テックファームホールディングス 【東証グロース:3625】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「最先端テクノロジーと創造力で、産業の変革をリードします。」をミッションとして掲げ、ITの発展に寄与すべく前例のない技術開発にも果敢に挑戦し、社員の成長と顧客の価値創造の実現により、社会貢献に努めてまいります。
(2)経営戦略等
生成AI技術の著しい進化は様々な業界に革命的な変化をもたらし、単なる自動化を超え、予測分析、パーソナライズされた顧客体験、複雑なデータ処理が可能となり、その適用範囲と影響力が飛躍的に拡大しております。このような状況の下、先端技術・テクノロジーを駆使するICTソリューション事業では、顧客ビジネスへの深い理解を必要とするコンサルティング力の強化や保有するデータの分析、課題抽出から解決策の提案により、多くの新しいサービスの創出を支援してまいりました。引き続きIT投資需要は継続していくことが見込まれますが、業界の競争が激化する中で大手SIerが提供する標準的なソリューションに加え、より柔軟で迅速に対応できるサービスを提供することで差別化を図ってまいります。今後もXRデバイス、生成AI等の先端技術を活用した開発案件の実績を積み重ね、テックファームの強みとして広くアピールすることで新規顧客の獲得に繋げ安定的な収益の確保に努めてまいります。また、あらゆる業種でエンジニアの需要が高まり採用競争が続いていますが、会社のブランディング強化による知名度の向上やキャリアに応じた教育制度を整備し、技術力の底上げと組織全体のパフォーマンス向上を図ってまいります。
自社サービス提供型ビジネスであるクロスボーダー流通プラットフォーム事業では、「Find More Japan -日本再発見を加速する」をミッションとして、ITと最新の流通技術を組み合わせ、アジアと日本をつなぐ越境流通プラットフォームの展開を目指しております。
海外販路開拓をサポートする「コネクトアジア」は中小生産者から大手食品メーカーまで幅広く関心をいただき取引社数を増やし、今後も地方自治体・経済団体や金融機関との連携を進めてまいります。主要販売市場であるシンガポールでは、直営店舗を開設し、連携する小売店も含めた顧客とのタッチポイントをさらに増やすことで、集積される流通データの分析に基づく将来の予測を、日本の顧客候補及びシンガポールの小売店に対して提供してまいります。
そして、グループとして売上高100億円を目指す過程において、開発リソースを強化するエンジニアの増強や、クロスボーダー流通プラットフォーム事業に続くデジタル投資によるイノベーションが見込める領域においてはM&A、資本業務提携を検討し、事業規模の拡大、収益構造の変革に取り組んでまいります。
以上により、2025年6月期の連結業績につきましては、売上高5,800百万円、営業利益400百万円、経常利益390百万円、親会社株主に帰属する当期純利益230百万円を見込んでおります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益性と継続的成長を実現することを経営目標と認識し、売上高成長率及び売上高営業利益率を重視しております。また、事業の成長加速のためM&Aを積極的に検討する方針であり、その場合、のれんの償却額が増加する可能性があるためEBITDA(※)を経営指標としております。
※ EBITDA=営業損益+減価償却費+のれん償却額
(4)経営環境
日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新し、サービス、インバウンド消費の急回復が続いております。一方、欧米のインフレが長期化しており、大幅な円安による原材料価格の高騰、中国の経済成長の鈍化や地政学的リスクの高まりなど、外部環境の不確実性が企業収益や国内消費に与える影響が懸念されております。
当社グループが属する情報サービス業界におきましては、ChatGPTに代表される生成AI技術やテクノロジーの急速な進化により、様々な業種で戦略の転換や新たな事業創出などIT投資需要の拡大が見込まれる一方、高い技術を持つエンジニアを様々な産業で奪い合う構図は、人件費、採用コスト増、開発パートナーの単価上昇となるため、それらを吸収できる付加価値の高いサービスを提供し、顧客満足を高めていく必要があります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき課題は、以下のとおりです。
① 先端技術の習得
あらゆる産業分野において、先端技術を活用したDXが進み、今後も拡大していくものと予測されております。当社グループは、市場ニーズに的確に応えることが出来る技術力を習得し保持するため、ICTソリューション事業において先端技術、特にAIとXR(VR/AR/MR等)のスマートデバイス連動を活用した案件を増やしていくことが重要と捉えております。また、パートナー企業とのアライアンス等による、新技術の研究・実証実験に努め、お客さまのITパートナーとして、生産性の向上やビジネスの発展に貢献してまいります。
② 人材の確保と育成
当社グループが、中長期的に成長していくためには、先端技術や大型案件を担えるエンジニアの育成が重要な課題であると認識しております。このような課題に対処するため、会社のブランディング強化による知名度の向上やキャリアに応じた教育制度を整備し、技術力の底上げと組織全体のパフォーマンス向上を図ってまいります。また、当社グループは「働き方の多様性」を尊重しており、リモートワーク、時短勤務を制度化することで社員の定着率を高めると共に、国内遠隔地を対象としたフルリモート採用を進め、優秀なエンジニアの確保を強化してまいります。
③ 事業領域の拡大
売上高の多くを占めるICTソリューション事業は受託開発型の事業モデルとなっているため、強固な経営基盤と持続的な成長を可能とする多極的な事業構造に転換していく必要があります。当社グループは創業以来ICTを活用し、その知見とノウハウを融合し発展させることで、先見的な自社ソリューションの開発、事業化を推進してまいりました。クロスボーダー流通プラットフォーム事業はその一つであり、日本国内の生産者、流通会社のアジアマーケット進出を容易にする越境流通プラットフォームの構築を進めております。その他、自社ソリューション提供型事業は、カジノ向け決済ソリューション、住宅リフォームの2つの分野があり、前者では日本版IR進出を目指す企業との連携を模索しており、後者では中小工務店向けに生産性向上を支援するパッケージソフトを展開しております。これらにつきましても、ICTソリューション事業で蓄積した技術、知見を応用することで早期の収益化を目指し、事業領域を拡大してまいります。
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