企業テイカ東証プライム:4027】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、既存製品関連の高品質銘柄の開発を行うとともに、付加価値の高いスペシャルティケミカルズの拡大を図っております。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,046百万円となりました。

 セグメント毎の研究開発活動は、次のとおりであります。

(1)機能性材料事業

 顔料酸化チタンの分野では、主に塗料、インキ、プラスチック、製紙などの用途で、顧客の要求性能に応えるべく改良研究を行う一方、この酸化チタンに関する技術をベースに新しい用途への技術展開に関する研究開発を行っております。また、酸化チタンで長年培ってきた形状制御や粒子径制御技術、表面処理技術、分散技術を利用して、光、電気・電子、環境、エネルギーなどの分野へ、機能を有した微粒子粉体、分散体の研究開発を行っております。

① 化粧品原材料

 紫外線遮蔽機能を有するルチル形微粒子酸化チタン及び微粒子酸化亜鉛は、化粧品分野、各種機能性塗料分野で世界中の顧客に使用されています。なかでも化粧品原料は、訴求力の高い新材料でのグローバルニッチのポジションを強固にすべく研究開発を行っております。

 近年は安全性の高いUVフィルターとして無機材料の微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛の需要が増加しています。そこで、無機材料が抱える透明性や感触面での課題を解決し、日常使いの面からも要望が高まっているO/Wサンスクリーンにおいて使いやすい材料として、超易分散性を有する微粒子酸化チタンを開発いたしました。本材料は、分散にかかるエネルギーの削減や工程の短縮を図る材料としても期待されております。また、環境に対する負荷を軽減する材料として、亜鉛イオンの溶出量を抑えた微粒子酸化亜鉛の開発も行い、変わりゆく要求レベルに適した品質となるよう抑制技術の向上に努めております。日焼け止め化粧品材料の顧客ニーズに応えるべく、これら開発品については、ラインアップを拡充すべく表面処理技術に磨きをかけ、ニーズにマッチした製品の開発を進めております。

 また、紫外線遮蔽機能に拘らない化粧品材料の拡充にも努めております。マイクロプラスチックの規制に関連し、樹脂ビーズの代替となる感触改良材として球状シリカを開発しました。基材に独自の特殊表面処理を施し、樹脂ビーズの柔らかさに匹敵する感触が得られる材料となっております。また、当社の酸化チタンコア技術や分散技術、シリカ粒子の合成技術を融合し、酸化チタンを内包したタイプも上市いたしました。本材料は、製剤の紫外線防御能力を向上させるブースト効果を有しており、感触改良だけでなく処方のバリエーションを拡げるアイテムとして、国内外の顧客にて検討が継続されています。

 国内の研究施設は、大阪研究所、岡山研究所、岡山研究所熊山分室、東京クリエーションラボラトリーがあり、それぞれの連携を緊密にすることで共同開発体制の強化にも力を注いでおります。それぞれの研究施設で得意とする無機、有機のノウハウを融合させた化粧品原料の開発も進めております。

② 機能性材料

 微粒子酸化チタンは防汚、脱臭、排ガスの低減など環境浄化の目的で光触媒や環境保全触媒の市場に浸透しております。また、これらの微粒子粉体を有機化合物で表面改質を行い、有機一無機複合粉体としての新しい機能を引き出すべく、現行のトナー用外添剤、化粧品、機能性塗料などの用途のほかに、光学機器や電子部品材料に使用される高機能部材などの新規分野で研究開発を行っております。光学機器ではスマートフォンの進化や、ポストスマートフォンと注目されるARデバイス市場の立ち上がりに対応するために、光学部材の高屈折率化が市場から求められております。当社グループは、酸化チタンの高い屈折率を活かし、高度な透明性を実現したチタニアゾルの市場展開を加速しております。

 加えて、SDGsの達成につながるバイオマス原料の活用や二酸化炭素排出削減に貢献できる製品の開発を行っています。もみ殻から抽出したシリカを被覆したバイオマス酸化チタンは、包材インキのバイオマス配合率向上を実現します。同材料の量産化を目指した開発並びに市場開拓を推進しています。二酸化炭素の排出削減についても従来の考え方にとらわれることなく、あらゆる可能性を追求した開発を進めております。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は586百万円であります。

(2)電子材料・化成品事業

 界面活性剤の分野では、主にシャンプー、合成洗剤等の洗浄基剤及び可溶化剤、工業用乳化剤、酸硬化触媒などを中心に顧客ニーズに応えるべく品質改良に取り組んでおります。導電性高分子分野では、高い信頼性が求められる自動車用途やIT機器、基地局、サーバーなどで用いられるコンデンサ用電解質の高機能化に積極的に取り組んでおります。特にADAS化、EV化などで成長が期待される自動車用途に注力しております。

 圧電材料の分野では、ヘルスケア用を中心に2018年1月に完全子会社化した米国TRS Technologies社の技術を活用し圧電関連の開発を進め、日米両拠点から開発品の市場展開を行っております。また、ヘルスケア用以外のセンサー用途などにも、これまでに培ったセラミック材料技術や加工技術の水平展開による製品開発を行っております。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は459百万円であります。

(3)その他

 次世代を見据えた取り組みの新規開発テーマとしては、環境・エネルギー、電気・電子、医療・ヘルスケアをキーワードとして、新規分野への参入を図るべく、持続可能な社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの利用や電気車両の普及に欠かせない蓄電デバイスのプレドープ剤(犠牲正極剤)の開発などに取り組んでおります。

 また、社会インフラを支える基幹材料である半導体には高機能化や小型化、省エネ化が求められております。当社グループは、酸化チタンで長年培ってきた形状制御や粒子径制御技術、表面処理技術を駆使して、要求品質に応える半導体部材開発を行っております。

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