITサービスの提供体制の強化に取り組む。

物理的リスク

・機会

自然災害による電力インフラの途絶

 

リスク

4℃

1

3

4

自然災害に起因する電力インフラの途絶により、事業停止、設備復旧による損害が発生する可能性がある。

被災地外の拠点への分散化を考慮したBCP(事業継続計画)をもとに事業中断リスクへの対応力の強化に取り組む。

(3) リスク管理

 当社グループでは、サステナビリティ委員会にてサステナビリティに関連するリスクの管理を行い、リスク管理に必要な指導、監督等においては、必要に応じて、各グループ会社や各社に設置されたリスクマネジメント委員会と連携し対応しております。

(4) 指標及び目標

 人的資本に係る当社グループの指標

指標

目標値

(2024年度)

実績

(当連結会計年度)

IT人材・クオリティスト(注)数

20,000人

15,490人

女性管理職比率

20%以上

13.6%

(注)クオリティスト…品質向上スペシャリストを指す当社独自のワード

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