企業セブン工業東証スタンダード:7896】「その他製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は「真実と努力」「行持報恩」を基本理念とし、真実の道理に従って行動し、公正、透明性など企業倫理に基づいた企業活動の実践によって、当社を取り巻く全てのステークホルダー(あらゆる利害関係者)から信頼を得る事業の創生及び構築を基本姿勢としております。

 そして、「顧客に最大の満足と安心」を品質方針に掲げ、お客様のニーズに即応する快適商品の創造、供給を図るとともに、「地球環境との共生」を果たすため環境方針を定め、そのマネジメントシステムを構築し、積極的な事業展開を図ってまいります。これらにより持続的発展が可能な会社の実現と企業価値の最大化に邁進してまいります。

(2)経営戦略等

 当社を取り巻く事業環境として、かつては100万戸を超えていた新設住宅着工戸数がこの数年、80万戸から90万戸程度の水準で推移しており、将来的にも少子高齢化や人口減少の進行に伴い新設住宅着工戸数は漸減していくことが予測されております。その一方、カーボンニュートラルの施策として、木造化・木質化の普及によるCO2の長期固定化の促進が国を挙げて推進されており、大阪・関西万博に向けて世界最大級の木造建築物が建設されるなど、非住宅分野の木材需要は年々増加しています。このようなウッドファーストの潮流が広がりを見せていること、また、建築現場での大工就業者の減少および高齢化に伴う住宅建設の担い手不足、建築現場の作業負荷増加を背景に省施工化へのニーズが加速しています。

 幅広い木材加工事業を手掛ける当社においては、こうした時勢は強みを発揮できる機会と認識しており、非住宅建築への提案力強化による木造化領域の拡大、木材の利用促進による新規市場開拓やパネル事業を中心にユニット化を軸とした新たな商品開発・サービスの展開や完全プレカット階段の拡充といった省施工化の展開など、既に幾つかの取り組みを通じその成果が表れてきております。加えて内装建材事業と木構造建材事業の二つの異なる領域を持つ、当社ならではの事業構造により実現可能な展開もあり、こうしたシナジーを更に追求する施策を講じるなど、木材の可能性をあらゆる角度から追求し、コーポレートスローガンである「伝えたい 届けたい WOOD IDEA」を体現する施策を進めてまいります。

(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上並びに財務上の課題

 今後の経済の見通しについては、世界情勢の不安感を背景にエネルギー価格や各種原材料価格の高騰を受け、更なる物価上昇が懸念されるなど、先行きの不透明感が続くものと予測されます。

 当社が属する住宅業界におきましても、住宅価格の高騰や金利の上昇基調に伴う消費マインドの減退傾向から、持家を中心に市況の低迷が予測され、また、物流業界の2024年問題等更なるコストアップが見込まれるなど、これまで以上に厳しい経営環境下が懸念されます。

 この数年異例な事業環境が続くなか、当社においては、脱住宅(非住宅分野への事業領域)の拡大や省施工商品の充実化といった時代のニーズに即する製品開発及び成長分野への投資を加速させ、その成果も現れてきている一方、内装建材事業における製品群のライフサイクルが過渡期にあり、事業ポートフォリオの再構築が必要な局面にあると認識しております。

 長年に亘り培った技術や強みを維持しつつ、時代や市場の変化に沿った事業・商品へと進化を遂げていくために「Change & Create New7」を新たなスローガンとして掲げ、前述した脱住宅への展開、省施工商品・サービスの拡充に資する差別化の推進と提案力の強化に努めるとともに、新設する事業開発推進室を中心に従前の延長上ではない、当社の新たな将来を創造する事業創出に傾注してまいります。これら攻めの展開に加え、足元において内装建材事業における収支改善が急務であることから、販売価格の適正化や素材開発・変更による原価低減、生産性向上を目的とした省力化・省人化、徹底したムダの排除等、従前よりも更に踏み込んだ施策を断行し、収益体質の改善を推し進めてまいります。一方、戸建て住宅の減少と平屋率の増加により市場環境は更に厳しくなることを予測しており、自社の加工・化粧貼・塗装技術をフルに活用し、非住宅分野をターゲットとした内装建材の商品拡充を進めてまいります。

 木構造建材事業におきましては、引き続きプレカット、パネル、建装の三位一体の事業展開をコアの戦略としながら、パートナー企業とのアライアンスを強化し、加工から木工事請負まで事業範囲を拡大することにより非住宅物件の受注拡大を図ってまいります。パネルでは階段室ユニット製造や小屋裏界壁ユニットパネルといった省施工における新規取り組みの拡充、プレカットにおいては、次期に予定するプレカットラインの更新に向け、非住宅物件加工のキャパシティアップを含めた増産体制や更なる生産性向上に向けた体制整備を進めることに加え、2024年問題への対策として荷役スペースを増床(木造倉庫新設)し、物流問題への対策を講じてまいります。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、売上高営業利益率及びROE(株主資本利益率)を経営の重要指標として捉えており、売上高営業利益率3%、ROE5%以上の達成を目標としております。
 そのために、木材に特化した高い技術力を背景に、卓越した品質基準のもと、付加価値の高い製品群の拡充、非住宅分野といった新たな事業領域の拡大、そして当社の強みである内装建材事業、木構造建材事業の二つの事業の融合を図り、安定かつ持続的成長を目指しております。資本コストに関しては、不透明な経営環境が予測されるなか、自己資本は現状の水準を維持することに加え、将来のための投資及び株主価値の向上に資する配当政策を勘案し、事業効率を重視した経営を進めております。

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