ダスキン 【東証プライム:4665】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは創業時より、企業理念である「祈りの経営」のもと、世の中の人に喜ばれる「喜びのタネまき」を実践してまいりました。「世界一ひとにやさしいダスキン」を目指した取り組みで、地域の人々と喜びを分かち合い、物も心も豊かな暮らしに貢献することを通じて、継続的な企業価値の向上を実現してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
①長期戦略「ONE DUSKIN」
お客様に対して、当社グループの全ての事業が一つになってホスピタリティ溢れる対応ができる、すなわち「ONE DUSKIN」を実現することを目指して、多様なお客様のニーズに応える商品・サービスの開発に取り組んでまいります。
②第3フェーズ「中期経営方針2022」(2023年3月期~2025年3月期)
事業環境の変化に対応し、社会課題の解決に向けて、事業ポートフォリオを変革することで、「道と経済の合一」を目指してまいります。
長期戦略「ONE DUSKIN」第3フェーズにあたる「中期経営方針2022」を、2022年2月9日及び同年5月13日に公表しております。
■「中期経営方針2022」策定に関するお知らせ
https://www.duskin.co.jp/ir/news/2022/pdf/20220209.pdf
■「中期経営方針2022」数値目標及び株主還元方針に関するお知らせ
https://www.duskin.co.jp/ir/news/2022/pdf/20220513_02.pdf
(3)対処すべき課題
①経営環境の変化
少子高齢化が進み、労働力人口の減少に伴って深刻な人材不足状態が続いております。人件費は上昇し、介護問題の深刻化も進んでおります。また、コロナ禍を経て人々のライフスタイル、生活様式は大きく変化しました。様々なデジタル化の進展は著しく、当社はこれを不可逆的な変化と捉えております。そして、核家族化等の家族構成の変化や共働き家庭の増加により、仕事と子育ての両立を迫られる中で子供を預けるための体制が十分に整備されていないことも深刻であり、更に少子化が加速する要因の一つとなっております。
他方、原材料やエネルギー価格は引き続き高騰が続いております。コスト増の価格転嫁、物価上昇が続き、1990年代から続くデフレーションからの脱却が視野に入りつつある状況へと変化しております。
更には、1月に発生した「令和6年能登半島地震」における子会社の被災状況や頻発している豪雨による水害、切迫性が高まっている南海トラフ地震発生等を勘案すると、事業継続計画(Business Continuity Plan、BCP)の整備も急務と考えております。
②経営課題に関する今後の取り組み
「中期経営方針2022」の最終期となる2025年3月期は、積み残した課題及び経営環境の変化がもたらす新たな課題への対応に以下のとおり取り組んでまいります。
中期経営方針2022[テーマ1]事業ポートフォリオの変革
<既存事業の変革・発展>
イ.訪販グループ
お客様のお困りごとをトータルに解決できる暮らしのパートナーの実現に向けて、「顧客接点の基盤強化」及び「新規事業の展開」への取り組みを強化してまいります。「顧客接点の基盤強化」では、当社の強みであるリアル顧客接点をデジタルが補完することで顧客体験価値の向上を目指し、フランチャイズ加盟店、お客様双方の利便性を高めてまいります。「新規事業の展開」においては、暮らしの中で起こるトラブルに迅速に対応する駆けつけサービス事業「ダスキンレスキュー」を事業として展開することを決定いたしました。今後、加盟店展開に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
ロ.フードグループ
ミスタードーナツ事業においては、引き続き、最高水準の素材、技術を持つ企業との共同開発商品「misdo meets」等、魅力的な商品開発に注力すると共に、利用動機拡大のための他企業との協業やコラボレーション企画等も継続展開してまいります。また、出店戦略の取り組みとして様々な立地への出店に対応できるよう、多様な店舗タイプの開発を進めてまいります。更には、「誰でも無理なく働ける」持続可能なビジネスモデルの実現に向けて、ミスタードーナツ事業の強みを活かしながら、動体カメラや重量センサー等の省人化・省力化のための機器を実際の店舗で検証いたします。
<新しい成長機会>
イ.業務提携
2024年3月期に業務提携契約を締結した株式会社JPホールディングスと立ち上げた協業検討委員会にて、両社の事業・ノウハウ等の強みを活かしつつ、両社間の協業関係を構築することにより、「子育て支援」の領域において、社会課題の解決とお客様への新たな価値提供により両社の企業価値向上の実現を目指した取り組みを速やかに検討・実行いたします。
今後もお客様のライフスタイルやライフステージの変化にも寄り添い続けることができる新たなビジネスの開発等、社会価値・企業価値向上を目指した業務提携、ベンチャー企業への出資、M&Aの実行に向けた取り組みを更に強化してまいります。
ロ.海外戦略
ミスタードーナツ事業では、中華人民共和国香港特別行政区で展開することを目的として、Dragon Circle Enterprise Limitedとマスターフランチャイズ契約を2024年4月25日に締結いたしました。2024年10月に1号店をオープンすることを予定しております。
引き続き現状の展開国の成長に加えて、市場環境を含めた各国の情勢を見極めた上で、アジアの未展開国等への進出を検討・実行してまいります。
中期経営方針2022[テーマ2]経営基盤の構築
イ.人的資本経営の推進
引き続き経営基盤の根本である「人財」への投資を積極的に実行してまいります。事業ポートフォリオの変革を行える人材を育成・強化し、また、従業員のモチベーション向上や生産性向上を実現すると共に、経営戦略と人事戦略を連動させながらお客様ニーズに適う新たな価値創造を目指してまいります。
ロ.ガバナンス実効性の更なる向上
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取締役会議論を強化し、経営資源の適切な配分の実現を目指してまいります。
ハ.DX推進による成長基盤の構築
2024年3月期より開始した、デジタルを活用した業務課題解決、データの分析・利活用の取り組みを強化・拡充していくと共に、これらの施策を迅速に進めるため、デジタル施策の決裁プロセスの改善やアイデア創出に向けた取り組みを進めてまいります。また、eラーニングを活用しデジタルリテラシーの向上を図ると共に、DX人材の育成に向けて、研修カリキュラムの策定と、OJTの取り組みを強化いたします。
ニ.事業継続計画(BCP)
BCPプロジェクトを立ち上げ、緊急時においても、モップ・マット等を安定的に供給できる体制の再構築に取り組みます。
中期経営方針2022[テーマ3]社会との共生
イ.ダスキン環境目標2030の推進
環境方針で掲げた循環型社会づくりや脱炭素社会の実現に貢献することを目指し、2030年までの環境経営における目標として「ダスキン環境目標2030(DUSKIN Green Target 2030)」を策定し、推進しております。
ロ.主な取り組み
食品ロス削減と再生可能エネルギー利用においては、ミスタードーナツ事業の物流センターや他社から発生する廃棄原材料で発電するバイオマス電力を使用することで、本社ビルを含む周辺施設5拠点全ての電力を実質再生可能エネルギー100%へ切り替えてまいります。また、食品ロス削減に向けた廃棄ドーナツを飼料としてリサイクルする対応店舗数の拡大も引き続き目指してまいります。
プラスチックの削減においては、訪販グループではモップやスポンジの包装袋のサイズダウンと薄型化、フードグループではレジ袋やストロー等の植物由来原料配合の拡充等バイオマス素材や紙素材への切替を推進してまいります。
CO2削減への取り組みにおいては、引き続き省エネ活動を推進すると共に、営業車両では、EV実証実験を経て直営支店に充電設備を新設しEV化へのシフトを適宜進めてまいります。
■「ダスキン環境目標2030(DUSKIN Green Target 2030)」策定に関するお知らせ
https://www.duskin.co.jp/news/2021/pdf/210625_01.pdf
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