企業タウンニュース社東証スタンダード:2481】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社の主力事業であるタウンニュースの事業コンセプトは、『地域に密着したアドコミ(アドバタイジング+コミュニケーション)を確立する』ことであります。地域の生活者にとっては広告も街のニュースであるという考えのもと、広告を通じて地域とのコミュニケーションをはかり、地域社会に貢献し、地域とともに発展していくことを経営の基本方針としております。

(2) 経営戦略等

 当社は、神奈川県下で地域密着型の地域情報紙の発行を主たる事業として展開し、成長してまいりました。今後は、以下の施策に取り組み中長期的な経営戦略を実践し、地域の総合メディアとして事業規模の拡大、業績の向上を図ってまいります。

①  既存発行版の深耕と媒体価値の向上

 タウンニュースは2024年6月末時点で神奈川県内全域に36地区、東京都(町田市、八王子市、多摩市)に3地区、計39地区39版の紙面を発行しております。今後も既存発行版の深耕を進め、地域のお客様の声に根差した提案型営業を通し、広告の受注機会拡大と業績のさらなる伸長に努めてまいります。
 また、タウンニュースは行政区単位を基本とした発行体制を敷き、1地区ごとにきめ細かくそれぞれ内容の異なる紙面を発行しておりますが、発行エリア内の読者の最大の関心事と身近なニュースや話題をきめ細かく丁寧にすくい上げ、さらに読まれる紙面を作ることで他媒体との差別化をより一層進め、媒体価値を高めてまいります。

②  紙面以外の広告需要の開拓・創出

 地域の広告需要は多様化とクロスメディア化が進んでいます。地域の方々と接触する機会の拡大強化は、そのニーズを的確に探るもっとも有効な手段と考えられることから、これを推進し、編集室の枠を越えた企画特集の実行やタウンニュース紙以外の新媒体の発行、各種出版・印刷物、物販の受注拡大を進めてまいります。また、これに加え、イベントプロモーションの企画運営やWeb広告事業・動画制作、電波媒体とのコラボレーションなど、既存の枠組みや紙媒体にとらわれない「地域の情報をビジネスに換える」戦略的展開を図ってまいります。

③  発行エリアの拡大

2015年6月に東京都八王子市、多摩市の2地区版の紙面を創刊いたしましたが、今後もこれらエリアへの浸透状況や各種経営環境を総合的に判断の上、順次紙面の発行エリアを拡大させていく計画であります。

④ デジタルメディアとのシナジー

 当社ではタウンニュースの情報をデジタル化し、最新の記事や広告がパソコンやスマートフォン等でも読める情報サービス「Web版タウンニュース」を展開しております。これにより読者には居住エリア外の情報を提供できるほか、県外など紙面の未配布エリアや日刊紙を購読していないタウンニュース未読層への情報提供も可能になっております。さらに、紙面に掲載されたニュースや情報を定期的に無料で配信する「メール版タウンニュース」並びに「タウンニュースfor LINE」の普及と読者拡大にも努めてまいります。
 また、当社全発行エリア内の政治家のデータベースとしての「政治の村」、当社発行エリア内のご近所情報サイトとして「RareA(レアリア)」を開設しており、引き続きコンテンツの充実と事業拡大を図ってまいります。あわせて、当社の持つ地域情報のキュレーションサイトへの配信を積極的に行い、当社の認知度とブランド力の向上を進めます。
 今後は当社が持つ情報インフラを活用した新たなサービスの開発も含めたデジタルメディアのコンテンツの充実を図り、紙面の付加価値を向上させるとともに、紙面とデジタルメディアのシナジーが発揮できるよう努めてまいります。

⑤ 地域プロデュース事業およびPPP(公民連携)事業の展開

 創業以来長年にわたる地域の隅々に分け入る本紙業務の中で、日々蓄積される多様な情報や人的ネットワーク等は当社の最も重要な経営資源の1つであり、これらのリソースを最大限に活かしきることは、当社の成長戦略にとって不可欠な要素です。行政や市民、地元事業者らとの協同による多種多様な地域プロデュース(街おこし・街づくり)事業や公共施設の指定管理業務に代表されるPPP(公民連携)事業はそれを体現する事業例であり、こうした取り組みを今後の非紙面事業の柱と位置づけ強力に展開してまいります。

(3) 経営環境

新型コロナウイルス感染症拡大およびそれに伴う様々な規制が国内経済はもとより世界経済にも大きな影響を与えてきましたが、感染の落ち着きや経済維持の観点から規制緩和の動きが加速しており、景気は回復しつつあります。当社の属するフリーペーパー業界においても、コロナ感染症拡大による影響は大きいものがありました。またデジタルメディア化が進む中、媒体の選別化や価格競争が恒常化するなど、特に紙媒体においては未だ厳しい環境が続いております

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の問題

 こうした状況の下、当社の対処すべき課題は以下のとおりです。

①  有能な人材の確保・育成

 少子化が進むなか、質の高い新卒社員や即戦力となる中途採用者を確実に確保することは大変重要です。当社としては、自社の会社説明会開催のほか合同企業説明会への参加、各大学・専門学校への訪問、インターンシップ生の積極的な受入れのほか、タウンニュース紙面、ホームページ、求人専門サイト等においても、幅広く採用活動を展開させてまいります。同時にこれらの採用者を早期に着実に戦力化するため、教育・研修にもより一層力を入れていきます。こうした動きを戦略的に推進するための専門部署として「HR室」を設置し、人材の確保・育成に資する各種施策の拡充に努めてまいります。

 また、総労働時間の抑制をはじめとする各種働き方改革を恒常的に進め、求職者等に選ばれる企業づくりに努めてまいります。

② 新聞購読率低下への対応

 昨今、新聞の購読率の低下が顕著であり、新聞折込の形で配布している当社としても、その影響を看過できない状況が現出しております。引き続き、新聞購読者層や折込状況の把握に努めながら、各種施設等への配架をはじめとする新聞折込を補う配布方法の開発・開拓を進めるとともに、「Web版タウンニュース」や「政治の村」「RareA(レアリア)」「メール版タウンニュース」「タウンニュースfor LINE」などデジタルメディアとの複合的情報発信を推進してまいります。

③ 紙代等コスト上昇への対応

 昨今の世界的な資源高やウクライナ情勢等の影響、さらには急激な円安の進行に伴う輸入品価格の上昇等により物の値段が上がっております。

 紙媒体を主力事業とする当社にとって、とりわけ用紙代の価格上昇は業績に与える影響が大きく、看過することはできません。こうしたリスクに対し、最適用紙選定に向けた取り組みを恒常的かつ機動的に行っていくとともに、紙面以外のデジタル配信の更なる展開を進めてまいります。

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、主要事業であるタウンニュース事業と当該事業で培った情報収集力や地域からの信頼・ネットワークなどのリソースを活かした、地域の需要を受注するプロモーション事業を一層拡大するとともに、経営効率を高め、売上規模と利益率の向上を目指しております。そうした戦略目標を実現するため、現在、第2次「中期経営計画(第45期~第47期)」を作成中で、この計画を指標として多岐にわたる課題や数値目標を明示し、その達成が図れるよう事業活動を展開してまいります。

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