タカラスタンダード 【東証プライム:7981】「その他製品」 へ投稿
企業概要
当社グループは企業理念に「Ethical Standard(倫理規範)」を掲げ、「社会との調和」、「社員の幸せ」、「環境への配慮」を大前提として持続的な利益成長の実現を目指しております。サステナビリティへの対応は当社グループにとって重要な経営課題であると認識しており、事業活動を通じて持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。
特に「脱炭素社会の実現」「人的資本への投資」は、「中期経営計画2023」の重点課題として推進を図っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)気候変動関連
①ガバナンス及びリスク管理
サステナビリティへの対応は、当社にとって重要な経営課題であるという認識のもと、事業活動を通じて持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。2022年7月より、経営企画室管掌役員を委員長とする環境委員会を設置し、気候変動を中心とした環境問題に関する課題や方針について検討を進めております。当委員会は、各本部長を構成員とし、組織横断的な検討体制を構築しております。
当委員会は年2回以上開催し、TCFD提言への対応及び戦略と指標の進捗、経営計画との整合を審議・承認し、その結果を年1回以上取締役会に答申します。取締役会は、当委員会からの答申・報告に基づいて、重要事項の意思決定及び監督を行います。
当委員会の事務局である経営企画室は、当委員会の運営のほか、各部門と連携しTCFD提言への対応推進・進捗管理を行います。また、シナリオ分析を通じた気候変動のリスクと機会の把握及び対応策の検討を行い、環境委員会へ提案・報告します。
<ガバナンス体制図>
<各組織の役割と構成員>
■環境委員会
構成員 | 委員長 | 経営企画室管掌役員 |
委員 | 管理本部長、生産物流本部長、営業本部長、研究開発本部長、経営企画室長 | |
事務局 | 経営企画室 | |
活動内容 | 定期開催 | 年2回(半年に1度) |
議題 | 全社方針の決定、リスク管理、戦略の決定、目標の決定、行動計画の進捗管理など |
■執行体制(環境推進リーダー会議)
構成員 | 各部 | 各部において環境推進リーダーを設置 |
活動内容 | 定期開催 | 年4回(3ヵ月に1度) |
経営企画室 | 委員会事務局、リスク・機会統括、戦略策定 | |
各部 | 戦略実行に向けた目標設定と実行計画の立案、進捗管理 |
②戦略
■移行リスク(1.5℃未満シナリオ)
分類 | シナリオ | リスク | 影響度 | 機会 | 影響度 |
政策や法規制 | 炭素税課税の導入 | 資材やエネルギーの調達コストが増加し、製造コスト、販管費が増加 | 大 | - | - |
森林環境規制等の強化 | 木質資材の調達難度、調達コストが増加し、製造コストが増加 | 大 | - | - | |
市場と技術 | 石油化学、鉄鋼業界における脱炭素に向けたダイベストメントや事業ポートフォリオの見直しが進展 | 鋼材や樹脂資材、木質資材の調達難度、調達コストが増加し、製造コストが増加 | 大 | - | - |
木材需要の多様化 | - | - | |||
得意先・消費者の行動変化、節水・省エネ性・継続使用性の高い商品の選好 | - | - | お手入れが容易で、長く使い続けられるホーロー製品等の存在感が高まる | 中 | |
得意先の行動変化、製造工程におけるGHG排出量の低い資材の選好 | 製造工程におけるGHG排出量の多い製品の需要が減少するリスクがある | 中 | 木材製品の需要が増加 | 中 |
■物理リスク(4℃シナリオ)
分類 | シナリオ | リスク | 影響度 | 機会 | 影響度 |
慢性的 | 気温上昇で熱中症リスクが上昇 | 作業環境は、直射日光下ではないが、一定程度の影響は受ける | 中 | - | - |
急性的 | 異常気象の激甚化・頻度が増加 | 被災による操業停止 災害によるサプライチェーン寸断 | 小 | 災害リスクの高まりによって、強靭な供給体制のある存在感が高まる (2011年の震災時にも継続供給を実現) | 大 |
■環境問題に関して取組んでいる主な事項
目的 | 対応策 |
GHG排出量の削減 | 太陽光パネルの設置、モーダルシフトの推進(エコシップ、鉄道利用を促進) |
気象災害に対する レジリエンスの強化 | 製造、物流拠点の分散化や在庫の確保といったBCPへの継続的な取組みの推進 |
梱包資材の省資源化 | 梱包を必要最低限に切り替えることで、省資源、ごみの削減、輸送・開梱作業の効率化を推進 |
③指標及び目標
当社のGHG排出量の算定結果(Scope1+2)と削減目標は次のとおりです。脱炭素社会の実現に貢献するため、具体的な削減策の検討を進めております。
| 実績 | 目標 | |
2020年度 | 2021年度 | 2030年度 | |
Scope1+2 | 66,031tCO2 | 62,278tCO2 | ▲30%(2020年度比) |
(注) GHG排出量は、環境省HP掲載の温室効果ガス排出量算定・報告マニュアルに基づき算定
(2)人的資本
当社グループは、長期ビジョン『ホーローと共に、光り輝く魅力ある企業へ』を目指すにあたり、2020年度より「ワークスタイル変革」として人的資本への取組みを行っております。
また、2023年度には人事制度改革として、企業理念に基づく人材ポリシーの設定、人事制度の根幹である「等級制度」「評価制度」「賃金制度」の改訂を実施予定であり、従業員エンゲージメントの向上に努めてまいります。
①戦略
■人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針
・多様性の確保
今後、新たな事業領域への挑戦や海外進出を本格的に行っていくにあたり、多様性の確保は欠かせません。女性活躍の指標の一つである女性管理職比率は2023年4月の目標である5%を達成いたしました。次なる目標として2025年度には8%を目指します。また、女性活躍以外にもキャリア入社者、外国人、障がい者など、多様な人材が活躍できる職場づくりを推進してまいります。
・人材育成の強化
「働きがい」「生きがい」のある企業を目指すには、社員ひとりひとりが自分の強みを発揮し、自ら考え主体的に行動する事で成果を出していく自律自走人材を育成していく必要があると考え、人材育成の基本方針として掲げております。具体的には自己啓発支援の拡充、手挙げ式の研修の拡充、キャリア研修の実施などの研修施策を行う一方で、社内公募の実施など自律的なキャリア構築を推進してまいります。
■社内環境整備に関する方針
・働きやすい環境づくり
2020年以降、在宅勤務や時差出勤の導入など多様な働き方に対する支援を行うと同時に、オフィスカジュアルの導入や「さん」付け運動の実施など多様な価値観を受入れる風土づくりを行ってまいりました。また、男女の働き方の差異を是正すべく男性の育児参加を促す事で、2022年度には70%の男性社員が育児休暇の取得を行いました。今後も、社員ひとりひとりが働きやすい環境を整備してまいります。
②指標及び目標
当社グループでは、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
カテゴリ | 指標 | 目標 | 実績 |
多様性の確保 | 女性管理職比率 ※ | 8.0% | 3.6% |
キャリア採用管理職比率 | 15.0% | 11.3% | |
新卒女性採用比率 | 50.0% | 43.3% | |
障がい者雇用率 | 2.8% | 2.4% | |
人材育成の強化 | 一人当たりの研修時間 | 20時間 | 14時間 |
働きやすい環境づくり | 男性育休取得率 | 100.0% | 70.2% |
※ 2023年4月1日時点の実績は5.3%であります。
- 検索
- 業種別業績ランキング