企業兼大株主セガサミーホールディングス東証プライム:6460】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

2004年10月1日、株式会社セガとサミー株式会社は、両社の経営資源を統合し、企業価値を最大限に高めることを目的に両社の持株会社となる当社「セガサミーホールディングス株式会社」を設立しました。その後、様々な経営施策により事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応する体制及び将来の成長を加速できる体制づくりに努めてまいりました。各事業グループにおきましては、意思決定の迅速化を図りながら重複する機能の効率化を進め、経営資源を適切に投入できる体制を構築し、事業環境の変化に対応しながら経営効率を高めてまいります。

 当グループは、報告セグメントの区分を当連結会計年度において「エンタテインメントコンテンツ事業」、「遊技機事業」及び「リゾート事業」としておりましたが、新たな中期計画「WELCOME TO THE NEXT LEVEL!」の開始にあたり、翌連結会計年度から「リゾート事業」を廃止し、新たに「ゲーミング事業」を新設する再編を行います。これは新たな中期計画の戦略、事業ポートフォリオの観点から実施するものであり、新設する「ゲーミング事業」には、海外におけるオンラインゲーミング関連事業や既存の統合型リゾートの運営、カジノ機器の開発・製造等を集約します。

 この結果、「エンタテインメントコンテンツ事業」、「遊技機事業」及び「ゲーミング事業」を報告セグメントといたします。

 当グループの事業領域はエンタテインメントコンテンツ事業、遊技機事業、ゲーミング事業であり、全世界をターゲット市場として当グループ内の経営資源を最大限有効活用及び相互利用し、全ての世代をターゲットにした事業を行います。また、当グループでは、「ミッションピラミッド」を策定し、社員一人ひとりによる施策の確実な遂行を促すことで、経営目標の達成並びに企業価値の向上を図っています。

(2) 目標とする経営指標及び中長期的な経営戦略についての経営者の認識

当グループでは、2030年に目指す姿の実現に向けて長期ビジョンを策定しており、ミッション/パーパスとして引き続き「感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに。~」を掲げております。「感動」や「共感」が溢れる社会を私たちの開発した製品・サービスで生み出すことで、世界中の人々の生活に「彩り」を提供し続けることが私たちの使命であり、私たちが社会に在り続けられる理由です。また、不確実性が高く将来の予測が難しいVUCAの時代において、このミッションを達成するために必要なことは、変化に適応するに留まらず、変革を起こし続けることです。そのために私たちは革新者であり続けることを目指し、「Be a Game Changer」というビジョンも併せて掲げております。各事業における長期戦略といたしまして、エンタテインメントコンテンツ事業につきましては、「セガブランド価値向上」を目指し、遊技機事業につきましては、「業界No.1の地位確立」を目指します。また、ゲーミング事業につきましては、「第3の柱となる事業の確立」を目指します。そして、全社の長期ビジョンとして、5つのマテリアリティ(重要課題)への対応もグループ一丸となって取り組みを進め、サステナブルな経営を目指してまいります。


 2024年3月期までの前中期計画につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に起因するグループ構造改革からの立て直しの意味を込めて「Beyond the Status Quo」というスローガンを掲げましたが、この3ヵ年で一定の成果を挙げることができました。

 こうした状況を受けて、2025年3月期からスタートする新・中期計画については、「WELCOME TO THE NEXT LEVEL!」というスローガンを掲げます。このフレーズは、1989年にセガが発売したゲーム機メガドライブを、北米向けにGenesisとして販売する際のプロモーションに採用したフレーズです。メガドライブは、当時、家庭用ゲーム機として他社に先駆けて16ビットCPUを搭載し、一時期は北米販売シェアでナンバー1になるなど、セガの歴史の中で、最も普及したコンソール機となります。新・中期計画では、このフレーズに表されるとおり、セガサミーグループを次のステージにレベルアップさせていくという強い意志を込めております。

 新・中期計画では、目標とする経営指標として2025年3月期から2027年3月期の3ヵ年の累計で「調整後EBITDA2,300億円超」、同3ヵ年の平均で「ROE10%超」達成を目指します。

 これらの目標達成のため、事業ポートフォリオの強化を進め、各事業の位置づけをより明確化していきます。成長投資を進める領域としては、引き続きエンタテインメントコンテンツ事業におけるコンシューマ分野と、ゲーミング事業への投資を進めます。そして、その成長投資を支えるのが、遊技機事業等から創出される豊富なキャッシュフローとなります。遊技機事業から創出されるキャッシュフローを、成長を続けるコンシューマ分野、そして新たな事業の柱を構築すべくゲーミング事業に投資をしていくことで、企業価値の向上を実現いたします。

 調整後EBITDAの詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」をご参照ください。


 <財務戦略の考え方>

資本効率重視の経営を実現すべく、利益成長として調整後EBITDAで累計2,300億円超を目指すとともに、エクイティスプレッドを上げ、このエクイティスプレッド拡大と適切な株主還元を通じて、TSR(株主総利回り)の拡大と、企業価値の最大化を目指します。新・中期計画においても、成長投資と株主還元、この二つをバランスさせながら、最適な資本構成を維持してまいります。


<成長投資及び株主還元の考え方>

 新・中期計画スタート時点の運転資金を除いた資金及び中期計画期間中の3ヵ年で稼ぐ営業キャッシュフローを、成長領域への投資及び戦略投資に活用していきます。

 株主還元の基本方針は引き続き、DOE3%以上を据えながら、利益成長に応じた還元を実施すべく総還元性向50%以上としております。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。



「WELCOME TO THE NEXT LEVEL!」のアクションプラン

①全体の戦略について

 エンタテインメントコンテンツ事業におけるコンシューマ分野を成長分野、遊技機事業を基盤事業として位置付けています。成長分野であるコンシューマ分野においては積極的な投資を通じてPillarの拡大、開発・商品力強化等を図っていきます。一方、基盤事業である遊技機事業においてはシェア拡大による収益基盤の強化及び安定化に取り組みます。また、ゲーミング事業は事業としての確立及び調整後EBITDAの黒字化をを目指します。

②各事業の戦略について

エンタテインメントコンテンツ事業におきましては、ゲーム以外にも、映像、ライセンスによるマーチャンダイズの展開といったTransmedia戦略を強化していくことでPillarのさらなる拡大を図ります。加えて、Pillarを、モバイルを中心としたGaaSとしてグローバル展開することにも取り組みます。また、主力Pillarのほか、Legacy IPや映像IPへの投資も行い、長期的な成長の柱と期待しているSuper Gameに対しても、適切な資源配分バランスを意識しながら投資を行います。欧州事業においては、「Football Manager」や「Total War」等に投資し、主力Pillarとしてさらなる成長を目指します。


 遊技機事業におきましては、開発費低減に向けた取り組み、固定費水準の低下に資する各種施策を実行し効率的な体制を整備してまいりました。新・中期計画期間においても、この体制を基盤としながら、シェア拡大、並びにプラットフォーム戦略の推進を通じて、収益基盤のさらなる強化及び安定化を目指します。また、市場は長期的に縮小傾向が続いているため、遊技機業界の活性化に向けて、コスト構造の変革、並びにユーザー数の増加に取り組んでまいります。


ゲーミング事業におきましては、既存ゲーミング事業の業績改善と同時に、米国カジノオペレーター向けSaaS事業及び欧州・南米向けB2Cオンラインゲーミング事業を展開するGAN Limited買収等の成長投資を進め、新たな事業としての確立を目指します。

(3) 会社の対処すべき課題

 エンタテインメントコンテンツ事業を取り巻く環境としては、コンシューマ分野におきまして、インフレーションの進行等による経済環境の悪化から足元の成長は踊り場を迎えております。また、人件費の上昇や開発期間の長期化等によりゲーム開発コストの上昇が続いており、こうした事業環境の変化への対応が急務となっております。一方で、サービス提供形態の多様化により、デバイス・プラットフォームを問わず、全世界に向けてより長期にわたってコンテンツ・サービスを提供できる環境が整ったことから、ゲーム市場の成長に対する期待は継続しています。このような環境のなか、コンシューマ分野を当グループの成長分野として位置づけ、グローバル規模での事業展開を推進すべく経営資源の集中を進め、優秀な人財の確保・育成による開発体制の充実や良質なコンテンツの開発、IPの創出・活用によるライブラリの拡充、商品・サービスの長期展開に伴うユーザーエンゲージメント強化等の取り組みが重要な経営課題であると考えております。

 遊技機業界では、足元においてパチンコ機の稼働が低調に推移する一方で、パチスロ機については当グループの『スマスロ北斗の拳』をはじめ、スマートパチスロを中心に話題性のある機種が継続して登場していることから、高い稼働水準を維持しております。一方、長期では店舗数や設置・販売台数が減少傾向にある等、遊技機市場の縮小が続いております。このような環境のなか、市場ニーズに応える製品の開発に取り組むことに加え、遊技機の部材共通化を進め、リユース等による原価改善や開発の効率化に取り組むことによる収益性の確保と、メーカー・ホール双方のコスト低減やユーザー数増加に資する取り組み等を通じた市場活性化の両立が経営課題であると考えております。

 ゲーミング事業では、海外におけるゲーミング機器販売において、各国・地域における法令・レギュレーションを遵守し、当局承認の取得・維持を行う必要があります。また、2023年11月に発表した、オンラインゲーミングの統合プラットフォームプロバイダーである米国GAN Limitedの買収手続きを完了し、今後、ゲーミング事業を第3の事業の柱として確立することが経営課題であると考えております。

 また、引き続き資本効率を意識した上で、成長投資と株主還元を行うことにより、企業価値の向上を実現することが経営課題であると考えております。

 当グループは、「感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに。~」というミッションを掲げ、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指しております。2020年10月には、事業に紐づいた重要課題を外部のフレームワーク「SASBモデル」を用いて、以下の取り組むべき5つの重要課題(マテリアリティ)について特定しました。2022年5月にはサステナビリティビジョン「サステナビリティもカラフルに」を策定しました。引き続き当グループとして、ESG(環境、社会、ガバナンス)が掲げる持続可能な社会の実現に対応することが経営課題であると考えております。

・人(感動体験を創る人が育つグループへ)

・製品/サービス(安心・安全かつ革新的な製品/サービスの提供)

・環境(気候変動への対応を戦略に)

・依存症(依存症や障害を防ぐ)

・ガバナンス(サステナビリティガバナンスを強化する)

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