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企業概要
ESG経営の推進によりお客様や社会とともに持続的に成長し、再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとして社会に必須の存在であり続けることを長期ビジョンに掲げ、持続可能な社会の実現に向け、研究開発をすすめております。
当社グループの研究開発活動は、技術部門をエンジニアリング統轄本部に集約し、グループ各社との相互連携及び社外の研究機関や大学、企業との共同研究などを通じて、技術力の強化と伝承並びに新たな技術・商品・サービスの開発を積極的にすすめております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,629百万円であり、セグメントごとの主な研究開発活動は以下のとおりであります。
(1) 環境・エネルギー事業
CO2の分離・回収・利用に関する技術など、脱炭素社会の実現に向けた研究開発をすすめております。CO2の分離回収に関する技術として、ごみ処理プラントやバイオマス発電プラントの排ガスから発生するCO2を対象に、独自の非水系吸収液を用いた化学吸収法によるCO2分離回収技術の研究開発を継続しております。また、分離回収したCO2の利用に関する技術として、ごみ処理プラントの排ガスに含まれるCO2を回収し化学品などの原料となるカーボンを生み出す技術やバイオガスから高濃度のメタンを生成するバイオメタネーションの研究開発を引き続き行っております。さらに、CO2の直接利用に関する技術として、ごみ処理プラントで生じる燃焼ガス中のCO2を農業に利用する実証試験を開始しております。CO2の農業利用は、バイオマス発電プラントでは既に実用化し、設備の納入実績も有しており、本実証試験はごみ処理プラントでの実用化を目指すものです。
ごみ処理プラントの省人化に向けた製品・サービスのデジタル技術のほか、自社工場内に設置した多目的実証炉(ストーカ式実証炉)を活用し、ライフサイクルコストの低減やエネルギー回収の増大につながる独自技術の開発を継続しております。また、バイオマス発電プラントにおいて、各種バイオマス燃料の燃焼・発電利用に関する研究開発を引き続き実施しております。さらに、下水汚泥焼却発電システムにおいて、汚泥の含水率が変動しても安定して焼却・発電できる技術の開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は1,520百万円であります。
(2) 民生熱エネルギー事業
貫流ボイラにおいて、高分子分離膜によるCO2回収設備向けの「CO2濃縮型小型貫流ボイラ」を開発しました。本製品は、蒸気負荷の変動に追従する排ガス再循環制御システムの開発により、排ガス再循環運転を継続しつつ、従来ボイラ同様の負荷追従運転を行うことを実現したほか、ボイラ排ガスのCO2濃度を従来の約3倍に高めることを可能としました。排ガスからのCO2回収は、各種工場で使用される小規模な汎用ボイラでは規模のメリットが得られず、発生源となるボイラに対してCO2回収設備コストが大きくなりすぎるという課題がありますが、本製品により、CO2回収設備のコンパクト化やランニングコスト削減などが期待できます。
このほか、水素焚き真空式温水発生機の改良開発などを行っており、引き続き、脱炭素社会を見据えた製品開発をすすめてまいります。
当事業に係る研究開発費は66百万円であります。
(3) 設備・システム事業
半導体工場向けの洗浄装置では、マイクロバブル洗浄技術を用いた洗浄装置について大学との共同研究を継続しております。本技術は従来の薬品を使用する洗浄と同等以上の洗浄性能を有するほか、純水や薬品の使用量が削減されることにより環境負荷の大幅な低減を可能とするものであり、大学設備を用いた精緻な分析評価の実施に加え、試作機を用いての評価試験を行うなど、開発をすすめております。
半導体工場のクリーンルーム向けのケミカルフィルタでは、高機能化、長寿命化を目指したフィルタの開発を実施しております。また、分析監視装置では、測定項目の拡充などの改良開発をすすめており、引き続き、クリーンルームにおける超清浄空間の維持管理対策をトータルソリューションで提供できるよう、商品開発をすすめてまいります。
フォトマスク製造装置向けの磁気シールドチャンバーでは、シールド材料評価、組立加工方法の検討をすすめ、シールド性能の向上を目指し開発をすすめております。
当事業に係る研究開発費は42百万円であります。
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