ダイト 【東証プライム:4577】「医薬品」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
サステナビリティ基本方針
ダイトグループは、経営理念「社員が『楽しい会社、楽しい仕事』を実感できる働きやすい職場を作り、健康な社会作りに貢献し、選ばれ続ける企業を目指します。」の実現を通じて、企業価値の最大化を目指すとともに持続可能な社会の構築に貢献します。ダイトグループのCSR活動におけるCSR方針は、企業価値の最大化と持続可能な社会の実現に向けた道のりの羅針盤であり、国内外のグループの一人ひとりが理解し、日々の活動の判断の拠り所とするものです。
ダイトグループは様々なステークホルダーの皆さまに医薬品をお届けする総合医薬品メーカーとして、人々の生命・健康に深く関わる社会的使命を強く自覚し、人と社会と地球環境の持続的発展に貢献する事業活動を推進します。
当社グループはこの基本方針を実現するために、以下の取組を推進します。
(1)ガバナンス
ダイトグループは、激変する社会、経済情勢の中で持続的に成長し、社会に価値を提供し続けていくためには、事業戦略の遂行に重大な影響を与える社会課題の解決に貢献していくこと、更には社会課題の解決に貢献する事業を新たに生み出していくことが重要であると考えています。
当社では、リスクと機会の特定と対応策、並びに経営戦略への統合方針や財務計画の素案の策定を、2021年度に立ち上げたワーキンググループが行い、この結果を経営会議で審議・決定し、取締役会で承認する体制を取っています。当該ワーキンググループには、関連主要部署の執行役員及び責任者がメンバーとして加わっており、全社的なリスクマネジメントの一環として取組みを進めています。
(2)戦略
①気候変動
異常気象による災害の増加・激甚化など、気候変動は事業に大きな影響を与える事象となっています。このため、機関投資家を中心とするステークホルダーは、企業に対して、気候変動に関するリスクと機会を特定し、それらが事業に与える影響を評価した上で、重要なリスクの顕在化を防ぎ、重要な機会を享受するための対応を求めています。当社グループにおいても、長期的な観点から気候変動によるリスク・機会と事業への影響を把握して、負の影響を低減するなどの対応に取り組むことの重要性を強く認識しており、2021年12月にワーキンググループを立ち上げ、TCFD提言の枠組みに沿ったシナリオ分析を開始しました。以降、気候変動に関するリスク・機会に関して、定性的な評価を経て、複数のシナリオ下での定量的な財務影響の評価を行っています。今後、具体的な対応策の検討・立案等を進め、取組みの強化と情報開示の充実を図っていきます。
なお、TCFD提言に基づく情報開示は本報告書 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)気候変動への対応:TCFD提言(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく開示を参照ください。
②人的資本
当社グループが健康な社会づくりに貢献し、中期経営計画の達成及び創業100年に向けた事業の継続・発展を図っていく上で、従業員が働きがいや働きやすさを実感できるように就労環境を向上させることは極めて重要となります。
当社グループは現在、今後の事業拡大に向けて原薬・製剤の生産拡大や、FDA査察対応の強化、米国・中国向けの規制対応の強化などに取り組んでいますが、その際に、国内の若年層の人口減少、人材獲得競争の激化及び社内での人材育成の遅れなどにより、必要なスキルを有した人員が十分に確保できない可能性が考えられます。そうした場合には、労働力不足により、各部門における時間外労働が大幅に増加し、就業環境の悪化や生産効率の低下に繋がるリスクがあると認識しています。更には、海外展開の強化や新領域への進出といった今後の成長戦略の遂行にも支障が出る可能性があると考えられます。こうしたことから、人材育成の強化と就業環境の向上に併せて取り組むことが重要であると認識しています。
人材育成に関しては、各職種に応じた研修・教育等を適切に行うことで、一人ひとりの持てる能力を最大限に発揮させ、事業の発展と働きがいの向上にも繋げられると考えています。
また、就業環境に関しては、ワーク・ライフ・バランスの向上、ダイバーシティ(多様性)の推進などを含めた「働き方改革」への対応を強化することで、より良い職場環境が構築され、従業員の働きがいや働きやすさが高まるものと考えています。更に、人権の尊重に関する取組みを強化することで、人権侵害リスクを低減し、多様性を尊重する適正な職場環境づくりに繋がると考えています。
なお、具体的な取り組みは以下のとおりであります。
1)人材育成
中期経営計画の各施策を遂行していく中で、人材育成や従業員の能力開発を適切に行い、一人ひとりの持てる能力を最大限に発揮させ、事業の発展と働きがいの向上に繋げていくことが大切であると考えています。
そのための1つの活動として各種研修を開催し、能力開発の機会を積極的に提供することが重要であると考えています。
a,新たな人事制度の構築と運用開始
2020年6月より、人事制度の再構築を進めてきました。従来の制度からの主な改訂点は、「人事フレームの変更(等級などの見直し)」、「評価項目の新設(コンピテンシー評価の導入)」、「昇格基準の明確化」などです。
社内各部門へのヒアリングを行いながら検討・調整を進めてきた結果、内容が確定し、2023年6月より、新たな人事制度の本格運用が開始しました。
今後、この人事制度の下で、職能要件を踏まえた研修・教育を実施し、人材育成の強化を図っていく方針です。
b.現状の全社的な研修体系
現状の研修体系では、全社レベルで管理している研修は「階層別研修」のみであり、下記に示す図のとおり、階層ごとに、テーマ・目的を設けて実施しています。(ダイバーシティ研修は、階層横断型のものとなります。)
c.今後の課題認識
・階層別研修については、今後、研修内容の充実を図っていく方針です。
・職種別研修については、各部署でOJT教育などを実施していますが、今後、全社的な研修ツールを導入し、eラーニング教育などの充実を図っていく予定です。
階層別研修 テーマ・目的
2)働き方改革
a.ワーク・ライフ・バランスの向上
当社では長時間労働の削減や、仕事と育児・介護の両立支援などを行い、従業員のワーク・ライフ・バランスを向上させることにより、働きやすい職場環境づくりに努めています。主な取組み内容は以下のとおりです。
ⅰ)仕事と「育児・介護」の両立支援
休業制度
・育児休暇、介護休暇、子の看護休暇 を設けています。
・介護休暇と子の看護休暇は、1日単位・半日単位・1時間単位のいずれかから選択して取得可能です。
・子の看護休暇については、ダイトでは法令より長い適用期間を設けています。
(法令):小学校入学まで、子が1人の場合は年間5日、2人以上の場合は年間10日
(ダイト):小学校卒業まで、子が1人の場合は年間6日、2人以上の場合は年間12日
・2022年4月より、育児・介護休業法の改正が段階的に施行されており、2022年10月からは「産後パパ育休」の制度も開始されています。当社でも育児休業を取得しやすい雇用・職場環境の整備を推進し、女性従業員の出産・育児による離職の防止や、男性従業員の育児休業の取得促進を図っています。
時短勤務制度
・育児、介護それぞれにおいて、時短勤務制度を設けています。
・育児の時短勤務制度については、ダイトでは法令より長い適用期間を設けています。
(法令):3歳まで ⇒(ダイト):小学校3年の始期に達するまで
ⅱ)その他の取組み
・有給休暇の取得促進
・コロナ禍を考慮した在宅勤務の支援
b.ダイバーシティ(多様性)の推進
市場のニーズや人々のライフスタイルが多様化する環境の中で、引き続き事業を拡大し企業価値の向上を図るには、
組織内でのダイバーシティの推進が不可欠であると考えています。当社グループでは下記の取組みにより、異なる背景を
持つ社員一人ひとりが働きやすく、その能力を発揮できる職場づくりを推進しています。主な取組み内容は以下のとおりです。
ⅰ)女性活躍の推進
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の施行を受け、当社では下記の目標を掲げ、「女性管理職の登用推進」と「女性社員の活躍支援」を図っています。2023年5月末の女性管理職の比率は14.0%でした。
ⅱ)障がい者雇用の促進
障がい者の特性や適性を活かすことを考慮しながら、法定雇用率(2.3%)の達成を目指しています。2023年5月期は、富山県人材活躍推進センターへの訪問による情報収集や、障がい者雇用実務セミナーの受講、インターンシップ・職場実習の受入検討などを行っています。2023年5月末の障がい者雇用率は1.63%でした。
ⅲ)高齢者就業の促進
改正高年齢者雇用安定法の施行も踏まえ、2021年5月期より、60歳から65歳への定年延長を行っています。また、継続雇用を希望する社員を対象に、70歳までの再雇用を行っています。(2023年4月より、再雇用期間の限度年齢を68歳から70歳へ延長しました。) 2023年5月期は1名の希望者が継続雇用となりました。
c.健康経営の推進
健康経営とは、企業が従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。当社では、従業員が心身ともに健康に働けるよう環境を整備することにより、生産性の向上、離職率の低下、企業イメージの向上といった
効果も得られるとの考えに立ち、数年前より健康経営に取り組んでいます。主な取組み内容は以下のとおりです。
ⅰ)体のケア
・健康診断の受診義務化:全社員の健康状態を定期的に確認し健康を維持した労働を確保するため、年1回の健康診断の受診を義務化しています。2023年5月期の受診率は99.2%でした。(休職者を除いた場合は、受診率は100%です。)
・健康診断の結果、再検査が必要になった人には、総務人事部から受診を促しています。
・残業時間が月80時間を超えた社員には、一定期間内に産業医との面談を実施することを義務付けています。
・毎朝の始業時に、全社でラジオ体操を行っています。
ⅱ)心のケア
・メンタルヘルス窓口の設置:総務人事部が窓口となり対応しています。
・カウンセラーの設置:2020年12月より専門の産業カウンセラーを設置し、月1回当社内の保健室にてカウンセリングを受付けています。事前申し込みにより、社員の誰もが利用可能です。
・ストレスチェック診断の実施:メンタルヘルス不調の予防、早期発見を目的に年1回、全社員を対象としたストレスチェック診断を実施しています。2023年5月期の受診率は81%でした。未受診の社員への受診勧奨も継続的に実施します。
・復職支援センターの活用:メンタルヘルス不調による休職者の職場復帰を支援するため、富山障害者職業センターによる「復職支援プログラム」を活用しています。
ⅲ)健康企業宣言の取り組み
2020年4月に、協会けんぽが主催する「健康企業宣言」における「Step1 認定証」を取得し、2023年4月に更新
しました。
(3)リスク管理、指標と目標
サステナビリティ課題を含む重要なリスクや課題は、月1回開催される取締役会や執行役員会、月2回開催される経営会議で議論、検討されるほか、3ヶ月に1回開催される内部監査室から監査等委員会への連絡会を通じて、法令遵守体制、リスク管理体制、内部統制システムの整備・運用状況のモニタリング結果を報告しています。
また、事業に与える影響が重要であると特定された気候変動関連リスクについては、優先順位を考慮の上、その影響を顕在化させないための対応策を検討・立案し、当社グループの経営戦略に反映していく方針です。
当社グループでは、GHG排出量の削減目標の設定に際し、Scope1及びScope2 をモニタリング指標として採用し、毎年の実績をCSR報告書等で開示しています。2023年5月期のGHG Scope1排出量及びScope2排出量の実績は、当社CSR報告書のCSRマテリアリティ活動報告の項を参照ください。
今後は、長期的なGHG削減目標の設定も行い、単年度ごとに進捗状況の評価を行っていく方針です。併せて、Scope3排出量の算出強化も行っていきます。
なお、上記に記載以外のサスティナビリティ情報としての人権の尊重、腐敗(贈収賄)防止等について及び人的資本に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績については、当社ホームページのCSR報告書を参照ください。
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