企業兼大株主チムニー東証スタンダード:3178】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は、「心」と「食」と「飲」を通じて地域社会に「出会い」「語らい」「憩い」と「癒し」のサービスを提供し、世界中のお客様から「ありがとう」といわれる企業になることを企業理念としております。

 お客様に満足してお帰りいただき、また来たいと思っていただけるよう、継続してQSCA(*)の向上に取り組むことで、企業価値の拡大と業績の向上に努め、お客様、株主様、お取引先様、FCオーナー様、従業員、全てのステークホルダーから信頼をいただける企業になることを目標として経営しております。

* Quality(品質)、Service(サービス)、Cleanliness(清潔さ)、Atmosphere(雰囲気)

(2) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループが属する外食業界は、国内人口の減少や高齢化とともに、人手不足、他業種を含めた企業間競争の激化など厳しい状況が続いております。また、お客様の選択の眼はますます厳しくなり、安全・安心に対するニーズも高いレベルが求められております。このような環境のなか、当社グループは、目の前のお客様を大切にし、お客様からありがとうをいただくため、「食」と「飲」を中心とした「総合サービス産業」を目指してまいります。具体的には、価値あるものをお客様に提供するため、鮮度にこだわる食の六次産業企業として、一次産業(生産)・二次産業(加工)・三次産業(店舗販売)までを一貫して自社展開する六次産業化への取り組みが重要と考えております。一次産業(生産)では、安全・安心な独自素材の調達、二次産業(加工)では、バックキッチンで鮮度と品質を追求、三次産業(店舗販売)では、地域密着の店舗運営で「新しい価値」の創造と提供に取り組んでまいります。併せて、地産地消・地産全消から、地産店消の拡大を進め、サービス力と商品力の継続的な向上を目指してまいります。これらを実現するには、人財の採用及び教育訓練が最重要課題であり、「志」「技術」「情熱」を持てる人財の採用及び教育訓練の強化に取り組んでまいります。また、お客様満足度を向上させるために、従業員満足度の向上を重視して行動してまいります。
 当社グループの全体的な方向性としては、①既存居酒屋事業の収益化、価値ある商品提供、インバウンド創客、②専門業態・コントラクト事業の拡大、新規店舗の出店、③外販・物販・EC・アライアンスによる販売チャネルの拡大、営業強化に注力し、世界中のお客様からありがとうをいただき続ける企業を目指してまいります。

(3) 目標とする経営指標

 当社グループにおきましては、今後も持続的な成長と、企業価値の更なる向上を目指しております。当連結会計年度の営業利益は黒字を達成することができましたが、居酒屋業界は厳しい状況が続くことが想定され、当面はコロナ禍で悪化した純資産額を改善し、安定的な利益を計上できる体制を構築することが最優先であると認識しております。そのうえで、目標とする指標について改めて策定してまいります。

(4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当連結会計年度におきましては、昨年5月に新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行を受け経済・消費活動の正常化が進んだことにより、インバウンド(訪日外国人)、国内旅行、修学旅行を含めた人流が回復し、売上高・客数が持ち直す方向となりました。一方、不安定な国際情勢、円安進行による原材料価格、エネルギー価格、物流コスト、人件費の上昇への対応を迫られております。当社グループといたしましては、どのような環境にあっても、その変化やお客様のニーズを的確に捉え、価値あるものをお客様へ提供し、サービスレベルのアップと従業員満足度/エンゲージメント向上への取り組みを絶え間なく続けていくことが重要であると考えております

 具体的に対処すべき課題といたしましては、以下の点を重視して行動してまいります。

①安心してご来店いただける居心地のよい店作り

当社におきましては、お客様の「安全・安心」を確保するため、仕入・配送・物流・加工・調理段階・飲食スペースでの品質・温度・衛生管理の徹底と維持に努めております。また、お客様により楽しいひと時を過ごしていただけるよう、「居心地」「雰囲気」の向上に注力し、設備造作の改修・修繕・メンテナンスに取り組んでまいります

②人財教育・公平な評価制度の更なる強化と従業員エンゲージメントの向上

お客様から「ありがとう」をいただける店舗、地域一番店を目指し実現するためには、人財教育・評価制度の強化と従業員エンゲージメントの向上が鍵を握ると認識しております。管理職候補者セミナーを含めた階層別教育の充実とともにキャリアプランの設定と共有化に取り組んでおります。また、従業員エンゲージメントの向上については、調査の頻度を増やして課題の抽出と解決の迅速化を推進しております。メンタルヘルス面では、産業医による健康管理指導とカウンセリング体制を強化し、当社は3年連続して「健康経営優良法人」に認定されました

(注)人財=人材(当社グループでは、従業員は当社の運営を担う上で重要な存在であると考え、「材」ではなく「財」の字を用いて「人財」と表記しております。)

③既存店のブラッシュアップ、新業態開発を強化し、ご来店につなげる戦略の構築

当社グループは、地域やお客様の生活スタイル、外食ニーズやシーンにマッチした店舗展開を実現するため、既存店のブラッシュアップ、新業態開発を継続しております。また、当社の店舗を選んでご来店いただくために、コーポレートサイト等ホームページ、各種SNS、動画サイト、TV・雑誌等のメディアを適切に選択・ミックスしてお客様に確実に認知いただけるよう、日々取り組んでおります。店舗の出退店においてはスクラップ(撤退)からビルド(出店)のステージに移行しており、当社グループが掲げる「食を中心とした総合サービス」を提供できる企業を目指してまいります

④サステナビリティ活動の推進

持続可能な社会を支える一員として、経済的価値追求と社会的課題解決の両立を経営戦略の根幹と位置付け、全てのステークホルダーに多面的な貢献ができるよう、サステナビリティ活動を推進しております。SDGsにおける当社の重点推進項目を「2飢餓」「4教育」「8成長・雇用」「12生産・消費」「14海洋資源」と定めて取り組みを強化しております。

⑤M&Aについて

 当社グループは、企業価値の向上のため、売上及び利益の拡大に寄与し、新規事業や店舗網の拡大が見込める可能性があると判断された事業譲渡や企業買収案件についてアライアンスを含めた検討を進め、協働領域、競合領域を意識した事業展開を推進してまいります。

⑥重要事象等の解消について

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響による売上高の急激な減少により、前連結会計年度まで3期連続して営業損失を計上していたことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりました。このような状況を改善するため、当社グループはQSCAの向上、原価及び経費のコントロール、不採算店舗の閉店等により損益分岐点の引き下げを図り、業績の回復に努めてまいりました。

 その結果、外食需要の回復に伴う売上高の増加もあり、当連結会計年度において営業利益1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益938百万円を計上しております。これらの状況から当連結会計年度において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消したと判断いたしました。

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